2022年2月2日水曜日

米国務省のファクト・シートに対するロシア側の反論:ファクト対虚構 ― ウクライナに関するロシアのガセネタ

 

米ロ間の情報戦争を見ていると、事実だと称する内容がとんでもない虚報であったり、虚報だと思われていた事柄が実は文字通りに真実であったりする。「事実」(ファクト)という言葉は本来の言葉の定義とはまったくかけ離れた意味合いで、つまり、一見真実であるかのように大っぴらに使われている。

戦争においては嘘をつく場合はとてつもなく大きな嘘をつき、それを繰り返すことが鉄則であると言う。歴史的にもそういった事例が多く見られる。そして、今はウクライナをめぐってさまざまな情報が連日飛び交っている。

このような状況はウクライナ紛争をめぐる場面だけの話ではない。新型コロナの大流行においてもさまざまなガセネタが行き交ったことは誰にとっても記憶に新しい。インターネット時代にある今、われわれ一般大衆が享受するインターネットの恩恵と世界を指導していると自負するエリートたちがインターネットを駆使して洗脳のために使うプロパガンダとは同じコインの表と裏の関係であると言えそうだ。

今や、情報の伝わり方は非常に速い。一片の情報は一日の内に全世界に広がってしまう。今日の情報伝達の速さと連日飛び交っている情報量は、米国を除いて、全世界を荒廃させた第二次世界大戦の前夜とはまさに雲泥の差だ。

そんな中、われわれ一般庶民が手にする情報の質を見ると、まさに玉石混交である。情報の真偽を確かめ、ガセネタに惑わされないようにしなければならない。ウクライナをめぐってロシアとNATOとの武力衝突が喧伝されている昨今、さらには、新型コロナの大流行が収束にほぼ近づいて来た今、この感触は誰もが感じ取っている筈だ。

ここに、「米国務省のファクト・シートに対するロシア側の反論:ファクト対虚構 ― ウクライナに関するロシアのガセネタ」と題された記事がある(注1)。

ところで、一言付け加えると、この記事における「ロシアのガセネタ」とは「西側が言うところのロシアのガセネタ」と言う意味である。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

さまざまな情報が行き交い、真実と思われる情報がガセネタであったり、ガセネタだとこっぴどく批判されていた情報が真実を伝えていたことが判明する昨今、この投稿はウクライナ内戦の深層を吟味し、より本当の姿を理解しようとする上で少なからず役に立つのではないかと思う。

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ロシア連邦外務省発。

120日、@StateDept(米国務省)はウクライナに関するロシアのガセネタについて「ファクトシート」を発表した。(https://is.gd/QBgF3i)

この文書に記載されている内容はどれを取り上げてみても批判的な解析には到底耐えられそうにはない。

上述のファクトシートに対する我々の反論をここに示そう。願わくば、米国やNATOにおけるわれわれの同僚は当方の反論を注意深く吟味するために十分な時間を割いて貰いたいものである。

 

米国務省のファクト・シートに対するロシア側の反論:

ファクト対虚構 ― ウクライナに関するロシアのガセネタ

 

米国務省が主張する「真実」:

プーチン政権の大嘘の主張はロシアの侵攻による犠牲者であるウクライナを非難している。ロシアは2014年にウクライナを侵略した。プーチン大統領はもしも要求が満たされなければその報復として軍事的な策を講ずると言って脅しをかける一方、クリミアを占領し、ドンバス地方の武装勢力をコントロール下に置き、今やウクライナとの国境周辺に10万人以上もの兵力を終結している。

その現実はこうだ:

ウクライナの状況を不安定化した責任は米国とその他のNATO加盟国にあり、彼らは2014年のクーデターを支援した。その結果、選挙で正式に選出されていた大統領を失脚させ、国粋主義者たちが政権に就くことになった。クリミアやドンバスの住民は自分たちの身の安全について危機感を抱き、ステパン・バンデラやロマン・シュへービッチの信奉者によって樹立された新政権の下で生きることは出来ないと判断した。その結果、クリミアはロシアへ併合され、ドネツクとルガンスクの両地域は独立を宣言し、キエフ政府はこのドンバス地域に対して内戦状態を引き起こし、それが今でも続いている。


米国務省が主張する「真実」:

モスクワ政府はウクライナとの国境に10万人以上の兵力を集合することによって現行の危機を誘発した。ウクライナ側の国境地域にはこれに匹敵するような軍事行動はない。ロシア軍およびその諜報機関はウクライナに向けてガセネタを発信し、ウクライナやウクライナ政府高官はロシア・ウクライナ関係における攻撃者であると描写している。ロシア政府は世界中をトリックにかけ、ウクライナの行動は世界規模の紛争を引き起こしかねないと信じ込ませ、ロシア市民にはウクライナにおける軍事行動は必要不可欠であると思い込ませようとしている。ロシアは自分自身の攻撃性について他者にその責任をなすりつけようとしているが、軍事行動を縮小し、外交を通してこの危機を平和裏に終わらせるのはモスクワ政府の責任である。モスクワ政府は2014年にウクライナに侵攻し、クリミアを占領し、ウクライナ東部での紛争に今も油を注いでいる。これはロシア人の典型的な行動パターンをなぞるものであって、この地域の国の主権や領土を侵害している。たとえば、2008年にはジョージアの領土の一部に侵攻し、占領した。さらには、ロシアはモルドバから兵力と軍需品を撤収するという1999年の約束を履行してはいない。モルドバにおいては政府からの同意も無しにロシアは軍の駐留を続けている。

 その現実はこうだ:

キエフ政府は西側と共謀してロシアはドンバス地域における紛争の当事者として描写しようとしている。しかしながら、「Package of Measures」文書の第2パラグラフに示されているように、(仲介しようとする)関係各国はキエフ政府とドネツクおよびルガンスクとが軍事的な問題に関する紛争当事者であると認識している。それだけではなく、紛争の決着に関する他の全ての事柄に関しても言及している。OSCE との関係で言えば、ロシアはドイツやフランスと並んで「コンタクト・グループ」(CG)およびノルマンディー・フォーマットにおける仲介役でもある。

米国およびNATO 諸国はウクライナで自分たちが行っている軍事展開から国際社会の関心を逸らせるためにそうしているのだ。ウクライナとその同盟国の武装兵力はロシア国境の周辺地域において軍事行動を活発化させており、多国籍軍による大規模軍事演習を行っている。今年は演習が10回も行われる予定で、これは20211214日の法律に記載されており、2022年には外国の武装兵力をウクライナへ受け入れるとしている。本法律は軍事演習の規模を著しく拡大することを明記している。事実、演習への参加兵士の数は2倍となり、機材の投入量は何倍にも膨らむこととなる。

これらの行動は「Package of Measures」文書の第10パラグラフとの間で矛盾をもたらす。このパラグラフは外国からの軍隊はすべてがウクライナの領土から撤退することを明記している。

ロシアがジョージアの一部を占領し、モルドバからの撤退を拒否しているという主張はまったくの嘘である。アフカジアと南オセチアはトウビリシ政府の攻撃的な政策の結果として独立を勝ち取り、ロシア軍はこれらの国々との相互の同意に基づいてジョージア政府からの攻撃を阻止するために駐留している。トランスニストリアからの軍隊の撤退が完了する時期はキシナウ政府とティラスポリ政府との間の紛争が解決するかどうかにかかっている。このことはOSCEの文書に正式に記載されており、米国も参画している。


 米国務省が主張する「真実」:

戦闘経験が豊富な戦闘部隊や周囲を納得させるだけの無難な説明もできない攻撃的な武器を持った10万人以上の兵力をロシアは先に侵略した国家の国境付近へ配備し、いくつもの地域を依然として占領していることは単なる兵力の展開とは言えない。それはウクライナの主権と領土に対するロシアによる明らかな、そして、新たな脅威である。この兵力の増強はウクライナ政府の信用を低下させ、さらなる侵攻の口実を作り出すためのロシア側の活発なガセネタ策と連携して行われている。

その現実はこうだ:

ロシアは自国の領土内で軍事演習を行い、軍隊に対しては抜き打ち検査を実施する。その一方、米国は自国の領土から何千キロも離れた東ヨーロッパへ兵力や武器を配備し、それによってヨーロッパの安全保障と戦略の安定性を損ない、ドンバス地域に居住する自国民に対するキエフ政権による攻撃的な軍事行動を扇動している。

 

米国務省が主張する「真実」:

米国とロシアは化学兵器条約の締約国である。この国際条約の下で要求される義務に基づいて、米国は化学兵器を使用しない。しかしながら、ロシア政府は反対派を暗殺するために二度も化学兵器を用いた。そういった事例には国外でのケースも含まれる。ロシアが行ったウクライナ東部において紛争を助長することよりも、米国はむしろ2014年以降同地域ではモスクワ政府による攻撃によって影響を被った人たちに対する人道支援として35千百万ドル以上を提供した。ロシア側は高官の言葉だけではなくプロパガンダ用テレビ・ラジオ局を用いて、軍事行動のための口実を作り出すために真っ赤な嘘を故意に広げている。

その現実はこうだ:

われわれは誰もが知っている。独立国家への侵攻を行う前に米国当局がどのようにガセネタを用いるかを。たとえば、米国がイラクへ侵攻するための口実としてコリン・パウェルが使ったあの悪名高い小さな管のことを思い起こしさえすれば十分だ。米国が人道支援として提供したとする上述の金額はドンバス地域の住民のためにロシアが提供した巨額の支援に比較すると、大海に注がれる一滴の水でしかない。

 

米国務省が主張する「真実」:

ウクライナ政府による脅威を受けているとするロシア人集団や親ロシア派の話し手からは信用することができるような報告はない。しかしながら、ロシアの占領下にあるクリミアやドンバス地域においてはウクライナ人は厳しい弾圧や恐怖の中で自分たちの文化や国籍および生命に対する弾圧に直面しており、彼らの報告は信用するに値する。クリミアでは、ロシアはウクライナ人にロシア国籍を取得するよう強要し、国籍を取得しないならば財産が没収され、医療サービスの恩恵は受けられず、職場さえも失う。ロシアによる占領またはコントロールに対して平和裏に反論を呈する者は根拠もなく投獄され、警察は彼らの自宅を襲い、公に人種差別的行為を行い、場合によっては拷問を加えたり、虐待する。宗教上および民族上の少数派は「急進派」とか「テロリスト」として調査の対象となり、訴求される。

その現実はこうだ:

ウクライナ国内のロシア語を喋る市民に対する権利の侵害はその数が何百万件にもなっており、恐ろしい規模に達している。同国政府は言語、教育、ならびに、いわゆる「先住民族」に関して人種差別的な法律を定め、生活圏のあらゆる場面からロシア語を締め出そうとしている。20218月、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は外国人嫌いが否定し難い程に高まった際にロシア語系住民はウクライナから去るようにとさえ述べた。また、20216月、国家言語の防護を担当するコミッショナーであるタラス・クレメンは言語法に反対する者は「この国の領土から去ることができる」と言った。

人権問題については、通常、非常に献身的である米国がロシア語系ウクライナ人と直面した場合には、広く知られている人種差別を認めようともしないのはいったい何故だろうかと誰もが不審を抱く。恐らく、彼らはロシア人を人間として見てはいないのではないか?

クリミアにおける人権に関しては、少数民族の現状も含めて、クリミア半島のロシア復帰後に状況が大きく改善したとは言えないが、完全に変化はしている。以前の、ならびに、現在のウクライナ政府とは異なり、ロシア連邦は同半島のユニークな多文化空間を維持しようとしている。われわれの理解するところに寄れば、ウクライナ東部における人権に関する悲惨な現状から国際社会の関心を逸らせるために西側はクリミアにおける人権問題についてガセネタを広げることに躍起になっている。

 

米国務省が主張する「真実」:

バイデン大統領はプーチン大統領と二回会談し、米国の高官らは現状を平和裏に解決するために総括的な外交努力の一部としてロシアやヨーロッパと十何回もの高官レベルの会合を持った。

その現実はこうだ:

「総括的な外交努力」という文言をここに持ち出すことは、良く言ってさえも、偽善的であり、見掛け倒しである。安全保障の保証とロシアとNATO 諸国間の安全保障を確実にすることに関してわれわれがふたつの条約草案をワシントン政府へ送付した昨年の1215日以降、米国はロシアが提案した個別の主なパラメータについての議論をそれぞれ異なる専門レベルで、さまざまな進め方を行って、あからさまに長引かせようとした。間をあけて、ロシア側の文書によって提起されている問題点の核心について答える代わりに、ホワイトハウスと西側の同盟諸国はロシアを「攻撃者」、「文明の高いヨーロッパの敵」、および、国際的な安定性に対する「脅威」であると称して、極めて毒を含んだ情報を流し、プロパガンダ作戦を開始した。われわれの経済を疲弊させ、ロシアに対する組織的な挑戦を形成することを目的に「痛みが大きい」経済制裁によるロシアへの際限のない脅迫に加えて、これらすべてが行われた。セルゲイ・ラブロフ外相とアントニー・ブリンケン国務長官の会談が行われる前夜に国務省が発行した「推奨事項」は大っぴらな挑発そのものであると解するしかない。安全保障に関する会談後の記者会見でラブロフ外相はロシアの取り組み方について詳細を説明した。(hyperlink  https://www.mid.ru/ru/foreign_policy/news/1795493).

 

米国務省が主張する「真実」:

NATOは防衛のための同盟であって、その目的は参加国を防護することである。

その現実はこうだ:

この軍事同盟は国際法に逆らう行動を起こして、その名声を失墜させた。つまり、NATO加盟国によるユーゴスラビアに対する軍事行動やイラクやアフガニスタンへの侵攻、有志国家による同盟軍によるリビアに対する野蛮な破壊行為、等だ。これらの行為は「防衛」とは何の関係もない。

NATOが持つ防衛という特性に関して2002年にロシアのウラジミール・プーチン大統領が述べた事柄を参照することは文脈からまったく排除され、ロシアとNATOとの協力を企てた期間にも影響を与える。それ以降のNATOのロシアに対する攻撃的な政策ならびに東方への拡大はこれらの意図を完全に壊した。

 

米国務省が主張する「真実」:

NATOは新しい参加国を迎え入れないとは決して約束してはいない。

その現実はこうだ:

199029日、エドワルド・シュワルナゼソ連外相との会談中に米国のジェームズ・ベーカー国務長官は「NATO軍の東方への拡大は1インチたりともしないであろう」という実に堅固な保証の言葉を述べた。1990210日、ドイツのハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー外相はエドワルド・シュワルナゼに「NATOは東方へは拡大しない」ことを保証した。同日、ドイツのヘルムート・コール首相はミカイル・ゴルバチョフとの間でこのことを確認した。米国務長官のジェームズ・ベーカーは1990213日の状況説明会でワシントン政府はドイツの統一やドイツをNATOに迎え入れることに好感を抱いており、同軍事同盟がさらに東方へ拡大しない用意ができていると言明した。これらの保証内容はすべてが会合の議事録から見い出すことが可能であって、今日これらの文書は一般大衆にも入手可能である。

 

米国務省が主張する「真実」:

NATOの拡大はロシアに対するためのものではない。

 その現実はこうだ:

過去20年間、NATOの同盟軍はすべてに関して正確に東方戦線のみに集中してきた。この軍事同盟のロシア国境への接近は軍事的インフラの創設と改善、大西洋を越す移動も含めた大部隊の速やかな移動、ならびに、ふたつの目的(訳注:これは自衛ならびに攻撃を指す)を持ったミサイル防衛施設をルーマニアに設置することと同時進行で行われてきた。ポーランドにおけるミサイル防衛施設の設置は目下進行中である。大型の武器を格納する地下施設の建設は東欧のNATO参加国で進んでいる。これらの国々では外国軍の駐留に機会が与えられ、1997年の「NATO・ロシア基本議定書」の文言には触れてはいないにしても、議定書の精神を危機一髪で阻害するところにまで来ている。

黒海へ面してはいない国の艦船が黒海へ入って来ており、それらの国々からの艦艇の数は著しく増え、この海域をもうひとつの不安定な海域へと変貌させている。以前は穏やかで平和的であった黒海は今や軍事衝突の舞台となった。NATO加盟国の偵察機の飛行が頻繁になって、民間航空機の飛行には脅威となってさえいる。

同盟軍は定常的にわれわれの国境付近で軍事演習を行っている。昨年だけでも、120回もの演習が行われ、それらの演習では攻撃的なシナリオが採用され、ロシアは仮想敵国として想定された。

NATO極めて攻撃的なパートナー政策を求め、フィンランドやスウェーデン、ウクライナおよびジョージアに目くばせをしている。その一方、中央アジアでは踏み場を構築しようと試みている。また、NATOは潜在的にバイオ・ハザードを引き起こしかねない施設を構築している。

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これで全文の仮訳が終了した。

陳腐な言葉かも知れないが、この記事を読んで「戦争の最初の犠牲者は真実である」という言葉を否が応でも思い起こす。戦争を開始しようとする勢力はどうしても真実を歪曲するしかない場面に遭遇する。歴史を紐解けば、豊富な事例を見ることができる。巷では誤解されるであろうことを承知の上で言うとすれば、米国務省とロシア外務省とが展開している上記の口喧嘩を見ると、米国による長い戦争の歴史を言及するまでもなく、米国こそが戦争を仕掛けていると言わざるを得ない。

良心的な読者の皆さんは多くが早急な判断を避けることであろう。要は、より多くの情報を集めた上でご判断いただきたいと思う。ここに掲載した情報は数多くの材料のひとつになるだろうと思う次第だ。

もう一件。最近の動きの中でもっとも重要と思われる件についても触れておこう。

ウクライナを東西勢力間の綱引きの舞台にしている限り、ウクライナには平和は永遠にやって来ない。地理的にロシアの隣に位置していることから、ウクライナはそういう地政学的な宿命を背負っている。その意味では、ウクライナの平和に関しては米国とロシアの両国が最終的な責任を担っている。「ロシアよ、アメリカよ、しっかりしてくれよ!」と私は言いたい。そのような観点から、一本の記事が非常に興味深い情報を伝えていることに気付いた。それは「ウクライナを中立にせよ ― ドイツ国会議員の言」という表題をもった記事だ(原題:Make Ukraine neutral - German MP: By RT, Jan/30/2022)。中立国家にするということはウクライナをNATOへは迎え入れないということだ。

ドイツ首相が近い将来米国を訪問し、国内問題で多忙を極めているバイデン大統領と会談することになったと報じられている。議題はふたつ。ウクライナ情勢とノルドストリーム2だ。個人的な推測となるが、上記のドイツの国会議員の発言はドイツ首相の訪米を意識したものなのではないか。たとえ短期的な策であろうともウクライナに平和を呼び込めるかどうか、たとえそれが単なるきっかけであるとしても何らかの成果が得られるかどうかが当面の最大の関心事である。

さらに、今回の引用記事との関連でもう一件。読者の皆さんは「フェースブックが真実を認める ― ファクトチェックは実際には単なる(左翼の)意見に過ぎない」と題された記事をご存じだろうか(原題:Facebook admits the truth: Fact checks are really just (lefty) opinion: By New York Post, Dec/14/2021)。新型コロナの渦中ではさまざまな意見や情報が飛び交っていたが、フェースブックは「ファクトチェック」という機能を働かせて情報検閲を行い、彼らに都合が悪い情報をソーシャルネットワークから締め出すことに余念がなかった。その結果、情報の消費者であるわれわれ一般大衆はエリートたちが流布したいと思う情報にだけ接することが可能で、反論となるような批判的な情報には接することができなくなった。このフェースブックによる恣意的な情報操作によって、球形の地球があたかも平らな地球に戻ってしまったかのような感じであった。しかしながら、ジャーナリストのジョン・ストッセルがフェースブックを起訴したことによって、左翼による偽情報との闘いはとんでもない茶番劇であることを露呈してしまったのである。


参照:

1Response to the US Department of States fact sheet: Facts vs. Fiction: Russian Disinformation on Ukraine: By The Saker, Jan/22/2022

 




2022年1月25日火曜日

ロシアとの戦争はどのようなものとなるか?

 

ウクライナとロシアとの間には険悪な状況が現れ、その程度は時間がたつにつれてさらに悪化している。ロシアにとってはウクライナの戦闘能力を無力化することは軍事的には容易いことだと言われている。しかし、たとえ軍事的にウクライナを惨敗させたとしても、国際政治上ではロシアは大きな非難を浴びて、孤立することが目に見えている。それでは、結局のところ、政治的にはロシアの負けである。ロシアは国際的な地位を今以上に劣化させてはならないからだ。

そして、ウクライナの背後にはNATOが居る。ウクライナに比べてロシアが感じるより大きな懸念はNATO軍との戦争であると専門家は言う。ロシアとNATOとの間に全面的な戦争が起こると、最終的にはNATO軍が壊滅の憂き目にあい、ロシア軍が勝利するだろう。これも、軍事専門家の見方だ。

ここに「ロシアとの戦争はどのようなものとなるか?」と題された最新の記事がある(注1)。巷にはこのテーマに関してはさまざまな見方があるが、この問いかけに対する答えは、もちろん、あなたが拝聴しようとする相手によって大きく相違する。まずは、お互いに異なるさまざまな見解を理解し、整理してみることが肝要であろう。

ジュネーブで111日に米ロ高官による会談が始まった。ロシア側はロシアの安全保障を保証するための米国との枠組みに関して自分たちが前もって練り上げた具体案を事前に米国側に示していた。これはロシア側からの最後通牒であると見なされている。その核心はNATOがさらに東への拡張はしないという点にある。つまり、ウクライナをNATOのメンバーには加えないという約束を米国から取り付けることだ。米国側は何らかの返答をしなければならないのであるが、ジュネーブでの米ロ高官の会談は何の成果も見ずに終った。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。

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ウェンディ・シャーマンは月曜日(111日)にジュネーブで始まるロシア高官との会談における彼女の目的は過度な自信を抱くことがもたらす対価について彼らに講義をすることにあると考えているようだ。ところが、スコット・リッターは彼女は米国やNATOおよびEUを破滅の道に招きかねないと警鐘を鳴らしている。

Photo-1:公式の会談が開始となる前に米国の国務副長官のウェンディ・シャーマンはロシアの外務副大臣のセルゲイ・リアブコフと日曜日にジュネーブで会い、ワシントン政府は「外交による純粋な進展を歓迎するであろう」と彼に伝えた。(ジュネーブでロシア側代表団)

もしもある根本的な外交交渉が最初から失敗する運命にあったとすれば、それはまさにウクライナとロシアの安全保障に関する米ロ間の話し合いのことを指している。

両者は会談の議題についてさえも同意することができない。

ロシア側の観点からは、状況は実に明白だ。つまり、「ロシア側は明白な立ち位置を携えてここ(ジュネーブ)へやって来たのである。その立ち位置にはいくつかの要素が含まれているが、それらは、私の考えでは、理解可能であり、(高い水準も含めて)明白に組み立てられている。われわれの提案から逸脱することは単純に言ってあり得ない」とロシアの外務副大臣を務めるセルゲイ・リアブコフが米国の代表団を指揮するウェンディ・シャーマン国務副長官によって開催された日曜日の夕食会の後で記者団に向かって述べた。

ロシアのウラジミール・プーチン大統領はロシアの安全保障を西側が保証することに関して12月初めにジョー・バイデン米大統領に向けて要求を示していた。この要求は後にロシア側がその詳細をふたつの条約の形で書き上げた。そのひとつは米ロ間の安全保障条約であり、もうひとつはロシアとNATOとの間の安全保障の合意である。

後者はウクライナのNATOへの参加を禁止し、北大西洋軍事同盟の東方への拡大は如何なるものも排除することを意味する。また、リアブコフは、両陣営が会合を持っている間に何らかの結論を得るために米国はこれらの提案に速やかに着手するべきであると簡潔に述べた。ところが、この会合が月曜日に始まろうとしている今でさえも、米国が何らかの決断をしたようには見えない。

「会談は困難なものとなろう」とリアブコフは夕食会の後で記者たちに向けて言った。「彼らは容易い相手ではない。彼らはビジネスのように取り組むであろう。明日は時間を浪費してはならないと私は思う。」ロシアは妥協する用意があるのかと質問され、リアブコフは簡潔にこう答えた。「米国側こそが妥協する用意をするべきだ。」

米国がどうしてもやりたいと思うことは、もしもロシアがウクライナへ侵攻したら、「深刻な結果」が待ち受けていることをロシアに思い起こさせることにあるようだ。それは米国とNATOが恐れていることが身近に迫り、何万人もの兵力が関与するロシア軍の演習が最近この地域で行われたからであった。この種の脅しは、近く行われる首脳会談の枠組みを話し合うためにプーチンがかけた電話での際も含めて、バイデンはプーチンに対して何度か行っている。

さらには、リアブコフ・シャーマン会談の前夜、トニー・ブリンケン米国務長官はもしもロシアがウクライナへ侵攻したらロシアは「甚大な結果」に直面するだろうと述べ、これらの脅迫をさらにもう一度単純に繰り返した。

プーチンについて言及しながら、「彼にはふたつの道を提供したことが明らかである」と言った。「ひとつは外交と対話を通してだ。もうひとつは抑止力によってだが、もしもロシアがウクライナに対する攻勢を再開したらロシアには甚大な結果が待ち受けているだろう。われわれはプーチンがどちらの道を選ぶかについて今週試すことになる。」

歴史の教訓:

Photo-21941623日、前線へ向かうソ連軍兵士。看板:「われわれの大義は正義にある。敵を蹴散らかせ。われわれの勝利だ!」(Anatoliy Garanin .License: CC BY SA 3.0.)

ロシアの真意を読み取ろうとする時、バイデンとブリンケンは二人ともまさに唖で、愚か者であり、盲同然である。

リアブコフはロシア人にとってはすでに明白となっている事実をそれとなく言った。つまり、正真正銘な国家安全保障に関するロシア側の関心には妥協の余地はまったくない。もしも米国がロシアを個々の加盟国の安全を脅かす唯一の敵であると見なす軍事同盟における戦力の増強はロシアにとって如何に脅威であるかを理解することができないならば、1941622日の出来事が如何にして今日のロシアの心情を形作ったのか、ロシアは何故そのような状況が二度と起こることを許さないのか、どうして今回の話し合いが始まる前にすでに失敗に終わったのかについてはまったく理解できないであろう。

米国の脅威に関してはロシアはすでに回答をしている。ロシアを制裁しようとする試みは如何ななるものであってもそれはロシアと制裁国側との関係に「完全な断絶」をもたらすことになろうと。誰も歴史を専攻する学生である必要はない。ふたつの当事国の間の「完全な断絶」の後にやって来る論理的な段階は一方の国家の、あるいは、両方の国家の安全保障に対する脅威を巡る事柄で対立し、平和的な関係を再開することはできずに、戦争に走るしかない。

モスクワにおける米国務省の見栄っ張り連中には当たり障りのない言い方は見られず、むしろ、彼らは冷たく硬派な態度で事実を表明している。つまり、ロシアの要求を自己責任で無視している。最悪の事態はロシアがウクライナへ侵攻することであると米国は考えているようだ。その場合、ロシアは経済制裁を受け、軍事的脅威の下で疲弊することとなる。

ロシアが考える最悪の事態はNATOとの軍事紛争である。

一般的に言って、軍事的紛争の現状に関してもっともよく準備した側が勝利を手にする。

ロシアはこの種の可能性に関して1年以上をかけて準備して来た。戦争準備が整った10万人以上の兵力を短期間に召集する可能性を繰り返して内外に示して来た。その一方で、NATO69か月間にも及ぶ真剣な準備の結果、やっと3万人を招集することができることを示した。

戦争の形:

Photo-3:ロシア空軍のスホイSu-24(mil.ru/Wikimedia Commons)

ロシア・NATO間の紛争はどのようなものとなるのだろうか?手短に言うと、それはNATOが準備して来たものにはなりそうもない。そのような場合、NATOにとっては時間稼ぎが最強の援軍である。時間を掛けることによってロシア経済を疲弊させ、NATOにとってはロシアの通常兵器に匹敵するだけの兵力を準備することが可能となって来る。

ロシアはこのことを良く知っており、ロシア側の行動はすべてが迅速で、かつ、決定的なものとなるように計画するであろう。

もしもそういった事態になったならば、何よりもまず、ロシアがウクライナへの侵攻を決心する際には、彼らは成功裏に実行するために必要な十分な資源を当てがい、十分に考え抜いた行動計画を実践することであろう。ロシアはウクライナにおいて軍事的な間違いを仕出かすことはないだろう。そんな間違いをしたならば、アフガニスタンやイラクにおいて米軍が経験したように泥沼に引き込まれる可能性があるからだ。ロシアはそれよりも以前の米国の軍事行動(たとえば、砂漠の嵐作戦や第一次湾岸戦争)を研究し、そういった紛争から得た教訓をしっかりと心に刻んでいる。

敵国を破壊するのにはその国の領土を占領する必要はない。敵国の領土を占領する代わりに、その国の国力を壊滅するような戦略的な空爆こそが取り得る最高の作戦だ。つまり、それが経済、政治、軍事上の能力であろうと、あるいは、それらのすべてであろうとも、敵国の軍隊を潰すべく計画された陸上作戦と組み合わせて実施する。

ミサイルによる精密な攻撃に裏打ちされているロシアは圧倒的な軍事的優位性を持っていることからも、ウクライナに対する戦略的な空爆作戦を行えば、米国が1991年にイラクで1か月以上をかけて達成した事柄を数日の内にも達成することができるであろう。

地上では、ウクライナ軍の壊滅は保証付きだ。単純に言って、ウクライナ軍は大規模な地上戦に向けて装備し、訓練して来たわけではない。同軍は順次に壊滅され、ロシア軍はウクライナの守備軍を殺害することよりもウクライナ兵士の捕虜の取扱いにより多くの時間を費やすことになろう。

しかしながら、ウクライナに対するロシア軍の作戦が大規模なNATOとの紛争において成功するには、ふたつの事柄がおこらなければならない。つまり、ウクライナは現代的な国民国家としての存在を失うこと、ならびに、ウクライナ軍の壊滅は一方的で急速に起こることのふたつだ。もしもロシアがこれらのふたつの事柄を達成することができるならば、ロシアはNATOを相手にした総合戦略上の立ち位置を確立する上で次の段階へ移行する。つまり、威嚇へと進むことが可能となる。

米国、NATOEUおよびG7はいずれもが「前代未聞の制裁」を約束したが、制裁は相手がそれを気にする時にだけその効力を発揮する。西側との関係を完全に破棄することによって、ロシアはもはや西側からの制裁を気に掛けることはないであろう。さらには、たとえSWIFTによる国際決済から除外されたとしても、ロシアはヨーロッパがロシアからのエネルギー無しに耐えることができるよりもさらに長く生き残れるという現実は極めて単純な認識である。ロシアと西側との関係の断絶はヨーロッパの顧客に対するロシア産の天然ガスや原油の供給は禁輸となることを意味する。

ヨーロッパには代替案がない。ヨーロッパは苦難に喘ぐが、ヨーロッパはかっての民主主義国家で構成されていることから、政治家が償うことになる。ロシアとの対決に関して盲目的に米国に追従して来た政治家たちは、今や、誰もがナチを崇拝する連中やヨーロッパの他の国々とは共通点を何も持たず、全面的に腐敗している国家(ウクライナ)のためにいったいどうしてわれわれが経済的自殺をすることになったのかに関して有権者に対して説明をしなければならない。会話は極めて短かく終わるであろう。

NATOの解決策:

Photo-3:ドイツにおけるNATO軍の演習。(Spc. Ashley Webster/Wikimedia Commons)

もしもロシアがウクライナへ侵攻した後に米国がロシアの西方の前線に沿ってNATO軍を構築しようと試みるならば、ロシアはヨーロッパにおける既成事実を今や「ウクライナ・モデル」として知られているであろう形で再度提示することであろう。手短かに言えば、バルト諸国やポーランド、フィンランドがNATOへの参加を試みた場合、ロシアはウクライナに対する対応とまったく同じ対応をこれらの国々にも適用することであろう。

また、米国が十分な軍事力を蓄えるのに十分な時間を費やすまでロシアが待ってくれることなんてないだろう。ロシアは攻撃対象となる国家の経済機能を劣化させる空爆との組み合わせによって対抗しようとする国を単純に破壊するであろうし、陸上作戦は戦争遂行能力を削ぐために計画される。ロシアはNATO 圏を長い期間にわたって占領する必要はない。ただロシアとの国境にNATOが集結した軍事力を破壊するだけで事は足りるのだ。

ここには思わぬ展開が待ち受けている。それは核兵器を採用するには至らないという点だ。このような結果を予防することについてNATO は何をすることも出来ない。軍事的には、NATOは以前の自分たちの姿の影でしかない。かっては偉大なヨーロッパの軍隊であったが、彼らはバルト諸国やポーランドにおいて大隊規模の「戦闘グループ」を創立するために彼ら自身の戦闘組織からその一部を充当しなければならなかった。その一方で、ロシアは二つの軍隊サイズの組織を再構成した。つまり、第一防衛タンク軍団と第二十混成兵器軍団であって、これらは冷戦時代から敵地の奥深くにまで軍事行動を展開することを専門とする組織である。

たとえラスベガスであってさえもこのような状況に勝ち目を与えてはくれないであろう。

シャーマンはヨーロッパの運命を手中に握りながら、ジュネーブでリアブコフと対峙する。悲しいことには、彼女はこの機会をそのようには見てはいない。バイデンやブリンケンおよび米国の今日の国家安全保障の状況にたむろすロシア恐怖症の連中のお陰で、シャーマンは単に外交上の失敗の結果をロシア側に伝えるためにそこに居ると考えている。脅かしを与えるために。単なる言葉尻だけで。

シャーマンやバイデン、ブリンケン、ならびに、他の連中が理解しなければならないことはロシアはこういった結末をすでに織り込み済みであって、それらの結末を受け止めようとしていることは明白なのだ。そして、その結末に対応する。行動で。

シャーマンやバイデン、ブリンケン、ならびに、他の連中はいったいこのことをじっくりと考え抜いたのであろうかと誰もが不振に思うであろう。可能性としては、彼らは何も考えもしなかった。ヨーロッパにとってこのような結末は実に悲惨なものとなる。

著者のプロフィール:スコット・リッターは海兵隊の元諜報専門将校であって、軍縮条約を実行する旧ソ連邦において勤務し、砂漠の嵐作戦ではペルシャ湾で仕事をし、イラクでは大量破壊兵器の武装解除を監督した。

注:ここに掲載されている諸々の見解は全面的に著者のものであって、それらはコンソーシアムニュースの見解を反映すものあるかも知れないし、まったく反映したものではないかも知れません。

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これでこの記事の仮訳は終了した。

米英はウクライナ政府に対する武器の供給を強化している模様だ。つまり、武器を供給することによってウクライナ政府に対して対ロ戦争を煽っているのである。しかも、NATO圏全体を見ると、バルト三国を経由した供給ルートもあり、NATO加盟国が米国製の武器をウクライナへ供与することを米国は容認したとも報じられている。今まで何度も見て来た典型的な姿がここに観察されるのである。

ロシアはウクライナへの侵攻はしないとかねてから強調して来た。しかしながら、ウクライナの東部地域ではロシア語を日常語とする同胞が2014年のクーデターによって設立されたネオナチのウクライナ傀儡政権によって弾圧され、死者が多数出ている現実を見ると、ロシア国内の世論は最終的には同胞の救済という正義に駆られるのではないか。そういった世論が強くなると、モスクワ政府は今までの文言を繰り返すことはできなくなるだろう。

ヨーロッパ経済を率いているドイツにとっては安価なエネルギー源であるロシア産天然ガスを確保することは純然たる経済上の論理であって、高価な米国産の天然ガスをはるばると輸入することは論外であると思う。自ら進んで自国の国際競争力を劣化させる必要はないからだ。NATO軍がロシアとの交戦を始めたら、ロシア産天然ガスの供給は当然ストップする。ヨーロッパの冬は厳しいが、寒い冬を過ごさなければならない。経済は停滞する。これはヨーロッパの住民の大多数にとってはあり得ないカードだ。

米国の戦争屋や大手メディアは本当にロシアとの戦争を願っているのであろうか。現実には対ロ戦争を回避する意見も少なくはなく、決して一枚岩ではないことが観察される。ましてや米国の対空防衛システムでは対応ができない極超音速ミサイルを実戦配備しているロシアを相手に戦争を始めることは素人の私には自殺的にさえ見える。今まで米軍にとってはお家芸であった空母軍団は今や水面に浮かぶアヒル同然であるとさえ言われている程だ。武装兵力のバランスが最近均衡を失い、優位性の所在は正反対になったのである。そんな現実を見ると、米軍の将官らはロシアとの交戦を本当に望んでいるのであろうか?

意思決定者らの間にある総合的なバランスはいったいどちらに傾くのか?私にはさっぱり分からない。ひとたび戦争が起こると、最大の犠牲者は一般庶民であることは歴史を見るまでもなく明らかだ。ロシア・NATO戦争が起こらないことを願うばかりである。

ここまでは昨日書いた。

一夜明けて、今日は興味深い展開を目にした。昨日(124日)の報道によると、米英両国の政府はウクライナに駐在する政府職員の家族はウクライナから速やかに出国するようにと推奨した。報道の見出しによると、これは命令である。この推奨内容はウクライナ政府が数日前にロシアによる攻撃が真近に迫っているとして大声を張り上げたことを受けたもののようだ。そして、本日(125日)、それとは打って変わって、EUの外交官トップであるジョセフ・ボレルの言葉として次のような内容が報じられている。「もちろん、何もない。攻撃が迫っているという懸念を強めるような情報が何かあるとは私には思えない。」

やはり、ウクライナを巡ってのロシアとの武力紛争は起こしたくはないということがEU側の本音なのではないだろうか。


参照:

1What War With Russia Would Look Like: By Scott Ritter, Consortium News, Jan/10/2022