2021年3月10日水曜日

米国においては今や真実を見い出すことがもっとも困難である

 20年前、二つの高層建築が並んでおり、遠くからでも容易に視認できる世界貿易センタービルが旅客機の衝突を受けて約1時間後に崩落した。高さが417メートルもあるこれらのツインタワーはニューヨーク市の観光名所のひとつであった。日本の夜のニュース番組を観て、私はこれらのビルが垂直に落下して行く異様な光景にひどい衝撃を覚えた。何の情報も持ち合わせてはいなかった当初の段階においては、あり得ないことが実際に目の前で起こったことがまったく不可解で、まさに白日夢の感覚であった。

ツインタワーに加えて、不思議なことには、旅客機の衝突を受けてはいない隣接するビルも崩壊した。

ビルが崩壊した際には膨大な量の塵埃が付近に飛び散り、近くの通りや建物には塵埃が厚く堆積したという。1~2週間程してからだっただろうか、崩落事故後に人の介入は何もなかった場所から塵埃が採取され、分析に供された。分析の結果、金属の微粒子が発見されたという報道があった。これらの金属微粒子は高性能爆薬(酸化鉄とアルミニウムの粉末)が発生する膨大な量の熱によって鉄鋼が溶け、アルミニウムや鉄の溶融金属が高速度で飛散し、急速に冷却された際に形成されるものであるという解説があった。つまり、周辺に堆積した塵埃の中には古い建物を制御解体する際に使用される高性能爆薬の痕跡が見つかったのである。さらには、通りから撮影された動画が思いも寄らない状況を記録していることが判明した。航空機が衝突してから火災が起こったがビルは依然として立っていた。航空用燃料が燃焼する火災では到達温度は500650C程度であると言う。つまり、火災が発生しても鉄鋼製の構造部材が破壊されるまでにはならない。しかしながら、動画には異様な光景が見られた。火災が進行している中でビルの壁面からは規則的に配列されたかのように見えるいくつもの場所からガスが噴出する様子が捉えられていたのだ。この光景は極めて人為的に見える。

これらのふたつの出来事は人為的な破壊があったことを示唆するものであるが、政府が諮問した事故原因調査委員会の報告書はこのことに関しては何も報告してはいない。その後も追加報告はない。つまり、米政府は口をつぐむことにしたようだ。

読者の皆さんの多くはこれらの一連の出来事をよく理解しておられるだろうと思う。ところで、この種の政府による情報の隠ぺいは911同時多発テロ事件だけには限らないという厳然たる事実がある。米国内でけではなく他の国々の一般市民にとっても、この現状は大きな不満であるし、このような重要な出来事が解明されないままに放置されていることは将来に対して悪い前例を残すことにもなろう。

いったい真実は何処へ行ってしまったのであろうか?

あれから20年後の今、世界を取り巻く最大級の嘘、あるいは、最悪の情報隠しは「コロナ危機」ではないだろうか?たとえば、PCR検査の精度は確証されないままに使われている。米疾病予防センター(CDC)からは素人のわれわれにも理解可能な説明が欲しいところである。

ここに「米国においては今や真実を見い出すことがもっとも困難だ」と題された記事がある(注1)。本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。著者は著名なポール・クレイグ・ロバーツである。

***

FBIワシントン地区連邦検察のマイケル・シャーウィン検事正代行はトランプ前大統領の支持者を訴追することに余念がない。FBI連邦議会における暴動」で何らかの役割を果たしたとして150人を逮捕した。連邦議会における暴動は実際にはなかったという事実は問題ではない。これはエスタブの政策に反対する者は誰であっても潰すという動きなのである。逮捕された者たちは何の罪も犯してはいないことから、シャーウィンは彼らに対して「共謀」罪をでっち上げるべく全力を尽くしている。議会へ押し入った者は誰もいない。何人かが議会を警護する警察によって招じ入れられただけである。複数の動画によると、警察がドアを開け、人々が縦列を成して入り、中を歩き回り、外へ出た。ある動画は黒人警察官が人々を階上に導き、数人がそこでナンシー・ペローシの椅子に座ってセルフィーを撮っている場面を示している。以上が「連邦議会における暴動」のすべてだ。しかし、法を執行する高官らはトランプ派の陰謀者に対する捜査はFBI史上でもっとも大規模な事件のひとつであると言い、これはオクラホマ市での爆破事件やボストンマラソンでの爆発事件に匹敵するものだという。これら二つの事件は自作自演であったのではないかとも疑われているのではあるが。

また、動画は警察が連邦議会の中へ招じ入れた人々の中にはアンティファの活動家たちやCNNのジャーナリストが混じっていたことも示している。彼らは何人かのトランプ支持者たちを内部へ導き入れることに成功したとして、そのことを祝い、連邦議会が暴徒に襲われたことを示す証拠として動画の撮影を行った。これらの動画やリンクに関しては私は事前に彼らにも提示した。

換言すると、黒人警察官が何の理由からか彼自身に対しては何の脅威も与えてはいない元軍人の女性を射殺した事実を除くと、連邦議会では実際には何事も起こらなかったのである。他に4件の死亡が報じられているが、それらの事例は「連邦議会に対する致死的な暴力行為」と称される今回の出来事とは関係がないようである。それら4人のうちの3人は一人の女性と二人の男性であるが、彼らは「医学的に急を要する状況」が理由で死亡した。トランプ支持者のデモのように非常に大きな集団においては、これら3人が事故ではなく心臓発作のような自然死に見舞われたとしても決して不自然ではない。特に、盗まれた選挙に抗議するために今回のデモに参加した人たちの多くは年配者であった。報告されている死亡事例は暴動で手荒く扱われたり、催涙弾のカニスターや煉瓦、あるいは、暴動には付き物のその他諸々の物と関係するという報道はまったく目にしてはいない。一人の警察官が消火器で頭を殴られたと報じられているが、その詳細はまことに貧弱である。もちろん、プレスティチュートにとっては詳細な情報なんて重要ではなく、彼らの筋書は詳細な情報がなくても生き残ることができるのだ。

これらの死者はあたかもトランプによって扇動されたトランプ支持者らによってもたらされた犠牲者であるかのようにプレスティチュートは報じている。しかし、このように報じられた騒乱はトランプの演説が終わる前にすでに起こっていた。しかも、この演説会場は連邦議会からはかなり離れた場所にあった。これらの事実は連邦議会で騒乱を引き起こした連中はいったい何者であったのかという新たな疑問を生ぜしめる。もしも彼らが熱心なトランプ支持者であったとするならば、彼らはトランプの演説が行われた会場に最後まで留まっていたに違いないと誰でもが思うのではないか。

パイプ爆弾があったと言われている。もしもそれが存在し、それが必ずしもトランプ支持者を糾弾するための筋書きをさらに強化するためのもうひとつのでっち上げ材料なんかではないとすれば、親トランプのデモ参加者らがパイプ爆弾を用意したという想定はいったいどのようにしたら可能なのだろうか?彼らはいったいどうやってDNCRNCのオフィスへ近づく手段や情報を手に入れたのだろうか?本物であったにせよ偽物であったにせよ、もしもパイプ爆弾が存在していたとするならば、アンティファやFBIが自分たちが推し進める筋書きを強化するためにパイプ爆弾を用意したのではないとすれば、どのようにしてそう言い切れるのであろうか?

筋書きそのものはトランプと彼の支持者に対する武器として書き進められているので、現実に何が起こったのかに関してはわれわれは真実を知ることができない。

さて、ここでギアを入れかえてみよう。何百万ドルにも達した略奪やミネアポリスやシカゴ、アトランタ、シアトル、ポートランド、ニューヨーク、その他の数多くの都市で引き起こされた物的な破壊をご記憶であろうか?明らかに、これらの暴力的な騒乱は組織化された騒乱であった。実際に起こったこれらの騒乱や実際に行われた破壊行為、ならびに、実際に起こった殺人行為についてはFBIや連邦検事正は調査を行ってはいない。これらは「トランプの暴動」のように何とか信じ込ませようとするでっち上げなんかではない。実際に起こったことなのである。それにもかかわらず、FBIの調査は行われてはいない。連邦検事正は共謀罪を適用しようとはしていない。

他にも何かを調べる必要があるとあなたはお思いだろうか?FBIはごく普通の善良であり、控えめな米国市民を追いまわしている。彼らについては如何なる理由であっても訴追し得るかのようであり、プレスティチュートはそのことをあたかも事実であるかのように報じている。FBIは実際に起こった暴動や商店などに対する物的な破壊、実際に起こった殺人行為には関心がないようだ。FBIとシャーウィン連邦検事正代行はアンティファやブラック・ライブズ・マターズ(BLM)の活動家に対しては何の訴追も行わない。ところが、彼らは親トランプ派の米国市民やプラウド・ボーイズの連中に対しては訴追を進めている。

ロイターズの報によると、プラウド・ボーイズの指導者ではあるが、明らかに白人至上主義者ではないエンリケ・タリオは警察側の秘密の情報提供者であるという。これは本当であるかも知れないし、ガセネタであるかも知れない。プラウド・ボーイズという組織には警察の工作員が紛れ込んでいたとしても決して不思議ではない。同組織がFBIの秘密の工作員によって創立されたのかどうかに関してはわれわれには知る術もない。その一方で、組織の指導的な地位から排除するためにFBIは単にタリオを失脚させただけかも知れないのだ。プラウド・ボーイズはプレスティチュートや民主党によって「過激派組織」として悪魔視されていることから、その指導者がヒスパニック系であるということはエスタブ側の筋書きにとってはいささか不都合だ。エスタブにとってはタリオを排除し、彼に代わって白人の男を据える必要があるのだ。白人は誰もが「システム的な人種差別主義者」であることから、プラウド・ボーイズの組織が白人男性の指導者を得た暁には、同組織は「白人至上主義者による過激組織」へと一変させることが可能で、その定義上如何なる事柄に関してでも有罪と見なすことができるのである。

新型コロナにギヤを入れかえてみよう。全世界が都市閉鎖や効果がないとは言えマスクの着用を義務付け、臨床試験が満足に済んではいないワクチンの接種を急いでいる。PCR検査は新型コロナの試験を誤導するものであるとしてその検査法の開発者自身からその有効性を否認されている始末である。関係がない他の疾病によって死亡した人たちであってもすべてが新型コロナによって死亡したとして報告されている。膨大な数の人たちが都市閉鎖によって職を失い、借金を払い戻すことができないでいる。季節性インフルエンザの症例はもはや報告されず、新型コロナによる症例であるとして一緒に報告されている。このような混乱の中、新型コロナはいったいどこから来たのかという疑問は未回答のままである。

この状況は、もちろん、中国にその起源をなすりつけて中国を悪魔視する動きの一部である。ところが、事実は筋書きとは異なり、その筋書きを支えるものではない。国立衛生研究所のファウチ博士がコロナウィルスに関して機能獲得を研究するために中国の武漢研究所に資金を提供したことについては証拠が豊富に存在する。これはもはや陰謀説ではない。これは記録に残されている純然たる情報なのである。

機能獲得に関する研究はウィルスを感染し易くするためにウィルスを改変することに注目する。どうしてこのような研究が行われたのであろうか?エスタブ側の回答はこうだ。つまり、感染症が致死的な大流行を起した際にどのように対処するべきかに関して科学的な知見を得ることが重要であると言う。まずは感染性が高い病原体を作り出し、それから、その病原体から人々を防護するための手法を確立するために必要となる知見を探し求めるのだと言う。

ところで、ウィルスを感染し易く改変する研究者は不法領域であるバイオ兵器と常に隣接している。ファウチはバイオ兵器に関する協定を犯すことを回避するために開発研究を中国へ移行したのであろうか?ウィルスは武漢の研究所から漏洩したのか?それとも、ウィルスが漏洩した場合国民をコントロール下に置くために中国が全責任を取りやすくするためのひとつの設定だったのではないか?まともな調査が行われない限り、新たな陰謀論は次々と現れることだろう。

上記の話はすべてが現実からは程遠く聞こえるかも知れない。私もそのことについては同意する。しかしながら、身の回りにはいくつもの陰謀論が出回っている。いったいどれが偽りで、どれが真実か?911同時多発テロ事件では陰謀論が存在し、アフガニスタンの洞窟に隠れている男が世界貿易センターとペンタゴンの一部を破壊したのだという。サダム・フセインに対しては「大量破壊兵器」という陰謀論がある。アサド大統領に対する陰謀論は「アサドは化学兵器を使った」というものだ。ロシアに対しては「ロシアによる侵攻」や「米選挙への介入」といった陰謀論だ。米国内においてさえもトランプ前大統領に対する「ロシアゲート」という陰謀論があった。そして、今は、「連邦議会を襲った暴動」という陰謀論だ。

民主主義国家が崩壊する理由は情報操作というものは民主主義に致命的な攻撃を与える点にあるからであり、市民の自由が奪われてしまうからだ。

大統領選挙を盗まれてしまったことにトランプ支持者たちは不満を抱いたのは確かではあるが、彼らのデモが「連邦議会を襲撃した」のだというでっち上げとの関連性について言えば、アンティファやBLMによって本当に引き起こされた暴力沙汰に関しては政府が捜査を行うべきだとして市民が政府要求をするよう導くにはいったい何が必要だと言うのであろうか?

米国立衛生研究所が新型コロナウィルスを感染し易くする研究に資金を提供したのはいったい何故かに関して、より多くのことをを知るべく市民らが政府要求をするように導くにはいったい何が必要だと言うのであろうか? 

新型コロナの大流行がどのようにして起こったのかに関してわれわれは何も知らないでいるのはいったいなぜなのか?

メディアがある一つの声、つまり、エスタブ側の声だけを代表しているのはまさに陰謀ではないか?説明や解説が何故にコントロール下に置かれ、代替メディアはどうして検閲を受けなければならないのか?明らかに、これは陰謀そのものである。

(この記事の再発行に当たってはPaulCraigRoberts.orgの著者または代理人からの許可を入手。)

**

これで全文の仮訳が終了した。

真実はどこかへ行ってしまった。

真実を求め、真実を大切にしようと思う人たちにとっては今日の米国ほど住みにくい国はないのかも知れない。少なくとも米国内の情報については隅から隅まで知り尽くしているこの引用記事の著者にとってはその通りであろう。そして、この記事を読むわれわれ自身にとっても共感する部分は山ほどある。戦後の日本で子供の頃を過ごしてきた私らの世代は米国を民主主義のチャンピオンとして無条件に受け入れ、そう信じ込んで大人になってきた。著者の不満や心情はひしひしと伝わってくる。

好むと好まざるとにかかわらず、米国における動きはやがては日本や欧州にもやって来る。不思議な程にそうなるのだ。決して対岸の火事ではない。最近の米国における動きを見ると、非米国人であるわれわれにとっても憂いや悩みは尽きることがない。


参照:

1In America Truth Is the Hardest Thing to Find: By Paul Craig Roberts, Jan/28/2021





2 件のコメント:

  1. 翻訳ありがとうございます。PCRさんの記事はいつも読みたいと思っていました。米国の支配層は、いまや形振り構わず、という状態ですね。これからは偽装工作さえ行わないようになるのではないでしょうか。ところでサハリンのロシア人女性から連絡がありました。州ではワクチン接種が盛んに行われ、嘗ては一日160人の感染者がでたのだけれど、今は一日あたり僅か12~15人に減ったとありました。ロシアのワクチンは相当に効き目があるようです。彼女自身は五年前に乳癌の手術を受けたこともあり、免疫系を刺激したくない、という理由で接種はしないとのこと。この疫病はロシアではもうじき終焉を迎えるとありました。ロシアはやはりジェルジャワдержава"強国"ですね。

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    1. コメントをお寄せいただき有難うございます。
      ロシア産のワクチンは効き目が高いと報じられていますよね。一方、アストラセネカ社のワクチンは効き目が弱く、しかも、今、その安全性が懸念され、最新のニュースによりますと、オランダ政府も同社製のワクチンの使用を暫定的に停止すると発表しています。やはり、従来は数年もかけて作って来たにもかかわらず大急ぎで作った今回のワクチンは、当初から議論されていたように、安全性が今一つ確認されてはいなかったということでしょうか。現時点では必ずしもワクチンとの関連性は確定されてはいませんが、副作用によると見られる死亡例が報じられている国々としてはドイツ、スペイン、米国、ノルウェー、ベルギー、ペルー、オランダ、アイルランド、韓国、等があります。血液の凝固作用が報じれれています。
      西側諸国では、今、ワクチンの接種を継続したい製薬企業とワクチンの安全性を懸念する一般大衆との間では「情報戦争」が繰り広げられています。ワクチンによる副作用が起こっているのかいないのかに関する真実はいったい何処にあるのかは明白ではありません。それは個々人が日頃接するメディアによって大きく変わって来ます。スクリッパル父娘毒殺未遂事件の時とまったく同じに見えます。現時点ではこの綱引きの勝負は確定してはいませんで、西側製薬企業側としてはこの宙ぶらりんの状態を何とか継続し、結論を出さないままに今年も、来年も、と継続して行きたいのでしょうね。また、世界経済フォーラムの指導者たちもその背景におり、新型コロナ危機を触媒として使って新世界秩序を確立したいようです。最大の不幸は過酷な都市閉鎖に巻き込まれ、失業してしまった多数の一般庶民にしわ寄せされている現実にあると言えるのではないでしょうか。

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