2022年1月19日水曜日

カザフスタン後、カラー革命の時代は終わる

 

副題:カザフスタンで起こった出来事は米国・トルコ・英国・イスラエルの主導によるクーデターをますます示唆しているが、ユーラシアにおける彼らの敵によって見事に蹴散らされてしまった。


113日の投稿(国家主義者の台頭  カザフスタンの政府批判はいかにして暴動化したのか、ロシアはなぜ静観してはいられないのか)に続いて、カザフスタンに関するその後の情報をおさらいしておこうと思う。

カザフスタンへ送り込まれたCSTOの平和維持軍は与えれた任務を終えて、その一部が、113日、モスクワ郊外の空軍基地へすでに帰還したという。残りの部隊も今後2週間のうちに順次カザフスタンを後にする予定だ。(出典:WATCH: First Russian peacekeepers return from Kazakhstan: By RT, Jan/14/2022

ここに、「カザフスタン後、カラー革命の時代は終わる」と題された最新の記事がある(注1)。著者のペペ・エスコバールは著名なジャーナリストである。地政学的な国際政治に関する解説や洞察は各方面から高い評価を得ており、彼はよく知られている。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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Photo-1:カザフスタンにおける2022年の出来事には外国勢力が残した指紋が至るところに認められ、中央アジアでの戦闘はふたつの敵対する勢力の間で展開して行った。 Photo提供:The Cradle

2022年はカザフスタンの炎上で始まったが、ユーラシア大陸の統合の観点から見ると、これは最重要拠点のひとつである国家に対する本格的な攻撃であった。いったい何がどのようにして起こったのかに関してわれわれは、今、ようやく理解し始めたところである。

月曜日(110日)の朝、集団安全保障条約機構(CSTO)の各国リーダーはカザフスタンでの出来事に関して意見を交換するために臨時会談に臨んだ。

カザフスタン大統領のカシムジョマルト・トカエフはこの出来事を簡潔に説明した。この暴動の真の理由は「計画もなしに始まった反政府デモの背後に隠されていた。」その目標は「政権を奪う」こと、つまり、クーデターを起こすことにあった。「作戦行動はひとつのセンターから発信され」、「外国からの武装勢力がこの騒動に関与していた。」

ロシア大統領のウラジミール・プーチンはさらにその先にまでも言及した。この暴動では「マイダン革命の際に使われたテクノロジーが用いられている」と述べた。これはNATOには友好的な振る舞いを見せなかった当時のウクライナ政権を転覆させるべく2013年から始まっていたマイダン広場における騒動に言及したものだ。

カザフスタンへCSTOから平和維持軍を急遽送り込んだ事実を擁護して、プーチンはさらにこう述べている。「遅れることなく対応することが必須であった。」CSTOは必要に応じて現地での任務を遂行するが、任務が完了した暁には、「もちろん、全兵力が同国から撤退する。」兵員は今週の後半から出国の予定だ。

しかし、決定的に重要な件はこうだ。つまり、「CSTO参加国は同機構の境界内で混乱を引き起こすことやカラー革命を実行することは決して許さない」という点を内外に見事に示したのである。

プーチンの発言はカザフスタンの国務大臣を務めるエルラン・カリンのそれと共鳴し合った。記録によれば、彼は自国で起こった出来事に適切な語彙を用いた最初の高官であった。次のように言ったのである。実際に起こったことは政府の転覆を目標にして内外の勢力によって引き起こされた「ハイブリッド・テロ攻撃」である。

もつれたハイブリッド網:

実質的な面は誰にも分からない。しかし、昨年の12月、キルギスの首都、ビシュケクにおいても別のクーデターがこっそりと阻止されていたのだ。キルギスの諜報部門は裏工作を行って、英国とトルコに結び付く一連のNGO組織を突き止めた。これは今回の大計画に関連して実に重要な側面を示してくれた。つまり、NATO関連の諜報部門や工作員は中央アジア一帯で同時的にカラー革命攻撃を準備しているのかも知れないという点である。

新型コロナウィルスの大流行が始まる前、2019年の後半、私は中央アジアを旅していた。西側のNGOは西側が行うハイブリッド戦争の最前線の部隊であって、キルギスやカザフスタンにおいて大きな影響力を持っていた。でも、彼らは中央アジアや西アジア一帯に配されて、西側のハイブリッド戦争のまさに星雲のような不透明さの中に漂っている単なるひとつの集団でしかないのも事実であった。この地域では、CIAや米国のディープステーツがMI6やトルコの諜報組織と縦横に交錯している姿をわれわれは目にする。

トカエフ大統領はあたかも「ひとつのセンター」を暗号のように言及したが、中央アジアの諜報関係の高官によれば、あれはアルマトイ南部のビジネス地区にある米国・トルコ・イスラエルからの軍部や諜報関係者による「秘密の」作戦室のことを意味していたのだ。この「センター」には22人の米国人、16人のトルコ人、6人のイスラエル人が居て、西アジアでトルコ人によって訓練を受けた妨害工作要員たちを統率し、アルマトイへと送り込んだ。

カザフスタン軍がロシアやCSTOの諜報部門からの支援を受けて、破壊されたアルマトイ空港を奪還した時、彼らの作戦は完全に潰された。同空港は外国からの軍需物資を受け取るためにハブ空港として使用する予定だった。

西側のハイブリッド戦の遂行者たちはCSTOが彼らのカザフスタン作戦を電光石火のようなスピードで妨害したことにすっかり度肝を抜かれ、蒼白になっていたに違いない。重要な要因がある。ロシアの国家安全保障委員会の長であるニコライ・パトルーシェルはとっくの昔にこの「大構想」をすでに見抜いていたのである。

それ故、ロシアの航空宇宙軍や空輸部隊、ならびに、必要となる大掛かりな兵站インフラの準備が着々と進められ、実際に発進するばかりになっていたことは何の不思議でもない。

11月に遡って、パトルーシェルのレーザーはすでにアフガニスタンで安全保障が劣化している状況にその焦点を合わせていた。タジキスタンの政治学者であるパルヴィズ・ムロジャノフは8,000人もの帝国側の武装したセラフィ聖戦士がシリアやイラクから送り込まれ、アフガニスタン北部の荒れ地を当てもなくさ迷い歩いている事実を報告した数少ない専門家の一人であった。

彼らは大多数がホラーサーン系のISISである。あるいは、トルクメニスタンとの国境付近で再構成されたISISである。その一部は正式にキルギスへ搬送された。かの地からはビシュケクから国境を越し、アルマトイへ姿を現すのは非常に容易いことなのだ。

帝国がカブールから撤退した後にジハドで構成された予備兵をいったいどのように使うのだろうかという件についてパトルーシェフと彼のチームがその疑問を解明するのに時間はかからなかった。つまり、目標はロシアと中央アジアの「スタン国家」との間に延々と続く7,500キロもの国境地帯である。

他の事柄も含めて、これについてはタジキスタン内にある第210ロシア軍団の基地で2021年後半に記録的に多くの準備が実施されていたことを示す記録が実にうまく説明してくれる。

ジェームズ・ボンドがロシア語を喋る:

汚らしいカザフスタン作戦の詳細は必然的に通常もっとも怪しまれている連中から話が始まる。つまり、米国務省だ。国務省は2019年のランド研究所の「ロシアを(過度に)拡張させる」と題された報告書に記された戦略を「賛美」していた。「地政学的な策」に関する第4章は「ウクライナに対する軍事的な支援」、「ベラル-シ政権の転覆を推進」、「シリアの反政府派への支援の拡大」から始まり(これらはすべてが失敗に帰したが・・・)、「中央アジアにおけるロシアの影響力を低減する」に至るまで多くを網羅していた。

これが主要概念であった。そして、実行はMI6・トルコの連携集団に任された。

CIAMI6は少なくとも2005年以降中央アジアの 怪しい連中に対して投資を行って来た。当時、彼らは「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)の後押しを行い、それからタリバンに近寄り、キルギス南部で騒動を起こそうとした。しかし、何も実現しなかった。

20215月になると、状況はまったく異なっていた。その頃、MI6のジョナサン・パウェルはジャブハト・アルヌスラの指導者と会った。この集団はイドリブに近いシリア・トルコ国境地域でたくさんの中央アジア出身のイスラム聖戦士を擁していた。米国の言い方によれば、「中庸な反政府派」はNATOの反ロ政策を順守してくれさえすれば彼らに対する「テロリスト」の烙印は排除されるという。これが彼らの取引の内容であった。

そういった事がイスラム聖戦士をアフガニスタンへ送り込むための重要な準備工作のひとつであったのだ。こうして、中央アジアへの進出のための枝分かれの準備が完結する。

攻撃の種は20206月に観察される。その頃、2014年から2018年にわたってトルコ駐在英国大使を務めたリチャード・ムーアがMI6の長官に任命された。ムーアはキム・フィルビーのような人物の能力にはまったく手が届かなかったが、彼のプロフィールは打ってつけであった。つまり、彼は徹底したロシア恐怖症であって、西アジアから始まってコーカサス、中央アジアに至る住民、ならびに、ボルガ川流域のロシアの共和国さえをも含むトルコ語系の住民の統合を推進しようとする汎トルコ主義を謳う「グレート・ラニア」の中心的な応援者であった。

MI6は 専制政治のトルクメニスタンを除いてすべての「スタン国家」に深く浸透している。ロシアと中国に対抗するために、狡猾にも、汎トルコ攻勢に便乗しているのである。

エルドアン自身は、特に、2009年の「テユルク評議会」の創立以降、本格的な「グレート・トラニア」攻勢への投資を享受して来た。重要な点としては、この3月にカザフスタンにおいて「ルク国家首脳会議」が開催される予定だ。これは「テユルク評議会」の新しい呼び方である。カザフスタン南部にあるトルケスタン市がルク世界の首都として命名されよう。

こうして、「テルク世界」はロシアの統合概念である「ユーラシア経済連合」と正面衝突することとなり、トルコをメンバーにしてはいない上海協力機構(CSO)とも衝突する。

エルドアンの短期的な野望はまずは経済のみであると見える。アゼルバイジャンがカラバフ戦争において勝利を収めてから、彼はカスピ海を通して中央アジアへの進出を実現するためにバクーを利用することであろう。それはトルコの軍産複合体がカザフスタンやウズベキスタンへ軍事技術を売り込むことによって完成されることとなろう。

トルコ企業は固定資産やインフラへの投資をすでにふんだんに行っている。それと並行に、アンカラのソフトパワーは今や過熱状態となっており、大きな圧力を掛けることによって入手可能となる果実を収穫しようとしている。たとえば、カザフスタンにおいてはキリル文字をローマ字に切り替える時期を早めて、2023年には開始の運びだ。

しかしながら、基本的にはNATOの中央アジアへの進出についてトルコが代理役を務めていることについてはロシアと中国は明白に理解している。テルク国家の連合組織は対カザフスタン作戦を曖昧にするために「燃料の高騰にまつわる抗議」であると称した。

すべては曖昧模糊としている。エルドアンのネオ・オットマン主義は「ムスリム同胞団」を基盤にして大々的にその応援役を演じているが、本質的には汎トルコ主義とは関係がない。汎トルコ主義は相対的に「純粋な」トルコ人の優位性に基礎を置こうとするものであって、人種差別的な運動である。

問題は急進的になればなるほど彼らはトルコの右翼である「灰色オオカミ」と合流し、より深く関与するようになることにある。その懸念はアンカラの諜報当局がボスニアから始まって中央アジアを通して新疆に至るまでISIS・ホラーサーンをフランチャイズ展開し、多くの場合トゥーラーンの人種差別主義者を支援し、戦力と化していることからも良く説明できる。

帝国はこの毒を含んだ連合から大きな利益を得る。たとえば、アルメニアにおいてそうだった。そして、この作戦がうまく行けば、カザフスタンでも同じことが起こるであろう。

トロイの木馬を送り込む:

カラー革命はどれを取っても「最強の」トロイの木馬を必要とする。われわれの今回の事例においては、それは国家保安委員会の前委員長であったカリム・マシモフの役割であろう。彼は、今、刑務所に囚われ、国家反逆罪を問われている。

とてつもない野心家ではあるが、ウイグル人とのハーフであるマシモフは、理論的に言えば、前もって定められていた自分の出世の道を塞がれたのである。彼がジョー・バイデンやその息子との間に持っている心地よい関係はすでに詳細に分かっているが、彼のトルコ諜報機関との繋がりは何も分かってはいない。

内務・国家保安省の前大臣であったフェリックス・クーロフ中将はカラー革命中に形成されたクーデター内部の動力学的な諸要素を説明することができる、見事な程にもつれ合う蜘蛛の巣を紡いでいたのである。

クーロフによると、マシモフと最近更迭されたカザフスタン国家保安委員会議長のヌルスルタン・ナザルバエフの甥であるサミール・アビッシはこの騒動の最中「顎髭を蓄えた連中」から成る「秘密」部隊を監督する作業にどっぷりと浸かっていた。国家保安委員会(KNB)はナザルバエフの直接の指揮下にあったが、ナザルバエフは先週までこの委員会の議長の座にあった。

トカエフはこのクーデターの構造を理解した時、彼は早速マシモフとサマト・アビッシの二人を解任した(訳注:アビッシの名前は前出が「サミール」となっているが、ここでは「サマト」となっている。後者が正解のようだ)。そして、ナザルバエフは自発的に保安委員会の議長の座から降りた。そして、アビッシは「顎髭を蓄えた連中」の動きを止めることを約束して、このポストに就いたのだが、後に辞任した。

こうして、事態はナザルバエフとトカエフとの対決を直接示すこととなる。彼の29年におよぶ統治の間、ナザルバエフは多方面外交を演じ、その外交は余りにも西側に傾倒しており、必ずしもカザフスタンに恩恵をもたらすものではなかった。彼は英国の法律を採用し、エルドアンとは汎トルコ主義のカードを捌き、大西洋主義者の目論見を推進するためのNGO組織が津波のようにカザフスタンを襲うこととなった。

トカエフは極めて賢明に政治運営を行った。旧ソ連邦では外交について訓練を受けており、ロシア語と中国語に堪能で、彼はすべてをロシア・中国側に合わせ、これは一帯一路(BRI)やユーラシア経済連合(EAEU)および上海協力機構(CSO)のマスタープランと軌をひとつにするものだ。

トカエフはこのBRI/EAEU/SCOの三本足が帝国にとって如何に悪夢となるか、そして、三本足のために主要な役を担っているカザフスタンの不安定化が如何にユーラシアの統合にとって致命的なクーデターとなるかに関してプーチンや習近平とほとんど同様によく理解している。

結局、カザフスタンは中央アジアのGDP60%を生産し、大量の原油や天然ガス、その他の鉱物資源を産出し、最新のハイテック産業を擁している。つまり、豊かな文化遺産を継承する世俗的で中央集権的な立憲民主国家なのである。

トカエフにとってはCSTOに支援を要請するに当たって長い時間をかける必要はなかった。カザフスタンは1994年にこの条約に署名した。とどのつまり、トカエフは彼の政府に対して攻撃を仕掛けて来た外国勢力が主導するクーデターと戦ったのである。

他にもさまざまなテーマがある中で、プーチンはどうしてカザフスタンの公的な調査だけがこの出来事の核心に迫ることができるのかを強調している。誰が関与したのか、そして、暴徒への資金提供をどの程度行ったのかについては依然として不明のままである。動機としてはいくつかが考えられる。たとえば、親ロシア・中国を標榜する政府に対する妨害工作、ロシアに対する挑発、BRIに対する妨害、鉱物資源の略奪、サウジ王室スタイルによる「イスラム化」の推進、等々。

ジュネーブにおけるロシアに対する「安全保障」に関する米ロ会談の開始に先立つこと23日に迫っていたことから、このカラー革命はNATO高官らにとっては(まさに、切羽詰まった)お返しの最後通牒を伝えるためのものであったのだ。

中央アジア、西アジア、そして、南の発展途上諸国は電光石火のごとく迅速に遂行されたCSTO軍によるユーラシアでの対応を目にした。CSTO軍は任務を完了し、23日の内にカザフスタンを後にする予定だ。そして、誰もがこのカラー革命が惨めな失敗に帰したことを目にしたのである。

これは最後のカラー革命となるのかも知れない。苛立った帝国の憤怒には警戒しよう。

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これで全文の仮訳が終了した。

前回の投稿は年初早々に起こったカザフスタンにおける騒動に関していくつかの暫定的な見解や概略の描写に終わっていたが、今回の引用記事はそれよりも遥かに詳しい内容である。全貌が見えて来た感じがする。

特に興味深いのは、やはり、この出来事はトカエフ現大統領とナザルバエフ前大統領との間の争いであったという点だ。そして、これはトカエフがCSTO軍の支援を得たことから、トカエフの勝利となったという点でもある。大きな構図で見ると、本件も米ロ間の地政学的な綱引きのひとつの場面であったのだ。

もちろん、カザフスタンの多方面外交による西へ、あるいは、東への揺らぎは今回の騒動が収束したことによってすべてが解決するというわけではないだろう。中央アジアにおいては、この記事でその詳細を学んだことではあるのだが、米英、ロシア・中国に続いてトルコが標榜する汎トルコ主義が三つ目の要素として存在しており、これが、新疆ウイグル地域を含めて、カザフスタンを始めとする中央アジア諸国を暗雲のごとく覆っている点である。さて、今後どのように展開して行くのであろうか?

最後に、この引用記事の表題である「カザフスタン後、カラー革命の時代は終わる」という文言は極めて意味深であると思う。その意味することが何かについては著者は何ら説明を加えてはいない。読者のひとりひとりがその答えを見い出してくれと言わんばかりだ。

そして、この記事の内容は西側の軍産複合体のプロパガンダ役を演じる主流メディアによって報じられることは少なくとも当面はなさそうだ。そういった状況こそが著者が奇しくも述べた「苛立った帝国の憤怒には警戒しよう」という結びの言葉に反映されている。こういった洞察にペペ・エスコバールの真価が見出せるのだと私には思える。


参照:

注1:After Kazakhstan, the color revolution era is over: By Pepe Escobar, The Saker, Jan/12/2022

 




 

7 件のコメント:

  1. И.Симомураです.翻訳ありがとうございます.工作員の数まで特定されているのですから,ロシアは工作機関の詳しい系統まで調べ上げたのでしょう.であるからこそ「カザフスタン後、カラー革命の時代は終わる」と断言したのですね.プーチンからの最後通牒を呑まないならば,全てを暴露する,それでも呑まないならば,ベラルーシかキューバかベネズエラに核を持ち込む,ということになるのでしょう.拙論で記述しました,”1938年時点でのスターリンによる,латиница表記から кириллица表記への復帰の言語政策”は,汎トルコ主義の拡大を抑制してきましたね.カザフスタンもкириллица表記のままでいて欲しい.昔パンナムPANNAMという航空会社がありましたが,PANNAMは”全米”という意味でしょうね.

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    1. シモムラさま

      コメントをお寄せいただき有難うございます。
      今回のカザフスタンにおける西側のクーデターの失敗について西側はどのように見ているのでしょうね。ロシアに対する西側の「お返しの最後通牒」が失敗に帰したが故に、米国は1月11日にジュネーブで開催されたロシアとの会談では何も有用な決断を示せないでいた。それ程までに冷静さを失っていたのだということでしょうか。換言すると、米国の優位性が何時までも続くという妄想にしがみつくだけで、冷徹な現実には向き合えないでいるという状況でしょうか。今後の動きに注目要です。
      カザフスタンのトカエフ大統領は前任者の西側に傾倒した政策を捨てるかも知れませんよね。2023年にはローマ字化を開始する予定だそうですが、ひょっとするとこの計画を反故にすることになるかも。新政権は旧政権とは異なる政策をとるケースが決して少なくはありません。クーデターを潰した今回の経験を踏み台にして、トカエフはそんな大転換を行うことになるのではないか。ペペ・エスコバールが書いたトカエフの人物像から言えば、ロシア・中国にかなり傾倒しているトカエフの場合、そういったこともあり得ないことではないような気がします。

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    2. 追記(Jan/21/2022):


      シモムラさま
      10日前のリアブコフ・シャーマン会談では米ロ両国は何の合意にも達しませんでしたが、本日のラブロフ・ブリンケン会談では成果が出たとのことです。つまり、「米国はロシアの安全保障を保証せよ」とのロシアの提案に対して書き物で回答を出すとブリンケンが約束。ブリンケンに言わせると、今回のラブロフとの会談の結果、理解と合意のための道筋に着くことができたと記者団に言っています。米国の回答がどんなものとなるのかについては、今後の両国間の交渉に注目して行かなければなりません。さて、これからどんな展開となるのでしょうか?

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    3. 情報ありがとうございます.ラブロフはブリンケンにロシアの覚悟の程を示したのでしょう.ウクライナに核が搬入された時点で,欧州の同盟国ではなく,米国本土の主要都市に直接核ミサイルが飛んでくるのだそうです.21日のセイカーブログに Nash Landesnan for the Saker Blogとして” Russia plans to engage its nuclear weapons not against those countries where it was launched against Russia, but against the mastermind cities where the decisions were made. To be exact, it is Washington, New York, Los Angeles, Chicago and other American cities.”とあります.お国のルーマニアと私のポーランドとともに米国のこれらの都市は蒸発するということです.

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    4. シモムラさま
      コメントをお寄せいただき有難うございます。
      セイカ―ブログは私も読んでおります。特に軍事的な解析が秀逸で、貴重な情報源ですよね。ロシア側の戦略の構築は論理的で、われわれ素人にも分かり易いです。さらには、外交交渉でもその姿勢を崩さないところが米国とはまったく違いますね。ルーマニアとポーランドにあるミサイル基地は米国およびNATOが指揮しているので、ヨーロッパにおけるロシア側からの報復攻撃の目標はまずはブリュッセルでしょうか。物騒な話になって来ましたが、そういった核戦争に至らないようとことん英知を絞る必要がありますね。
      ところで、通常兵器によってインフラが徹底的に破壊され、石器時代へ戻るだけで済むならば、核戦争によって相互に蒸発するよりは遥かにましかなとも思います。しかしながら、手を伸ばせば核兵器がすぐそばに存在する昨今、通常兵器の戦争で留まることはなく、どう考えても究極の核戦争にまで進んでしまいそう。これこそがウクライナ紛争の怖さであり、NATOの東方への拡張の怖さですよね。

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  2. リアノヴォスチにはロシア外務省の声明が載っています. 
    МОСКВА, 21 янв — РИА Новости. Глава МИД России Сергей Лавров заявил госсекретарю США Энтони Блинкену на переговорах в Женеве, что дальнейшее игнорирование требований Москвы по гарантиям безопасности будет иметь самые серьезные последствия, сообщается на сайте российского министерства.
    самые серьезные последствия
    「最大の深刻な結果をもたらすであろう」 последствиеは「(病気の)後遺症」の意味でも使われます.

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    1. シモムラさま
      有難うございます。

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