2022年4月27日水曜日

経済制裁はその発動国自身をむしばむ

 

2014年にウクライナからの独立を表明していたドンバス地域のドネツクとルガンスクの両共和国に関してロシア政府は、本年221日、両国の独立を正式に承認した。

ロシア政府には新独立国の指導者や市民から両国の独立を承認するよう訴えが届いていたのである。同様に、ロシア議会の多数派の議員らも両共和国の独立を承認するようロシア大統領に推奨しており、プーチン大統領はついにこれらの要請に応えることとなった。間もなく、ロシア政府と両共和国は、軍事面も含めて、お互いの協力を約束する合意書に署名した。ウクライナ政府軍からの武力による脅威が今までの8年間のそれに比べて最近急に増加していた。欧州安全保障協力機構(OSCE)の現地監視団のデータによると、最近になって(ロシア軍の侵攻直前)、ドンバス地域に向けて以前に比べて30倍も多くの砲弾が撃ち込まれていたことから、両共和国はロシア政府に武力支援を要請した。

こうして、ロシアは、224日、ウクライナに対する特別軍事作戦を開始した。その主要目標はドネツク、ルガンスク両共和国住民の安全を確保すること。そのためにはウクライナを非武装化することと非ナチス化することを軍事的作戦の目標とした。その一方で、プーチン大統領はこの特別軍事作戦ではウクライナを占領する意思はないことを表明した。ウクライナ軍の軍事的拠点だけが特別軍事作戦の対象となると言明したのである。

このロシアによる特別軍事作戦に対して、米国やEU等の西側は待ってましたとばかりに対ロ経済制裁を発動した。さまざまな制裁項目の中で、メディアがもっとも頻繁に書き立てているのはロシア産原油と天然ガスの輸入禁止である。その理由は西側がロシア産原油と天然ガスの輸入を止めることによって、ロシアの主要な収入源を枯渇させ、ロシア経済を崩壊せしめるという策略だ。ところが、ロシアと中国とを結ぶパイプラインがあって、中国は何時でもロシア産原油や天然ガスの輸入を増加させることができる状態にある。

ここに、「経済制裁はその発動国自身をむしばむ」と題された記事がある(注1)この種の懸念、あるいは、実感についての指摘は最近かなり頻繁に見かけるようになっている。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

Photo-1: 天然ガス生産企業 ― 手持ちの写真。© RIA Novosti / Stringer

ヴォネガットの作品「機械式ピアノ」では人々は彼らが発明した機械の虜となる。虜となった一人は発明者にむけて発砲さえする。そのような状況においては、さまざまな対ロ経済制裁を発動する者たちは、結局のところ、彼らの存在自体をリスクに曝すこととなる。ロシアを経済的に潰そうとする動きにおいて彼らは自分たちがロシアのために作った首吊り縄に捉っている自分自身を発見する。

マシユウ・リンはロンドンのテレグラフ紙の金融コラムニストであるが、ベルリン政府は経済制裁戦争全般を台無しにしているとしてドイツを非難している。「もしもドイツがロシア産天然ガスの輸入を止めなければ、経済制裁をドイツに対して課すべきだ。このような事態はまったく受け入れられない。もしもドイツが犠牲を受け入れないならば、それは彼ら自身の問題だ。残りのわれわれはいったいどうしてそれに同調しなければならないのか?」

ロシア産天然ガスのパイプラインが完全に締め終わるまではドイツからの商品は禁輸にすると彼は提案している。「それがうまく行かないならば、消費者による不買運動を組織化することも可能だ。BMWやフォルクスワーゲンの新車を買う人は間接的にロシア軍に資金提供をするようなものだ ― これは考えてみる価値が十分にある。」彼の論理を踏襲すると、それに対応して、ドイツ人の方はランドローバーをお払い箱にするべきだ。ところで、英国の「ミニ」の生産はババリアの巨大自動車メーカーによって生産されているが、それについてはいったいどうするべきかは不明である。

ドイツ経済のために必要なロシア産天然ガスを直ちに破棄することは頭にぶち込まれた弾丸みたいなものだ。予測される損失はドイツ銀行によると1650億ユーロにもなる。BASFグループの指導者であるマルティン・ブルーデルミュラーはドイツにとっては経済危機が到来すると予測し、その規模は1945年以降で前例が見られないような水準となるだろうと述べた。ドイツはすでにリセッションに入っている。ショルツ首相の政策はドイツ人口の49%に不満をもたらしている。この連立内閣の人気は急速に低下しているが、これは生活水準がより急速に低下していることと直結している。

Photo-2: 「できるだけ速やかに。」エストニアはEUにロシア連邦に対する経済制裁をせかしている。421日、1550分。

近隣諸国にはバルブを閉めるよう圧力をかけながらも、ロシア産エネルギーが占める割合は5%を超さないロンドン政府自身にはロシアからの天然ガスを拒むことを急ぐような気配はない。英国の金融規制当局は、今週、ガズプロムバンクに対する支払いについて一般許可を与えた。現地のエネルギー企業はロシアとの契約で531日までに支払うことが可能となる。もし必要であれば、この許可証の再発行も可能である。

ロンドンにおいては、新エネルギー戦略が発表された。つまり、英国はヨーロッパ大陸へ天然ガスを送り込む重要拠点となるべきであると。天然ガスはノルウェーや北海油田の自国の採掘設備から英国へ輸送され、液化し、パイプラインを通じてベルギーやオランダへ送り込む。英国の大臣らは、今、米国からのパートナーを募るために活発に活動している。米国企業側はEUに対して今年150億立方メートルのLNGを積み増そうとしている。

これらはすべてがプロジェクトである。現実には、一般庶民にとってはガスの値段は英国で4月以降だけで54%も跳ね上がり、これは決して限界ではなく、この秋にはさらなる高騰が予測されている。その結果、同国人口の40%は「エネルギー貧困ライン」以下となり得る。専門家は反政府行動が起こることを予測している。英国のエネルギー企業大手の指導者らは政府による緊急対応策を求めている。「われわれはこの挑戦が余りにも巨大で業界だけで対処することはできない。それ程の水準に達してしまった」と、スコットランドのパワー社のCEOであるキース・アンダーソンが述べている。

Photo-3: 西側は永久戦争を準備している。昨日 (423)8時ゼロ分。

天然ガスに続いて、肥料の価格が急騰した。硝酸アンモニウムの価格は350%も上昇した。1年前、1トンの硝酸アンモニウムは280ポンドであったが、今年はすでに1,000ポンドだ。それだけではなく、英国の農家は燃料価格の高騰にも直面している。これらはすべてが農家の成績に影響を与え、最終的には店頭に並ぶ農産物やその製品の価格に響いてくる。

政治的な指令に順守しようとし、経済制裁プログラムに違反した場合の罰金を恐れ、金融業界はロシアからの高利潤の顧客を手放さざるを得ない。英国の原油企業大手はロシアのプロジェクトから離脱するために自分たちの手でフラッシュモブをすでに企画した。BPの損金は250億ドルにもなる。シェル社を失うリスクだけでも50億ドルとなる。「ガズプロム」との合弁事業であるサハリン2プロジェクトの27.5%の持ち株を今売却しようとしている。このプロジェクトは東南アジアに向けて天然ガスを採掘し、液化する事業だ。これらの持ち株は中国が買い取る。実際の市場価格に比べて、大きな値引きで。

デンマークのカールスベルグ・グループはロシアにおけるビジネスで全利益の9%を稼いでいるが、ロシアにおける資産を売り払うことによって15億ドルを失うことになる。ベルギーのビール製造企業であるアンハウザー・ブッシュ・インベブ社は公式にロシアにおけるビジネスから離脱しようとしているが、11億ドルの資産を分割するリスクに曝されている。この空席はトルコのアナドール・エフェスが埋める。ヨーロッパの醸造企業の離脱はどのような意味を持っているのかについては誰も説明ができない。最終的に、ロシアの消費者はこの出来事によって苦しめられることは決してないであろう。

Photo-4: ファーストフードさえもが高騰。新価格が米国人にショックを与えた。422日、8時ゼロ分。

よく知られているロシア恐怖症が背後にあって、個々の出来事を見ると驚くべき状況がある。スポーツ界は英国がロシアとベラルーシからのテニス選手をウィンブルドンから締め出したことに私は驚いた。英国のジャーナリストであるジャネット・ストリート・ポーターはこれを「新種の人種差別主義」だと称している。

経済制裁に熱中することは必ずしも一般大衆の関心事ではないけれども、西側の「政治活動家」らは、後に自分たちが躓くことを恐れて、誰も敢えて反対しようとはしないような状況を作り出す。上述のシェル社の経営陣は、3月の始め、自社の製油所のためにロシア産原油を調達した結果、2千万ドルの売り上げを公に悔やまなければならなかった。先見の明がある者は如何なる制裁が課されるのかを前もって予測する。これは全能の規制当局の大ナタの下で罰を受けるようなことを回避するためである。彼らは経済制裁と称されるこの機械式ピアノが他にどんなメロディーを奏でるのかを推測しようとする。

Photo-5: 西側に対してロシアはミサイルよりも遥かにたちが悪い武器を所有している。422日、8時ゼロ分。

***

これで全文の仮訳が終了した。

ウクライナ紛争は軍事的にはすでに決着がついているように素人の私には見える。しかしながら、入手可能な情報筋によると、米国にとってはロシア・ウクライナ戦争をずっと継続させ、ロシア経済が疲弊するのを待つことが中心的な戦略であるという。ウクライナの一般庶民にとってはとんでもない戦略だ!

現行の新冷戦がもたらすであろう最悪のシナリオは、ロシア経済が疲弊するのを待っている間に欧米自身の経済が破綻してしまうという笑うに笑えないような状況であろう。西側の敵と見なされているロシアは資源大国であり、かつ、食料大国であり、EUがロシア産エネルギーの輸入を止めたとしても、既存のパイプラインを経由して中国へ売ることができる。その一方で、ロシア産エネルギーの輸入を止めた欧州各国は、具体的に言えば、来年の冬は寒い冬を過ごさなければならない。そして、その次の冬も。お湯が24時間供給されず、シャワーを浴びることにも不自由する。時間制となるからだ。EUが必要とする天然ガスを他国から十分に輸入できるようにするには数年はかかると言われている。米国もカタールも直ぐに積み増す余裕はないのだ。EU諸国も受け入れ設備が十分ではない。

こういったことを考えてみると、ロシア産エネルギーに対する依存度が高いドイツがロシア産天然ガスの輸入を止めたくはない状況は十分に理解できる。そんなことをしたら、ドイツ経済は完全に破綻してしまう。ロシア産天然ガスを輸入し続ける上でドイツにとっての最大の課題は米国との関係である。この状況は日本が日米安保条約によって縛られ、米軍基地を捨てることができないでいる状況と瓜二つであると言えよう。

歴史的に見ると覇権国は遅かれ早かれ衰退する。今の米国はイラクやアフガニスタンでの軍事的失敗によって覇権国としての衰退のプロセスが表面化していると言えよう。ロシアをSWIFTから除名しようと、ロシアの外交官を追放しようとも、さらには、ロシア産エネルギーの調達を止めようとも、ロシアにとってその効果は一時的なものでしかなく、決して長くは続かない。衰退の一途にある国家には個人的なレベルでの生存競争が前面に出てしまい、国内は分断し、団結することができない。国家的な舵取りが出来ないのだ。その一方で、台頭しつつある国家が持っている活力や精神力、並びに、団結力はさまざまな外圧に対しても適切な解決策を見い出し、前進を続けることができる。

ロシア・ウクライナ戦争を通じて、今後展開するであろう歴史的場面を先取りして見ているような気がする。さて、現実にはどのような展開となるのであろうか?


参照:

1Sanctions began to devour their creators: By Alexander Khabarov, RIA Novosti, Apr/24/2022

 

 

 

 

24 件のコメント:

  1. クリミアのロシア復帰が決まり、所謂西側は対露制裁をかけ、ロシア製品ボイコットが始まりました。ポーランドの林檎農家はロシアからの買い手が来なくなり、一気に困窮してしまいましたね。今日のニュースでは、《ガズプロム》がルーブリ建てでの代金不払いを理由に、ポーランドとブルガリアに対し、ガス輸送を停止しました。ショルツがどうでるか、実に面白い見ものが見れそうですね。

    返信削除
    返信
    1. シモムラさま、
      ドイツは産業界が政治を引っ張る国家であると誰かが言ってましたが、その通りであるとすれば、経済的自殺を意味するロシア産天然ガスの輸入禁止はあり得ないでしょう。ショルツは財界の要請を跳ねのけるだけの政治的理由があるのか?あるとすれば、それは自分の連立内閣を短く終わらせたくはないといったもっとも見たくはない理由かも。
      お隣のオーストリアのエネルギー企業OMVはロシアに対してルーブルでの支払いを行うと決断したそうです。賢明だと思います。

      削除
    2. 昨日のBloombergの記事ですが、引用します:

      Four European gas buyers have already paid for supplies in rubles as President Vladimir Putin demanded, according to a person close to Russian gas giant Gazprom PJSC.
      Even if the other buyers reject the Kremlin’s terms, more cutoffs after the halt in gas flows to Poland and Bulgaria Wednesday aren’t likely until the second half of May when the next payments are due, the person said, speaking on condition of anonymity to discuss confidential matters.
      Ten European companies have already opened the accounts at Gazprombank needed to meet Russia’s payment demands, the person said.
      Supplies to Poland and Bulgaria were cut off after they refused Gazprom’s proposed mechanism for ruble payments, which the gas giant says does not violate European Union sanctions, according to the person. Russia supplies gas via pipelines to 23 European countries.
      After the EU imposed sanctions on Russia over its invasion of Ukraine, Moscow demanded that it be paid in rubles for shipments starting April 1. But the bloc told member states that the mechanism the Kremlin proposed, which required opening euro and ruble accounts with state-controlled Gazprombank, would violate the sanctions.

      さらに来月は新たにルーブルでの支払いが増えるのかも・・・

      削除
  2. 再びテーマと関係の無い記事をおゆるしください。ベラルーシでは、テロ活動に死刑を適用する法律が成立したようです。ロシア下院でも死刑復活(現在は一時停止期間中にある)。露語で刑法はウガロヴヌイ コーデクス уголовный кодекс と呼ばれますが、語源は у('離断'の意の接頭辞)と голова(名詞で'頭'の意)、つまり'断頭'を意味するものだったのです。

    返信削除
  3. (続 刑法)漢和辞典で漢字の”刑”を引いたところ、「説文解字」では”首をはねる”とありました。なるほど旁は立刀ですね。

    返信削除
  4. 私の名前にある漢字の「道」には「首」が出て来ますが何故でしょうか?白川静さんの解説によりますと、集落の外へ通じる道には外界の野蛮な魂が居るだろうから、人の首をぶら下げてお祓いをしたことに由来するのだそうです。「首」の他には「しんにゅう」がありますが、これは四つ角を表わしており、お祓いを済ませた四つ角、つまり、通りには邪念の多い外部の魂はもう居ないので安心して通行できるのだとか。

    返信削除
    返信
    1. 白川静の漢字観は独特の直観によって支えられています。全ては文献研究に頼っておりますから、彼を批判するには膨大な文献が必要です。言い換えれば反論が難しいのです。逆に言えば、自分独自の漢字観を打ち立てることができます。例えば、氏は漢字”日”の内部の一画を天体と周りの空圏から区別する印としています。工業系の大学にきんむしておったときのことです。官舎最上階のベランダの白壁に太陽が映っており、黒点のようなものが見えます。それは昨晩ベランダに降って溜まった水面からの反射映像なのです。”水鏡”とは、流れる水で時間軸を、水面の映像で歴史事象の記録体と見做されていますが、事実はこのような現象を物理的に記述したものなのではないかと愚考しております。例えば隋唐の時代、広大な庭園の池の水面に日光が45度の角度で入射し、直近の垂直の白壁にその反射光が投影されたならば、日輪の中に黒点が見えたのではないでしょうか。条件は非常に狭いと思います。まず池の底面は平面でなければなりません。水深も3cmほどのものです。中国の文献で、この様な事象を調べるに最適なものは、北宋の高級官僚沈括著の「夢渓筆談」ですが、それには見えなかった。首をぶら下げる風習はロシアにもありました。ピョートル(彼自身犯罪者を自ら手斧で断頭しています。サディストですね)の時代、ある種の騎馬警官隊が犬の首を隊旗として飾り、犯罪者狩りをしたといいます。

      削除
  5. 白川静さんの漢字の由来に関する洞察や解説は驚くばかりです。漢字発祥の地である中国の学者さえもが白川さんには一目置いているとのこと。大変な業績ですよね!

    返信削除
    返信
    1. «Ракетными войсками в населённом пункте Изюмское Харьковской области в результате удара ликвидирован отряд наёмников польской частной военной кампании. Уничтожены до 30 польских наёмников», — сказал официальный представитель Минобороны России генерал-майор Игорь Конашенков.
      イジュミール・ハリコフ州の市民居住区に対する、ミサイル攻撃により、ポーランドによる私的軍事行動への参加傭兵部隊は、この攻撃の結果殲滅された。ポーランド人戦死者は三十人に上る。以上ロシア国防省正式代表、イゴーリ・コナシェンコフ中将発表。

      Ранее Конашенков подтвердил информацию о том, что в Мариуполе сдались в плен более 1 тыс. украинских военнослужащих.
      この声明に先立ち、コナシェンコフ中将は、マウリポリに於いては、千人以上のウクライナ兵が投降したと発表している。

      ブログ主様 kiyo様 ポーランドは実に愚かで危険極まりないことをした。傭兵だろうが、義勇軍だろうが、正規軍ではないのだから、《ハーグ陸戦協定》による保護を受けられない。「死人に口無し」で逃げ切る気だ。だからこそ傭兵を投入したのだ。2014年以来国内はウクライナ人労働者で溢れ、ポーランド人は失業にあえいでいたのだ。傭兵などすぐに集まる。国内には射撃場が多くあり、機関銃のフルオートの射撃が、子供でもできるのだ。武器には非常に馴染んでいる。政府は卑劣極まりない。

      削除
  6. kiyo様 最新二編のお仕事拝見いたしました。凄い内容の記事ですよ。多くの方に読んでいただきたいですね。フリーランドの祖父のことは、2014年当時誰かの英語投稿記事に、クラコフで反ユダヤキャンペーンの新聞編集長を務め、敗戦が近づき逮捕を予想し、カナダへ脱出した、とあったように思います。フリーランドもヌーランドもブリンケンも先祖は、現紛争地西部ウクライナです。別名を皆名乗っていたようです。ユダヤ人特有の姓だったと思います。Dances with Bears にそうあったと記憶しております
    https://www.theglobeandmail.com/news/politics/freeland-knew-her-grandfather-was-editor-of-nazi-newspaper/article34236881/ Freeland knew her grandfather was editor of Nazi newspaper

    返信削除
  7. シモムラさま、kiyoさま
    今ルーマニアで沸騰している話題はお隣のモルドバ共和国がルーマニアとの統合を決断するのかどうかです。
    昨日、モルドバ共和国の大統領が統合については国民の意思に任せると発言しました。モルドバはルーマニア語を喋る地域です。モルドバのルーマニアとの統合は今までも住民投票で否決された前例がありますが。モルドバの東部に位置し、ロシア語住民が多い地域、トランスニストリアは1992年にモルドバからの独立を宣言したものの、国際社会からは非承認のままで、この地域にはロシアからの平和維持軍が派遣されています。つまり、モルドバとロシアとの間で緊張が続いている地域です。今回、ドネツク・ルガンスク両共和国のロシア語住民の安全を確保するためにロシアはウクライナへ侵攻し、すでに2か月。西側によって支援されたウクライナは抗戦を続けています。そんな中で、最近、ウクライナからの工作員がトランスニストリア地域へ侵入し、ラジオ放送用アンテナを破壊し、保安警察の建物に手榴弾を投げ込むといった挑発行為を行っています。モルドバ大統領はロシアとの緊張関係は平和裏に解決したいと言い、武力による解決は望んではいませんが、ウクライナ軍はトランスニストリアを舞台にロシア軍の平和維持軍を追い出そうと挑発しています。問題は、この地域はウクライナのキエフに近く、今後ロシアによるウクライナ侵攻の結果、ドネツク・ルガンスク両共和国に続いて黒海沿岸沿いにウクライナ南部が全域にわたってロシアのコントロール下に陥ると、トランスニストリア地域は陸路でロシアと繋がることになります。そうなると、モルドバがルーマニアへ統合された後に軍事的な衝突が起こると、ロシアはNATO加盟国を相手にすることになります。
    ウクライナ軍によるトランスニストリアでの破壊工作はNATOを対ロ戦争に引きずり込むためのものと考えられますよね。ウクライナ軍が生き残るためにはモルドバを、さらには、ルーマニアを巻き込むしかないと考えたのでしょう。今まではNATO加盟国の外で米ロ代理戦争が行われてきましたが、近い将来、ロシアは米国やNATOを相手に戦うこととなりそう。最終的には、核戦争へと展開するかも。この推測を裏付けるかのように、ポーランドがウクライナへ派兵するという噂も流れています。ポーランド軍とルーマニア軍は戦力を東側へ移動させているとのこと。両軍の動きの背後には米国が関与しています。
    将来のことは誰も予測できませんが、戦争屋によって牛耳られている昨今の国際関係の展開は極めて不吉な感じです。

    返信削除
    返信
    1. 今のポーランド軍部の心理ならば、《平和維持軍》の名目で、ウクライナへ軍を入れ、ロシア軍と対峙する演出をし、国政選挙に勝つという策略を取るでしょう。経済的にも疲弊しており、国民の不満を逸らす意味でも、西ウクライナ侵出はあるかも知れません。そうなるとウクライナの土俵で、波蘇戦争勃発です。今回のテレビ塔破壊活動にしても、私は2014年以来一箇所の統合司令塔から、大祖国戦争勝利以来のソ連邦・露連邦の版図を変更する戦略を英米は探ってきたのだと考えています。民族が混じり、宗教が混じりあう場所は、扇動によって容易に紛争地帯に変えることができます。…理論、…戦略などと学問的術語など不要の原始的憎悪に基づくものです。この点極北の少数民族は賢明ですね。異民族は大歓迎です。肺結核で夭逝したフィンランド人ウラリストのカイ・ドンネルはアバラーコボで「妻貸し」の接待を受けます。少数民族の問題は、《血の濃縮》にあるのです。寛政期の旅行家菅江真澄は、たしか男鹿のある集落では、冬のある日女性全員が隣の集落の男たちに《聖なる売春》に押し掛ける風習を描いております。古代ギリシャでも同様の風習がありました。ルーマニア人、スラヴ人、混じりあったらいいでしょうに。因みに、スラヴ諸語は九世紀までは、古代スラヴ語という単一の言語を話す集団でした。

      削除
  8. Colonel Cassad に次の興味深い分析記事がありました:
    СВО на Украине. Разрушенные мифы.
    ウクライナにおける《特殊軍事作戦》
    崩壊せる数々の神話

    1. Танк на поле боя устарел.
    戦場での戦車戦は時代遅れとなった。
    2. Танки невозможно эффективно применять в городской застройке.
    建物が立ちこんだ市街地で、戦車を有効に使うことはできない。
    3. Байрактар – непобедимое оружие.
    バイラクタルは不敗の兵器である。
    4. Будущее за компактными профессиональными армиями.
    軍事力の将来性は、本職の技量のぎっしり詰まった軍にある。
    5. Тактические дроны не нужны.
    戦術レベルのドローンは必要無し。
    6. Дивизии/корпуса/армии не нужны, достаточно бригад.
    師団/軍団/軍はもはや必要無し。旅団で十分。
    7. Мобилизационная экономика не нужна.
    兵員動員時の経済性を考慮する必要は無い。
    8. ЧВК не нужны. И вообще, ЧВК в России не существует.
    民間軍事会社は必要無し。そもそもロシアに民間軍事会社は存在しない(Група Вагнера ワグナーグループは民間警備会社であって、民間軍事会社ではない)。
    9. Концепция массированного артиллерийского подавления ушла в прошлое.
    集中砲撃による敵制圧という概念は、過去のものとなった。
    10. В России разучились делать ракеты.
    ロシアはミサイルを生産する能力を失った。
    11. Сильный флот на Черном море не нужен.
    黒海には強力な艦隊は必要無し。
    12. "Панцирь" ни на что не годен.
    《パンツィリ》(対空ミサイル発射システム)は何の役にも立たない。
    (大佐は上を列挙するだけで、理由の説明をしておりません)

    返信削除
    返信
    1. シモムラさま

      ロシア軍(ロシア人)は経験から何かを学ぶ能力を持っており、それを実戦していると言えそうですね。たとえば、シリアでの軍事作戦における経験、等。それに比べて、米軍(米国人)は自分たちの経験から何かを学ぶことはない。素人目に見ても、そんな違いがあるように思えます。

      削除
  9. Настоящее время 《今その時》というサイトに、《兵事事委員会事務所には行きたくない、いやそれどころか戦いたくない》。LPRとDPRは兵役徴集年齢に達した男子に対する『山狩り』についてと題する記事がある。
    "Никто не хочет идти в военкомат и тем более воевать". Жители "ДНР" и "ЛНР" сообщают об облавах на мужчин призывного возраста
    家に突然訪問してきて、有無を言わさず兵事事務所に連れ去るようです。しかしこれ分かりますよね。ロシアが介入するまでは、文字通り《生きるか死ぬか》という現実があり、死ぬ危険性の方が高かった。その場合、戦列に加わり、家族と祖国を防衛するという意識は非常に高い。しかしロシア軍とドンバス民兵軍が短期間のうちにウクライナ合同軍と互角に以上に対峙し、この敵をを排除する可能性が高まった今、二共和国の存立は確かなものとなったのだから、《ロシアにやらせておけ》という、自己保全の心理は生まれるでしょう。自分たちは八年も苦しんだのだから。戦闘を楽しんでいるように見えるのは、チェチェン人戦闘員ですね。

    返信削除
  10. チェチェンのカディロフ大統領自身が楽しんでいるようにさえ見えます。つまり、これは彼のプーチンに対する信頼の現れでしょうかね。

    返信削除
  11. いや本当にチェチェン戦闘員は殲滅戦を楽しんでいます。余裕が感じられます。この戦争で驚いたのは、カフカ―スの共和国が連邦に忠実なことです。英米はロシアが介入したならば、彼らに反乱を起こさせようとしたといいます。ところで今年のスローガンは、《お婆ちゃんの旗のもと、勝利に向かって進軍》というのはいかがでしょう。ロシア語では《Под знаменем бабули вперёд к победе!!!》(ポド ズナーメニェム バブーリ フペリョド クパベージェ)というのは如何でしょう(《Под знаменем Ленина вперёд к победе!!!》(ポド ズナーメニェム レーニナ フペリョド クパベージェ)《レーニンの旗のもと、勝利に向かって進軍》のパクリです)。

    返信削除
    返信
    1. ロシアでは「バーブシカ」の存在には一目置かれていますよね。どこの文化でも同じ傾向が見られますが、ロシアではことさらにその傾向が強いと思います。つまり、西側では新自由主義によって多くの場合伝統が蔑ろにされている中、ロシアでは伝統が尊重され、大事にされている。昨今はこの違いが特に感じられます。

      削除
  12. テーマと関係の無い投稿をお赦しください。kiyo様 植物電気のお話、大変興味深く拝見いたしました。こんな経験がありました。蔓性植物をテレビの脇において育てておりましたが、リモコンを操作すると、微妙に反応することに気が付きました。蔓はコイルとして働き、リモコンからの電磁力を効率的に捕捉するのでしょうか。もしも外側を強力な磁界で覆い、蔓の先端と根にリードを繋ぎ、電位の変化を音に変えるならば、植物の《声》を聴きとれるかも知れませんね。

    返信削除
  13. 《ロシアの春》によると、五月一日の時点で、国際赤十字委員会と国連により、アゾフスターリから非戦闘員全員が解放されたといいます。殆どが女性と子供で、中にはペットの犬を連れていました。皆小綺麗です。とても人質とは思えない。ナツィストの家族でしょう。インタビューに応じたのは、内部に籠った彼らに「家族は無事だ」と教えるためでしょう。Наталья Усмановаというプラントの女性職員は、「外国人将官が残っている」という。私には大祖国戦争勝利の記念日までには、残存兵力は殲滅されるように思われます。
    Источник: https://rusvesna.su/news/1651422538

    返信削除
    返信
    1. シモムラさま、
      非戦闘員の釈放がうまく行って良かったですね。確かに、皆さん小奇麗ですよね。アゾフスターリの地下には大量の水が蓄えられているとも伝えられていますが、それが助けになったのでしょうか。
      第二段階の作戦においては、マリウポリでの悲惨な戦闘が他の都市で繰り返されることがないことを祈っています。アゾフスターリでは頑丈な地下施設があったという特殊な環境がこの種の場面を現出させたわけですが、ハリコフやオデッサでのナチス撲滅作戦では都市部特有のゲリラ的戦闘は避けられないでしょうね。チェチェン部隊の出番が続きます。それとも、弾薬や燃料の補給を絶たれたウクライナ政府軍は大挙して降伏することになるのか・・・

      削除
  14. 【キーウ発】日本人義勇兵 「自由と独立を守るためには武器を取って戦わなければならない」
    https://tanakaryusaku.jp/2022/05/00027096
    2022年5月3日 00:51 田中龍作ジャーナル
    この記事には多くの疑問点があります。1まず第一に認識票を見せないこと。2戦闘兵種を教えないこと。3元自衛隊員だというが、出身兵科を教えないこと。4ウクライナ入国はルーマニアからなのか、ポーランドからなのかを教えないこと。検問所には日本国領事館員がはりつき、所謂義勇兵の入国をチェックしており、志願を思いとどまるよう説得するのです。5ウクライナへの入国査証を示さないこと。6「米を食べたいので持って来た」という、噴飯ものの”飯盒”持参の記述。飯盒の起源地は欧州。食器は軍が支給。これこそ田中氏自身による捏造だ。”飯”という漢字により、米(日本独自の食材と考えたのだろうが、地中海沿岸の地ではメヂタランカという美味しい種類がある)を連想したのだと思う。日本人だと強調したかったのだろう。つまり写真の人物は日本人ではない。米は炊き上げる前に、”研ぐ”という水を浪費する食材であるため、野戦食として自ら飯盒で炊き上げることはない。戦争物映画では焚火や炊爨の煙は敵に自分の位置を教えることになり、野戦では絶対にやっていない。そもそも兵士の粥やシチュウなどの温かい食事は野戦炊爨兵が背に負った保温容器で運んでくるものだ。飯盒など金属の食器や炊爨器具を持ち歩くと、音がするので危険なのだ。自衛隊員なら常識でしょうに。彼は自衛隊員ではない。おそらくウクライナ人のアルバイトでしょう。顔はぼかしをいれて見せるだけなのにに、それを見せないのは、この人物がウクライナ人であるからだ。この田中記事は大変危険なものだ。ロシア検察庁は、義勇兵だろうと傭兵だろうと、正規軍以外の戦闘員は”戦争犯罪者”として扱うからだ。昨日のRIAには、投降した二名の英国人義勇兵には死刑が求刑されると報じていました。

    返信削除
    返信
    1. これらのロシア軍に捕まったふたりの英国人義勇兵は英国首相に捕虜交換によって帰国できるように嘆願している人物ですよね。ロシアは当初から義勇兵は国際法に基づいて正規軍からの捕虜としては扱われず、犯罪者として扱うと表明していました。2か月も前の事です。最良の場合でも長い刑期が待っており、最悪の場合は死刑かも。

      削除
  15. この二人はスラヴ人の命より、アングロサクソン人の命のほうが、より尊といと考えているのです。ナチ占領下のポーランドでは
    ユダヤ人を匿うと、ポーランド人が無作為に選ばれ、そのうちの五人が処刑されました。アンネフランク一家を匿ったオランダ人一家は収容所には送られたものの、処刑はされなかった。オランダ人はゲルマン語系だからですね。田中氏は悪質ですね。あの七十人の日本人義勇兵がドンバス軍かロシア軍に拘束されたならば、軍事法廷で”戦争犯罪人”として裁かれます。運治法廷にはアピールコートはなく、一審制です。地下要塞に隠れている、部下兵士に対する性的虐待の科で、自主退役したカナダ人元将官も軍事法廷で裁かれるようですね。ニュルンベルグ裁判のドンバス版を直に見られるわけです。これで英米加はお終いの始まりとなります。

    返信削除