2022年11月8日火曜日

シュールレアルから現実へ、そして、メタレアルへ

 

世界は大きく変わろうとしている。少なくとも私の目から見ると、そんな風に見えるのだ。日本政府は海外からの一般旅行者の受け入れを開始し、新型コロナの大騒動はまだ余韻を残してはいるものの、収束し始めた。コロナウィルスは普通のウィルスとなり、われわれ自身も普通の生活を取り戻しつつある。

もちろん、そういった変化に抵抗する勢力も存在し、彼らは既存の権益を必死に守ろうとしており、決して衰えを見せてはいない。さまざまな権益の中で、新型コロナ禍を通じて彼らが新たに獲得した権益には検閲という社会コントロール手法がある。この件については幅広い見方や意見があると思うので、別途、投稿しようと思う。

しかしながら、歴史を見ると、栄枯盛衰は必ず起こり、繰り返されて来た。そのことを考えると、変化することこそが文明の奥深くに流れる主要原則ではないかとさえ思えてくる。

ここに「シュールレアルから現実へ、そして、メタレアルへ」と題された記事がある(注1)。

これは政治のナンセンス、つまり、政治が現実といかに乖離しているかを一般読者に十分に理解して貰うことを目的としたものであるようだ。さまざまな出来事が起こった最近の何年間かを俯瞰した場合、このエッセイを通じて素人であるわれわれも歴史の流れが何処に向かっているのかを掴み易くなるのではないかと期待している。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

シュールレアル:

一瞬、われわれは誰もがボリス・ジョンソンやリズ・トラスの主演でモンティ・パイソンがカムバックしたのではないかと思った。ふたりの特徴から言うと、実にシュールレアルなのである。前者は政治的勝利を夢見てカリブ海でのバカンスから大急ぎで戻って来たし、後者はノルドストリームパイプライン(トラスの携帯電話がそう言っている。訳注:破壊工作の直後にトラス前首相はブリンケン米国務長官あてのメッセージで「すべてが実施された」(Everything is done.)と発信したとのことだ。このメッセージが破壊工作は英国のMI6が主導したという根拠になっている)やクリミアのケルチ大橋へのテロ攻撃の引き金になったように見えるのである。彼女はリトビネンコの殺害(白人で、二枚舌のブレアーの下で実行された。訳注:2006年の出来事)やスクリパリ親娘の殺人未遂(億万長者で、奴隷商人であるキャメロンの息子の下で実行された。訳注:2018年)を仕出かしたのと同じ冷酷な英国の支配層を代表しているのであるから、ここで驚くには値しない。自分たちのためにロシアを罠に掛けようとして、不器用な混乱をもたらしているのだ。どちらの出来事についてもロシアが真犯人であると信じるのはゾンビーだけであろう。ロシアには天才こそはいないかも知れないが、MI6とは異なり、愚か者はいない。

こうして、われわれは英国の偉大なコメディショーの最新エピソードが終わったことを知ることになった。少なくとも、次のエピソードまでは。まったく無能なトラスは自分自身によって背中を刺され、辞任となったのである。だが、シュールレアルが終わったわけではない。つまり、大富豪のヒンズー教徒が英国首相の座を引き継ぎ、破産した英国の「防衛」予算を2030年までに50%増やすと言ったトラスの意図をキャンセルすることをすでに仄めかしているのだ。このヒンズー教徒の銀行家は、今、国営「英国教会」のすべての司教を任命する責任を持っている!その通りだ。再び、モンティパイソンだ。しかしながら、最も重要な点はトラスの狂った指が核のボタンからは遠ざけられたことである。おそらく、米国の彼女の主人がそう命じたのであろう。

「極めてリッチな」スナク(訳注:英国の新首相)に関しては、彼のPR担当者は彼をもうひとりの素敵な、茶色をしたオバマとして紹介している(1)。(覚えておいてほしいことがある。グアンタナモ湾の刑務所施設を閉鎖することを拒否し、無人機で人々を殺害し、CIAが親切にも資金を提供してノーベル平和賞のひとつを授与された人物は誰だったか?)しかし、スナクの監視下においてそれほど秘密でもない英国の秘密機関はすでにロシアの黒海艦隊に対して馬鹿げたドローン攻撃を企てていた。ジェームズ・ボンドは彼らのために米国の汚い仕事を実行しただけであったように、もちろん、この行動はまずワシントン政府の承諾を得たものだ。うまく行けば、インドの友人らは、英国の道徳的なピグミーのようにではなく、道徳的に自立したインド人としての振る舞いを始めるようにスナクに進言するかも知れない。願わくば、そうあって欲しいものだ。

しかし、1023日、ロシアの国防相が米国や英国、フランス、トルコの相手方に電話をかけ、ウクライナが「汚い」爆弾を使用し、それをロシアのせいにするというキエフ/ MI6の陰謀について共有した時、このシュールレアルな喜劇はさらに続演された。この陰謀を見破って、セルゲイ・ショイグは、今や、絶望的とも言えるキエフ政府のエリートら(ならびに、彼らの相棒である英国のMI6工作員)の過激な行動について米国の支配層に向けて警告を発した。結局のところ、米国は背後から紐を引く側であり、人形たちは米国の明示的な許可なしに何かを実行することは許可されない。米国はキエフの狂人を自分たちの身代わりとした。米国は、ロシアが核兵器を使用するつもりであるという証拠は何も見てはいないとして、その認識を公式に述べ、プーチン大統領はロシア側には核兵器を使用する計画はないと述べた。西側のメディアや他の人々のパニックとヒステリーは根拠のないものだった。だが、メディアは米国の認識については何も報じなかった。パニックやヒステリーはよく売れるからだ。

シュールレアルなパニックの3番目の要因は米空挺師団の部隊がルーマニアに配備されたというニュースである。実際には、それは単なる部分的な展開であり、数か月前から準備されていた交代であった。すなわち、パラシュート部隊を使用してオデッサを乗っ取るといった米国による脅威などではなかった。米国がウクライナで自国の軍隊が虐殺されるのを見たいという概念自体も実にシュールレアルである。彼らはモンサントやカーギル、ハンター・バイデンのビジネスのためにも核保有国に対して第三次世界大戦を引き起こしたくはないのだ。そんなに気にするなよ、ゴンサロ!米国は臆病者だ。彼らは東欧の一国のために死ぬ積りなんてないさ。この点こそが彼らがキエフ側の大砲の餌食や傭兵たちに金を支払っている理由なのである。傭兵らは彼らに代わって「一握りのドルのために」死ぬのだ。

現実:

ここで、現実へ回帰しよう。世界の87.5%はウクライナを解放するために行われているロシアの特別軍事作戦を支持するか、そうでない場合はロシアに対して中立を保つかのどちらかの姿勢を示している。これはナチス化した西側の孤立が高まっていることを示すものだ。そして、「西側」とは実際には米国だけであることも今や明らかである。これはまさにNATOとは米国だけのものであり、西側の邪悪な魔女に過ぎないのとまったく同じことだ。残りはただのカモフラージュであり、蜃気楼である。イタリアやドイツ、フランス、モルドバ、チェコ、ルーマニア(元国防相)、ブルガリア、セルビア、さらには、英国でも反体派による抗議の声が高まっている。「頼むから、ロシアと交渉して欲しい!」、「ウクライナ危機は彼ら自身のビジネスであって、われわれの出る幕ではない。とにかく、彼らはすべてにおいて基本的にはロシア人なのだ」 、「われわれは天然ガスと食料が欲しい!」、「キエフにおけるナチスの手先なんていったい誰が気に掛けるのか?」ヨーロッパの政府の実体はいったい何かと言えば、ハンガリーを除けば、それらはすべてが国民を代表してはおらず、米国の単なる傀儡エリートであることが今まで以上に露呈している。あらゆる意味で人気を維持している政府を持つハンガリーを除いては、EU圏であろうと非EU圏であろうと何の違いもない。もしもノーベル賞が非政治的に与えられるのであれば、ヴィクトル・オルバーン首相は今頃は間違いなくそのひとつを授与されていた筈である。

心気症的なフランス人は、中国がパラセタモール剤を市場へ投入しないことによって彼らを制裁しているとして、気が狂いそうになっている。西ヨーロッパでは、おそらく、20%もの人たちはウクライナ問題のすべては英国のプードルが足元で騒ぎ立て、米国によって画策され、でっち上げられたものであることに気付いている。イラクと同様であり、アフガニスタンとも同様だ。何時もの通りである。このプードルはローマ法王よりも頑固な教皇絶対主義者なのである。過去2か月間、ウクライナの旗はほとんどがヨーロッパで撤去されたことは注目に値する。今ではめったに見られない。労働者階級はウクライナ危機については決して興味がなく、それは兵器産業による単なる作戦でしかないことを常に認識していたが、今や、順応的な中産階級でさえもがウクライナの旗を降ろしている。蜃気楼は終わったのだ。この地獄の戦争は終わらせなければならない。

ヨーロッパではより多くの人たちがプーチン大統領は正しいのかも知れないと考え始めている。レイキャビク/ダブリン/リスボンからウラジオストックに至るまで共通の経済圏が本当に必要なのだ。これはEUのような米国主導とはならない。EUは、NATOがその軍事部門であるのと同じように、ヨーロッパにおけるアメリカの政治的、経済的な部門であるに過ぎない。USE(ヨーロッパ合衆国)という言葉が用いられた。だが、それも終りだ。今必要とされることのすべてはヨーロッパが1940年代のアメリカの侵略と占領からの独立を回復することだけである。それが出来れば、新しいEU、ユーラシア連合、または、EC、ユーラシア連邦が出現する。これは選挙で選ばれてはいないユーロ貴族たちによって統治されるのではなく、多極化されたユーラシアの主権国において選挙によって選出された政府が協力することによって統治されることになる。

ケルチ/クリミア大橋へのテロ攻撃は、結果として、ウクライナのエネルギー供給網に対するロシアのミサイル攻撃をもたらし、その少なくとも40%は送電を停止し、その一部は非常に長い間中断されている。これらの攻撃は毎日のように行われている。今日、キエフの80%には水がない。多くの人たちは電気も暖房もなく、夜間は屋外ではマイナス2度だ。日中はマイナス2度になるのを待つだけだ。ゼレンスキーさんよ、クマを突っつかないでくれ!

1020日、ロシアの30万人の部分的動員が完了した暁にはいったい何が起こるのかを示す兆候が、今やすでに示されているように、現れてきた。大規模なウクライナ軍が集結しているように見えるヘルソンでは、キリル・ストレモソフ知事が次のように宣言した。「キエフ政権によって計画されたヘルソンに対する攻撃を打ち負かした後に、ニコラエフ、オデッサ、ドニエプロペトロフスクに対する反撃を開始する予定である」。

https://news.mail.ru/incident/53550333/?frommail=1

1030日、同人物は40,00060,000人の軍隊を動員したヘルソンに対するキエフによる大規模攻撃が行われることを予想していると述べた。その3分の1は傭兵である。傭兵の給料は週4,000ドルと言われている。しかし、あなたが死んでしまった後には、それはいったい何の用に立つというのか?

https://news.mail.ru/politics/53680125/?frommail=1

キエフ軍がヘルソンに対して行った多くの小攻撃は10月中に敗北した。キエフの攻撃能力は消耗によって絶えず低下している。この2月以降、60,000人のキエフ軍兵士が死亡したと言う人がいる。他の人は40万人という恐ろしい数字を挙げているが、これは死者、重傷者、および、捕虜の合計として40万人という意味なのかも知れない。毎日約1,000人のキエフ軍兵士が活動を停止していると言う人もいる。現在、最前線の軍隊を解放するために、82,000人のロシアの予備軍がすでにドンバス地域に配備された。

もしも私が西側の指導者であったならば、私はあれこれと考える。つまり、どうすれば面目を失うこともなくこの混乱から抜け出すことができるのかという点だ。おそらく、私はこう宣言することができるだろう。「ロシアはNATO諸国に向けて動こうとはしなかった。NATOはロシアの侵略に対して断固として立ち向かってきた。これはわれわれにとっては大きな勝利だ。」ウクライナからは撤退して、ウクライナにおける西側のダンケルクを勝利として提示してから私はゆったりと座り、すべての経済制裁を静かに解除する。結局のところ、ほぼ正確に60年前、ソ連にキューバから全ミサイルを撤去させるために、押しつぶされた米国はソ連・トルコの国境から自分たちのミサイルをすべて撤去した。いじめっ子に対処する唯一の方法がある。それは彼らに立ち向かうことだ。そして、いじめっ子はすべてが臆病者であり、アフガニスタンから逃走したように彼らは非常に速く走ることができることが分かる。

メタレアル:

プーチン大統領の言葉によると:

「私はロシアの救いのためにできる限りのことをすると神の前で誓った。西側の支配権を掌握した悪魔は地球上の精神的なものすべてを破壊しようとしていることから、世界を救わなければならないことが分かった。私は主の力と支持を持っているので、これに成功すると信じている。そして、それこそが私が必要とするもののすべてだ。」

オーソドックス系キリスト教には極めて同質の内容を持った予言が非常に多くある。たとえば、非常に有名で極めて最近のものとしてはチェルニゴフの聖ローレンス、オデッサの聖ククシャ、ドネツクのゾシマ長老、ニコライ (グリヤノフ) 長老、そして、オデッサのヨナ (イグナテンコ)長老(2012)だ。後者はオデッサは最後に解放されるだろうと言った。「プーチン大統領の後には皇帝(ツアー)が現れて、しばらくの間平和が続くだろう」と述ている。

ウラジミール・プーチンがヴァルダイ会議で全地球的な規模で変革をすると述べた話をもう一度聞き、私はそれを信じる準備ができた。皆さんも傾聴していただきたい。彼は天才だ。プーチン大統領はすべての人に寛容を示しているが、ロシア正教会のエリートとして登場したキャリア組の多くは聖職者や一般大衆を無視し、パリサイ派の不寛容を示している。悲しいことには、ロシア正教会の上層部は1990年代にロシアを腐敗させた西側のお金によって腐敗してしまった人々によって占められている。ロシアの諺に「魚は頭から腐る」という言葉がある。しかしながら、私は魚の体の部分についてはかなりの自信を抱いている。ちなみに、これらの預言者は新しい皇帝が腐敗し切った無原則なキャリア志向の司教たちが占める教会を浄化するであろうと言っている。そうすべき時が来た。

11月には寒くなり、泥が凍り始めるので、戦車や輸送作戦は前進する。樹木からは葉が落ち、ナチスのための都合のいい覆いは無くなってしまう。ヨーロッパ西部に関しては暖房の必要がほとんどなかった、信じられないほどに暖かだった10月の後、11月には間違いなく寒い天候がやって来る。今、何かが進行中である。大戦争か?

明日は11月だ!

20221031日記

注:

1. オバマに初めて会った際のベルルスコーニのとても微妙な発言を思い出していただきたい。「あなたは素敵な日焼けをしているね。」

***

これで全文の仮訳が終了した。

英国ではリズ・テラス前首相が辞任したことによって偉大な英国のコメデイーシヨウの一幕は終わったと著者という。だが、次の幕が待っている。

英国だけではなく、全ヨーロッパが今何かを待っている感じだ。厳しいヨーロッパの冬を舞台にしてこれからどう展開するのかについては、われわれ観客が遅かれ早かれ知ることになる。1月~2月の厳冬期になると、食糧や暖房を求める一般大衆の抗議の声はその極に達するに違いない。暖房を維持する燃料が入手できなくなり、厳冬の中でアパートの室温が低下した場合、多くの市民は観客では居られなくなって、ついに街頭デモに参加することになるのかも知れない。

現実の話としては、英国ではエネルギーコストが急激に上昇したことから天井知らずの物価の高騰に見舞われ、政府が緊急救援措置を設けて全所帯に助成金を補填しても、一般庶民の不満は簡単には収まらない。トラス首相は歳出が急激に増加する中でさえも、富裕層に対しては減税策を採用したという。この矛盾に満ちた政策を受けて、英国国債の市場金利は上昇し、消費者物価をさらに高騰させた。金融部門が活力を失うと、英国経済はドカ貧となる。首相が交代しても、内閣の改造が行われても、政府に対する不信感を払拭することは容易ではない。

この冬の寒さが身に染みるようになった昨今、ヨーロッパ全域で一般庶民の不満は高まるばかり・・・。

しかしながら、元をただせば、これらの状況は長年にわたって恣意的に演出されてきた対ロ嫌悪感に基づいて西側、つまり、米国が発動し、EUが便乗した対ロ経済制裁によってもたらされたブーメラン現象である。まさに自業自得であり、自殺行為でもあったと言える。極めて残念なことには、現状は当初から指摘され、警告されていたことである。

英国における厳しい状況はドイツにおいても観察される。ドイツの最大級の問題はエネルギー危機によって産業界が国際市場で競争力を失うことだ。輸出ができなくなると、ドイツ経済は完全にお手上げとなる。だが、ドイツでは、ショルツ首相が経済界の大物たちを引き連れて、つい最近、中国を訪問した。現状の大問題を解決しようと思えば、EUは基本的に対ロ経済制裁を撤回するしかないのではないか。それは米国への追従を止めることを意味する。この訪中がドイツに、さらには、EU全体に何をもたらしてくれるのかが当面の最大の関心事である。

モンティ―・パイソンはもう終わりにして、国際政治に正気を取り戻して貰いたいものである。

参照:

1From the Surreal to the Real to the Meta-Real: By Batiushka, The Saker, Oct/31/2022 

 



2022年11月5日土曜日

新たなキューバミサイル危機 ― 本当はそうではない


国際政治においては二重、三重の嘘で固められた出来事が頻繁に現れる。それらの嘘の背景にはれっきとした政治目標が存在しており、事前にシナリオが立てられている。それらの嘘は一般庶民を洗脳することによって巧妙に隠されている自分たちの目標を確実に実現するためなのだ。しかしながら、そういったプロパガンダは、ほとんど常にと言っていいほど、思いがけないタイミングで綻びを見せ始め、事の真相が表面化する。

たとえば、9/11同時多発テロ、イラクに対する西側連合による軍事侵攻、ウクライナにおけるマイダン革命、マレーシア航空MH-17便の撃墜とオランダ政府主導の国際事故調査委員会が主張するロシア犯人説、シリア内戦における化学兵器の使用、英国におけるスクリッパル親娘殺害未遂事件、トランプ前大統領の弾劾を目標にしたロシア疑惑、ロシア・ウクライナ戦争、ノルドストリーム・パイプラインの破壊工作、等。事例には事欠かない。 

最近の例。PCR検査によって擬陽性を多発させ、恐怖感を煽り、全世界を集団ワクチン接種に巻き込んだ新型コロナウィルスの大流行も、一般庶民を洗脳して所定のシナリオを実現するという意味合いにおいてはまったく同様のパターンで展開されたと言えよう。各国政府は彼らの上に立つご主人様からの命令を受けて、さまざまな対策を講じた。都市閉鎖や社会的距離の維持、ワクチン接種、マスクの着用、ワクチンパスポート、違反者に対する罰金、異論を唱える専門家に対する口封じ、等。これらの策はワクチン接種を強制するためであった。科学は商業主義にハイジャックされたかの観を呈した。今判明しつつあることは、結局のところ、新型コロナを封じ込める筈であったワクチン接種は期待ほどの効果を示さなかった。 この大騒動は3年間近くにわたって継続されて来たが、それを支えてきた最終的な目標は、それが公言されている表面上の目的、あるいは、巧妙に隠された目的であろうとなかろうと、実際には世界の80億人の生命を守ることではなかったのではないかという点に収斂する。何かまったく別の思惑、あるいは、目標があったのではないかと思わせる程だ。

 一般大衆の生命を守ることが最大の責務である筈の国家機関について現状を観察してみよう。たとえば、11月4日の報道によると、2020年以降に米疾病予防コントロールセンター(CDC)の報告システムに報告された新型コロナワクチンによる死亡件数は31,696件で、これは過去30年間に他のすべてのワクチンによる合計死亡件数の3倍にもなるという。しかも、この数値は現時点のものであって、今後引き続き報告される事例がさらに追加されて、次第に増加していく。「CDCはいったい何をやっているのか!」と多くの人たちが疑問を感じることであろう。この記事が示す数値はあくまでも報告された事例であるから、何らかの理由で報告されなかった事例は含まれてはいない。それらがどれだけ存在するのかは推定するしかない。控え目の数値から大胆な数値に至るまで幅広い振れが予想される。一方、過大に報告されているのではないかとの指摘もあり得るが、これらの報告は大部分が医療関係者によって報告されていることから、過大報告の可能性はそれほど大きくはないだろうと推測される。(原典:31,696 COVID Vaccine Death Claims Submitted to CDC’s Reporting System Since 2020: Triple All Other Vaccines Combined Over 30 Years: By Roman Valmacov, FACTS MATTER, Nov/04/2022) 

余談が長くなってしまったが、最近20年間に起こったさまざまな大きな出来事が明白に示すように、隠された目標を達成するためには西側のメディアは虚偽報道を行い、各社が歩調を揃えて喧伝し始めると、「何かが隠されているに違いない」と一般大衆は思い始める。これは繰り返して行われて来たプロパガンダ戦術(不思議なことに、いつも同じパターンだ)から一般大衆が学んだ貴重な教訓である。 

ここに、「新たなキューバミサイル危機 ― 本当はそうではない」と題された最新の記事がある(注1)。 

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。 

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「キューバミサイル危機」という表現は悪意が込められた誤称である。キューバは核ミサイルを所有してはいなかった。キューバは一時的にいくつかのソ連製核ミサイルのホスト役を演じたのだ。この危機は、米国が中距離核ミサイルをトルコに配備したことから、ソ連側がキューバに同様のミサイルを配備し、対応したことによって米国にとっては新たな脅威として発展して行ったものである。米国人は激怒したが、最終的には落ち着きを取り戻し、米国はトルコから核ミサイルを撤去した。ソ連もキューバから核ミサイルを撤去した。こうして、この危機は終わった。したがって、この危機は「米国によるミサイル危機」と称するべきである。 

今起こっていることはキューバミサイル危機の実態とは大きく異なるというわけではない。ここ数週間地下の退避壕に隠れて過ごしていたわけではないとするならば、「プーチンによる核の恐喝」によってある種の新しい核危機が進行中であると皆さんはお聞きになっていると思う。その結果、神経衰弱に襲われ、自分の義務を怠り、一般的に言えば自分自身を見失ってしまう人たちもいるのである。前英国首相のリズ・トラスを例にとってみよう。愚かなことに、彼女は「風が上がったどの方向にでも向けることができる」と言ったプーチンの言葉(戦術核兵器の完全な無用さについてその事実を指摘したものではあったのだが)に引っ掛かったのである。その後、ウクライナ上空の風向きを彼女が執拗に追跡している間に、英国経済は自由落下してしまった。可哀そうに、リズにとっては惨めな終焉となった。皆さんは決してリズのようにはならないで欲しいものだ。 

私は、いつものこと、つまり、西側のプロパガンダのいつもの偽情報を乗り超えて、今何かが起こっているわけではないことを皆さんにお伝えするためにこの原稿を書いている。 

これは、特に、プーチンや核とは何の関係もない。その代わり、これはすべてがストーリーの失敗を何とか補うための必死の試みについてのものであって、そういった試みの失敗に関するものだ。世界人口の80%にも相当する国々はロシアを非難し、制裁を課し、あるいは、他の何らかの方法による罰ゲームに参画することは拒否しており、いくつかの非常に大きな国(中国やインド)はこの件に関してはロシアに対して支持的、あるいは、中立的である。 アジアや中東、アフリカ、南米を含めて、世界の国々のほとんどは、ロシアが世界中でも遥かに巨大で、かつ、最も有能なNATOの装備を持ち、NATOによって指揮された軍隊(つまり、ウクライナ軍)を組織的に破壊するのを注意深く見守っている。そして、現在展開しているのはワシントンにとってはまさにワーテルローの戦いであることを十分に理解している。一部の国々(例えば、サウジアラビア)は結果を余りにも確信していることから、ワシントンの命令に従うことは既に拒否している。ワシントンの連中が知っていることと言えば、それは自分たちの意志を世界に押し付けることだけであるので、これは大問題だ。他者を平等に扱ったり、ウィンウィンゲームを交渉する機会を探したりすることは、端的に言って、彼らの中核的な能力ではない。さらには、それは彼らの能力の一部でさえもないのだ。ひとたび牙を抜かれてしまうと、彼らが知っていることと言えば吠え声を上げ、よだれを垂らすことだけだ。 

この問題を解決するために、ワシントンとブリュッセルのストーリーに夢中になっている連中は核のカードを弄び、ロシアの核恐喝を非難することに決めた。一方、ロシアが行ったのはウクライナ軍に数回にわたって大打撃を与え、かなりの数の国際監視員が注意深く見守る中で実施された非常に決定的な地元民による住民投票に基づいて、4つの旧ウクライナ地域をロシア連邦に受け入れ、必要ならばあらゆる手段を用いて外国からの攻撃から同地域を守ると発表したことだ。ロシアは核兵器を所有しており、その核ドクトリンに従ってそれらを使用することになるので、これらの手段には明らかに核兵器が含まれる。しかしながら、ロシアの核ドクトリンは先制攻撃を排除している。 一方、米国は核ドクトリンにそのような規定がなく、実際に(日本で)民間人に対して核兵器を使用し、対抗できない核による先制攻撃を行う能力を開発することを何十年にもわたって夢見てきた。核の脅威と判断されるべき国家があるとすれば、それはロシアではない。私がこれから説明するように米国はもはや核の脅威ではないという点を除けば、それは米国なのである。プーチンはこれについてはほとんど何も仄めかしてはいなかったが、ただ単にヒントを与えることで米国の国防当局を完全に激怒させるのには十分であった。現実こそが彼らの最悪の敵なのである。 

プーチンは、この時点で、ロシアは核抑止兵器庫には西側のそれよりも優れた兵器をいくつも持っていることを指摘した。 

これらの新しい兵器は、ロシアへの核攻撃は西側にとっては後になってから間違いなく自殺的な動きになることを保証するものである。つまり、欧米にはロシアを確実に破壊する方法はない(ロシアは広大過ぎて、経済の中核は方々に散在し、独立し過ぎており、防空・宇宙防衛システムによって十分に防御されている)が、ロシアは欧米を確実に破壊することができる(欧米は、ほとんど防御されてはいない)。だが、欧米が最初に攻撃しない限り、ロシアは攻撃をしないであろう。旧ソ連時代とはまったく異なり、今のロシアには教えを広めようとする熱意はまったくない。(ロシア産の石油やガスの不足によって)暗闇の中で(ロシアの化学肥料が不足していることから)西側が飢えて行くのを座って見ていられるということは幸せなことである。彼らがやりたいことはばらばらに散らばってしまったロシア世界の断片やソ連の崩壊がボルシェビキが布告した国境の後ろに置き去りにされた人々や土地を寄せ集めることだ。この状況においては核戦争のリスクはほとんどゼロである。ゆったりと座って、深呼吸をし、良い便りに浸っていただきたい。喜びを感じていただきたい。 

しかし、「プーチンによる核の脅威」に関してあなた方に嘘をつくことが仕事である馬鹿者どもに耳を傾けると、あなたの喜びはおそらく長続きしないであろう。たとえば、ジャック・フィリップスがモスクワはウクライナでの戦争を救うために戦術核兵器を使用すると脅迫しているのだと書いた時、基本的には彼は私たちに嘘をついただけであった。同じ文章の中で一度だけではなく、三度も。ロシアは戦術核兵器を使用するとの脅迫はしなかった。だが、それに代わって、それらは役に立たないことを指摘した。そして、ロシアの特別軍事作戦は成功している。脅威はないという事実こそが私のこの記事の主要なメッセージであるのだが、ちょっと脇へ逸れて、ウクライナの勝利とロシアの敗北はいったいどのように見えるのかについて説明してみよう。 

ウクライナの勝利というのは次のような感じだ:IMFによると、GDPは2022年には35%減少し、国立銀行によると、インフレ率は30%を超え、減速の兆しは見えない。世界銀行によると、来年はウクライナ人の55%が貧困ライン以下になり、1日あたり2.15ドル未満で生活する。ウクライナの経済大臣によると、失業率は30%に達する。首相によると、直ぐにでも対外支援をしてもらわないと年金や給与を支払うことができない。国連によると、人口の20%が国外へ脱出し、さらには33%が国内避難民となっている。エネルギー省によると、発電能力の40%をすでに失っている。ウクライナ軍は予備役を使い果たして、60歳までの男性を徴兵しており、前線において見舞われている死傷者数の増加は極めて恐ろしい状況にある。 

その一方、ロシアは征服され、次のような状況にある:ロイターによれば、ロシアのルーブル通貨は世界で最も強い通貨である。ガーディアン紙によると、プーチンはこれまで以上に強力で、人気がある。農業省によると、今年の穀物収穫量は1億5000万トンを超え、そのうち5000万トンが輸出に廻され、ロシアは世界最大の穀物輸出国となっている。エコノミスト紙によると、まさに西側が不況に突入しているこの時に、ロシアは不況から抜け出している。ゴールドマンサックスによると、ロシアの経済活動指数は、現在、西側よりも高い。ロシアは訓練を受けた経験豊富な予備役から30万人、つまり、1%の召集を終えたばかりであって、彼らは、現在、ウクライナ戦線に送り込まれる前にNATOに対する最新の戦闘技術の訓練を受けている。 

しかし、これらの事実が西側の支配的なストーリーの邪魔にならないようにしようではないか:ウクライナは勝たなければならないし、ロシアは負けなければならないのだ。そうではないとするならば、ロシアが核兵器で世界を脅かすほどに完全に絶望的になる原因とはいったい何なのか?話は単純だ。それほど明白ではないのは西側のプロパガンダを推進する連中はなぜ「プーチンによる核の恐喝」という虚偽の言説をでっち上げ、広めるのに必死にやっているのかという点である。 

この超多忙なプロパガンダを進める理由のすべてはロシアが屈服し、いつでも、いかなる理由であるにせよ、没収し得る欧米中央銀行のコンピューター内に存在するエネルギーや鉱物資源について新たに作り出された数字と交換することに同意しない限りは、西側集団は政治的にも経済的にも生き残る術がないからなのだ。状況は悲惨そのものである:米国は猛烈なペースで戦略的石油備蓄を消費しているが、ディーゼル燃料の不足とガソリン価格の頑固なまでの高騰に直面させられている。支払いを延期しなければならない巨額の債務を抱え、それは拡大する一方であるが、直接お金を印刷することによってのみそうすることが可能で、インフレはすでに10%を超え、これまで以上に亢進している。ヨーロッパは途方もなく高くなったエネルギー料金、産業の閉鎖、大規模な失業に見舞われ、厳しい冬に備えようとしている。そして、米国はそれに続いており、大きく遅れているわけではない。米国のフラッキング原油や天然ガスによる大儲けの話は決して利益を上げてはおらず、今や、おそらく1~2年後には一文なしとなるであろう。そうなると、ヨーロッパにおいてはロシアからのパイプライン・ガスに取って代わるというアメリカの液化天然ガスを輸入する夢は決して現実的な計画ではなく、産業の閉鎖がアメリカにも広がって行く間に永久に死んでしまうであろう。 

このシナリオを回避するために必死の対策が適用されて来たが、それらはすべてが失敗に終わった。まずは地獄の経済制裁の計画があった。多くの西側企業はロシアへの製品の出荷や同国でのビジネスを止めることを余儀なくされた。これは西側企業に大きな損害を与え、市場シェアはロシア企業によって横取りされるという機会を提供した。ロシア国内の生産で置き換えられないものは第三国経由の「並行輸入」に置き換えられた。 

次に、西側(特にヨーロッパ)はロシアのタンカーに対する制裁を始めとして、ウクライナとポーランドを通る既存のパイプラインの使用を禁止し、バルト海でのロシアからのガスパイプラインに対する完全なテロ攻撃に至るまで、多くの手段を通じてロシア産エネルギーの輸入を削減した。EUへのロシア産石油の輸入の完全禁止は12月から開始すると予定されており、これは予想通りに状況をさらに悪化させることであろう。その結果、ロシアは代わりにアジアのパートナー、特に、中国に向けて石油やガスの輸送を開始し、西側は予備の供給が続く限りスポット市場でこのエネルギーをめぐって競争することを歓迎している。だが、西側は歓迎するどころではない。なぜならば、市場価格が上がったことから、ロシアは少量のエネルギーを輸出するだけであってさえも、今までよりも多くの外貨を稼げるのである。 

 そして、ウクライナにおける核の挑発のために独創的な計画が生まれた。米国と英国の支援を受けて、ウクライナは古いソ連時代の弾道ミサイル(トーチカ-U)を用いて、ウクライナの原子力発電所のひとつから得た核廃棄物を装填し、(すでに長寿命の放射性核種で汚染されている)チェルノブイリの立ち入り禁止区域のどこかで爆発させる運びとなっていた。それから、西側のメディアや外交筋はすべてがヒステリックに振る舞い、ことのすべてをロシアのせいにし、西側の対ロ経済制裁への参加を拒否している世界中の国々の少なくとも一部だけでもが西側に参加するよう騙せることに期待を寄せていた。 

この計画はどれだけうまく行ったのだろうか?どうやら、まったくうまくは行かなかった!まず、ロシアの諜報機関はウクライナ内部のひとつの情報源、または、ふたつかみっつの情報源から作戦全体の詳細を入手した。これは驚くべきことではない。自尊心の強い原子力技術者はこのような茶番劇の責任を負うことに興奮し過ぎてしまうようなことはないからである。第二に、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相はプーチンからの直接の命令の下で世界中の彼の相手役に対して電話をかけ、この証拠を彼らと共有した。第三に、ロシアはIAEAにこの茶番劇がでっち上げられていたウクライナの二つの場所を調査するよう具体的に要請したのである。最終的な結果はどうかと言うと、ウクライナ側は今や急いで証拠を隠滅し、自分たちの足跡を消そうとしている。このような高度に管理された放射性物質のすべてをグラム単位で在庫管理し、そのすべての動きを記録する必要があることを考えると、この隠蔽にはいくつもの事件や事故、不可抗力的な状況がついてまわる可能性が高い。もちろん、茶碗一杯の核廃棄物や爆竹に絡んだ厄介な小さな事故についてさえも無視するべきではないし、ロシアのせいにするべきでもない。 

ところで、核超大国の睨み合いという現実の世界ではふたつの興味深い出来事が起こった。2022年10月20日木曜日、それぞれのミサイルに10個の核弾頭を搭載したトライデントII型弾道ミサイルを24発も装備しているオハイオ級潜水艦である米国の原子力潜水艦「ウェストバージニア」がアラビア海に浮上し、マイケル・クリラ米中央軍司令官を迎えた。私が想像するには、彼は乗組員をデッキに整列させ、白い海軍の制服を着て彼らの前に立ち、ズボンを下げて、「milk, milk, lemonade, round the corner fudge is made」という小さなルチーンを演じたことであろう・・・。 

なぜならば、彼はそういったルチーンを行ったことがあるからだ。原子力潜水艦を所有する目的はステルス性を維持することにある。なぜかと言うと、彼らがミサイルが何処からやって来るのかを知ってさえいれば、ロシアの防空システムはトライデントII型ミサイルを上手く迎撃することができる。したがって、浮上して、甲板でパレードを開催するといった行動は、基本的には、この潜水艦は当分の間非番であることを世界に向けて発信したことになるからだ。 

なぜ米国人はこんなことをするのだろうか?これは不器用な平和のジェスチャーなのか、あるいは、不可解な降伏行動なのか、それとも、助けを求めるベールに包まれた叫びなのか?それとも、バイデンが持っているものは何でもが感染性であることから、彼らは皆が呆けてしまったというのであろうか?われわれには分からない。たとえそれが何であろうとも、ロシア人は何の影響さえも受けてはいないようだ。ロシアの原潜「ベルゴロド」は、最近、外洋へ出航し、NATO内に小さなパニックを引き起こした。すべてが100の数字で説明される。同艦は数多くの原子力駆動型のドローン魚雷「ポセイドン」を装備している。それぞれの魚雷は100メガトンに相当する。ポセイドンはほぼ無限の航続距離を持ち、1000mの水深(原潜の約3倍の深さ)で約100 km / hの速度で航行し、水中の沿岸尾根の近くで爆発させると100メートルもの津波を発生させることができる。それらのうちの5個の魚雷を使用しただけであっても、米国と北ヨーロッパの両方の海岸全域を破壊するのに十分である。これらは公海で行われる水中核実験であり、反社会的ではあるものの、誰かの領土に対する直接の核攻撃ではないので、ほとんど開戦事由とはなり得ない。そして、その後の津波は?うーん!おっと、ごめん!「津波の場合にはロシアを破壊する」として、米国の核ドクトリンに書き込もうとする者は誰もいない。何と言っても、ポセイドンは何年間も待つことが可能で、新しい命令を受け取るために定期的に浮上するだけだ。しかし、もしもロシアが破壊されたならば、彼らは立ち上がり、他の世界を破壊することであろう。「世界の中にロシアがいないならば、この世界はいったい何の役に立つと言うのか?」(プーチン大統領) 

ロシアは核戦争を開始しないであろうとわれわれは確信することができる。核戦争の開始は危険であり、勝つためにそのようなリスクを冒す必要はないのである。米国は、それは自殺に繋がることから、核ミサイルを発射しないであろうと確信することができる。そして、「プーチンの核による恐喝」を喧伝する物語屋たちが狂わんばかりに吠え続ける間、われわれは皆座って、リラックスすることができる。誇大宣伝を実現するために核のナンセンス物語によって人々を怖がらせようとしているメディア界のさまざまな売春婦たちは恥を感じて然るべきだ! 

*** 

これで全文の仮訳が終了した。 

「ロシアは核戦争を開始しないであろうとわれわれは確信することができる。核戦争の開始は危険であり、勝つためにそのようなリスクを冒す必要はないのである。米国は、それは自殺に繋がることから、核ミサイルを発射しないであろうと確信することができる」と著者は述べている。 

皮肉を交えたオルロフ氏特有の語り口や極めて具体的なエピソードによる説明は、いつものことながら、秀逸である。何と言っても、非常に理解し易い文章がいい。 

私は核戦争の回避に関連してはこのブログで何回か投稿をして来た。それは、核大国がひとたび武力紛争を開始したならば、最終的には全面核戦争へ行きつく可能性が極めて高いからである。だから、ロシア・ウクライナ戦争はその戦場がウクライナではあるけれども、実質的には米ロ戦争であるという現実を考えると、一日でも早く停戦に漕ぎ着け、最終的には二国間の和平に繋げてもらいたいと改めて願うばかりである。 

参照: 

注1:The New Cuban Missile Crisis That Isn’t: By Dmitri Orlov, The Saker, Nov/02/2022




2022年10月30日日曜日

新型コロナワクチンは女性の生殖器系の健康に悪影響を与える

 

新型コロナワクチンの安全性を疑っている人たちの間にスティーブ・カーチという専門家がいる。ニュースレターを通じて積極的な活動をしており、英語圏においては極めて知名度が高い人物である。「ファクトチェッカーは誰も私に挑戦しては来ない」と述べていることが私に興味を覚えさせた。彼のブログを読んでみると、「なるほど!」と思わせるような統計情報に遭遇することが多い。彼の論理を粉砕するのは並大抵ではないことが感じられる。

当ブログではスティーブ・カーチの記事をいくつかご紹介して来た。たとえば、「友人であるジョセフ・ラダポ博士を擁護したい」(Oct/26)、「イスラエル政府は新型コロナワクチンの安全性に関して深刻な問題点を見い出すも、必死にそれを隠蔽(第2部)」(Sep/19)。

ここに、「新型コロナワクチンは女性の生殖器系の健康に悪影響を与える」と題された彼の最新記事がある(注1)。

新型コロナワクチンの接種を受けた女性の間では流産や死産が増加しているという。そして、実際の発生件数は報告されている件数よりも遥かに高いという。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

ここに甚大な悪影響をを示すグラフがあるが、新型コロナワクチンは以前のワクチンと比較して過小報告されているため、不一致は実際には見た目よりも5.4倍も大きい可能性がある。

 

概要:

新型コロナワクチンによる副作用の中で最も頻繁に起こった症例は単一のVAERSカテゴリーでは、常に、女性の生殖器系に関わる問題だ(訳注:「VAERS」とは「ワクチン有害事象報告制度」のこと)。

本稿では過去においてはワクチンによる有害事象を有意に低下させようとして来た努力が(新型コロナワクチンにおいては)中断されてしまったことを示そう。

なぜ新型コロナワクチンの接種は停止とならないのか?それは米疾病予防管理センター(CDC)が安全性の問題を一般公開してはいないからである。

これらの影響には何か別の原因があるのか?別の原因なんてない。これらの影響はワクチン接種と相関しているからだ(症例報告を読んでいただきたい)。

医学界とCDCが自分たちに何をしたのかについての真実について女性たちが最終的に知った暁には、彼女らは激怒することであろう。

残念ながら、これは何年も先の事であろうと思う。

はじめに:

2021610日、ロバート・マローンと私は「ダークホース」と称されるポッドキャストに出演した。私たちは新型コロナワクチンが卵巣に蓄積されることを世界に向けて指摘した(技術的には、mRNAのキャリアである脂質ナノ粒子であるのだが、それは詳論だ)。 ユーチューブは、おそらく、一般の人々が真実を学ぶのを防ぐために、百万回のアクセスが行われた後にこの動画を削除した。もちろん、ユーチューブの無名の検閲担当者たちはブレット・ワインスタインよりも賢いのである。

我々の警告がいったい何を意味するのかは当時のVAERSの報告書で明白であった。

あの出来事から1年以上が経ったが、悪影響は今も起こっている。「オープンVAERS」の生殖器系の健康問題に関する新しいページから抜粋された流産と死産の最新データは次の通りだ:

Photo-1

また、月経障害(月経出血、膣出血、子宮出血を含む)のデータは次の通り:

Photo-2

留意すべき重要点がは三つある:

1.    過去においては上側のグラフがわずかでも上昇すると、増加の原因となったワクチンは市場から排除された(「オープンVAERS」のページを参照し、**の注記を探していただきたい)。しかし、あなたが明らかに確認することができるように、新型コロナワクチンは遥かに悪い状況にありながらも、これらのワクチンには手を付けることができない。有害事象の発生率は以前のワクチンと比較して遥かに高いのだが、誰も何も言わない。このデータを女性に見せた医師は解雇され、カリフォルニアで開業している医師は医師免許を剥奪される。新型コロナワクチンについての彼らのモットーは「何かが見える?何も喋るな!」である。

2.    各グラフについて実際の件数を推定するには報告数を少なくとも 41 倍にすることになる。これはVAERSに集められている報告は過少報告されているからだ。言い換えれば、われわれは影響を受けている何百万人もの女性についてここで話をしているのである。

3.    新型コロナワクチンの展開後に報告された件数が大幅に増加したのは私が前の記事で指摘したような過大報告によるものではなかった。実際には、新型コロナワクチンは他のワクチンと比較して5.4倍も過少報告されているようである。したがって、新型コロナワクチンと他のワクチンとの違いについて言えば、現実の状況は上記に示されているよりも約5倍も悪いのである。通常の世界であったならば、これらのワクチンは市場から回収されている筈だ。

CDCがこれらのグラフについて何も言わないのは本当に残念なことだ。ね、そうだろう? CDCは完全に沈黙している。主流メディアもこれについては沈黙を保ち、この問題を完全に無視することを選択した。

女性がこのように誤導されていることを知ったとき、彼女らは幸せを感じることはできない。しかし、検閲が行われ、主流メディアによる報道が欠如していることから、ほとんどの女性は何年も、おそらく、何十年にもわたって決してこの事実を見い出すことはないであろう。

しかし、私は読者の皆さんのすべてが今こそ真実を知ってもらいたいのだ。

これらの発生率(ならびに、このような事象の一部さえもが引き起こされた際には、他のワクチンの場合はどのように市場から回収されたか)の詳細については、生殖器系の健康に関して新しく更新された「オープンVAERS」のページをご覧いただきたい。

VAERSにおける症状:

これは私が最近FLCCCの会議で行った発表で使用したスライドのひとつであって、新型コロナワクチンに関してVAERSに報告されている症状の件数は他のワクチンよりも遥かに多いことを示している(訳注:この一連のスライドには極めて興味深い情報が数多く含まれている。この著者が言いたいことをより深く理解するためにも是非これらのスライドをご覧いただきたい)。下に示すスライドは新型コロナワクチンによって引き起こされた症状について上位37種類のVAERS症状を示す。矢印からもお分かりのように、新型コロナワクチンは女性の生殖器系の健康を妨げるという点で実に大きな危害を引き起こしている。ランク付けされた症状の完全なリストについてはXファクター分析を参照していただきたい。

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月経に関する諸々の症状はイスラエル保健省が新型コロナワクチンの安全性を研究した際に見い出した最大級のカテゴリーであった。

一般大衆は決して見ることはない筈のビデオがリークされたが、この短い動画をご覧いただきたい。これはイスラエル保健省と科学者チームとの間で開催された会議の様子であって、科学者チームは安全性のデータに注目するよう要請した

彼らが見出したことを下記に示す:

女性の健康に及ぼす影響ははっきりとしており、それらは新型コロナワクチンによって引き起こされたものであって、今後も長く続く。

このデータの詳細については、イスラエルの安全性調査に関する私の話を参照し、その記事の参考文献を参照していただきたい。この記事は実に有用でもある

当然のことながら、イスラエルのマスコミと世界中の主流メディアは、ロイターのファクトチェッカーがこのビデオが本物であることを確認したにもかかわらず、この話を報道することを拒否した!

肝心なことは、イスラエル保健省の安全チームはワクチンに多くの安全上の問題を発見したが、マスコミや公的機関は彼らが見い出した事柄には(何らかの理由で)注目しようとはしていないという点だ。

さらには、こんな報道がある:

次の記事をご覧いただきたい:研究の結果、新型コロナワクチンは女性の健康を害することが判明。問題があることはNIH(米国立衛生研究所)さえもが確認した。

危害のメカニズム:

新型コロナワクチンが女性にどのように害を及ぼすのかについては、毒物学者のジャンシー・リンゼイ博士による下記の発表を参照していただきたい。

要旨:

VAERSには何千もの有意に上昇した有害事象が報告されているが、CDCはそれらのすべてを無視している。これは、CDCは何人の命が救われたかによって報われるのではなく、投与されたワクチンの数量によって報われるからである。

たとえば、「急性心不全」は新型コロナワクチンによって通常に比べて2,565倍にも増えたことをあなたはご存知だっただろうか。 このような事態が存在していながらも、依然として安全だとお思いだろうか?

この記事は生殖器系の健康に関する症状のほんの一部について言及し、因果関係を示すデータを掲載しただけである。通常の世界であったならば、これらの問題だけであってさえも本ワクチンは市場から回収されるべきであることを示している。

しかし、われわれの世界は普通の世界ではない。たとえば、英国はすべての妊婦に対してワクチンを接種することを奨励する新しいプログラムを発表した。明らかに、彼らは自分たちの安全監視システムのすべての安全策を無視しようとしている。

それを見たくはないのならば、なぜわざわざ安全監視システムを持とうとするのであろうか?

誰も新型コロナワクチンを接種すべきではない。本ワクチンは市場から回収する必要がある。直ちに!

***


これで全文の仮訳が終了した。

新型コロナワクチンの接種を推進する政府機関や大手メディアおよび医学界・薬品大手企業は反ワクチン派の意見や批判を封じ込めて来た。だが、今や、そのストーリーの縫い目にはだんだんと綻びが現れ始めた。

読者の皆さんの多くは新型コロナワクチンについて今まで受けて来た説明に比べて、この引用記事が言わんとしている内容は180度も方向が違うことに違和感を覚えるかも知れない。だが、今や、潮目がはっきりと変わったのだと私には見える。

こうして、われわれ一般大衆は、目下、隠されて来た情報のあれこれを学習する過程の真っ只中に放り込まれていると言えよう。これから、一般大衆の過半数が真実の姿を理解するまでにいったいどれだけの時間を要するのであろうか?

われわれは誰もが新型コロナワクチンの推進派が葬ろうとしてきた個々の情報については特に注意深く掘り下げてみる必要がある。実際には、反ワクチン派の専門家が問題点を掘り下げ、解説をしてくれるので、彼らが指摘する内容にわれわれが積極的にアクセスし、その内容を吟味することだけが必要となる。その上で自分自身が納得できたならば、その情報を踏み台にして次の情報を漁ることになる。この繰り返しを根気よく継続することが必要となる!

参照:

1The COVID vaccines are adversely effecting womens reproductive health: By Steve Kirsch, Oct/24/2022

 




2022年10月26日水曜日

友人であるジョセフ・ラダポ博士を擁護したい

 

新型コロナワクチンの安全性に対する疑念や批判はその擁護者集団によって執拗に反論され、正直に批判した科学者らは挙句の果てに議論の場から追放され、学問的な議論が出来なくなってしまう。さらには、医学的な批判や反論を行おうとした専門家たちは徹底的に「キャンセル」される。西側世界はそんな風潮に襲われた。

なぜこんな状況が生まれたのか?ひとつの理由は公衆の利益を確保することが使命である筈の公的機関が不条理にも大手企業の利益確保に組したからである。

ここに、「友人であるジョセフ・ラダポ博士を擁護したい」と題された記事がある(注1)。

ジョセフ・ラダポ博士とは何者かと言うと、米フロリダ州公衆衛生局のトップであり、最近、メディアの注目を浴びている人物。彼はワクチン接種を受けた18歳から39歳の年齢帯にある男性においては心臓疾患によって死亡するリスクが被接種者に比べて約2倍になるという事実を見い出し、フロリダ州では18歳から39歳の男性にはワクチン接種を求めないと決定した。このことにワクチン接種の推進派であるメディアが反応し、フロリダ州当局を非難。こうして、議論が巻き起こった。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

ロサンジェルス(LA)タイムズはワクチンが有害であることを示す彼の研究は非科学的であり、欠陥があると述べ、新型コロナによって引き起こされる心筋炎の発生率はワクチンによるそれよりも高いと主張した。だが、真実はこちら側にある。

 

私はジョーに関して、以前、記事を書いたことがあるが、彼は米国でたった二人の正直な公衆衛生当局者のうちのひとりであり、私にはワクチンが安全ではないことに気づいているのは誰であるのかが分かっている。

最近、私はフロリダ州で行われた研究についてこの記事を書いた(訳注:108日付けの記事)。 その記事では18 歳から 39歳の男性にはワクチン接種は推奨されないと書いた。その理由は、ワクチンが安全で効果的であることを説明することが不可能な、実に大きな安全性警告信号が現れたからである。

LAタイムズは彼の研究を公衆衛生に対する脅威であり、同研究には欠陥があって、非科学的だと評した。

私はこれらの主張のそれぞれを調べ、なぜそれらが誤解を招くのかをここに示すつもりだ。

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重要な点を下記に示そう:

1.    「欠陥がある」:これは馬鹿げている。これまでに行われて来た科学的研究はすべてにおいて何らかの欠陥があった:偏見、交絡因子、プロトコル違反、参加者数が限定的、等。この研究は特定の集団だけに限定された。すなわち、これは観察される影響の原因として新型コロナを除外するためにである(訳注:この文章は私には当初読み取ることが難しかった。接種を受けた人の安全に影響を与える要素は、ここでは、ワクチンそのものと新型コロナ疾患のふたつである。この研究では後者を除外して、ワクチンの影響だけに注目しようとしたという意味であろうか)。したがって、このような主張は何の意味もない。だからこそ、この研究報告には限界についての章が設けられているのだ。また、もしもこの研究に欠陥があったとするならば、なぜ彼らは彼らの信念と一致する部分だけを取り出してこの研究を宣伝するのだろうか???彼らの信念体系に基づいて真実であると信じている部分だけを選択的に都合よく取り出すことはできない。私の場合、私はこの研究の大きな欠陥を指摘するが、欠陥が存在するにもかかわらず統計的に有意な安全性のシグナルが大きいことから、私にとってはワクチンが安全であることを説明し切ることはできない。この点についてこそ焦点を当てるべきである。詳しくは以下で説明しよう。限界があるにもかかわらず、そこには深刻な安全性についてのシグナルが存在し、そのことに焦点を当てることは理に適っている。私が個人的に同意することになりそうな結論を選ぶこととは何の関係もない。

2.    「非科学的である」:この主張も馬鹿げている。科学をするということは観察結果を最良の仮説に当てはめることに尽きるのである。今までいつもそうだったし、今後もずっとそうであろう。ラダポのチームはワクチン接種を受けた男性は接種後28日以内に心臓死において統計的に有意な上昇を示すことを観察した。もしもこれらの研究者がこれとは反対の結論、つまり、ワクチンは完全に安全だと結論付けていたならば、ラダポは非科学的であるとして批判されて然るべきだ。だが、彼は安全性の警告シグナルについて報告した。一方、LAタイムズがやっているように新型コロナワクチンを安全であると喧伝する新聞に対しては、非科学的であるというレッテルを貼るべきである。「危害の証拠」を参照していただきたい。また、同じ論理が「非科学的である」という指摘にも当てはまる。つまり、この研究は有効であるのか、もしそうではないとするならば、無視するだけだ。LAタイムズが全死因死亡率は低かったと主張したように、真実であると信じている部分だけを取り出すことはできない。選択的に取り出すことができるのはそのデータが極めて重要である場合であって、研究の限界によって影響を受けてはいない場合だけである。

3.    「心臓死が多かったとしても、その年齢層のワクチン接種を受けた人の全死因死亡は低かった」と言う。これは大嘘だ。明らかに大嘘である。この研究では、信頼区間が広すぎて害または利益を断定することができなかったため、18歳~39歳男性の全死因死亡率については何の結論も導いてはいない。しかし、この研究が明らかに示したのは6ページ目の表 2からも分かるように18歳〜39歳の男性の心臓死の増加には強力で、統計的に有意な証拠が見られるのである:

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4.    LAタイムズが関与しているのは欺瞞だ。全死因による死亡は統計的には有意ではなかったが、ワクチン接種を受けた男性の心臓死はほぼ2倍に増加した。これは、死亡がほぼ100%増加したことを示している。

奇しくも、これはイスラエルでのワクチン接種後の心臓死の割合と一致しているので、必ずしも驚くことではない。データが非常に悪かったために、当初の期間を超えてデータにアクセスすることはできなかった。

新型コロナとワクチンによって引き起こされる心筋炎の割合に関して、私がこれについて尋ねた最初の医師から次のような逸話を得た。それについて考えてみよう。彼は30年間医師として開業してきたが、心筋炎や心膜炎の症例を一件も見たことがなかった。ワクチンが展開されて以来、彼は4件もの症例を見た。これは決して彼だけではない。ワクチンが展開された以降に心筋炎の率が下がったことを観察した心臓専門医なんて私はまったく知らない。私が知っている医師たちは誰もがその反対の状況を観察しているのである。

また、私の知り合いにはスタンフォード大学の小児科医がいる。だが、彼女は彼女のキャリア中に心臓の問題でそれ程多くを観察したことはなかった。彼女は家族の中では唯一の稼ぎ手なので、子供たちが死ぬのを見ても彼女は黙っていなければならない。もし発言したならば、彼らは彼女を解雇し、医師免許は剥奪されてしまう懸念があったので、彼女は彼女の患者に警告することは許されない(AB 2098)。もしもこれらの死亡事例が新型コロナによるものであれば、彼らはむしろ彼女に声を上げるよう奨励していたことであろう。しかし、それがワクチンによるものである場合、医師たちは誰もが喋ってはならないのである。LAタイムズはまさにこのことを報じるべきであった。

もしもワクチンがそれほど効果的であるとするならば、心筋炎の症例が劇的に減少するのを観察した心臓専門医たちはいったいどこにいたというのであろうか?

私が知っている限りでは、そういった心臓専門医は皆無だ。もし彼らが存在するならば、彼らはいったいどこにいるのか?これは主流メディアにとっては問題である。極めて大きな問題だ。しかし、彼らは誰も批判的な質問をしてはいない。なぜならば、彼らは自分たちが間違っているかもしれないとは決して考えないからだ。

人身攻撃:

LAタイムズはこう書いている:

ラダポは「ヤブ医者」とか「新型コロナの変人」といったレッテルを貼られた。だが、もしもこれらのレッテルの正当性に疑いがあるとするならば、それらのレッテルは彼が最近とった行動によって払拭されるべきだ。

彼らがこの件で見逃した小さな問題点がひとつある。ラダポ自身は研究そのものには関与してはいなかった。この研究はすべてがワクチン支持派であるプロのスタッフによって行われた(少なくとも、この研究の前は彼らは支持派側だった)。LAタイムズがこの点を見逃したということは極めて重大だ。どのようにしてこんなことが起こったのか私には見当もつかない。

この研究には大きな欠陥がある。つまり、ワクチンは最初の28日間よりも、むしろそれ以降により多くの死をもたらす: 

この研究はワクチンが死亡率について恩恵をもたらすことを示したが、もしもあなたが私のサブスタックの定期的な読者であれば、そんなことは不可能であることがお分かりの筈だ。これらのワクチンには否定的な側面しかない。これらのワクチンは誰も接種すべきではない。

では、この研究は特定の年齢層に対するワクチン接種の利点をどのように示したのであろうか?なぜそれが起こったのかお分かりであろうか?LAタイムズには分かってはいなかった。まったく分かってはいなかった。彼らが信頼する情報源の誰も手がかりさえも持ってはいなかった。手がかりを指摘することは決してしなかった。

その説明は私が6週間前に書いたこの記事にある:ワクチンによる死亡は接種後5カ月経ってから起こる

このワクチンにはふたつの時定数がある:つまり、初期(数週間以内)と遅れてやってくるもの(約5ヶ月後にピークに達する)。いくつかの症例は迅速に起こり、他の症例は遅れて現れ、さらに、いくつかの症例(心臓)は迅速かつ遅延の両方で起こる。

ワクチンによる死亡がすべて最初の30日間に起こったとするならば、この研究は非常に正確であると言える。しかし、死亡の発生はそうはならなかった。

総計での全人口の死亡曲線は、記事でも指摘しているように、5ヶ月後にピークに達する。

誰もがワクチン接種を行っている中で行う症例対照研究においては、これは問題となる。

20週間後に50%の人を殺す致命的なワクチンがあるとしよう。死亡しなかった人は健全である。

最初の28日に対して28日以降の期間を調べた研究に基づいて言えばわれわれのワクチンは実際にはすぐにでも中断するべきであったのに、このワクチンは命を救う奇跡の薬であるとされた。

LAタイムズとその情報源は誰もこのことを指摘しなかった。どうして彼らはこれを見逃すことができたのであろうか?これらの人々は私のサブスタックを読んではいなかったと私は思う。

この研究はこのような理由からまったく価値がないのであろうか?いや、そうではない!このような複雑さがあるにもかかわらず、心筋炎についての強い上昇が見い出されたことから、まったくそうではないのだ。これは並外れた研究である。「完全に安全な」ワクチンであるとするならば、相対発生率(RI)の値は1(死亡率はランダム)となる筈であって、2に近くなる筈はない。まったく説明がつかない。

ところで、接種者と非接種者の死亡が全体的にどのように比較できるのかを見たい場合、今しがた公開されたグラフがある:

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そして、その背後にあるデータは私が話していることを正確に示している:





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新型コロナによる死亡者数が低下するよりも、実際には、(研究の結果から判断されているように)最初の28日間でいかに高かったのかを見ていただきたい。また、新型コロナ以外の全死因死亡率がどのように上昇し続けていたのかについてもお分かりであろうか?こうして、ワクチンは命を救っているように見えるのだが、実際には、時間の経過とともに殺傷率を上げているばかりなのだ。

(フロリダの研究とこれらの英国の数字の)両方の視点から、実際に何が起こっているのかに関してこのような素晴らしい洞察が私たちに与えられたということは素晴らしいことだ。

下記のフォックスニュースの一コマは必見である(2分):

Photo-5

特に、ビデオが始まって130秒後にタッカーが質問する部分を見ていただきたい:

50の州がある。なぜあなたの州だけが私たちにこれを伝えてくれたのか?

ジョーは素晴らしい答えをした:

「それは、率直に言って、疑問を抱いたのはわれわれだけだったからだと思う。」

うん。まさにその通りだ。他のどの州も真実を暴露しようとしてはいない。

ツイートスレッド:

ここでジョーは彼の研究を擁護する。

ツイッターの反応:

ツイッターはこの研究に関するジョーのツイートを検閲した。だが、その後、考えを変えた。

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ツイッターは(今は)それは誤報ではないと明らかに考えている。<ここで、皮肉をオンにすると>医学界においてはツイッターによる検閲ネットワークほど高く評価されている権威者はいないのである。<ここで、皮肉をオフ>

要約:

すべての研究には限界がある。科学は研究の限界とそこから何を学ぶことができるかについてオープンな議論を行うことがすべてであり、そうすることによって次回は間違いを避けることが可能となる。科学は真実を見い出そうと正直に試みている人々を議論のプラットフォームから外し、信用を落とそうとする場ではない。

ワクチン接種者と非接種者とを比較することは、すべての死亡例が他のワクチンの場合と同じようにワクチン接種後の28日以内に集中しているわけではないことから、少し問題がある。

したがって、この場合、ワクチンはまったく正反対のことをしているにもかかわらず、命を救っているかのように見せる必要があるのだ。

この指摘に照らして、最初の28日間の死亡率が2倍近くに上昇しているという事実は説明することが非常に困難だ。

ジョーの研究を批判する代わりに、主流のストーリーの推進派は非常に安全である筈のワクチンが若者の心臓死亡率を倍増させている状況について公衆に対して正確に説明する必要がある。

私は全身を耳にして待っているよ!!!

***

これで全文の仮訳が終了した。

中・長期的な安全性の確認が行わなわれてはいないまま、FDAから緊急時における一時的な使用について仮承認を取り付けて、世界中で使用が開始された新型コロナワクチンは当初指摘されていた懸念が今や現実のものとして指摘され始めている。

米国のひとつの州の公衆衛生当局のトップが正直に研究結果を公表してくれたことは、一般大衆が真実を学ぶという点においては喜ぶべきことだと思う。次世代のために、そして、人類全体の健康のためにも、中・長期的な影響については積極的に研究を行い、その結果を公開して欲しいものである。それを怠ることは人間社会の自殺行為に等しい!

一部の医学者は中・長期的な影響として、心筋炎、血栓の発生、発癌、早産や死産の増加、等々について報告をし始めている。当初はワクチン接種によって集団免疫を確立し、新型コロナウィルスによる感染を回避するといったバラ色のストーリーが喧伝されていたものであるが、今や、まったく違った実態が報告されつつある。新型コロナワクチンはそれほど安全ではないことが判明し始めた。われわれはこの現実に向き合わなければならない。

新型コロナウィルスの恐怖を煽りに煽って、ワクチン接種の必要性について一般大衆を思うように扇動し、洗脳して来たプロパガンダマシーン自身も、遅かれ早かれ、中・長期的な影響に関する現実世界のデータを認めざるを得ない時が来るのではないか。

参照:

1In defense of my friend Dr. Joseph Ladapo: By Steve Kirsch, Oct/13/2022