2020年11月20日金曜日

ゲイツ財団は、安全性と有効性についての懸念が残る中、第三世界で新型コロナワクチンを推進するためにさらに7千万ドルを投下


ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の活動は人道的なものであるという。しかしながら、地球上で生活する70億人が毎日を人間的な生活を続けることに果たして真の意味で貢献しているのだろうかと問うてみると、必ずしもそうではないという疑念が残る。それに答える情報は決して明確ではない。

107日、私は「ビル・ゲイツのワクチンがアフリカでポリオを広げている」と題して投稿した。アフリカでポリオを撲滅すると公言し、ポリオワクチンの集団接種を開始したものの、この接種によってポリオを引き起こすという本末転倒なケースが多発したのである。これは100年も前の話ではなく、ごく最近の話だ。

アフリカではポリオワクチンの集団接種でネガティブな結果が報告されているだけに、今回の新型コロナウィルスに対するワクチンの開発では安全性と有効性の確保は徹底的に追求しなければならないだろう。そうしなければならないことは常識的にも明白であり、当然である。ところが、現在臨床試験が実施されている新型コロナワクチンでは安全性や有効性が十分に説明されてはいないという指摘が出ている。つまり、これは大手製薬企業の金儲けの論理が優先されているのではないかという懸念だ。果たしてこれらの新ワクチンは製薬会社が説明しているように本当で安全であり、有効なであろうか?

ここに「ゲイツ財団は、安全性と有効性についての懸念が残る中、第三世界で新型コロナワクチンを推進するためにさらに7千万ドルを投下」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

ワクチン開発の推進者であり億万長者でもあるビルおよびメリンダ・ゲイツは、彼らが資金提供をしているファイザー社が開発したワクチンに関する臨床試験に関して、その試験結果が不明瞭であるとして何人かが疑義を挟んでいる中で、新型コロナウィルス用ワクチンの開発努力(影響力)においては世界でも最高の地位に達している。

同夫妻の財団はワクチンの開発とその配布にさらに7千万ドルを提供すると木曜日(1112日)にプレス・リリースで述べた。そして、「パリ平和フォーラム」ではメリンダ・ゲイツが公式発表を行うとも付け加えている。

夫妻は5千万ドルを「低・中所得の92ヵ国」が実験用ワクチンを確保することができるようにするための国際的な取り組み、つまり、COVAX(共同購入に関する枠組み)に割り当て、残りの2千万ドルを「もうひとつの有望なワクチンの開発に活を入れる」ことを狙う「感染症流行対策イノベーション連合」(CEPI)に割り当てた。

RT.COMからの関連記事: BoJo hosts Bill Gates & pharma bigwigs to plot Covid-19 vaccine deployment as UK military preps for ‘biggest effort since WWII’

新型コロナウィルス用のワクチンに関して過去の9か月間執拗に遊説して回り、地球上に住む70億人の全員に接種したいとする自分の希望を表明してきたにもかかわらず、マイクロソフトの創始者であるビル・ゲイツは、第2世代のワクチンは「大量生産性性や環境温度に対する安定性、低コスト生産、等に関してより大きな潜在性」を有していると述べ、彼自身の関心は現在進めているワクチン候補から次の目標に移行しているかのように見える。

例のワクチンの開発計画表では何と言っても「通常の生活」に戻ることが求められて来たが、開発は明らかにさらに先へと見送られ、裕福な国々は2021年の末までに新型コロナの大流行以前の生活に戻れるだろうと先月言ったばかりであるにもかかわらず、ゲイツは木曜日(1112日)に「われわれの道のりは長い」と述べている。ますます多くの統計情報が伝えているように、新型コロナはゲーツが資金提供するメディアによって当初喧伝されていた程には致死性が高くはないという事実が判明している今でも、ゲーツ財団のCEOを務めるマーク・サズマンは「この大流行を終息させるには歴史的に最大級となる公衆衛生の取り組みが必要だ」と主張しており、この筋書に完全に同意しているようである。

マイクロソフトの大物には「挑戦」に打って出る用意が十分にあるが、ボリス・ジョンソン英首相が英国の保健政策において(ゲーツの)スローガンを大規模に取り入れたこと、さらには英国が2021年にはG7の議長国となり、その間に世界規模の「健康安全保障」制度を公開するようだ。これによってWHOに対して最大の寄付金をすでに提供しているゲーツ夫妻はさらに大きな影響力を持つに至るであろう。こうして、これらのことについて彼らは最近お祝いをしたばかりである。

ゲーツの反対者らはゲーツ夫妻の財団が第三世界の住民を実験用のワクチンのために「動物試験用ラット」として使っている現状について批判し、南アではゲーツが後押しする「世界ワクチン予防接種同盟」(GAVI)によって実施されたワクチンの試用に反対する地区が出現した。因みに、GAVIが表明している目標は貧しい国々でワクチン接種を受ける国をより多く増やすことにある。

RT.COMの関連記事: Round up the ‘anti-vaxxers’? Enlist religious leaders? Bill Gates warns US needs to brainstorm ways to reduce ‘vaccine hesitancy’

製薬大手のファイザーは、今週の始めに、同社が開発した新型コロナワクチン(ゲーツによって大量の資金提供がされている)は90%の有効性を持っていると宣言した(訳注:これは中間報告であって、最終報告ではない)。しかしながら、同社はその臨床試験の結果を公表せず、何人かの医療専門家は統計サンプルのサイズが小さいこと、この臨床試験が成功であったと言いながらも詳細を公開してはいないこと、等から懐疑的である。当の億万長者自身は9月に次のことを仄めかした。「ファイザー社はワクチンに関してFDAの緊急使用の認可を受ける最初の製薬会社となるのではないか。」 同社の開発はBioNTech社との連携によるものであった。ファイザーのワクチンは免疫反応を起こすのにmRNA のメカニズムに依存しており、この特殊な開発モデルは人類史上でワクチンとして使われたことは一度もないのだ。

英国の国民医療サービスは軍隊がファイザーのワクチンを配送することをすでに準備しており、米国も年末までにワクチンを配布するための助っ人として軍を待機させるとのことではあるが、西側では新型コロナワクチンを認可した国はまだない。その一方で、ロシアのスプートニクVワクチンは緊急使用許可を得ており、製薬企業はロシア以外からの注文に応え始めた。中国では複数のワクチンが緊急使用許可を得ている。

RT.COMからの関連記事: Plans on ice: Freezers & logistics are the reasons Pfizer's vaccine is all hype, and won’t be a magic bullet

これで全文の仮訳が終了した。

今までの歴史ではワクチン開発には最短でも5年はかかっていた。通常は10年だという。たとえば、エイズの最初の症例が報告されたのは1980年代の始めであったが、ワクチン開発は困難を極めている。そういう極端な事例と比べると、新型コロナワクチンの開発ではmRNAを使った開発で非常に短期間のうちに開発を進行させることができたことは大きな成果であると言えよう。

ただ、一番に名乗りを挙げたファイザーのワクチンについては不明な点も多い。上記の引用記事とは別の記事(注2)を調べた内容を参考のために下記に概略する:

米国FDAが製薬会社に求めているワクチンの有効性は50%以上であることから、ファイザーが報告した90%の有効性はそれよりも遥かに高い(50%というレベルはインフルエンザ用ワクチンの水準であるらしい。一方、麻疹のワクチンの有効性は遥かに高く、接種を受けた人たちの95%程度が免疫を確立すると言われている)。もっと詳細を見ると、ファイザーの当初の試験計画ではこの臨床試験では164人の新型コロナ感染者を必要としているが、今回の中間報告での感染者数は94人である。今後何週間かの間に新たに感染するボランティアも加えて、感染者合計が164人となるまでは最終報告は出てこないと予測される。

ところで、90%超の有効性が得られたとファイザーは言うが、果たしてこれは信じられるのか?答えは「否」だ。なぜならば、ファイザーは詳細データを開示してはいないからだ。何人のボランティアが実際に感染したのかというデータはわれわれには不明であって、何人が症状を見せたかという情報だけが公表されているからだ。

安全性に関しては提携先のBioNTech社の研究指導者であるウグル・シャヒン氏によると、今回の臨床試験で得られた安全性はワクチン開発を開始した頃のデータと同じ水準であると言う。つまり、20種のワクチン候補の中から初期の試験で最終的に2種類が残り、それら2種類の中から特に年配者に副作用を起こすことがもっとも少ないワクチンが選定され、今回の臨床試験に供された。しかしながら、公開されている情報は決して多くはない。つまり、初期試験では72人にこのワクチンが接種され、臨床試験のボランティアが接種された量と同じ量を接種されたのはその内の24人だけであった。これらの24人には「深刻な副作用」は観察されなかったという。ここで、「深刻な副作用」とは入院を必要とする副作用のことを指し、場合によっては生命に危険を及ぼし、死に至るケースも含まれる。

安全性に関しては、「ファイザーのワクチンは免疫反応を起こすのにmRNA のメカニズムに依存しており、この特殊な開発モデルは人類史上でワクチンとして使われたことは一度もない」という事実が長期的な影響に何らかの影響があるのかという点に関して製薬会社は十分に説明しなければならないと思う。完全に安全だと言い切れる程に新型コロナウィルスの挙動、ならびに、mRNAを使うという手法が何の悪さをしないことが科学的に分かっているのだろうか。非常に短期間の内に行われたワクチン開発であるだけに、素人の杞憂に終わってくれればそれは幸運中の幸運である。

ビルおよびメリンダ・ゲーツ財団が進めている新型コロナ用ワクチンは、率直に言って、現時点ではいかがわしい印象を払拭できない。なぜそうなのかと言えば、まず、新型コロナの大流行が始まった頃、一般大衆の恐怖感を煽るために大手メディアが総動員された。あたかも、この大流行はもっと大きな世界的なレベルでの新秩序へ移行するための踏み台として演出されたかのようであった(英国首相のボリス・ジョンソンの演説を思い出していただきたい)。あちらこちらで表明されるビル・ゲーツの言動(たとえば、TEDや世界経済フォーラム)や製薬業界における組織作り、WHOを始めとした国際機関やG7を舞台にしたさまざまなプログラム、等を総合的に俯瞰するとこのような印象に辿りつくのだ。悩ましい限りである。

巷ではこの種の懸念を表明すると、特に大手メディアやSNSプラットフォームでは陰謀論として片づけられてしまうことが多いのだが、私の否定的な印象が杞憂に終わってくれれば、それほど嬉しいことはない。

また、世の中には論争の末に、論争相手を個人的に攻撃を始める人たちがいることは非常に残念なことである。相手を個人的に中傷し、悪口を言うことは極力控えて、辛抱強い議論を続けることが基本的に重要である。相手の意見を聞く寛容さを持ち、お互いの意見の相違を浮き彫りにさせ、さらなる議論の展開に役立てたいと願う次第だ。


参照:

1Gates Foundation pours another $70mn into pushing Covid-19 vaccines on 3rd world countries as safety & efficacy questions remain: By RT, Nov/13/2020, https://on.rt.com/auur

2: The Latest Covid Vaccine Results, Deciphered: By Wired, Nov/10/2020






13 件のコメント:

  1. 「相手の意見を聞く寛容さを持ち、お互いの意見の相違を浮き彫りにさせ、さらなる議論の展開に役立てたいと願う次第だ。」とありますが、私のコメントを削除する行為と矛盾しています。
    気分が悪いです。

    そのうち罰が当たると思います
    見る人は見ています
    https://youtu.be/EX_jN1ggdLk

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    1. 私にも一応の好みがあって、特にそういう個人攻撃が嫌いなのです。個人攻撃を抜きにした理性的な議論をしたいだけです。それが出来ない場合は最後の手段しかないのが現実。残念なことではありますが・・・

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    2. Здравствуйте, уважаемый Йоттян! Я присылаю письмо по-русски, чтобы господин Хамтароо его не понял. Он часто говорилерунду. У него, наверное, душа больная.
      Всего доброго,
      Исао Симомура

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    3. Симомура-сан
      Большое спасибо за ваше письмо на русском языке! Я ценю вашу поддержку. Хорошего дня!

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    4. こういう行動は卑劣であると同時に幼稚な印象を受けます
      訂正したほうがいい

      都合の悪い意見は個人攻撃だとするのですね
      コリアンが日本人やイギリス人白人女性ベトナム人女性を性奴隷慰安婦にし殺害しても知らないなかった、日本に対して犯罪侵略していても知らないなかったと嘘を言いたいとしか思えません
      ルーシーブラックマンさん事件もしらないなかったというのでしょうか


      見る人は見ています
      https://youtu.be/EX_jN1ggdLk

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  2. Как ты можешь называть себя джентльменом?
    トランプの弁護団の方に脅迫状が送られてきたという内容が公表されていましたが、こういう脅しは昔から不変ですね。残念なことに、これだけは変わらない。ワクチン接種が強迫になりそうな社会って、何なんでしょう?

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    1. Симомура-сан и Кийо-сан:

      Хороший вопрос. Мы все делаем вид, как джентльмен так или иначе, даже в нашем современном обществе демократии, в той же степени, что строго говоря, мы все склонны лгать, в основном небольшая ложь, если не все, только для поддержания нашей собственной самооценки. Один из них может быть вполне правдоподобным джентльменом, в то время как другой может быть фальшивым джентльменом, например, сегодняшние журналисты, которые работают на крупные СМИ и забыли, что такое настоящая журналистика раньше. Большинство из нас также переключается между этими двумя типами, в зависимости от ситуации.
      Один из них начал угрожать члену юридической команды Трампа. Такое лицо может быть возбуждено уголовное дело и должно быть. Одна страна пытается убедить всех ввести вакцину Covid-19, хотя безопасность и эффективность не объясняются достаточно, в то время как другая страна применяет вакцинацию на добровольной основе. Я чувствую, что эти различия происходят из-за горячих политических споров или чрезмерного стремления к капитализму или жадности под видом программы общественного здравоохранения. Существует не джентльмен, как поведение на всех, к сожалению.
      Если я скажу, что наше общество играет маскарадную вечеринку, многие из нас могут согласиться. Примечание: Я использую Google Translate. Симомура-сан, этот перевод понятен?

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  3. 登録読者のシモムラです.僭越ながら添削させていただきました.原文を拝見しておりませんので,想像をまじえて,それを再建してみました.
    Хороший вопрос.
    Мы все делаем вид, как джентльмен так или иначе, даже в нашем современном демократическом обществе, мы все склонны лгать, в основном это небольшая ложь, только для поддержания нашей собственной самооценки.
    Может быть, написать так?:
    [Мы все делаем вид, что являемся порядочными людьми, однако даже в нашем современном демократическом обществе мы все склонны лгать, в основном это небольшая ложь, только для поддержания нашей собственной самооценки].

    Некоторые может быть вполне правдоподобным джентльменом, в то время как другой может быть неискренним джентльменом.
    Может быть, написать так?:
    [Некоторые являются действительно порядочными людьми, в то время как другие могут быть неискренними людьми].

    Например, сегодняшние журналисты, которые работают на крупные СМИ, и забыли, какой была настоящая журналистика раньше. Большинство из нас также ведет себя как эти два типа людей, в зависимости от ситуации.
    Один из них начал угрожать члену юридической команды Трампа. В этом случае может быть и должно быть возбуждено уголовное дело. Одна страна пытается убедить всех ввести вакцину против Covid-19, хотя ее безопасность и эффективность не достаточно убедительно (?) объясняются, в то время как другая страна применяет вакцинацию на добровольной основе. Я считаю, что эти различия происходят из-за горячих политических споров, из-за чрезмерного стремления к капитализму или жадности (???) под видом программы общественного здравоохранения. Существует не джентльмен, как поведение на всех, к сожалению. Это предложение мне не понятно
    Может быть, написать так?:
    [К сожалению, в обществе существует много непорядочных людей]
    Если я скажу, что наше общество играет в маскарад, многие из нас могут согласиться с этим.

    付記
    Я (И.С) отметил слова, которые у меня вызывают сомнение в их употреблении. Их надо заменить, но я не знаю, чем их заменить. Я же не знаю, что было в оригинале.
    Иногда я просто меняю местами слова.
    Я думаю, что слово «джентльмен» надо заменить на «порядочный человек».

    Джентльмен жадности (???) Существует не джентльмен, как поведение на всех, к сожалению (???)

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  4. 追記:日本語の”紳士”は露語のджентльменには対応しないように思われます.寧ろпорядочный человекが適当かと.

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  5. シモムラさま

    添削までしていただき、誠に有難うございます。私のロシア語の知識はほとんどゼロであることから、これだけ丁寧な添削は私にはまったく分不相応であることは疑いの余地もありません。この寛大なご返信には大感謝です。
    ふたつの訳例を示していただいた部分につきましては、原文を英文で作成し、それをロシア語訳しましたので、英語における私の語彙の選択が適切ではないことからロシア語では不明瞭になったものと思います。でも、私が原文で言いたかったことはいただいた添削文を英語に戻した後で拝見した限りでは、英語からロシア語、ロシア語での添削、ロシア語から英語と3回のプロセスを経た後でも、100点満点にはならなかったとは言え、まあ及第点ではないかと思います。
    シモムラさまの貴重なお時間を奪ってしまいまして、「紳士」の訳語はпорядочный человекが適当という貴重なコメントも含めて、本当に有難うございました。
    今日も、いい一日を!

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    1. 私はここ六七年はロシアの研究機関で論文を発表しております.科学論文にはロシア語は最適の記述言語であると感じております.時間軸での動作と状態の変化などを記述する場合,動詞の相が関係しますが,ロシア語の動詞は生得的に完了相と不完了相の二組をもっておりますね.形態音韻論的に両者は類似しており,その類似も規則に支配されております.露語の動詞の総数と英語のそれとを比較すると,英語の語彙数の貧弱さに気がつきます.印欧語比較言語学の岸村安宅先生は,英語ではその歴史の上で,かかる貧困さを補うために,動詞と特定の前置詞とを連結し,多数の熟語を成立させたのだ,と教えてくださった.ロシア語の歴史でもあてはまりますが,英語の前置詞は古代英語の時期には副詞(動詞の前や後ろに置かれた動詞の就職後)だったのです.ロシア語動詞も前置詞をその不定詞形の前に置いて使うことができますね.語学者は不定詞は名詞に同じだからと説明しますが,古代スラブ語時代の副詞の名残とも考えられます.英語の習得の難しさは,熟語が大量にあって,いつまでも辞書頼みになるというところにあるのではないでしょうか.大学の教養部では斎藤秀三郎の岩波『英和中辞典』を使いました.熟語の説明が漢語を使って分かりやすく書いてあるのです.研究社の『英和大辞典』もいいですね.私は電子辞書も機械翻訳もやったことがありません.辞書をひくことに寧ろ楽しさを感ずるのです.漢和辞典もよく読みます.そうそうレニングラードの人類学民族学博物館での勉強時代に想い出があります.マヤ語を解析していたユーリイ・クノローゾフさんに香港出版の漢字字典で,ある架空の動物の同族語根を検索するのを手伝ったことがあります.日本人で漢字の好きな高校生ならば,できる技術ですが,所謂”斜め読み”で高速に掃引し,候補の漢字を五十ほど指摘してあげました.彼自身多数の文字を目で写真にとるように掃引して,同族を同定する能力をもっているということでした.1999年のロシアのあの困難な時期に病に斃れ,病院の廊下に置かれた簡易ベッドで亡くなったということを,現在日本に住んでいるロシア人の元同僚よりうかがいました.私は日本の外国語教育用言語は中国語と露語が最も適当であるという考えをもっております.
      Всего хорошего,
      Исао Симомура

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    2. シモムラさま

      コメントをお寄せいただき有難うございます。
      研究論文をロシア語の専門誌へ投稿されていらっしゃるとお聞きして、当方驚いています。何かの研究者でいらっしゃるのではないかとの推測はしておりました。
      私は若い頃ロシア語を齧ってみましたが、モノにすることは出来ずに、あえなく敗退した経験があります。技術屋になってからはウクライナにおける肥料工場の建設工事で1年間を過ごしたことがあります。数人が集まって、通訳の方から毎晩ロシア語の特訓を受けました。ちょうど、まだ冬だったので、この特訓が3カ月を過ぎた頃から建設現場では雪も融け、工事が本格的になり、その頃には片言ながらもロシア語が使えるようになっていました。英語の通訳を煩わすこともなく、直接ロシア語で先方の工事屋さんたちと進める作業を存分に楽しんだものです。しかしながら、帰国後はロシア語を使う機会もなく、どんどん忘れる一方。半世紀も経った今では挨拶言葉程度しか出てきません。
      ですから、今回グーグル翻訳を使ったロシア語の文章をコメント欄へお送りしましたにもかかわらず、英語の原文の記憶からそれを理解するだけであって、ロシア語から直接理解しているわけではあrません。情けない話です。また、完了体とか不完了体の話になりますと、もう手に負えません。
      一方、英語に関しては英和、和英の技術翻訳を13年間ほどやっておりましたので、英語でしたら恐怖感はないです。しかしながら、私の専門分野とは違った特定の専門分野になりますと、たとえば、金融とか経済とかになりますと、これはなかなか大変です。その後、ブカレストへ引っ越してからはブログを書くことに没頭し始めました。当初はありきたりの旅行者の目から見た風物を綴ったものばかり。そうこうしているうちに、「アラブの春」とか「シリア内戦」が私の興味を引き、時事問題に首を突っ込むことになった次第です。ネタは英語圏に出回っている時事問題です。特にフリーランスのジャーナリストからの報告は実に刺激的でした。
      この間に興味深い経験をしています。マレーシア航空のMH17便がウクライナ上空で撃墜され、乗員と旅行客の298人全員が死亡(2014年の7月)。この事故については私のブログに何本かを投稿しています。ブク・ミサイルのメーカーであるロシアの企業(アルマス・アンティ社)はミサイルによる旅客機の爆破をシミュレーションして、解析結果を報告しました。その解析にはブクミサイルの発射場所の推定も含まれています。彼らが推定した場所は、もちろん、オランダ政府の安全委員会を中心とした国際事故調査団が報告した発射場所とはまったく異なります。ところで、この報告書は当時はロシア語だけ。そこで、私はロシア語の報告書を英語に機械翻訳し、それを私がさらに日本語へ翻訳してブログに掲載しました。ロシア語から日本語への機械翻訳よりもロシア語から英語への機械翻訳の方が誤訳が少ないのではないかと考えた次第。英語から日本語への機械翻訳は翻訳を生業とする者にとってはとても使えるような代物ではないことが分かっていましたから、日本語への翻訳は手作業です。結局、この技術報告書はロシア語から英語に機械翻訳できなかった単語はふたつだけでした。そして、もっとも大きな驚きは英語の訳文を日本語へ翻訳する過程で私は何ら違和感を感じなかったことです。なぜそうなのかと言いますと、技術論文であるからなんだという漠然とした思いはありました。ブログへは2015年6月3日に投稿。
      ロシア語は論文を書くには最適な記述言語であるとのシモムラさまの言葉に接した今、改めて5年前に感じていたことを反芻しております。非常に興味深いご指摘です。

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  6. kiyoさま

    トランプ弁護団のメンバーに対する脅迫の件、カリフォルニア州選出の下院議員であるデヴィン・ニューナスがThe Epoch Timesとのインタビューで最近の民主党左派の動きについて喋っています。実は彼の主張を聞いて、私は米国の保守派がこうも率直に物を言い、しかも、その内容が地に足がついているような印象を感じたことに驚きを禁じ得ませんでした。私自身は若いころは典型的なノンポリでしたから、保守派政治家のいう事にはまったく関心を寄せることはなかったのですが、過去の4~5年間の米国におけるロシアバッシングにおける詭弁、フェークニュース、洗脳作戦、等を毎日にように見てきたせいで、最近の私にはこのニューナス共和党議員の主張が実に新鮮に聞こえ、理知的な主張だと感じたのです。大変驚いています。

    動画サイト:Rep. Devin Nunes on the Election: ‘Biden Team Is Putting on a Facade That They've Won’
    2020/11/21
    American Thought Leaders - The Epoch Times
    https://youtu.be/OC28G8jYoCI

    今日もいい一日を!

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