2021年12月25日土曜日

宇宙の神秘

 

われわれが住んでいる地球はまだまだ健康体であるのか、それとも、日頃の不摂生が重なってすでに重篤な生活習慣病に陥っているのかについては素人の私には正確な判断をすることは難しい。われわれ人間世界にとっては肉体的な健康だけではなく、精神的、社会的あるいは倫理的な健康も非常に重要である。たとえば、倫理的な健全さが崩れ、極端なイデオロギーに走ると、その社会は極度の疾病に見舞われる。

ところで、インターネット上でウクライナを巡る情報をあれこれと探ってみると、ロシアとNATOとの間には、最近の数週間、険悪な雰囲気が急速に高まっていることが感じられる。その背景には米国の軍産複合体を筆頭とする戦争屋たちが自分たちの利益を確保するためにロシアという仮想敵国をでっち上げ、あの手この手を駆使してプロパガンダを繰り返している状況が読み取れる。もしもロシアがそういった挑戦に応じてしまったら、最終的にはふたつの核大国が直接対峙することになりかねない。当面は米国の代理戦争の役を務めるウクライナやバルト海諸国、ポーランド、あるいは、NATOがロシアを仮想敵国とした舞台で主役を演じ、ロシアに対する敵視をあからさまに強めている。お互いが敵視し始めると、軍事的な綱引きは陰に陽にエスカレートする。最悪の場合、核戦争に発展しかねない。人間の存在そのものがこの地球上から消えてしまう時がやって来るのかも・・・ 不幸なことには、それは人間の意思が届き得ない外因的なものによってもたらされるのではなく、まさに人間社会の内側に起因する。

何とも言えない程に異常な臭気を発散し始めている今の世界から一時的に離れて、大昔からわれわれの祖先がそうしてきたように宇宙に思いを馳せて、日常性からの脱却を試みようと思う。もちろん、宇宙空間は分からないことだらけだ。しかしながら、少なくとも、戦争屋の思惑はまだそこまでは及んでいないことから純粋に科学の世界、あるいは、論理の世界にわれわれを没頭させることが可能であり、疲れ切った気分を癒してくれることだろう。

ハッブル望遠鏡が捉えた遥か彼方の宇宙に関する無数の写真からいくつかを集めてみた。本日はこれらを読者の皆さんと共有してみようと思う。

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Photo-1:カニ星雲


このハッブル望遠鏡の写真はカニ星雲を捉えた画像のなかではその詳細をもっとも明瞭に映し出している(訳注:おうし座のカニ星雲は地球から約7000光年。この星雲の元となった超新星爆発が1054に出現したことが、中国や日本の文献に残されている)。カニ星雲は天文学の領域では大変興味深い存在であって、もっとも深く研究されている天体のひとつである。

この画像はハッブル望遠鏡のWFPC2カメラが撮影したもので、もっとも広大な領域を捉えている。これはNASA/ESAハッブル望遠鏡が撮影した24枚の個別写真から構成され、カニ星雲全体を捉えたものとしてはもっとも高い解像度を誇っている。

出処:NASAESA and Allison Loll/Jeff Hester (Arizona State University).

謝意:Davide De Martin (ESA/Hubble)

 

Photo-2:広大なスパイラル銀河。地球から23千万光年

By ESA/HUBBLE 

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Photo-3:ハッブル望遠鏡が銀河系の中心部に位置する星の集団を捉えた


性能的には絶対的な優位を誇っているハッブル宇宙望遠鏡が捉えた渦巻星雲「UGC 11537」の景観。出処:ESA/HubbleおよびNASAA. Seth

NASA/ESAの絶対的な優位性を誇るハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられたこの画像は巨大な「UGC 11537」渦巻銀河を示す。ハッブル望遠鏡の広視野カメラ3が赤外線および可視光線の波長でUGC 11537の中核の周りに渦を巻いている何本もの銀河の腕を捉えている。恒星が連なっている明るい帯状の部分と宇宙の塵が漂う暗い部分の両方が星雲全体にわたって伸びている。

UGC 11537はわし座に位置し、銀河系平面に近く、地球からの距離は23千万光年。銀河系の光り輝く帯に近いということはわれわれの銀河系の中にある恒星がこの画像の中に納まっていることを意味する。つまり、UGC 11537の手前に輝いているふたつの恒星は銀河系の恒星である。前景にあるこれらの非常に明るい星は「回折スパイク」を放射状に伸ばしているが、これらの恒星の光がハッブル望遠鏡の内部構造によって人工的な影響を受けた結果である。

この画像は遠方にある銀河系の巨大なブラックホールの質量を天文学者が計測するために計画された一連の観測から得られたものだ。ハッブル望遠鏡の解像度の高い観測と地上にいる天文学者とを組み合わせることによってこれらの銀河に存在する恒星の質量を天文学者が詳細にモデル化することを可能にし、これは超巨大なブラックホールの質量を律速するのに役立っている。


Photo-3:ハッブル望遠鏡が銀河系の中心部に位置する星の集団を捉えた

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ハッブル望遠鏡の広視野カメラ3ならびに観測用の最新のカメラは視野の中に無数の星が輝いている様子を捉え、この画像には(パロマ―6としても知られている)球状星団ESO 520-21 が含まれている。無数の星が周密にほぼ球状に集まっており、この星団は銀河系の中心部に近く、その星間物質は星が放つ光を吸収し、観測をより難しくしている。

星間物質による吸収効果は光の部分的な周波数に対して影響を与え、天体の色彩に変化をもたらし、恒星の実際の姿に比べより赤みを帯びたものにしている。天文学者らはこの影響を「赤化」と称し、銀河系の中心部に位置する球状星団(たとえば、ESO 520-21)の特性を決定する作業を特に困難なものにする。

ESO 520-21へびつかい座に位置し、天の赤道に近い。へびつかい座は2世紀のエジプトの天文学者が記した48個の星座のひとつである。これらの星座はすべてが今日では国際天文学連合が公式に認めている88個の星座に含まれている。

出処:European Space Agency (ESA)
画像の出処:ESA/HubbleおよびNASA, R. Cohen

 

Photo-4:ハッブル宇宙望遠鏡が宇宙でもっとも遠い領域を撮影

Clara Moskowitz 

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超深宇宙またはXDFと称され、この写真はハッブル宇宙望遠鏡が10年間にわたって探査した超深宇宙のオリジナル写真の中央に位置する宇宙の一部分を取り出し、組み合わせたものである。この XDFは非常に狭い領域であって、満月の角直径のほんの一部にしか相当しない。この写真は2012925日に公開された。(写真の出処: NASA, ESA, G. Illingworth, D. Magee, and P. Oesch (カリフォルニア大学サンタ・クルス校), R. Bouwens (ライデン大学)、および、HUDF09チーム)

ハッブル宇宙望遠鏡は宇宙のもっとも遠い領域を視野に捉えた。これは何十億光年も離れている何千もの銀河系を捉えた写真である。

「超深宇宙」または「XDF」と称されるこの写真は宇宙の一角を10年間にもわたってハッブル望遠鏡が探査したものを組み合わせたものだ。何回もの観測を通じて光を集積することによってのみ、こういった遠方の天体を見い出すことが可能となる。いくつかの天体の光量は人間の目が捉えることができる光の量の百億分の一でしかない。

この写真はオリジナルの「ハッブル超深宇宙」の続編であって、ハッブル宇宙望遠鏡2003年から2004年にかけて探査したもので、今日では深度がもっとも深い宇宙に位置する何千個もの銀河系からやって来る光を何時間にもわたって集めたものである。XDFは遠い過去に遡り、132億年も昔の宇宙を映し出す。因みに、宇宙は約137億年前に誕生したと考えられている。

 

Photo-5NASAのハッブル宇宙望遠鏡が新しい星が生まれている驚異的な光景を捉えた


NASAによると、この星雲は地球から約2000光年の距離にあって、われわれの銀河系では比較的隔絶された場所に位置している。

TRENDING DESK

最新の更新:20211116日、18:07 IST

 

Photo-6:潜在的に生命を宿せると思われる惑星に水が発見された

111光年の距離にある「スーパー地球」は「現在われわれが知る限りでは居住可能な最高の候補地である」と天文学者らは言う。

BY MICHAEL GRESHKO

ナショナルジオグラフィック

2019911

太陽系外の世界の探査においては初めてのことであるが、ハッブル宇宙望遠鏡から得られたデータによって地球と同じような大きさの惑星の大気中に水蒸気が存在することが突き止められた。この太陽系外惑星はわれわれの太陽よりは小さい恒星を周回しているが、恒星の生命居住可能な領域にある。つまり、本惑星の軌道は液体の水が惑星の表面に存在することを可能とするだけの暖かさを有する距離の範囲内にある。

この発見は二つの独立した研究成果として今週発表され、これらの研究はわれわれの太陽系からは約111光年の距離に位置する「スーパー地球」、つまり、太陽系外惑星「K2-18b」の何年にもわたる観測の成果である。NASAのケプラー宇宙船によって2015年に発見されたもので、 K2-18bはわれわれの地球とは大きく異なる。すなわち、地球の質量の8倍以上も大きい。これは海王星のような氷の惑星であるか、水素が豊富な厚い大気に覆われた岩石質の世界であるかのどちらかであることを意味している。


 
3:38

太陽系外惑星101

太陽系外惑星の存在はわれわれは宇宙では独りぼっちであるという考えに真っ向から挑戦する。どのような形態の太陽系外惑星が存在するのか、それらを発見するために科学者が駆使する手法、銀河系にはいったい何個の世界が存在するのかについてここで学ぼうではないか。

製作者 / 語り手: ANGELI GABRIEL

編集者: DAN STEINMETZ

副編集者: MARIELENA PLANAS

調査研究マネジャー: MARK LEVENSTEIN

音声録音: JAY OLSZEWSKI

 

Photo-7:ハッブル望遠鏡が太陽系外惑星について初の紫外線画像を捉えた

2021430

by Natali Anderson


NASA/ESAハッブル宇宙望遠鏡を駆使して、天文学者らは木星サイズの橙色矮星「PDS 70」を周回し、今も形成の途上にある惑星を撮像した。これは太陽系外惑星を紫外線(UV)領域で直接捉えた初めての成果である。

ハッブル望遠鏡によるこの画像は若い太陽系外惑星「PDS 70b」を示す。画像の出処:Joseph DePasquale, STScI.

PDS 70はケンタウルス座に属し、地球から370光年の距離に位置するK7型の前主系列星である。

また、V* V1032 CenIRAS 14050-4109としても知られ、この恒星は生まれてから540万年しか経ってはいない。

この恒星はPDS 70bおよび PDS 70cと名付けられた二つの惑星を擁しており、これらの惑星は形成の途上にある。また、塵やガスで構成された巨大な星周円盤を持っており、中心より20から40天文単位(AU)に及ぶ広大な領域には塵が無い。

PDS 70bは恒星から約21AUの距離にあり、星周円盤のギャップ内に位置し、その軌道はわれわれの太陽系の天王星のそれに類似している。

PDS 70cは星周円盤のギャップの外側の端、つまり、恒星から34.5AUの距離に位置し、その軌道はわれわれの太陽系の海王星のそれと似ている。

PDS70は惑星の形成過程を観察することができるので極めて興味深い。この恒星はハッブル望遠鏡が直接撮像したもっとも若い正真正銘の惑星だ」とオースチンにあるテキサス大学の天文学者であるYifan Zhou 博士が述べている。

Zhou博士と彼の同僚はPDS70bを観測するためにハッブル望遠鏡に搭載された広視野カメラ3(WFC3)近紫外線/可視光(UVIS)周波数帯を用いた。 

「ハッブル望遠鏡の観測によって惑星がどれ程の速度でその質量を増しているのかを推算することができた」とZhou 博士は注釈した。

この研究チームによると、540万年の間にPDS 70bはすでに木星の質量の5倍にまで成長した。

現在観測されている質量増加の速度は低下し、この低下の割合が今後100万年間継続するとその間の本惑星の質量増加は木星の質量の約百分の一程度にしかならないであろう。

「これらの知見は時間軸上においては単に瞬間的なスナップショットに過ぎない。この惑星の質量増加が低下しているのか、それとも大きくなっているのかを特定するにはもっと多くのデータを集めることが必要だ」と天文学者らは述べている。

「われわれの測定データによると、この惑星の形成過程は終わりに近づいていることを示唆している。」

PDS 70bPDS70系が擁する広大に広がる星周円盤から一部の物質を吸い寄せてでき上がったそれ自身を取り巻く星周円盤によって取り囲まれている。

研究者たちは磁力線が恒星の星周円盤から太陽系外惑星の大気にまで伸びており、それが星間物質を惑星の表面に降着させているとの仮説を立てている。

「もしもこの物質が星周円盤から惑星に至る列(訳注:磁力線を指しているようです)に沿って移動するならば、これは局部的に熱い領域を形成することになる」とZhou博士は言う。

「これらの熱い領域は惑星の温度よりも少なくとも10倍は熱い。これらの熱い領域は紫外線の中で非常に光り輝やいて観測された。」

これらの知見は「Astronomical Journal」で発表される:

Yifan Zhou et al. 2021. Hubble Space Telescope UV and Hα Measurements of the Accretion Excess Emission from the Young Giant Planet PDS 70b. AJ 161, 244; doi: 10.3847/1538-3881/abeb7a

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これで仮訳が終了した。

たまたま私は1980年代のある週末に仕事仲間と一緒にカリフォルニアのサンディエゴ郊外にあるパロマー山天文台を訪れた。展示室には数々の天体の写真が飾られており、いくつもの渦巻星雲がさまざまな姿勢で一枚の写真に収まっている様子は実に圧巻であった。今でもあの時の驚きを思い起こすことができる。

そして、このハッブル宇宙望遠鏡による写真の中では冒頭の写真に示したカニ星雲は特に神秘的で、一言では言い表すことが難しい。それから、太陽系外惑星の存在が突き止められ、観測を継続することによって詳細なデータが蓄積されつつある。地道な研究が続いている。人類はこの広大な宇宙の中で決して独りぼっちではないのかも・・・

 



4 件のコメント:

  1. お久しぶりです。本当に美しいですね。でも、宇宙の成り立ちというのは、どうも私たちが教えられていることと違うようですね。最近は電気宇宙の紹介をやっています。もし興味がおありであれば覗いてみてください。
    それから、CDCの記事、拡散させていただきます。
    https://quietsphere.info/

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  2. kiyoさま
    コメントをお寄せいただき、有難うございます。
    ご紹介いただいたサイトを興味深く拝見いたしました。黒点活動に代表される太陽の物理的な動きが地球の温暖化の直接要因であるとする説が出回っています。この説はもう何年も前のことでした。とすれば、今まで世界中を巻き込んで来た人為的要因である大気中の二酸化炭素が原因であるとする説は間違っていたことになります。メディアのプロパガンダによって今も主流の説として扱われています。黒点主因説が認められれば、アイスホッケー・スティックの形状に模したデータ捏造疑惑がまさに実証されることになりますね。
    ところで、福島原発を襲った津波は原発のメルトダウンを引き起こしてしまいましたが、あの地震についても太陽活動の周期と関係づけることが出来るのではないでしょうか。

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  3. 日本の地震については人工地震だという説もありますが、「量子振動。太陽が振動すれば、惑星も振動する」という記事でコンポップ・ユーイェン博士が簡単に触れています。
    https://quietsphere.info/solar-system-formation-quantum-vibration-and-natural-disasters/
    電気宇宙論では地震や天候も電気的現象として解釈しています。ちなみに人間の体も含めて自然現象を電気的に見ていくと、一本の筋が通ったシンプルな見方が出来ると思っています。

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    1. kiyoさま
      人工地震説がありましたよね。当時、それを実証するような説得力のある説明はなかったように記憶していますが、改めて人工地震説を反芻してみようかと思っています。

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