2014年8月6日水曜日

MH17便の撃墜:米国・キエフは失敗した自作自演工作を隠ぺい ― 必読(その2)


前のブログの続きとして「その2」を以下に共有したい。 

この記事の原文は30頁と長いので、3~4分割で仮訳を進めたいと思う。ご了承願いたい。原文が長いだけに、この記事はさまざまな方向から情報を収録しており、全部読み終わった時にはこのMH17便の撃墜はいったい何だったのかいう質問に対して総合的な回答を手にすることができる。これこそがこの記事の最大の価値ではないだろうか。それと同時に、さらなる客観的な情報のインプットを期待したい。
 

<引用開始>
近傍にあった全航空機
717日の午後5時から6時の間、致命的な目的地となるGrabovo に向かいつつあったMH17便の近傍には下記の航空機がいたことが分かっている: 
1. ボーイング772 – コペンハーゲン発シンガポール行き。午後517分に南東に向けて飛行。
2.
ボーイング778 – パリ発台北行き。午後524分に南東に向けて飛行。
3.
ボーイング778 – デリー発バーミンガム行き。午後520分に北西に向けて飛行。
4.
ボーイング777 – マレーシア航空MH17便。午後517分。
5.
ウクライナ軍のジェット戦闘機(型式は今後の確認要)がレーダーに現れ、午後521分、MH17便と同じ高度で同機を約4キロ程後方から追跡。
注: シンガポール航空SIA351便の操縦士や乗客は非常に近い位置にいたので、高高度でのMH17便の墜落の模様を目撃していたかも知れない。
午後520分、MH17便は突然失速し、速度は124マイル/時 (200キロ/時)にまで低下。恐らく、この頃に、ウクライナ軍のSu-25ジェット戦闘機がMH17便に向かって上昇し、急速に同便の高度に達する様子が管制塔のレーダー上には表示され、その後、同戦闘機はMH17便の3~5キロ後方で追跡を続けた。これはMH17便がレーダーから消えるたった数分前までのことである。 ウクライナ軍のジェット戦闘機は同機が5キロの高度にある管制塔のレーダーによる追跡の下限限度を超してしまうまでは管制塔のレーダー上には現れなかった可能性があることに注意されたい。管制塔における民間レーダーはこのSu-25を軍用機として見分けることは出来ない。これは補助的な探査装置が搭載されていないからであり、軍用機では普通の事である。次の4分間、ウクライナ軍の戦闘機はその空域に留まっていた。
Su-25ジェット戦闘機は射程距離が5~12キロの空対空R-60 ミサイルを装備することができるが、21WIRE が見い出しているように、ウクライナ空軍が所有する戦闘機の中ではSu-25だけということではない事を留意願いたい。201464日、ジェーンズ年鑑は、キエフは最近MIG-29「フルクラム」とSu-27「フランカー」とを含めて、他にふたつの高機能の型式を使用のために復帰させたと報じている。使用に供されているウクライナ空軍の戦闘機は下記の通りである:
Su-25「フログフート」戦闘機上昇限界:23,000フィート/7,000メートル、または、32,800フィート/10,000メートルまで(航空機が改造されているかどうか次第)
Su-27
「フランカー」戦闘機上昇限度:64,000フィート/19,000メートル
MiG-29
「フルクラム」ジェット上昇限度:59,000フィート/18,000メートル
Su-24
「フェンサー」戦闘機上昇限度:36,000フィート/11,000メートル、または、 57,400フィート/17,500メートル(ターボエンジンの吸気方式次第)
最後の数分間におけるMH17便の正確な高度はまだ知られてはいないが、ウクライナ軍のジェット戦闘機は同機を追跡していた。ちょっと大袈裟に言えば、キエフは高度に関してはかなり広い範囲でMH17便に対応できる多くの戦闘機を所有している。また、空対空ミサイルは短距離の射程(3~5キロ)の場合には上空からでも下方からでもレーザー誘導で照準を合わせることが可能で、これらの型式の戦闘機においては標準装備である。
もうひとつの決定的な証拠: キエフ政府の高官は717日に「軍用機はこの地域では入手できなかった」と主張した。上記の詳細データに示すように、これはまったくの嘘で、隠ぺいが行われていると思われる。
ここでもまた、MH17便がモスクワ時間で午後523分頃最初に撃たれた時、この旅客機はドネツクの近傍に配置されたウクライナ軍の何基かの「ブク」ミサイル発射装置の射程圏内にあった点にも留意されたい。また、墜落現場であるGrabovoからたった数マイル離れたShakhterskoye 8キロ南にも「ブク」ミサイル発射装置が配置されていた。 


Photo-4
: ウクライナ軍のSu-25ジェット戦闘機には空対空ミサイルが装備されている。Su-27「フランカー」やMIG-29「フルクラム」も同様である。
MH17便の不可解な左旋回
一瞥しただけでは些細なこととして捉えられ、説明が加えられてはいないこの出来事は重要であるとはとても思えない。ところが、よくあることではあるが、詳細を見れば見るほどそこには悪魔のような悪い奴が潜んでいるのである。
最後の段階におけるMH17便の経路からの逸脱は、またもや、キエフの管制塔のせいであろうか。それとも、あの回避行動には他に理由があったのだろうか? 
MH17便が14キロも左へ逸脱したことに関する実際にありそうなひとつの説明は同機のGPSまたは航行システムが妨害されていたのかも知れないという点だ。717日には、米国とNATO 軍は黒海で電子戦争の演習を行っていた(「SEA BREEZE 2014」という名称の下)。この可能性に加えて、すべてのボーイング製のジェット旅客機(ルフトハンザの航空機は除き)には特定の国の政府(そのひとつは米国である)が遠隔操作できるオーバーライド装置が装着されている。最近までは公開されてはいなかったことではあるが、「ボーイング無中断自動操縦システム」(Boeing Uninterruptible Autopilot: BUAP)は1990年代以降は標準となっており、これは明らかに旅客機がテロリストに襲われた場合に備えて航空機の操縦を操縦士や乗員から取り上げてしまうように設計されている。
時系列の中でも重要な出来事を説明するもうひとつの可能性のある説明は、MH17便は撃たれてから、あるいは、損傷を受けてから14キロにわたって180度の緊急左旋回を行い、その後、レーダーから消えていったというものだ。これが実際の状況だったのかも知れない。723日、Anna-Newsは退役したロシア空軍のアレクサンドル・ジリン大佐にインタビューした。同大佐はウクライナの内戦に関する解説者としてして頻繁に登場する軍関係の識者のひとりである。
「同大佐によると、16:18:45(モスクワ時間では午後519分)、ウクライナ軍のジェット戦闘機はR-60空対空ミサイルでボーイング機を照準に収めた。このミサイルがボーイング機の右翼のエンジンを破壊。ボーイング機は撃たれたものの、依然として空中に留まることができた。しかし、そうしながらも、ボーイング機は180度の左旋回をした。自作自演作戦が見事に失敗し始めたのはこの時だった。ジリンによると、すべてが米国のコントロール下に置かれ、ウクライナ軍が実行していたこの作戦の目的はウクライナとロシアとの国境の近くの最南端を過ぎた辺りで同機の経路の前方に墜落させることだった。そこへボーイング機を墜落させ、国際的な圧力への対応として墜落現場にウクライナ軍を移動させることが最大の目的だった。こうすることによって、キエフ政府はロシアとの国境近くの小さな地域に反政府派を囲い込むために釘付けにされている旅団をその地域から首尾よく解き放すことができるのだ。」 
しかしながら、ボーイング機は反対方向へ旋回し、どうにかこうにか飛行を続けることができそうなことは明らかだった。この時点で、米国・ウクライナの特殊作戦本部はパニックに陥り、ボーイング機が緊急着陸することを防止するためにブク発射装置に同機を空中で破壊するように命令した。ブクミサイルが発射され、同機はついに破壊された。」 
21WIREはチェコ共和国の元外交官で政治解説者であるウラジミール・スチャン氏と話をした。同氏はジリンのコメントを墜落の時点で起こっていた軍事的な出来事の前後関係に付け加えて、こう説明する。「もしもMH17便が南方のSnezhnoyeの上空で撃墜されていたとしたら、撃墜の場所やタイミングは計画通りのものとなり、墜落場所はウクライナ軍が統制している地域内、あるいは、ロシアとウクライナの国境の近くとなった筈だ。その場所は南部におけるウクライナ軍による包囲網を解くことが可能となる。そうすると、他の目標にも増して、ウクライナ軍は初の大規模な敗戦から免れることができようというものだ。」 (下記の「総力を挙げた軍事攻勢」を参照) 
もしもあの時MH17便が空対空ミサイルに撃たれていたとしたら、救難連絡がキエフの管制塔に入っていたことだろうが、キエフ当局は717日の同機との通信連絡の全貌を共有する、あるいは、公表することには躊躇している。 

本報告書を21WIREに提出する時点では、われわれの証言を裏付ける第二の情報源は見つからなかった。ジリンの説明はモスクワが公表した管制塔や衛星からのデータと一緒にしてみると辻褄が合う。しかしながら、MH17便のブラックボックスから得られるフライト・レコーダーの情報やデータはさまざまな出来事の時系列を間違いなく実証してくれる。英国が前から抱いているロシアに対する政治的偏見に基づいてダウニング街や諜報機関(MI5) がブラックボックスのすべての情報を公表することを妨げるようなことをしてはならないと誰でも思っている。そして、さらに重要な点はメデアに対しては何らの編集も行わずにすべてを公表することだ。疑いもなく、公表の際にはBBCが最初に情報を受け取ることになるだろう。BBC自身が見い出した知見をBBCがどのように報告するのかがすべてを物語ることになるだろう。 

Photo-5
: MH17便が最後の数分間に辿った経路
上図はMH17便の最後の数分間に辿ったと思われる経路を地図上に示したものだ。これは公共のデータから算出して得たものである。関連情報はhttp://nikolay-istomin.livejournal.com/3057934.htmlにて入手可能。
本説明は主要な残骸がかなり広範な地域に広がって発見されたことともよく符合する。これはMH17便は、最初に撃たれてから後戻りしたことを示している。もしもこれが最終段階での経路を示すものであるとするならば、米国(国務省)が言うところの反政府派の「ブク」ミサイルがSnezhnoye (Snizhne)から発射され、正面から同機を撃墜したとする謀略論は完全に成り立たなくなる。この「U ターン」はキエフがなぜ最初に「反政府派の会話をリーク」(下記の「ソーシャル・メデア・オーデオでキエフがヘマ」を参照)し、なぜ反政府派の「ブク」発射装置をDebaltzevoというまったく違う場所(墜落現場であるGrabovoの北東数キロに位置する)に位置づけしたのかをよく説明してくれる。しかし、それが「U ターン」のすべてを説明するわけではない。彼らはこれを隠ぺいしようとしたのだが、逆に、ウクライナ軍のジェット戦闘機に注意を向けさせることになってしまった。
PR作戦の失敗の後に彼らが行った救済策の一部として、ワシントンはグーグル・マップ様の図を722日(木)に公表した。これは反政府派のミサイル発射装置はSnezhnoyeに位置しているとする米国の理論を示したものだ:

Photo-6: 反政府派のミサイル発射場所 - ワシントンの新たな証拠 
驚くべきことに、上図に示すように、ワシントンの最近の証拠・理論では彼らが主張するところの反政府派のミサイルの発射場所はまったく新しい場所であるSnezhnoyeとなっている。ところが、これはジョン・ケリーやオバマ大統領が「証拠の山」と称した他のソーシャル・メデアから取り上げた内容とはまったく矛盾することになった。(下記の「SBUによって提供された証拠は偽物で杜撰なものばっかり」を参照)
火曜日の「諜報」に関する状況説明において米国務省のマリー・ハーフ副報道官が何とか窮状から脱したことの皮肉さ(下記の「米国は今や完全撤退し、被害対策モード」を参照)
米国政府はこれまでにロシアが公開した内容を裏付ける、あるいは、反証することができるような通信内容や衛星画像ならびにレーダーのデータを間違いなく入手している筈だ。ワシントンがグーグル画像を国民に提示したという事実はワシントンが所有している情報はワシントンが望む筋書きとは異なっているということを示しているのではないだろうか。
内部告発:キエフ国際空港で勤務していたスペイン人管制官
すべての証拠はMH17便と同じ枠組みの中でウクライナ軍のSu-25ジェット戦闘機を指さしており、キエフ国際空港にて勤務していた管制官、カルロスの証言を裏付けている。ETN はマレーシア航空MH17便に関してキエフの管制官(ボルィースピリ国際空港)から情報を受け取った: 
このキエフの管制官はスペイン国籍であって、ウクライナで仕事をしていた。マレーシア航空の旅客機がウクライナの東部で撃墜され、295人の乗員・乗客の全員が死亡するという事故の直後、彼は他の外国人たちと共に管制官の職から外された。同管制官はこの事故に関して個人的な評価を持っていることを示唆し、その情報源はキエフのウクライナ軍であると述べた。「この撃墜の背景にはウクライナ軍が潜んでいる」と言う。レーダーの記録は旅客機の撃墜が判明した直後に押収された。軍の管制官たちは内部の連絡から軍が関与していることを認めており、軍のある傍受通信に拠ると旅客機を撃墜せよとの命令が何処から出たのかは誰も知らないとのことだ。同機はその機影がレーダーから消える3分前までは2機のウクライナ軍のジェット戦闘機によって追尾されていたことから、一連の間違いの後でこれが起こったことは明白だ。
カルロスはツイッターでMH17便の撃墜に関してその悲劇が進行するのに沿ってキエフからリアルタイムで報告をしていた。この出来事の間じゅう報告を続け、その直後彼の姿は彼のツイッター共々消えた。
ここでもまた、証拠は積み重なり大きくなるばかりではがあるが、これらの証拠はキエフとその相棒であるNATOによって隠ぺいが行われていることを指し示している。
犯罪現場検証: MH17便
Grabovo の墜落現場から今日までに送られてきている報告は現場検証が厳密、かつ、独立に実施されているとか、証拠に関する分析の過程での管理は正しく順守されているという自信を必ずしも醸成してくれているわけではない。重要となる証拠は、残骸の中から発見される榴散弾の破片を含めて、弾道学的な証拠であろう。それらが下記の何れに由来するのかを特定することは容易である:
1. 機内に仕掛けられた爆弾(依然として可能性がある)。
2.
空対空ミサイル 
3.
地対空ミサイル
その他に、死体解剖を行うことによって717日に実際に何が起こったのかに関してさらに補足的な証拠を提供してくれる。現時点では、残骸の大部分はオランダ政府によって取り扱われており、オランダがウクライナ危機の期間中むしろNATO側へ関与してきている事実を受けて、彼らがワシントンやキエフの狭い見識やどんどんと変化する事故の筋書きとは一致しない知見を積極的に提供してくれるのかどうかという懸念が目下議論の対象となっている。
最後に、もしもMH17便が多数の証拠が指し示すようにウクライナ軍のSu-25ジェット戦闘機によって、または、ウクライナ軍の「ブク」SAMミサイルによって、あるいは、その両方によって撃墜されたのだとしたら、マレーシアはウクライナに対して戦争を布告するのだろうか?国連はウクライナ政府の高官らがこの国際的な戦争犯罪において担ってきた役割に関して彼らを制裁する決議案を審議するのだろうか?
<引用終了>

さまざまな重要な項目に加えて、私が自分自身のブログで触れてきた「空対空ミサイルによる撃墜」とか「スペイン人管制官が行った内部告発」等がここでも報告されている。
そして、何と言ってももっとも大きな関心事はブラックボックスの解析作業は今後どのように進行するのだろうかという点だ。ブラックボックスがオランダ政府の手に委ねられ、最終的には英国の研究所の手に渡ったという。このことは情報の隠ぺいという新しい悪夢の始まりを意味しているのかも知れない。また、機体の残骸や遺体はオランダに運び込まれている。これらから得られる知見も非常に重要な要素となる筈だ。
全体的に見て、米国・キエフの失敗に終わった自作自演作戦の救済策、あるいは、復活戦がこれから密かにではあるが、大規模に始まるのではないだろうか。こういった懸念を抱くのは私ひとりだけだろうか?
この懸念が杞憂に終わってくれれば最高に幸せだ!「2014年」は歴史に残る年となることだろう。 

参照:

2 件のコメント:

  1. つづきを楽しみに待っています!
    ぞくぞくします!

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  2. 八ノ宮八助様
    コメントを有難うございます。こういったコメントをいただきますと、こちらとしましても大きな励みになります。
    今後どこに落ち着くのかは分かりませんが、MH17便の件は、政治的にはウクライナの負けということで終わりかも知れませんね!でも、その時、米国のネオコンはかなり狂うかも。次に何をしでかすかが新たな懸念材料になりそうで、気掛かりです。

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