一時あれほど騒いでいたメデイアに異変が起こった。
主要メデイアの宣伝や米国・英国政府の主張が急に静かになってしまった。その沈黙振りは当初のはしゃぎ様と比べるとまさに異様な感じがする程である。
そこへ、8月18日、「メデイアやオバマ政権はNH17便に関してなぜ沈黙してしまったのか?」と題する記事 [注1] が現れた。同記事が言わんとする内容は一般大衆が抱く常識的な疑問を代弁しているように感じられた。その記事を部分的に引用してみよう。こんな具合だ。
「…MH17便がどのようにして撃墜されたのかを結論付けることは時期尚早ではあるが、数多くの証拠によると、それらの証拠はウクライナ政府が犯人であることを示唆しており、その背後には米国政府とヨーロッパのNATO諸国が控えている。彼らはMH17便を破壊する環境を整え、この2月にはキエフでクーデターを支援し、西側に傾倒する勢力を政権の座に就かせた。そして、西側のメデイアはウクライナ東部において反政府派を武力で制圧するというキエフ政権の政策を支持した。これがウクライナ東部を戦場と化してしまい、MH17便は同地域で撃墜された。
298人もの犠牲者を出したこの撃墜事件では、彼らは重要な役割を果たしているが、十分な説明は成されてはいない。この撃墜事件の後、西側の政府や諜報機関はこぞってこの悲惨な撃墜事件を絶好の機会として捉え、プーチン政権に対する脅かしをいっせいに展開した。沈黙は同意を意味する。キエフ政権がMH17便の撃墜に関与していたことに関する気まずい程の沈黙は外交政策関係者だけではなく追従者でもあるメデイアや各国の指導者階級全体の犯罪性を立証するものである。」
上記のような指摘だ。なかなか手厳しい。
このMH17便の撃墜事件でもっとも多くの犠牲者を出したオランダは事故調査を率いる役目が与えられた。そして、最近、暫定的な調査報告書が「オランダ安全会議」のウェブサイト(www.safetyboard.nl)にて公開された。
この暫定的な報告書に関しては、ロシア政府を始めとして、数多くの批判が寄せられている。
ロシア政府の最大の不満は現行の調査が透明性を欠き、客観性にも劣るという点であって、透明性や客観性を高めるために国連の積極的な関与を要請している [注2]。
また、ある研究者はオランダ安全会議が発行した34頁にわたる暫定報告書は米国が所有していると思われる諜報データをまったく反映してはいないことから、そのことを同報告書の信ぴょう性を疑う根拠としている
[注3]。これは非常に鋭い指摘だ。
今日のブログでは、この3番目の記事を仮訳し、皆さんと共有したいと思う。
<引用開始>
ウクライナで起こったマレーシア航空MH17便の撃墜に関して「オランダ安全会議」が公表した暫定報告書では米国が所有していると思われる「諜報データ」がなぜか欠如している。この状況を見ると、米国政府の政治課題やすべての省庁・組織およびその背後にいる政党にはいったい信頼性や正邪を判断する分別があるのかと問いかけたくなる程だ。
「暫定報告:マレーシア航空ボーイング777-200型機、MH17便の撃墜 (pdf)」と題した報告書はMH17便の撃墜の理由を解明するために幅広い証拠を取り上げ、将来同種の事故が二度と起こらないようにしようとしている。証拠としてはコックピット・ボイス・レコーダー(CVR)、フライト・データ・レコーダー(FDR)、航空管制(ATC)の監視データや無線連絡内容の分析、気象環境の分析、損壊した機体の科学的捜査、病理学的な調査結果、ならびに、機内で進行した破壊の順序に関する分析、等が含まれる。
撃墜事故後の現場を解析するに当たっては衛星画像が参照されているのだが、この報告書には、何処を見ても、米国の諜報機関から証拠として入手される筈のミサイル発射装置に関する衛星画像、あるいは、MH17便がミサイルによって撃墜されたことを示す情報や証拠はまったく見当たらないのである。事実、本報告書は次のように結論付けている:
本報告書は暫定的なものである。この報告書に含まれている情報は当面のものであって、追加的な証拠が入手できた時点で変更や改訂が行われるものと理解して欲しい。今後の作業の結果、事実情報を立証するために少なくとも下記の分野を網羅するものとする:
·
機内で記録されたCVRやFDRおよび他の情報源を含め、諸々のデータの詳細な分析
·
ATC監視データや無線通信の詳細な分析
·
気象環境の詳細な分析
·
損壊した機体の科学的捜査(機体が回収され、外部から侵入した物体が発見された場合)
·
病理学的な調査結果
·
機内で起こった破壊の順序に関する分析結果
·
紛争地域や安全上のリスクが高い地域の上空における運航者ならびに事故発生当事国の航空安全管理体制の評価
·
この調査中に調査が必要と認められたその他の分野
ブラックボックスを入手し、機内からの情報源やウクライナやロシアの地上の情報源から得た膨大なデータを所有しながらも、「オランダ安全会議」は結論を下すことには躊躇し、誰も結論に跳び付いてはならないと主張している。
この報告書はロシアから収集した情報を具体的に記述し、そこには航空管制やレーダーの情報など撃墜事故後にロシアによって一般公開された情報も含まれている。本報告書はウクライナの航空管制官から入手したデータも引用している。米国はどうかと言うと、航空機の機体が米国製であることから撃墜された航空機に関する技術データが提供されていることを除くと、他には如何なる情報も提供されてはいないのである。
米国の諜報データが欠けているという事実は自作自演を示唆している:
この報告書はロシアから収集した情報を具体的に記述し、そこには航空管制やレーダーの情報など撃墜事故後にロシアによって一般公開された情報も含まれている。本報告書はウクライナの航空管制官から入手したデータも引用している。米国はどうかと言うと、航空機の機体が米国製であることから撃墜された航空機に関する技術データが提供されていることを除くと、他には如何なる情報も提供されてはいないのである。
米国の諜報データが欠けているという事実は自作自演を示唆している:
Photo-1:ブラックボックス
もしも米国がMH17便はミサイルによって撃墜されたとする説を支持するような情報を所有していたならば、米国は間違いなくその情報を提出した筈であり、オランダ安全会議は当該情報を暫定報告書に含めた筈である。そういった情報が予想通り欠如しているということは世界中の批評家や分析専門家ならびに政治家が当初から長い間抱いていた疑念を裏付けるものとなった。即ち、MH17便に関する西側のあまりにも時期尚早な結論は政治的な計略に支配されたものであって、真実の究明に根ざしたものではなかったということである。NH17便はミサイルによって撃墜されたとする西側の主張は報告書には見られない。何故かと言うと、まず第一にそのような事実はなかったからだ。
オランダ安全会議は膨大な量の情報を手にしていながらも、依然として最終結論を述べることができず、暫定的な結論を記述するに留まったという事実はMH17便の撃墜後何時間あるいは何日間かにわたって西側の評論家や政治家が証拠もなく言い張っていたあの確信が如何に無責任なものであったか、如何に政治的動機に支配されたものであったかを暴露し、そして、彼らはあの悲劇を利己的に活用しようとしたものであることを暴露した。最悪の場合、西側、特にNATOがこの犯罪の主犯ではないだろうか。この悲劇からもっとも得をするのはNATOではないかと見られるからだ。
自作自演が動機付けを促す:
MH17便の悲劇の後、西側は大急ぎでロシアに対する経済制裁を発動し、キエフ政権やウクライナおよび文字通りネオ・ナチの民兵組織のためにさらなる軍事支援を与えることを正当化した。彼らは西側の政治目標のために奉仕し、ウクライナのもっとも東部に位置する州において残虐な内戦に従事している。経済制裁を掌握し、内戦が本格化する中、MH17便の悲劇は西側の脚本からは完全に排除されたかのようである。あたかも何も起こらなかったかのように… もしも西側がウクライナ東部の反政府派またはロシアを糾弾する証拠を持っているとしたら、世界はその真実が公衆の面前に完全に提供されるまではMH17便の悲劇にケリがついたなんて理解することは決してできない筈だ。
オランダ安全会議は膨大な量の情報を手にしていながらも、依然として最終結論を述べることができず、暫定的な結論を記述するに留まったという事実はMH17便の撃墜後何時間あるいは何日間かにわたって西側の評論家や政治家が証拠もなく言い張っていたあの確信が如何に無責任なものであったか、如何に政治的動機に支配されたものであったかを暴露し、そして、彼らはあの悲劇を利己的に活用しようとしたものであることを暴露した。最悪の場合、西側、特にNATOがこの犯罪の主犯ではないだろうか。この悲劇からもっとも得をするのはNATOではないかと見られるからだ。
自作自演が動機付けを促す:
MH17便の悲劇の後、西側は大急ぎでロシアに対する経済制裁を発動し、キエフ政権やウクライナおよび文字通りネオ・ナチの民兵組織のためにさらなる軍事支援を与えることを正当化した。彼らは西側の政治目標のために奉仕し、ウクライナのもっとも東部に位置する州において残虐な内戦に従事している。経済制裁を掌握し、内戦が本格化する中、MH17便の悲劇は西側の脚本からは完全に排除されたかのようである。あたかも何も起こらなかったかのように… もしも西側がウクライナ東部の反政府派またはロシアを糾弾する証拠を持っているとしたら、世界はその真実が公衆の面前に完全に提供されるまではMH17便の悲劇にケリがついたなんて理解することは決してできない筈だ。
Photo-2:破壊された機体
オランダの調査官が暫定報告書を発表した時、西側は単に当初の主張を繰り返して述べ、同報告書に対しては自分たちの矛盾する主張を単純に強要しようとした。これは、あたかも、一般大衆は34頁もある報告書を実際に読むことはないだろうと彼らは思っているかのようだ。
マレーシア航空MH17便はウクライナの上空で数多くの発射物体の衝突によって破壊されたと、この火曜日(9月16日)、オランダ安全会議が公表し、マレーシアの首相ならびに何人かの専門家はある報告で同機は地上からの攻撃によって撃墜されたと語った。
ロイター通信の宣伝臭の強い記事の表題はその記事の最初の節とは真っ向から矛盾する。オランダ安全会議ではなく「専門家」たちは「同機は地上からの攻撃によって撃墜された」と主張していると伝えているのであって、実際のオランダの報告書自体はその種の主張はまったくしてはいないにである。
ロイター通信が引用した「専門家」とは実際にはこの暫定報告書とは何の関係もなく、彼らは実際には何時ものように西側が選んだ、自分たちに都合のよい評論家たちのことを指している。自分たちの政治目標を世界的に推し進めるために、でっち上げのシナリオを作り、それを永続させながら、西側は常に彼らの言うことに従う。そういう評論家のことである。
MH17便の悲劇から学ばなければならない教訓は実際の調査や調査の結果から得られる結論に漕ぎつけるには時間を要するということだ。何週間も、あるいは、何ヶ月も必要となる。MH17便の悲劇が起こった後何時間か何日か以内に直ちに結論めいたことを喧伝していた連中は悲劇的な出来事を活用しようとしたのだと言える。最悪の場合は、彼ら自身がその出来事を仕掛けた犯人であることを示唆している。そういった喧伝を通じて彼らはさらなる無秩序や紛争ならびに混乱を誘発させようとする。
結論に跳び付こうとする衝動を抑えきれない連中は指導者的な位置につくにはもっとも不適格である。米国や英国ならびにEUは、疑問の余地がない程に、自分たちはせいぜい無神経で、無責任、しかも、政治的な動機に基づいて人類の悲劇を不当にも活用したことを証明した。最悪の場合、彼らはウクライナならびにさらにその先の地域において戦争や大虐殺を起こそうとするハイエナにも似た行為をする主犯格であることを証明したのである。
著者のTony Cartalucciはバンコックを拠点とした地政学の研究者であり、作家でもある。“New Eastern Outlook”というオンライン・マガジンへの寄稿を続けている。
MH17便の悲劇から学ばなければならない教訓は実際の調査や調査の結果から得られる結論に漕ぎつけるには時間を要するということだ。何週間も、あるいは、何ヶ月も必要となる。MH17便の悲劇が起こった後何時間か何日か以内に直ちに結論めいたことを喧伝していた連中は悲劇的な出来事を活用しようとしたのだと言える。最悪の場合は、彼ら自身がその出来事を仕掛けた犯人であることを示唆している。そういった喧伝を通じて彼らはさらなる無秩序や紛争ならびに混乱を誘発させようとする。
結論に跳び付こうとする衝動を抑えきれない連中は指導者的な位置につくにはもっとも不適格である。米国や英国ならびにEUは、疑問の余地がない程に、自分たちはせいぜい無神経で、無責任、しかも、政治的な動機に基づいて人類の悲劇を不当にも活用したことを証明した。最悪の場合、彼らはウクライナならびにさらにその先の地域において戦争や大虐殺を起こそうとするハイエナにも似た行為をする主犯格であることを証明したのである。
著者のTony Cartalucciはバンコックを拠点とした地政学の研究者であり、作家でもある。“New Eastern Outlook”というオンライン・マガジンへの寄稿を続けている。
<引用終了>
かなり手厳しい論評である。入手可能なさまざまな証拠に基づいて、米国・EU・NATOがMH17便撃墜の犯人であると断定している。
政治家や彼らを取り巻くメデイアには特有の言い回しがあって、われわれ一般大衆はなかなか真の情報に辿りつけないことが多い。
その最たるものは2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターの崩壊を中心として起こった「911同時多発テロ」ではないだろうか。主要メデイアばかりではなく、米国議会が指名した独立調査委員会の報告書さえもが不完全で、偏見に満ちていると評されている。「911テロ」の真相について十分な調査が行われてはいないのである。
多くの建築工学や材料工学の専門家がワールド・トレード・センター・ビルでは一体何が起こったのかを科学的に説明しようとしている。彼らの報告書は多くが事実を解明し、真相を究明しようという熱意あるいは使命感に基づいて作成されている。そういった専門家の報告書を読むと、独立調査委員会作成の報告書が報告しなかった事実が如何に多いか、また、報告をしていても如何に偏見に満ちた報告をしているかを悟ることになる。情報の隠ぺいや歪曲が行われているのだ。
この911テロ事件にまつわる政府や議会の報告ならびに主要メデイアの報道にはどこか共通点が感じられる。それらの背後には最終的な意思決定者がいて、彼らが全てを取り仕切っているという構図が浮かんでくる。
そうした経験をそう遠くはない過去に持っている米国民や真相を知りたいという率直な願望を持つ世界の市民にとっては、今回のMH17便の悲劇の真相も十分に究明されないのではないかという疑念が払拭できない。少なくとも、今回公開されたオランダ安全会議の暫定報告書では歯切れの悪さについての不満は決して小さくはないようだ。
♞ ♞ ♞
もうひとつ付け加えておきたい情報がある。
非政府系の「ロシア技術者団体」(Russian Union of
Engineers)がMH17便の撃墜に関して調査結果を公表した [注4]。この調査グループはロシア技術者団体に属する専門家によって構成され、対空ミサイルの扱いに経験を持っている予備役の将校や航空機搭載の武器の取り扱いに習熟している元パイロット等も参画している。
その調査報告書によると、撃墜時の様子が再現されている。同報告書の一部を下記に示してみよう。
<引用開始>
第9章 何が起こったのかに関する再現
上記に基づいて、われわれは下記の結論を得るに至った:
9.1.
マレーシア航空のボーイング777ジェット旅客機が撃墜された際の周囲の状況:
マレーシア航空のボーイング777型機は、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向けた飛行を同社が設定した運航経路に沿って行っていた。それと同時に、手動による飛行は止めて、自動パイロットによる飛行が行われていたことはほぼ間違いがない。飛行は水平状態にあり、運行ルート上を飛行し、ウクライナの管制塔の指示に従っていたものと想定できる。
17時17分から17時20分、ボーイング777型機はウクライナのドネツク市に近い空域にあって、飛行高度は1万百メートルにあった。所属不明の戦闘機(Su-25またはMig-29)が雲の層に隠れて一段下の高度にあり、旅客機と交差するコース上にあった。同戦闘機は急速に高度を上げて、突然雲の層の中から民間機の前に現れ、30ミリあるいはそれよりも小口径の機関砲を用いてコックピットに向けて掃射した。戦闘機の操縦士は「自由追跡」モードで、あるいは、地上のレーダー基地からの航行支援を得ながら、こういった作戦を実行することが可能だ。
機銃による多数の銃撃を受けた結果、コックピットは損壊され、機内圧力を突然失い、乗組員は即死状態にあった。この攻撃は突然起こったもので、ほんの短時間の出来事だった。乗組員は通常飛行モードにあり、このような攻撃を予期する術もなかったことから、緊急警報を出すこともできなかった。
エンジンや油圧機構ならびに飛行を継続するために必要な他の機構は何れも運航状態を維持していたことから、ボーイング777型機は(基準通りに)オートパイロット状態にあり、水平飛行のルート上を飛んでいたが、恐らくは、次第に高度を落としていった。
所属不明戦闘機のパイロットはボーイング777型機の後方に回った。同戦闘機は攻撃コースを維持し、操縦士は目標追跡装置をオンにして攻撃目標を定め、R-60
またはR-73ミサイルを発射した。
その結果、キャビンの圧力は低下して、航空機操縦システムは破壊され、オートパイロットは中断、同機は水平飛行を継続する能力を失い、きりもみ降下状態に陥った。その結果、過大なストレスにより機体の損壊が高高度にて進行した。
フライト・レコーダーから得られる情報によると、同航空機は空中で破壊されたが、これは1万メートルもの上空から垂直に落下した場合においてのみ起こり得る破壊であって、最大許容荷重よりも大きな負荷がかかった場合にのみ起こる。失速し、きりもみ状態に陥るのは乗組員が航空機の制御をすることができなくなった場合であって、本事例においてはコックピット内の緊急事態とそれに続いて起こったコックピット内や客室内の瞬間的な圧力低下の結果である。この航空機は高空で破壊した。これはその残骸が15平方キロにも及ぶ広大な地域に散在している残骸によって説明できる。
9.2. 283人の乗客と15人の乗務員の犠牲者を出したのは誰の責任か:
2014年7月17日、自称ドネツク民主共和国の武装自警団はボーイング777のような航空機を破壊することが可能な戦闘機を有してはいなかったし、必要となる空域ネットワークやレーダー探査や照準ならびに追跡を行うことが可能な手段を持ち合わせてはいなかった。
ロシア連邦の軍部の戦闘機がウクライナの空域を侵犯した事実はなく、ウクライナ側だけではなくウクライナ情勢ならびにその空域を監視する第三者によってもこの事実は確認されている。
真実を確立するためには、マレーシア航空のボーイング777の撃墜の状況を客観的に、かつ、公平に調査し、何らかの状況を目撃した何千もの市民を聴取することが求められる。当然ながら、経験の豊かな調査官がこのような調査を実施するべきである。適切な質問を行わなければならない。これは厳密な科学であり、真理を追究する上で必要となる偉大な技でもある。航空機の残骸や死体には重要な情報が含まれているが、この貴重な情報は容易に破壊され、歪曲され、隠ぺいされたりする。また、真理を隠ぺいしようとする当事者も少なからずいる。確認のために断っておくが、ウクライナとオランダ、ベルギーおよびオーストラリアは、8月8日に撃墜の調査を開始するに当たって、ある合意書に署名した。これは調査結果の情報は当事者全員が同意する場合に限って公表することができるという内容だ。「調査は専門知識に基づいて進行しており、その他諸々の調査活動が行われている」と、ウクライナ検事総長の報道官であるユーリ・ボウチェンコが言った。また、「結果は調査が完了した時点にこの合意書を作成した当事国の同意に基づいて発表される」とも付け加えた。
<引用終了>
何をかいわんやである。
このロシア技術者団体の報告書の「誰が主犯か」の項では、主犯とは思えない者を消去していった。ドネツク民主共和国の武装自警団は戦闘機を所有してはいないということで、消去された。そして、ロシアも消去された。しかし、誰にとっても明白ではあるが、もっともそれらしい国が消去されないまま残っている。すべては読者の判断に任されている。心憎い報告書である。
8月8日、ウクライナとオランダ、ベルギーおよびオーストラリアの間で合意が成された。その合意内容によると、それらの国の何れかが自国に都合が悪いと言って同意しない場合はその特定の情報は公表されることはないとしている。
この民間機撃墜事件の調査ではリーダー役を務めるオランダがこの協定に絡んでいるという点、ならびに、犯人ではないかと推察されるウクライナが同協定の一翼を担っているという事実はNH17便撃墜の真相が果たして公表されるのだろうかという疑惑を嫌が上にも高めている。
結局、このNH17便撃墜事件の調査結果の最終報告書は「911テロ」に関する調査報告書のように中途半端な、的を得ないものになってしまうのではないだろうか?
今後の展開に注目したいと思う。
参照:
注1:Why Have the Media and Obama Administration Gone Silent on
MH17?: By Niles Williamson, Information Clearing House - World Socialist Web Site, Aug/18/2014
注2:Russia critical of MH17 inquiry,
wants bigger U.N. role: By Michelle Nichols, Reuters, Sep/19/2014
注3:Dutch MH17 Investigation Omits US
“Intel": By Tony Cartalucci, Information Clearing House – Land Destroyer,
Sep/19/2014
注4:Analysis of the
causes of the crash of Flight MH17 (Malaysian
Boeing 777): By the Russian Union of Engineers, Aug/15/2014
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