2021年2月18日木曜日

羊症候群

 ここに「羊症候群」という表題をもった記事がある(注1)。この羊症候群という言葉はそれほど使用されてはいないと思うが、この文言が言わんとする意味は容易に伝わって来る。羊のように従順な一般大衆が示す行動パターンを指している。この記事の著者はこのブログで何回も登場している著名なピーター・ケーニッヒ。

フェークニュースが乱造され、大手メディアはそれらを執拗に喧伝し、ソーシャルネットワークを提供するハイテック企業は偏向した検索を行い、特定のアカウントを閉鎖し、一方的な政治路線を押し通そうとする。そんな姿勢が恥も外聞もなく横行する今日、羊症候群と言う言葉はそうした大手メデイアやハイテック企業の格好の獲物とされている一般大衆の姿を見事に言い表しているように思える。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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今日および最近の数日間、新たな「メッセージ」、つまり、「公衆衛生の安全を期す」ことを理由とし、一般大衆の自由を脅かす政府の規制策、つまり、新型コロナの感染を予防する策がヨーロッパ中で宣言され、緊張が走った。破廉恥極まりないこれらの政府は、文字通り、「われわれはネジをさらに締めなければならない」と言う。真面目くさってそう言うのである。何てことだ!彼らは自分たちをいったい何様だと思っているのだろうか?彼らは選挙を通じて一般市民によって選んで貰った立場にあり、税金から給与を受けとっている身分である。まさに、これは国家反逆罪ではないか。しかしながら、一般大衆は多くの質問を浴びせることもなく、この状況を受け入れる。幾人かは苦言を呈するが、十分に大きな声とはならない・・・ こうして、われわれは「羊症候群」が蔓延するど真ん中で生活をしているのである。

都市閉鎖を婉曲に表現するために、一般大衆とは友好的な関係を持たなければならない政府はこれらの策を「対策」と呼び、新たな策が次々と打ち出され、ますます抑圧的になって行く。しかしながら、そのような施策にうんざりした一般大衆の耳にはこの「対策」という言葉はより柔らかに聞こえてくるから不思議だ。国によっては三回目の都市閉鎖となるかも知れないが、二回目の都市閉鎖においてはさらに商業活動の閉鎖を招き、自宅勤務を強いる。規制はより厳しくなり、警察によって監視される。社会的距離の維持やマスクの着用が求められ、屋内でのグループ活動は禁止され、アパートで人が集まる場合は5人を限度とする、等の規制が含まれる。

たとえば、マスクの着用に関しては効力がないことについてだけではなく、マスクの着用がもたらす危険性をも含めて、75件プラスマイナス23件の研究報告が提出されている。これらの研究は特に子供たちや若い大人たちに対する危険性に注目したものだ。しかしながら、すっかり買収され、機能障害を起こし、一方的な姿勢を強要されている西側の政府は何れもそのような危険性には関心を払おうとしない。ましてや、プレスティチュートとして悪名の高い大手メディアも、当然のように、関心を払おうとはしない。彼らは以前からの筋書に従っている。つまり、「マスクを着用しなければならない」とか「人と人との間の距離は6フィートを維持しなければならない」と言い、これらの要件は警察の監視下で実践させられる。

また、人々は自宅で仕事をするようにと強要される。孤独で、同僚との接触はなく、出会いや相互関係があり得ないままでいることが個々人にとって如何に破壊的であるかに関しては真面目な心理学者や社会学者からの報告がある。さらに言えば、社会全体にとっても有害である。物理的な接触がなくしては社会は崩壊する。もちろん、これらはすべてが不埒だ。すべてのレストランが閉鎖される。人々が集い、意見交換を行うことができる催し物はすべてが禁じられる。

人々は不幸だと感じる。間違いなく不幸である。しかしながら、このような独裁政治を止めさせるには不十分だ!まあ、違った行動を起した方が良さそうだ。さもなければ、私は罰せられることになるかも。恐怖の念だ!この恐怖感が羊症候群をもたらすのである。これは、今日、われわれを悩まし、社会の奥深くに蔓延する病である。こうして、われわれをしばらくの間悩まし続けてきた。みんな聞いてくれ!われわれはこの症候群から脱却しなければならない。

しかし、皆が揃って立ち上がり、「もう飽き飽きした」、「これ以上はもう我慢できない」、「政府は独裁的だ」、「従順でいることはもう止める」と叫び声をあげるにはまだ不十分であるかのようにも見える。

さらには、独裁的な政府に何らかの新しい権力を与え、その信用を増加させるために、選りすぐりの学者で構成された「タスクフォース」または「委員会」が組織される。これは、特に今後権力を付与される連中によって立ち上げられ、政府が何をすべきであるかについて助言をするよう求められる。これは古くからある二重構造であり、政府が人気がないテーマに関して何らかの意思決定をしなければならない時やそうしようと思った時、政府はタスクフォースを組織し、意見の提出を求めるのである。しかしながら、タスクフォースは政府がいったい何を期待しているのかを知らされており、どのような意見を提出すべきかを十分に承知しているのである。つまり、これは事前に練り上げられた「やらせ」なのだ。

英国やフランスにおいては新しい都市閉鎖策が課されてからすでに何日にもなるが、オーストリアやスイスは二・三日前に宣言をしたばかりだ。EUとしては何も言わず、何の連携動作も行わない。これらの都市閉鎖は個々の国の経済を破壊し、EU全体が経済における自殺行為を行っているのをEUとしては見たくはないかのようである。EUはワシントンやNATOによって骨抜きにされているのだ。

新たな都市閉鎖、ならびに、今後の何回目かの波に襲われ、恐らくは、さらなる都市閉鎖策は全員がワクチンを接種され、彼や彼女の体にDNAを変える物質と一緒に「電子磁気ゲル」が注入されるまでは続くことであろう。当面、これらは時間的にはすべてが完全にコントロール可能である。すべてをデジタル化する目標は2030年だ。AIや人間のロボット・コントロール化、つまり超人間化することが国連のアジェンダ2130の目標なのである。それを達成するための道具はビル・ゲイツが作った「アジェンダID2020」だ(詳細についてはhttps://www.globalresearch.ca/coronavirus-causes-effects-real-danger-agenda-id2020/5706153を参照されたい)。

都市閉鎖を行えば行うほどより多くの小規模のビジネスや店舗、レストランが破壊される。小規模ビジネスの所有者に苦労を強いると、さらに多くの倒産を引き起こす。一般庶民やその家族に悲惨な状況をもたらし、人々は職を失う。

家庭学習のことをちょっと想像してみて欲しい。4人住まいで、両親は共働き。子供たちにはそれぞれが学校の先生との繋がりを維持するためにパソコンが必要であって、家庭学習を何とか続ける適度な技を習得しなければならない。そして、たとえ両親に時間があったとしても、誰もが自分の子供たちを支援するだけの技を持っているのだろうか?新型コロナの影響を受けてすでにかなりの苦労に曝されている社会において各家庭は子供たちが必要とする電子機器を購入するだけの余裕を持っているのだろうか?

事態は壊滅的だ。またもや理不尽な事態である。この状況は結果として西側の世界に教育を十分に受けなかった、あるいは、教育がまったくない子供たちをもたらすことであろう。教育のない子供たちは容易く操縦し得る大人に成長することとなる。まあ、彼らは自分たちの親の羊症候群と歩調を合わせることになるかも。だが、果たして彼らは本当にそうなるのだろうか?ここには動的な状況が出現し得るからだ。エリートたちの直線的な思考や期待には沿わないかも知れない。

ところで、北側では上記のような状況が起こっている。国の全人口の三分の二以上が蔓延する貧困や困窮、飢餓に襲われ、社会全体が過酷な状況に陥っている南側ではどんなであるかを想像していただきたい。こういった国々では子供たちはどのような遠隔授業を受けているのだろうか?はっきり言って、遠隔授業なんて受けてはいない。つまり、子供たちは学校へ通うこともなく、南側では教育のない子供たちを生み出している。われわれはそういった状況を許しているのだ。これらの子供たちの大部分は貧しいままであって、エリートたちにとっては格好の労働提供者となる。あるいは、裕福な国々が自分たちの金儲けのために戦争を引き起すと彼らはその餌食となる。ところで、忘れないでいただきたい。戦争というのは儲かる。結局のところ、膨大な権力と果てしのない金儲けに対する喉の渇きが戦争を引き起こすのだ。

通りを行き交う人たちや小さな商売の経営者たちの話を聞き、彼らと喋ってみると、誰もが動転しており、政府から補助金を支給して貰ったとしても、彼らはこの状況を生き長らえ、商売を再開することなんて到底出来そうもないと多くの者が言う。スイスでは、「ガストロノミー・スイス」のトップは都市閉鎖をもう一回実施すればレストランの50%は生き残れないかも知れないと言った。ドイツやオーストリアでも同じような数値が予測され、状況はまったく同じである。何処も壊滅的な状態にある。

ここまでわれわれは主として西側について喋ってきた。東側では、つまり、ロシアや中国、上海協力機構(SCO)の参加国では新型コロナの撲滅対策においては人々に優しい政策が採用され、様相はまったく異なる。

西側では、まったく何の用にもならない、純粋に抑圧的な規制が採用され、それによって一生の間に蓄えた財産の全てや一生かけて成し遂げたファミリー・ビジネスが台無しにされてしまうことがある。この規制の目的は病気を撲滅することではなく、新型コロナに対する恐怖心を植え付け、今後やってくるであろうより厳しい時代に対してわれわれを従順にさせることである。なぜならば、あなた方が何を考えようとしても、2021年またはその翌年の2022年の夏にはわれわれの正常な生活が戻って来るだろうと思うかも知れない。しかしながら、われわれの以前の生活は戻っては来ない。もしも彼らが今やろうとしていることをわれわれが許してしまうと、戻って来ることなんて決してないだろう。

グローバリストから成るこの小さな徒党は超大金持ちたち(シリコンバレーの二桁か三桁の数の億万長者)の側近を介してマトリックスに反対する者は誰であっても検閲する力を持っており、そればかりではなく彼らは揃いも揃って米国の大統領さえをも検閲するのである。そのような状況にあって、我々が住んでいる国家は果たしてどのように見えるのであろうか?われわれは自分たちの社会を「民主主義的」であると言うのだが・・・

あなたの大統領が自分の好みであるか、それとも、嫌いであるかには関係なく、これはまさに言論の自由があなたから剥奪されたことに等しい。そんな風に思わないだろうか?とは言え、われわれはまたもや何もしない。われわれは単にその様子を眺め、不平を言うが、何もしない。何かが起こることを許容する。もしかしたら、今こそすべてのソーシャル・メディア・プラットフォームを破壊し、それらをボイコットする最高の機会なのではないか?それに尽きる。どうかお願いだから、ソーシャル・メディア・プラットフォームなんて無しで生きようではないか。2030年前にはそんなものが存在することすらも知らなかったし、これ程までに依存することになるなんてわれわれは誰も予想しなかった。

われわれが今何の影響も受けずに独立した思考をすることができるならば、フェースブックやツイッター、インスタグラム、ならびに、その他のすべてのプラットフォームから今こそ縁を切る時だ。これらはもう使わないことにしよう。ごく普通の対人コミュニケーションを行い、対話に戻り、お互いに会い、電話で話をするとしよう。もし可能ならば、固定電話を使おう。もちろん、私は真面目にこれらを提案している。

言論の自由は剥奪され、あなたがソーシャルプラットフォームを通じて送り込んだデータを駆使して作成されるアルゴリズムによってどんどんAI化が進められ、あなたは隷属化されて行く。そのような動きがもたらす影響を少しでも考えて欲しい。今まで以上にロボット化やデジタル化が進行する。われわれの脳はDARPAが開発したスーパーコンピュータに連結され、乗っ取られてしまうが、あなたはそんなことには気付かないし、われわれは命令を信じ、従順にそれに従う。われわれの体には何かが埋め込まれ、そのようなスーパーコンピュータによって管理される。いったい誰がそんなことをするのだろうか?それはまさに上記のグローバリストの徒党たちだ。この時点でわれわれは「羊症候群」を具現化し、逆戻りすることなんてもうできない。DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency)はペンタゴンのひとつの研究開発部門である。

このような状況を望む者なんていったいいるのであろうか?

とてもじゃないが、そうは思えない。

われわれは今何らかの行動を起こさなければならない。私には解決策は無い。しかし、皆が集まって、お互いに霊的に連結し合うことによって解決策を見出すことができるかも知れない。あるいは、解決策を表面化させることが可能となるかも知れない。

極めて虐待的な環境を意識的に、そして、霊的な思考によって変革するということは実に高貴な動きとなるであろう。われわれ自身の集団的な運命に影響をもたらすような高周波を発信させるのだ。われわれはそうすることを信じ、確固たる同志としての自分を信じなければならない。

もしもわれわれが人間としてわれわれ自身の権利や公民の権利を取り戻し、それらを堅持することに失敗するならば、やがては母なる大地が自らを清めようとするであろう。彼女は非人間的な泥沼を排水するだろう。多分、それには一回か二回かの巨大で長く続く大災害を必要とする。壊滅的な津波を伴う巨大地震、何週間にもわたって空を真っ暗にするような巨大な噴火、いくつもの巨大噴火、あるいは、文明の一部を破壊し、完全にマヒ状態にしてしまうような巨大ハリケーンや暴風雪、太陽の巨大な爆発による全世界の電子システムや送電網の破壊(これはデジタル社会を一瞬の内に終焉させる)。これらはどれもが新型コロナがこれまでにもたらした困難やそれを企んだ連中よりも比べようがないほどに破壊的である。

そのような壊滅的な出来事の後に生き残った人達のほとんどはゼロから再出発をしなければならない。ほとんどゼロからのスタートである。そして、デジタル化は間違いなく皆無だ。しかしながら、今や自由を喪失してはいるが、われわれの必要に応じて何もかも新たに出発させることが可能で、それらを自由に発展させ、主権を取り戻すことができるのである。

何十年にもわたって、グローバリストの徒党らはわれわれに自らを美化するような嘘をつき、満足できる生活について心地良い約束をし、協力よりは競争がむしろ救いとなるであろうと喧伝してきた。これらの巧妙な嘘は自我中心の精神病質的な社会をもたらした。それだけではなく、社会の動向を左右する、つまり、反ユートピア的な生活をもたらすのにも十分であった。われわれは嫌々ながらも次第に社会の趨勢に従い、今や文明の崩壊にさえも加担している。ここに至っては後戻りすることはできない。

われわれは「羊症候群」におさらばしようではないか!今こそその時だ。

著者のプロフィール:ピーター・ケーニッヒは地政学的な現象を解析し、以前は世界銀行やWHOにて30年以上にわたって水や環境について専門的に研究をする上級経済学者であった。彼は米国、ヨーロッパおよび南アの大学で講義を行っている。彼はオンライン雑誌に寄稿し、「Implosion – An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者であり、シンシア・マッキニーの「When China Sneezes: From the Coronavirus Lockdown to the Global Politico-Economic Crisis(Clarity Press – November 1, 2020)の共著者でもある。彼はCentre for Research on Globalizationの研究員を務めている。

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これで全文の仮訳が終了した。

この記事はわれわれ一般大衆が陥っている羊症候群から脱却するにはソーシャルメディアとおさらばしなければならないと言う。われわれ一般大衆の日常からは余りにもかけ離れ過ぎているようにも思えるが、政治世界における行き過ぎた歪を考えると非現実的であるとして一蹴してしまうことはできそうにない。そんなに簡単ではない。それが私の実感だ。

しかしながら、もしもわれわれがこの機会を積極的に活用することを逸するとすれば、やがて母なる大地が自ずから非人間的な泥沼を排水するだろうと著者は言う。母なる大地が何時の日にか牙をむくであろう。それは巨大な津波を伴う大地震かも知れないし、前代未聞の大規模なハリケーンや暴風雪、あるいは、太陽の大爆発によって地球上の電子機器はすべてが破壊され、送電システムがダウンするのかも知れない。そうなったら、今われわれが享受しているテクノロジーの恩恵はゼロとなる。間違いなく、石器時代へ戻ることになる。

あり得ないこととしてこの記事を捨て去る前に、羊症候群と称される現実のわれわれ自身の姿に関してこの記事が言わんとしている内容は率直に噛み締めなければならないと思う。もしも「アジェンダID2020」という言葉が初耳であるとすれば、あなたは羊症候群に冒されていると言えよう。

今日的に言えば、ソーシャル・メディア・プラットフォームを巡ってハイテック企業が開始した情報の検閲や特定のアカウントの閉鎖は目に余る程に傲岸であり、不条理である。明らかに、民主主義の根幹である言論の自由とは相容れない。この事実を今後の議論の出発点にしなければならないと私は思う。民主主義に代わる政治制度が見つからない今、これは誰にとっても背負いきれない程に重いテーマである。


参照:

1The Sheep Syndrome: by Peter Koenig, The Saker, Jan/15/2021




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