2021年7月2日金曜日

国連の元職員が言うには、新型コロナウィルスの起源を調査すると言う中国に対する脅しは米国が対中情報戦に勝つためだ

 

米国は中国に対して新型コロナウィルスの起源を新たに調査すると言った。この件に関して、626日の投稿「米国立衛生研究所によると2019年の12月には5州において新型コロナがすでに発生していた」で私は国連の元職員であったアルフレッド・デ・ゼイヤスの意見を引用した。

彼はこう述べている。「米国が要求している(新型コロナウィルスの研究所からの漏洩についての)独立調査に関しては懐疑的にならざるを得ない理由は中国にとってはいくらでもある。何故かと言うと、米国が望んでいるのは中国を責めるための結論が先にあって、米国はそれに向かって目的論的な調査を行い、その結論に合った証拠を見つけようとする、あるいは、でっち上げようとするからだ。私は国連で40年間にわたってさまざまな調査を行う資格を与えられ、仕事をして来たが、独立調査の要求は、多くの場合、純粋に人類愛に基づいたもの、あるいは、将来の大流行を予防するためのものであるという保証はない。私が見てきたのは標的の国を責めるためのもうひとつの道具でしかないのだ。たとえば、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の人権の場合と同じであって、喧伝されている大量虐殺説には証拠が何もないのだ。」

この文言によると、大手メディアが喧伝する内容とはまったく異なった状況が目の前に浮かんで来る。これは40年間にもわたって国際的な舞台でさまざまな仕事をしてきた国連の元専門家の率直な意見である。「どちらが本当だと思うか?」と問われると、大部分の人たちは直感としてこの国連の元職員の方だと答えるのではないだろうか。少なくとも、私はそう答えると思う。

この国連の元専門家であるアルフレッド・デ・ゼイヤスとのインタビュー内容が、最近、報じられた(注1)。この記事は「国連の元職員が言うには、新型コロナウィルスの起源を調査すると言う中国に対する脅しは米国が対中情報戦に勝つためだ」と題されている。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。

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ワシントン政府が新型コロナウィルスの起源に関してまたもや「本物の」調査を実施せよとの要求を出して来たことに関して北京政府にはそれを疑ってかかる妥当な理由がある、と国連の元職員であるアルフレッド・デ・ゼイヤスが述べている。さらには、「独立した調査」が如何にして情報を引き出すための調査へと変質するか、あるいは、「責任のなすり合い合戦」へと変貌するかを何度も見てきたと彼は付け加えている。

620日、米国家安全保障問題担当補佐官のジェーク・サリバンはもしも中国が新型コロナウィルスの起源を調査するに当たって中国国内での「本物の」調査を実施することを拒むならば、中国は「国際的に孤立するだろう」と言って脅しをかけた。日曜日(620日)のフォックス・ニュースでの話でサリバンは「このウィルスが如何にして全世界に広がり、誰がその責任を負っているのかについて徹底的に調査を行う」ことを固く約束すると述べた。

サリバンのコメントに対して中国外務省の報道官である立堅(Zhao Lijian)は、月曜日(621日)、北京が新型コロナウィルスの起源についての調査に協力的ではないとする主張は理屈に合わないと言った。趙はサリバンの主張は「あからさまな脅し」であるだけではなく、中国はそれに反論し、それを受け入れる積りはまったくないと強調した。

さらに趙は次のように続けた。もしも米国が新型コロナの大流行の起源を見い出したいならば、米国内では2019年の11月に新型コロナウィルスがすでに出回っていたことを報告したNIHの報告書に光を当てるべきであって、メリーランド州のフォート・デトリックにある生物研究所  の実態についても開示するべきであると反論した。それに加えて、ミラノの国立癌研究所の調査によると、イタリアの新型コロナ感染者の中で少なくとも4人は201910月以前に遡ることを発見している。

「新たに実施される起源に関する国際的調査は真の意味で客観的でなければならないし、武漢での大流行だけではなく、2019年にウィルスの存在が報告されている場所はそれが世界中の如何なる場所や国であっても調査を行うべきである」と国連の元職員であって、民主的で公正な国際秩序の推進を図る目的で国連特別報告者に任命されていたアルフレッド・モーリス・ゼイアスが述べている。

スプートニク:米国家安全保障担当補佐官のジェーク・サリバンは中国がウィルスの起源を調査するに当たって中国国内での「本物の」調査に応じないならば、中国は「国際的に孤立するリスクを冒すだろう」と述べている。米国は本当に「中国を孤立化させる」ことができるのだろうか? 

アルフレッド・ゼイアス:米国が中国との経済戦争では負けていることは極めて明白である。もしも米国が「経済戦争」では勝ち目がないとするならば、米国は少なくとも「情報戦争」では勝ちたいと思うだろう。サリバンは中国を孤立化させることはできないことを知っていながらも、フェークニュースは法的問題の観点からは強力な影響力を発揮することを十分にわきまえている。米国は「中国ウィルス」と称して、中国を責めたいであろうし、「無謀な危険」を無視したとして中国を不法行為法の下で提訴したいのであろう。米国は何兆ドルにも達する中国からの借金を帳消しにしたいのである。そして、この企みの外観をより良く見せるためにも不合理な議論を推進しようとしているのだ。

Photo-1 202167日、ワシントンのホワイトハウスでの記者会見で質問を
受けている米国家安全保障担当補佐官のジェーク・サリバン。
© REUTERS / LEAH MILLIS

スプートニク:研究所からの漏洩があったことを示す証拠はない中、あるいは、ウィルスは人工的に作り出されたものであるという証拠が欠ける中で、ワシントン政府が新型コロナウィルスの起源に関して新たな調査を推進しようとする背景にはいったい何があるのか?

アルフレッド・ゼイアス:米国は新型コロナ禍における自国の失態に対する非難を何とかやり過ごしたいのである。現在、米国は証拠は何も持ってはいない。単なる疑惑であり、陰謀論だ。米国にとっては非難合戦というものには常に「付加価値」がある。たとえ中傷にせよ、何かが決まって表面化してくるからだ。

もちろん、中国はこのウィルスがいったいどのようにして始まったのかについてはWHOとの協力関係を維持して行くであろうが、米国とその諜報機関によって主導され、露骨にその政治的信条が見え見えの調査を受け入れたり、大多数の科学者たちが拒否するハリウッド的なシナリオが展開することについては中国は決して許容しないだろう。

新型コロナウィルスの起源を調査することには正当性があるが、現行の世界規模の危機を解決すること、ならびに、今後10年、20年以内に間違いなく現れるであろう将来の新たな大流行を防止するために必要とされるステップについて話し合うことはもっと重要であり、喫緊の課題である。今盛んに使われている言葉は「緊急事態に対して準備をする」ことであり、医療関係の研究へ十分な資金を提供し、医療インフラには最新の技術を確実に装備すること、等に集約される。武漢では何かがうまく行っていないとする情報を米国が入手したのは2019年の11月に遡る。それにもかかわらず、米国はまったく何の準備もしていないままに新型コロナに見舞われたという事実は実に恥ずべきことである。

米国の研究開発を強化し、もっと効率的で生態学的にも責任を担えるような経済に脱皮させる代わりに、米国は相手を中傷する作戦や恐怖を煽り、実利が伴うことはない「他国を指さして、後で恥じる」ような行動に頼っている。これらの行動は予想通り中国に対しては何の影響力も与えないが、国内政治には使い道があるのだ。

Photo-2: 中国の中部、湖北省に所在する武漢ウィルス研究所の航空写真。
2020417日撮影。© AFP 2021 / HECTOR RETAMAL

スプートニク:WHOのテドロス・アダノム事務局長はどうしてWHO2月に行った調査の結果に疑問を挟み、再調査を求めたのであろうか?あの調査結果は研究所からの漏洩の可能性は極めて低いと述べていたが。

アルフレッド・ゼイアス:この件は大手メデイアによって不正確に報じられ、歪曲されている。テドロス博士は証拠が示すところによると動物から人間に飛び移ったとして以前から指摘していたが、彼はこの自然感染説を撤回したわけではない。彼とWHOの専門家たちはこの説を支持している。しかし、WHOは数多くの国家に対応し、経済的な圧力を含めて数多くの圧力にも対応しなければならない世界機構でもある。今回のパンデミックや他のパンデミックの起源に関してさらなる調査を行うことは常に重要である。でも、それは当面の優先事項ではない。

スプートニク:中国において新型コロナウィルスの起源を探るために国際的調査が本当に必要なのだろうか?国際的な調査はどのような条件下で実施するべきなのかについてのあなたのご意見は?武漢での大流行が始まる前に他の国でもコロナウィルスが発見されていると言う主張も考慮に入れるべきではないのか?

アルフレッド・ゼイアス:武漢での大流行が始まる前にイタリアやフランスおよび米国では新型コロナウィルスがすでに特定されていたという証拠がたくさん存在する。今回の経験から学び取ることは非常に重要である。新型コロナウィルスが至る所に現れたが、最初の大流行が武漢で現れたのはなぜか。これらは実に正当な疑問点である。1980年代にはHIVの起源を調査するために多くの研究が成されたが、1980年にサンフランシスコでウィルスが突然発見され、研究者らはそれ以前にも米国やハイチ、アフリカで死者が出ていたことを疑ってはいたが、HIVの病原体が特定されるまでは解決を見なかった。新たな国際的な調査が「付加価値」をもたらすのはそういった調査が客観的に実施され、透明性があり、政治化されない場合だけである。新調査は武漢における大流行に関してだけではなく、2019年に世界各地でウィルスの存在を示唆したさまざまな事例についても均等に調査を実施しなければならない。

Photo-3:新型コロナウィルスの起源を調査する仕事を任されたピーター・ベン・
エンバレックおよびWHOチームの他の参加者らが、2021210日、
上海の浦東国際空港に到着。© REUTERS / ALY SONG

スプートニク:中国は米国主導の「国際的な調査」に対して疑義を抱いている中でさえも国連が中国で新型コロナウィルスの起源を調査することに関してその同意を更新した。これは何故か?中国が新たな調査に対して渋っている現状は中国に対する国際的イメージを損なうのではないか?

アルフレッド・ゼイアス:米国が要求している独立調査に関して懐疑的にならざるを得ない理由は中国にはいくらでもある。何故かと言うと、米国が望んでいるのは中国を責めるための結論が先にあって、米国はそれに向かって目的論的な調査を行い、その結論に合った証拠を見つけようとする、あるいは、でっち上げようとするからだ。

私は国連で40年間にわたってさまざまな調査を行う資格を与えられ、仕事をして来たが、独立調査の要求は、多くの場合、純粋に人類愛に基づいたもの、あるいは、将来の大流行を予防するためのものであるという保証はない。私が見てきたのは標的の国を責めるための非難合戦におけるもうひとつの道具でしかないのだ。たとえば、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の人権の場合と同じであって、喧伝されている「大量虐殺」には証拠がないのだ。

「誇張」は何時も奏功するわけではないということを米国は何時になったら理解するのであろうか?これは使い古しとなった教科書そのものでしかない。

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これで全文の仮訳が終了した。

アルフレッド・ゼイアスが述べた「新たな国際的な調査が付加価値をもたらすのはそういった調査が客観的に実施され、透明性があり、政治化されない場合だけである。新調査は武漢における大流行に関してだけではなく、2019年に世界各地でウィルスの存在を示唆したさまざまな事例についても均等に調査を実施しなければならない。米国が要求している独立調査に関して懐疑的にならざるを得ない理由は中国にはいくらでもある。何故かと言うと、米国が望んでいるのは中国を責めるための結論が先にあって、米国はそれに向かって目的論的な調査を行い、その結論に合った証拠を見つけようとする、あるいは、でっち上げようとするからだ」という言葉は実に秀逸である。

中国では201912月の始めに新型コロナの最初の患者が公に確認された。しかしながら、デイビッド・ロバーツ博士が率いるケント大学の研究者からの最近の報告(注2)によると、中国において最初に患者が現れたのは201910月の始めから11月の中頃の可能性が高く、最も可能性が高い時期は20191117日であると推定されるという。この推定作業は「最適線形推定」(OLE)と呼ばれる手法を用いて行われた。新型コロナウィルスは当初言われていた時期よりも早い時期にすでに広がっていたということになる。この解析作業によって他の国々での最初の感染の時期も推定された。たとえば、日本では2020年の13日、スペインでは2020112日、北米では2020116日に最初の患者が現れたと推定された。

イタリアではミラノにある国立癌研究所(INT)が貴重な報告を行っている(注3)。その報告によると、20199月の始めには新型コロナウィルスが出回っていた。これは今まで言われて来た中国から海外へ伝播した時期よりもかなり前になる。INTの機関紙「Tumori Journal」に発表された知見によると、20199月から20203月にかけて肺がん検診に自主的に参加した959人の健常者の内で11.6%の人たちが新型コロナウィルスに対する抗体を持っていた。つまり、これらの人たちは公式に言われていた2月よりもはるか前に新型コロナウィルスに曝されていたのである。

スペインについても触れておこう。バルセロナ大学の研究チームは新たな大流行が始まる可能性を予知することを目的に今年(2020年)の4月の中旬から下水の調査を行っていたが、もっと古いサンプルについても調査を行うことにした(注4)。まず、同国で最初の患者が公式に報告された時点よりも41日も前に、つまり、2020115日にはバルセロナでウィルスが出回っていることを発見したのである。さらには、彼らは20181月から201912月にかけて採取されたもっと古いサンプルについても試験を行い、2019312日に採取されたサンプルにコロナウィルスの遺伝子の存在を確認した。

米国については前号の投稿(2021626日)でお伝えしたばかりである。だが、念のためにアメリカ国立衛生研究所(NIH)からの報告の一部をここへも転載しておこう。つまり、次のような具合だ。この研究は米国立衛生研究所の「All of Us」と称せられるプログラムに従事している研究者たちによって行われ、Clinical Infectious Diseasesの誌上で報告された。 本報告書の概略によると、研究者らは202012日から318日までの期間に50州から24,000個以上の血液サンプルを取り寄せ、新型コロナウィルスに対する抗体の有無について調査を行った。ヒトの体は感染と闘うために抗体を産出する。つまり、誰かが自分の血液中に抗体を持っているということはその人は最近どこかの時点ですでにコロナウィルスに感染していたということを意味する。本研究は米国の5つの州、つまり、イリノイ、マサチュウセッツ、ミシシッピー、ペンシルバニア、ウィスコンシンの諸州で血液サンプル提供者の中で7人が新型コロナウィルスに対する抗体を持っていることを見い出した。3つのサンプルはイリノイ州からのもので、これらは17日に採取されたものだ。この時点は124日に最初の患者が公に確認された時点よりも17日も前のことであった。他の州でもそれぞれ1件あって、ほとんどが各州で最初の患者が報告された時点よりも前のことであったとNIHは報告している。

これらの情報は全体としていったい何を示しているのであろうか?

少なくとも、今の段階ではデータに基づいて新型コロナウィルスの起源について客観的な統一見解(たとえば、中国起源説)に達することは極めて難しいと言えそうだ。今までの公式見解ではまったく説明がつかない事実が次から次と報告されているからである。そういう意味では、中国で国際的な調査を改めて実施することは意義深い。ところが、国連の特別報告者を務めたアルフレッド・ゼイアスが警鐘を鳴らしているように、米国が目的論的な立場で中国に対して独立調査を行うよう強いることは国際的な協力の下で現行のコロナ禍に対処し、今後の大流行を予防することに役立てると主張しても、それは単なる言葉の綾でしかない。中国政府はそのことを良く理解しているから、そのような調査を受け入れようとはしないのだ。

不幸なことには、われわれの今の世界は透明性のある客観的な事実に基づいた理解や行動計画を導くことはできそうにはないようだ。


参照:

1US’ Empty Threat to ‚Isolate’ China Over COVID Probe is Attempt to Win Info War, ex-UN Expert Says: By Ekaterina Blinova, Sputnik, Jun/22/2021, https://sptnkne.ws/G9Kn

2Research suggests first cases of Covid-19 arose earlier than initially reported: By Olivia Miller, University of Kent, June/24/2021

3The coronavirus emerged in Italy as early as September of last year, a study showsGiselda Vagnoni , Nov/16/2020

4Coronavirus traces found in March 2019 sewage sample, Spanish study shows: By Nathan AllenInti Landauro, Reuters, June/26/2020

  

 


4 件のコメント:

  1. 登録読者のИ.Симомураです.アルフレッド・ゼイアス氏は,「新型コロナウィルスが至る所に現れたが、最初の大流行が武漢で現れたのはなぜか。これらは実に正当な疑問点である」という表現で,この疫病禍が米国によって引き起こされたことを暗に示唆しているのですね.動機は「何兆ドルにも達する中国からの借金を帳消しに」するところにあるのでしょう.前例があります.日中が国交を正常化したとき,中国は日中戦争の戦時被害賠償請求権を放棄しました.第一次欧州大戦に敗れたドイツに科された賠償額は天文学的なものだったと言われております.
     翻訳の文章はいつも読みやすいですね.ありがとうございます.漢語を適切に多用していることに依るのでしょうか.

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  2. シモムラさま
    コメントお寄せいただき有難うございます。そればかりではなく、激励の言葉さえも添えていただき、大感謝です。率直な感想は、何と言っても、当方にとりましては大きな励みになります。

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  3.  昔の記憶を取り戻すために書きますと,2019年の10月末から11月上旬にかけて小生は新疆カシュガルにおりました。寒いことは分かっていたので冬支度をして行ったつもりですが初日から手首と足首に霜焼けが出来ました。成都経由で行くか迷っていたのですが広州からの便が便利なので成都に寄らなかったのです。また同年9月にはわが町に武漢近くの町からの観光客があり,一つのテーブルを囲んで食事をし会話を楽しみました。
     他方,桜井ジャーナルによれば,10月中旬に軍人運動会があって,アメリカから300人以上の軍人が武漢に来て運動会に参加したそうです。その数は例年より多く,また例年なら金メダルの数も多かったのですが、この年だけメダルは0個だったそうです。風邪の症状を訴えるアメリカ軍人もいたそうです。このことによりコロナウィルスが米国からやってきた示しているようにも思えるのです。フォルト・デートリックには細菌研究所もあるということです。またアメリカ政府機関の研究資金が武漢の某細菌研究所にも流れていることが明らかになっています。要するに米中の交流はわれらが知らないところで頻繁に行われているわけです。
     そこで問題は証拠なしの犯人認定です。米英欧州はロシアに対しても証拠なしで非難して悪者扱いしています。中ロ以外の国,例えばシリアに対して大量破壊兵器を使用したとしてオバマはシリアを攻撃しようとしましたが,5分前にその証拠がなかったことが分かり,シリア攻撃を断念しました。また9.11のラムズフェルド長官が昨日亡くなりましたが,証拠なしでイラク・アフガン攻撃を指導しました。
     ことほど左様に,証拠なしがアメリカの得意技です。コロナ菌も証拠なしで武漢発を唱えたポンぺオ元長官。その一貫したアメリカの外交政策からすれば,本翻訳にもあるように,中国をやっつけるために武漢説を唱えたわけです。しかしその前にホンコン・デモ暴徒問題で北京政府を批判したのが米英政府です。新疆ウィグル自治区の強制収容所は有りもしないのですが,その教育訓練施設で100万人から300万人のウィグル人が収容されているなどデマを飛ばしたわけです。特にBBCは和田地区とウルムチ付近に収容所があるとして放映したわけです。しかし小生がウルムチに向かう途中で見たのは美しい山肌で収容所みたいな施設が建設された跡は皆無でした。偶然が重なったとしか言えないのですが,広州からの旅客機が強制収容所のあるとされた上空を飛んだのでした。新疆ウィグル自治区は広大ですので旅行者は簡単に移動できません。もちろん政府の規制もあるでしょうが,その不便を利用してBBCとかBloombergは収容所があると主張していたのです。いったん放映されるとその影響は大です。一般人は否定できませんから,その放映を見た見たということで話題は定着します。しかも肯定的に。
     以上まとめますと,アメリカは証拠なしで相手方を攻め,悪魔化します。したいがいましてスペインやイタリアで発見されたコロナ菌があっては中国を悪魔化できないので無視しているのです。
     

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    1. 箒側兵庫助様
      コメントをお寄せいただき有難うございます。
      米国における「でっち上げ」や「自作自演」を論じる際には、私は決まって911同時多発テロを思い起こします。通常、公の報道によって構築された全体像と代替メデイアによって構築された全体像のふたつがあります。これらふたつは互いに大きく異なります。さまざまな事件や出来事を勘案しますと、一言で言えば、イスラエルの要請に応えて、米国はサウジアラビア人テロリストにより世界貿易センタービルを崩壊させたという筋書きが成り立ちます。サウジアラビア人に乗っ取られた旅客機が高層ビルに突っ込み、ビルが崩壊する様子をテレビで観て、米国の一般庶民は誰もが酷い衝撃に襲われたのではないでしょうか。この演出は大成功だったと言えましょう。太平洋戦争時のウィルソン大統領はハワイへやって来る日本海軍の動向を通信の傍受と暗号の解読によって事前に知っていながら、迫って来るこの日本軍の攻撃をハワイの現地司令官には教えなかっという。真珠湾に停泊する米軍艦(旧式の戦艦ばかりで、新型艦は港外へ退避)に対する日本軍による奇襲を成功させたのです。この演出によって、ウィルソン大統領は国内世論をひとつにして、欧州戦線に参戦することができたと言われています。演出というキーワードで総括しますと、この真珠湾奇襲攻撃を思い起こします。911同時多発テロもまったく同様です。911同時多発テロでは、米国政府の要請の下に組織された事故調査委員会はまともな報告をせずに、旅客機が衝突して航空燃料による火災によってビルを支える強度部材の強度が劣化して崩壊したと結論付けました。要するに、目的論的な事故報告書を作成して終わり。しかしながら、航空燃料の火災によって鉄骨が強度を致命的に低下する高温に達したのかどうかと言うと、多くのデータからこれはあり得ないと専門家たちが反論しています。すべては得意の「でっち上げ」です。米国には喧嘩では勝ちさえすればその方法はどうでもいいという文化があります。こうして、イスラム過激派に対する戦争へと誘導していった・・・。
      「10月中旬に軍人運動会があって,アメリカから300人以上の軍人が武漢に来て運動会に参加したそうです。その数は例年より多く,また例年なら金メダルの数も多かったのですが、この年だけメダルは0個だったそうです。風邪の症状を訴えるアメリカ軍人もいたそうです」という件については、風邪の症状を訴える米軍人に関する情報がどれだけ集まるでしょうか。非常に興味深いですよね。
      新型コロナウィルスが公の患者第1号の発生よりもかなり以前にイタリアやスペインで確認されています。また、最近の報道によりますと、米国においても同様の状況が確認されました。しかもそれを報告したのがアメリカ国立衛生研究所(CDC)であるという点は最大級の説得力を発揮するだろうと推察されます。
      イスラエルの目論見通り、イラクは酷く破壊されました。しかしながら、アラブ世界が分断された後、今は別の力学が作用しているように見受けられます。シリアは持ちこたえています。サウジによるイエメンに対する攻撃はサウジの敗退となりそうな気配。イランはサウジと仲直りすることができるのか。
      新型コロナウィルスの起源、中東、米中戦争、等、大きな課題が並んでいます。今後、どのような展開になるのか注視して行きましょう。

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