2021年11月18日木曜日

独裁主義の大流行こそが本当の脅威だ

 

新型コロナウィルスの大流行に見舞われた国々、つまり、ほぼ世界中の国々ではワクチン接種が強要されている。ところが、いくつもの極端なニュースがわれわれ一般大衆にも届いている。要するに、ワクチンを強要する側の論理は、たとえ副作用としての血栓症や心筋炎、流産、あるいは、アレルギー症状によって深刻な状況に陥ったり、最悪の場合は死に至ったとしても、そのような事例は稀で、ワクチン接種による恩典の方が遥かに高いと言う。統計的には確かにそうなのかも知れない。

問題はヒトの健康状態は千差万別であり、中にはアレルギーを引き起こしたり、たとえ病歴がなくても、ワクチンを接種しないとスポーツ競技には出場させないとの通告を受けて、半ば強制的にワクチン接種をさせられ、サッカーの競技中に心筋炎を起こして死亡した若い運動家が何人もいる。こういった事例はプロのスポーツ選手というそれまでに勝ち取った地位を維持するためにも選択せざるを得なく、ワクチン接種が引き起こした悲劇である。しかも、メディアに報告されている件数は実際よりは少なめだ。

米国にはワクチン接種によって起こった副作用を報告する制度がある。これはVAERS(ワクチン有害事象報告制度)と称され、CDCFDAとが共同運営をしている。本人あるいは家族からの自主的な報告が基礎となっているようだ。それでも、このVAERSによって網羅される件数は氷山の一角に過ぎないと専門家は指摘している。

査読が行われて発表された文献(The Safety of COVID-19 Vaccinations — Should We Rethink the Policy?” By Harald Walach et al., Science, Public Health Policy, and the Law, Aug/2021)によれば、著者らはデンマークのデータに基づいて「リスク対効果」の比率を算出した。その結果は下記の通りである。

結果:ファイザーが市場へ供給したmRNA ワクチンによって新型コロナの感染者を一人低減させるには200回から700回のワクチン接種が必要となる。一人の死者を予防するのに必要な接種回数のNNTVNumber Needed To Vaccinate:「ワクチン接種の必要回数」とでも訳そうか)は95%信頼区間で9,000回から100,000回となり、推定値は16,000回となる。EUにおいては10万回のワクチン接種当たりの有害事象報告件数には国によって大きな差が認められる。Larebデータ(デンマークの有害事象報告制度)から導かれた100,000回の接種当たりの有害事象報告件数は約700件である。それらの内で深刻な有害事象は16件で、死に繋がった有害事象は100,000回当たりで4.11件となった。こうして、ワクチン接種によって救命されるのは6人(95%信頼区間は2人から11人)で、その一方ワクチン接種後の死亡件数は約4件であった。つまり、リスク対効果の潜在的な比率は23となる。

このデンマークのデータがEU全体を代表するかどうかは私には分からない。少なくとも、著者は国によって大きく変動すると述べている。デンマークにおける数値を見て、ワクチン接種が有効であると果たして言えるのであろうかという疑問が湧いてくる。二回の接種が必要とされていることから、100,000回の接種は5万人がその対象となる。デンマークでは5万人の中で3人を救い、2人を死亡させていることになる。

日本の人口は約12500万人である。現在、約75.5%が二回の接種を済ませているそうだ。つまり、9590万人が接種を済ませた。上記のデンマークの比率をそのままこの9590万人に当てはめると、日本では9590万人の内で5754人を救い、3836人を死なせることになる。ところで現時点では100万人の人口当たりのデンマークの新型コロナによる死者数は478人で、日本は145人である。つまり、デンマークの100万人当たりの死者数は日本の約3.3倍を示している。この状況を反映させると、日本では9590万人の内で1743人を救い、1162人を死なせるという状況が推定される。

もちろん、この外挿が意味を成すのかどうかについては専門的な検討が必要であり、私には何とも言えない。だが、すくなくともEUの一国で起こったことであるから、たとえ外れても遠からずであろうと言えるのではないか。あるいは、世間で言われているように納豆を頻繁に食べる日本人の食文化を考えると、納豆が新型コロナによる被害を劇的に低下させているのかも知れない。また、どのワクチンを接種したのかによっても、この比率は変動する。

そして、最終的にはいったい「誰が得をするのか」と考えると、それは、明らかに、ワクチンを供給する大手製薬企業に他ならない。最大手であるファイザー社の最近の決算報告によると、2021年第3期のワクチン関連の売り上げは145.83億ドルで、前年同期の17.17億ドルの約8.5倍となった。2021年の9か月間のワクチン関連総売り上げは287億ドルを記録した。2021年通期ではワクチン関連の売り上げは360億ドルを予測しているそうだ。

前置きが長くなってしまったが、ここに、「独裁主義の大流行こそが本当の脅威だ」と題された記事がある(注1)。新型コロナの大流行の背後には何らかの政治的な世界規模の目標が見え隠れすることからも、この記事は一読しておきたい。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

米国はイリノイ州、クック県のジェームズ・シャピロ判事は新型コロナ禍における独裁制において近代史上もっとも低劣なレベルに達した。つまり、彼はレベッカ・ファーリットがワクチン接種を受けるまでは彼女が11歳の息子と面会することは許さないと言い渡したのである。個人がワクチン接種を受けるようにと司法権限を振り回しているのはこのシャピロ判事だけではない。米国では至る場面で判事が被告にワクチン接種を受けるように促している。時には、刑務所へぶち込まれないためのひとつの条件としてさえ持ち出して来る。このように司法による権力行使に残酷さが出現してきたことは独裁主義の大流行こそが米国にとっては真の意味での脅威であることを示している。

企業は、従業員が接種証明書を提示し、新型コロナワクチンを接種しなかった場合は健康保険料をより多く支払わせ、定期的に(場合によっては毎週)新型コロナの感染テストを行うこと、等を含めて、諸々の要件を課している。ますます多くの州政府や地方都市政府が彼らの職員に対してばかりではなく、私企業の従業員に対してさえも新型コロナワクチンの接種を求め、一般の人々に対してもワクチンパスポート発行の要件を示そうとしている。

バイデン大統領はワクチン接種命令を実行するようにと雇用者に強く促し、政府はハイテク企業と共にワクチンパスポートのモデル版について作業をしていると述べた。政府は政府高官も関与させた上でワクチン接種要件のモデルを承認し、企業側がこれらのワクチン接種要件を採用し、彼らの顧客も含めて、それらの要件を従業員に課すことによって政治家や政府高官らの意向に従うことを示すようにというメッセージを送り出したのである。

米国政府がワクチン接種命令とワクチンパスポートの励行を「促す」のにもっとも効果的な手法は従業員や顧客、その他の人たちがワクチン接種を行ったという事実を証明することを拒んだ企業や州、地方自治体やその他の機関に対しては政府からの助成金を打ち切ることだ。この手法はワクチン接種命令の履行をもたらし、政府はワクチン接種を誰に対しても強制してはいないと主張することさえも可能にする。

バイデン大統領は従業員がワクチン接種が済んでいることを示す証拠の提示を従業員に要請しない介護施設に対しては高齢者向けや低所得者向けの医療保険制度に対する政府助成金を打ち切ることをすでに検討している。これは介護施設に人手不足をもたらすかも知れない。人手不足になった介護施設はそこに住む入居者にとっては健康ではあってもワクチン接種を受けてはいない要員らによって運営されている介護施設に比べると遥かに大きなリスクを背負うことになる。テキサス州は病院がワクチン接種をしていない看護師を解雇したことから、介護施設の不足を今経験している。

医療関係の労働者にはワクチン接種命令に抵抗するだけのそれ相当の理由がある。多くの労働者がワクチンの接種後に死亡したり、流産を含む他の深刻な副作用に苦労を強いられているからだ。

ある者は他の人たちに感染させるリスクを持つことによって、ワクチン未接種者は他の人たちに危害を与えることになると主張して、ワクチン接種命令やワクチンパスポートを正当化しようと試みる。しかしながら、アメリカ疾病管理予防センターは、最近、新型コロナワクチンは感染の拡大を防がないことを認めた。それに加えて、「ワクチン未接種者による大流行」が起こるという主張は今年の始めに収集されたデータに基づいたものであって、米国人の多くが接種を受ける以前のものであった。

重要な反論のポイントはもしも政府が他人に対して危害をもたらすことを防ぐためにも潜在的な危険を孕んでいるワクチンを強制することが可能であるとすれば、それと全く同じ論理が他にも数多くの自由を剥奪する策さえも課すことができるということになる。これらには、たとえば、「警告法」やその他の銃規制法、「過激」思想へ近づくことに対する規制、あるいは、将来の暴力行為を防止するための一般大衆に対する監視システム、等が含まれる。政府は想定される暴力行為を防ぐためには警察(あるいは軍隊)を用いることが可能だとする議論は政府権力に対する規制を無意味にしてしまう。

ワクチン接種命令やワクチンパスポートに対する抵抗が増えることを支持することは必要不可欠である。また、われわれは新型コロナにまつわる専制主義的な規制に対する反対行動を政府によるあらゆる種類の自由の侵害に対する反対行動へと拡大して行かなければならない。

(ここに著者またはその代表者からの許可の下にロン・ポール研究所の記事を転載した。)

***

これで全文の仮訳が終了した。

「アメリカ疾病管理予防センターは、最近、新型コロナワクチンは感染の拡大を防がないことを認めた」という情報は貴重だと思う。当初喧伝されていたワクチンの効能の一角が崩れたからだ。

総合的な論点としてはこうだ。一市民の人権や言論の自由を法的に擁護する立場にある司法システムが専制主義的になる一方の米国の現状を著者は浮き彫りにし、そのことを非常に憂慮している。そして、このような風潮をさらに拡大させないようにと市民に呼び掛けている。

新型コロナの背後にある政治的動きをわれわれ一般庶民が把握することは決して容易ではない。率直に言って、大手メディアはそのことに触れたくはなく、われわれは最初から情報不足の状態に置かれたままである。

ところで、現行の新型コロナの大流行の背景にある政治的な動きとはいったい何かと疑問に思われる方には「芳ちゃんのブログ」にて下記の投稿を一読するようお勧めしたい:

2021823日:カザフスタンにある米軍の生物研究所ではどのようなウィルスが研究されているのか?

202172日:国連の元職員が言うには、新型コロナウィルスの起源を調査すると言う中国に対する脅しは米国が対中情報戦に勝つためだ

2021626日:米国立衛生研究所によると2019年の12月には5州において新型コロナがすでに発生していた

2021620日:武漢研究所ウィルス漏洩説はイラク戦争の時と同じ顔ぶれのジャーナリストによって推進されている  中国が指摘

202167日:生物兵器としての新型コロナ  閉ざされた扉の背後からの厳しい質問

202151日:米国は生物兵器による戦争を準備しているのだろうか?

2021319日:ワクチン接種 - 新型コロナとの戦いにおける勝利はまさにいばらの道

2021111日:私は医師として新型コロナを巡るデータを研究してみた。ひとつだけ本当のことが分かった。それは都市閉鎖はまったく機能してはいないという事実だ

20201210日:新型コロナワクチンの開発レースで勝ったと英国政府が自慢するも、世界で最初という主張に一般大衆がうんざりするならば大流行に対する戦略は台無しとなりかねない

2020123日:PCR検査はその目的を達成してはいないと裁定。主要メディアはこれにどう対応するのか。彼らはこの裁定を無視

20201120日:ゲイツ財団は、安全性と有効性についての懸念が残る中、第三世界で新型コロナワクチンを推進するためにさらに7千万ドルを投下

20201023日:新型コロナの脅威が過ぎ去ったことを科学が示してくれる迄には永久に待たざるを得ないかも知れない。だから、常識を駆使して、通常の生活へ戻ろうじゃないか

20201016日:ボリス・ジョンソン英首相が英国の「グレート・リセット」を発表しているように、結局、新型コロナの陰謀論はまさにそのものずばりだったのでは?

2020107日:ビル・ゲイツのワクチンがアフリカでポリオを広げている

2020921日:ロシア産ワクチンに対する西側からの攻撃は企業による人類に対する冷戦ではないか

2020831日:新型コロナをめぐる五つの謎がバレてしまった!世界中を捉えて離さない恐怖の扇動やプロパガンダ、真っ赤な嘘が見え見え

2020722日:「国家的な新型コロナテストに関する行動計画」 ー 全市民を軍事的コントロール下に置くための米国の計画

2020616日:新型コロナウィルス対策:スウェーデンとノルウェーの違い

202067日:新型コロナに関する3大リーク - 新型コロナの公式の筋書を葬り去る

202061日:新型コロナウィルスの大流行 - 本当に危険なのは「アジェンダID2020

2020522日:武漢のコロナウィルスに対するワクチン開発で遭遇するであろう主な問題点 - ロシアの専門家の意見

2020517日:新型コロナウィルスには祖父母がいて、曾祖父もいる。彼らはどこにいるのか?

2020512日:他の国々が失敗したにもかかわらず、スウェーデンはどうして成功したのか?

202055日:新型コロナウィルス奮闘記 - 三つの国の物語

2020428日:新型コロナウィルスの大流行ではいったい誰が得をするのか?

2020421日:人工的に作られたコロナウィルスが論争を呼んでいる

2020415日:新型コロナウィルスの大流行において指導的な役割を演じることができなかった米国は世界の最強国としての地位を失う - 今回は復帰することはできそうにない

202049日:もっと大きな物事が新型コロナウィルスの背後に潜んでいる

2020325日:新型コロナウィルスがヨーロッパの自由主義を解体

2020318日:米国は生物兵器の研究や生産とその使用では世界的なリーダー

2020311日:中国の新型コロナウィルス - 衝撃的な最新情報。ウィルスは米国からやって来た。日本、中国、台湾は米国が起源だと報告

2020224日:まさにポストアポカリプス的である - コロナウィルスは毎日の生活をどのように変貌させたか

2020219日:新型コロナウィルス感染の最悪のシナリオ

2020213日:新型コロナウィルスを巡るヒステリックな大騒ぎには人種偏見が潜んでいる - スラヴォイ・ジジェク

202028日:東洋人は他の人種よりもコロナウィルスに感染し易く、SARSの場合のように死ぬ確率が高い

こうして新型コロナに関する過去の投稿を眺めてみると、今になっては的外れの内容も見受けられる。その一方で、主張の内容が今でも依然として有効であると言える投稿もある。これらの拙文が読者の皆さんに少しでも役立ってくれれば幸いである。

参照:

1Authoritarianism Pandemic Is the Real Threat: RON PAUL, The Unz Review, Sep/06/2021

 



 

6 件のコメント:

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

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    1. И.Симомураです.小池都知事全快したそうです.前投稿を削除させていただきました.

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    2. シモムラさま
      了解しました。快適な日曜日をお過ごしを!

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    3. シモムラさま

      mRNAワクチンは血流に乗って体内に拡散します。そして、女性の場合は胎盤に多く蓄積することが製薬会社にも当初から分かっていました。ただし、米国医療当局のトップであるCDCは妊婦には安全だと言って、大嘘をついたのです。その大嘘が最近ほころび始めています。下記の二つの情報を覗いてみてください:
      (1) "Sudden Spike in Deaths of Newborn Babies Sparks Investigation in Scotland", The COVID World,
      post date: November 20th, 2021
      (2) "13 STILLBORN DEATHS IN 24 HOURS - RALLY @ LIONS GATE HOSPITAL", https://www.bitchute.com/video/Tw2CR3kL0ypC/



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    4. 情報ありがとうございます。知人のロシア人女性は乳癌手術と術後の化学療法を六七年前に受けたのですが、この度の疫病禍でワクチン接種の可否を決心せざるを得なくなったとのこと。主治医は「どんなワクチンでも接種後、免疫を攪乱するものであり、今安定時期にあり今回は接種を拒否するよううに」と助言されたといいます。今まで生体と共存してきた、謂わば「зимовать 冬眠状態にある」ウイルスが目覚めることがあるのだそうです。強い放射線を一時に大量に浴びたときも同様のようです。娘はワルシャワで二度ワクチンを接種したのですが、京都の大学に戻ったところで、コロナに感染しました。半年過ぎても嗅覚と味覚の異常が続いているようです。mRNAワクチンは有効性に乏しいようですね。壮大な詐欺にあったかのようです。

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    5. シモムラさま
      「壮大な詐欺にあったようだ」という描写は的を射てますよね。ワクチン接種を受けて、その副作用に苦しんでいる人々にとってはまさにそれが実感だと思います。
      最悪の場合はたくさんの致死例があるわけですが、製薬会社は何の補償にも応じることはなく、ワクチンを購入した各国政府が負担することが約束されているのです。製薬企業は巧妙に補償義務を回避しています。これによって、ビッグ・ファーマは詐欺行為を存分に推進する自由が整ったと言えましょう。
      日本における11月2日の報道(原題:「ワクチン接種後死亡1312人 すべて「因果関係なし」か「不明」【新型コロナワクチン副反応データ分析】」)によると、1312人がワクチン接種後に死亡した。しかしながら、死亡原因はワクチンとは因果関係がないか、不明のどちらかであると言う。つまり、これはワクチンメーカーも政府側も死亡者に対して何の責任を取らない、補償もしないということか。あるいは、何らかの責任ある策を講じようとすれば、これから何年という長い時間をかけるしかなさそう。この状況も「壮大な詐欺」の舞台におけるひとつの場面であると言えましょう。

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