2019年10月11日金曜日

イエメンのフーシ派はどうやってチェス盤をひっくり返したのか

国益を求めて国際関係を自国に有利に展開させようとする努力はチェス盤上での闘いにたとえられることがある。国際関係における闘いでは、多くの場合、地政学的な戦略が結果を大きく左右する。

914日に起こったサウジアラビアの原油生産設備に対するイエメンのフーシ派によるミサイル攻撃は世界最大の原油輸出国であるサウジの原油輸出能力を半減させたと言われている。破壊された設備の復旧には何か月もかかるのではないか。サウジにとっては歳入を大きく左右することから、甚大な損失である。もうひとつの側面は、サウジがフーシ派に対して行っている敵対的な行為を止めるようフーシ派が求めている。サウジがフーシ派に対する攻撃を続行すれば、フーシ派は第二、第三の反撃も辞さないと宣言していることだ。つまり、914日の攻撃と同様な軍事行動が繰り返されれば、サウジの原油輸出能力はゼロになってしまう可能性がある。つまり、サウジにとってはもう選択肢はないも同然だ。それ程の衝撃なのである。

このサウジの原油生産設備に対するフーシ派の攻撃に関しては、私は924日に「イラン対サウジアラビア - ゲームは終わった」と題して投稿したばかりである。

米国のポンぺオ国務長官はこの攻撃はイランの仕業だと公言した。その後もインターネット上ではさまざまな論評が出回っている。世界中の多くの専門家はこれはフーシ派が犯行声明を出した通りに彼らが行ったことだと理解しているようだ。しかしながら、最大の疑問は、今回の攻撃が高精度で実行され、サウジが使っている米国製の対空防衛網をかいくぐって見事に攻撃を達成した技術能力の高さが観察されたが、本当にイエメンのフーシ派の仕業であろうかと訝る声も聞こえてくる。

ここに「イエメンのフーシ派はどうやってチェス盤をひっくり返したのか」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。


<引用開始>

われわれはフーシ派だ。われわれは街へやって来る。アブカイク製油所に対して実に見事な攻撃を加えて、イエメンのフーシ派は南西アジアの地政学的チェス盤をひっくり返してしまった。これは完全に新しい次元をもたらした。つまり、サウド家を権力の座から放り出すことの可能性が見えて来たのだ。 

負の結末には厳しいものがある。フーシ派(イエメン北部のシーア派に属するザイディ派)とワハビ派は何世紀にもわたってお互いに闘って来た。この本(訳注: Tribes and Politics in Yemen: A History of the Houthi Conflict” 1st Edition, Kindle Edition at Amazonを指す)はフーシ派が持っている驚くほどの複雑さを理解するのに基本的には欠くことができない。おまけに、それはアラビア半島の南部における騒動を単なるイランとサウジとの間の代理戦争を越える地位にまで押しやってしまう。

東部の州に住むシーア派はサウジの原油生産設備で働いており、彼らはリヤド政府と戦っているイエメンのフーシ派とは自然発生的に同盟者であることを考慮せざる得ない。この要素は常に重要である。

フーシ派の攻撃能力、つまり、群れをなして襲いかかる無人機と弾道ミサイルとによる攻撃は過去1年かそこらの間に目を見張るほどに進歩した。アラブ首長国連邦が地政学的および地理経済学的な風が今どちらへ向かって吹いているのかを見極めたことは単なる偶然ではない。アブダビ政府はモハンマド・ビン・サルマン王子がイエメンに対して行っている凶暴な戦争からは身を引き、今や「平和第一」の戦略を採用している。

アブカイクへの攻撃の前にさえも、フーシ派はサウジの原油施設だけではなく、ドバイやアブダビの空港に対していくつかの攻撃を行っていた。7月の始め、イエメンのオペレーションズ・コマンド・センターはサナーアで弾道ミサイルや有翼ミサイルおよび無人機の全機種にまたがる展示を行った。

現状としては、見応えのあるシナリオに関してさまざまなお喋りがペルシャ湾中を横行している。たとえば、サウジ国内の東部にある原油ベルト地帯で蜂起するシーア派集団と呼応して、フーシ派はメッカやメジナを確保するためにアラビア砂漠を猛ダッシュするというシナリオこそが買いだ・・・といった噂。もはや、とても手が届かないという話ではないのだ。極めて不可思議な出来事が中東で起こったのである。結局のところ、サウジの連中はバーでの喧嘩にさえも勝てない。それこそが彼らが雇用兵に依存する理由だ。

東洋人の特質がふたたび襲う:

フーシ派にはそのような技術的に洗練された攻撃なんてできる筈がないと米諜報界は繰り返すが、彼らの言い草は東洋人的特性を示す最悪のらせん構造ならびに白人の責任あるいは優越感を表すものだ。

サウジ側が今までに公開したイエメンからのミサイルの部品はイエメン製「クッズ1」巡航ミサイルからのものである。サナーアに本拠を置くイエメン武装組織の報道官を務めるヤフヤ・サレーエ准将によると、「クッズ・ミサイルは目標を正確に捉え、敵の対空防衛システムをかいくぐるという素晴らしい能力があることを証明したのだ。」 

フーシ派武装勢力はアブカイク製油所の攻撃について正式に犯行声明を出した。「この作戦はサウジアラビア国内の奥深くで行ったもっとも大規模な作戦のひとつであり、正確な情報を探る諜報作戦や事前の監視およびサウジ王国内部にいる誇り高く自由な人たちからの協力があって初めて実現した。」 

ここでもっとも重要な概念に気付いていただきたい。サウジアラビア国内からの「協力」とは誰のことかと言うと、それはイエメン人のすべてから始まって、サウジの東部の州に住んでいるシーア派住民をも含めることが可能だ。 

攻撃を成功に導いたさらに関連深い要因としては、衛星やAWACS、パトリオット仰撃ミサイル、無人機、戦艦、ジェット戦闘機、等の強大な米国製ハードウェア―があべこべに配置されていたことから(訳注:他の記事によると、サウジの対空防衛システムはイランからの攻撃を想定してレーダーは北東向きに設置されていた。しかし、イエメンはサウジの南側に位置している)、何も探知せずに終わった、あるいは、間に合わなかったという事実が挙げられる。クウェートの鳥の猟師がサウジに向かって「あてもなく飛行する」三機の無人機を観察したことが「証拠」として見なされている。 無人機が群れになっており、恥ずかしくなるような写真を始めとして、無人機の飛行はサウジ領内で何時間にもわたって何らの制約も受けなかったのだ。

国連職員が大っぴらに認めているように、問題はフーシ派の新しいUAV-X無人機の1,500キロの航続距離以内に存在する施設だ。つまり、サウジアラビアの油田、首長国連邦で建設中にある原発、ドバイのメガ空港、等が問題となる。

私は過去の2年間テヘランのある消息通と会話を交わして来たが、フーシ派の新型の無人機とミサイルは、ヒズボラーの技術屋からの貴重な支援の下でイエメンでイランのデザインをコピーし、組み立てられたものである。

米諜報界は17機の無人機と巡航ミサイルはイランの南部から連結して発射されたと執拗に言い張っている。理論的には、パトリオットのレーダーがこの発射を探知し、これらの無人機やミサイルを撃墜していた筈であった。現時点では、そのような弾道コースを示す記録は何も公開されてはいない。軍事専門家は一般的にパトリオット・ミサイル用レーダーは立派であると誰もが認める。しかし、控えめに言って、その成功率については議論が多い。 もう一度言っておきたいが、重要な点はフーシ派は先端技術を駆使した攻撃用ミサイルを所有しているということだ。アブカイクで披露された正確な攻撃能力は尋常ではなかった。

現在のところ、サウジ王室が米英からの支援の下でイエメンの市民を対象に行っている戦争(20153月に始まり、聖書における出来事なみの大規模な人道的危機をもたらしたと国連は形容している)の勝者は、どう見ても、広くMBSと呼ばれているサウジのプリンスではない。

将軍の言うことを聞いてくれ: 

アブカイクでは何基もの原油のスタビライザー用タワーが、天然ガス貯蔵タンクと並んで、具体的な攻撃目標となった。ペルシャ湾のエネルギーに関する消息筋は装置の修理もしくは再製作には何か月もかかると私に言った。リヤド政府もこのことを認めている。 

証拠も無しにイランを盲目的に非難することは上手くは行かない。テヘラン政府は一群のトップクラスの戦略的思索家を当てにすることが可能だ。ところで、彼らには西南アジアを吹き飛ばす必要は何もなく、たとえ実際にそうすることが可能ではあってもそうしたいとは考えない。革命防衛隊の将軍らは、過去に何度か記録に残されているように、戦争の準備は出来ていると言っている。

テヘラン大学のモハンマド・マランディ教授は外務省と近しい関係を持っているが、彼は断固としてこう言った。「イランからやって来たのではない。もしもイランからやって来たとするならば、米国にとっては極めて恥ずかしい立場となることであろう。彼らは数多くのイランの無人機やミサイルを探知することができなかったことを示すことになる。まったくつじつまが合わない。」 

マランディはさらにこうも強調する。「サウジの対空防衛施設はイエメンからの攻撃ではなく、イランからの攻撃を防御するように設置されている。イエメンはサウジを攻撃し、彼らの攻撃能力は向上している。無人機やミサイル技術を4年半にわたって開発し続け、今回の目標は攻撃しやすい施設だった。」  

民間の無防備の攻撃目標: 使用に供されている米国製のPAC-2およびPAC-3対空防衛システムはすべてが東に向けて設置され、イランに向けられている。ワシントン政府もリヤド政府も一群の無人機とミサイルがいったいどこからやって来たのかについては何の確信もない。

読者の皆さんはアミル・アリ・ハジザデー将軍との画期的なインタビューに関心を寄せるべきだ。アミル・アリ・ハジザデー将軍は(イランの)イスラム革命防衛隊の空軍指揮官である。このインタビューは米国の制裁を受けている知識人であるナデル・タレブザデーによってペルシャ語で行われ(英語の字幕付き)、そこには米国人の分析専門家で私の友人でもあるフィル・ジラルディやマイケル・マルーフならびに私からの質問も含まれている。

イランの防衛能力における自給自足体制を説明するハジザデーは極めて理性的な人物であると見受けられる。ここで肝腎なことは次の点だ。「われわれの見方では米国の政治家もわれわれの政府も戦争を望んではいない。RQ-4N無人機が6月に撃墜されたが、あのような出来事が起こり、あるいは何らかの事故が起こって、もっと大きな戦争へと発展した場合は、まったく別の話だ。したがって、われわれは何時でも大きな戦争のための準備ができ
ている。」 

革命防衛隊は特に米国に対してどんなメッセージを送りたいのかという私の質問に答えて、ハジザデーは決して婉曲には言わない。つまり、はっきりとこう言った。「アフガニスタンやイラク、クウェート、首長国連邦ならびにカタールといったさまざまな国にある米軍基地に加えて、2000キロの距離内にある艦船のすべてに狙いを定め、われわれはそれらを常時監視している。彼らは400キロの距離さえあればわれわれの射程範囲には入らないと思っている。彼らが何処にいようが、一瞬の内に彼らの艦船や空軍基地、あるいは、部隊を攻撃することができる。」  

自分のためにS-400か何かを入手したまえ:

エネルギーの最前線でテヘラン政府は圧力下に曝されながらも、非常に緻密なゲームを演じてきた。イランから離れてから、自分たちのタンカーの応答装置のスイッチを切って、彼らは夜中に海上でタンカーからタンカーへと積荷を移送し、積荷の原油を売り、その積荷は他の生産者から出荷されたかの様に積荷のラベルを書き換えもした。私は信頼できるペルシャ湾の貿易業者と一緒になってこのことを何週間にもわたって調査してきた。彼らはすべてを確認してくれた。イランはこのやり方を永久に続けることだってできる。

もちろん、トランプ政権はこのことを知っている。しかし、事実を言うと、彼らは別様の見方をしている。その状況を精密に描けば、JCPOAを破棄したことによって彼らは落とし穴にはまり込んでしまい、今や面目を保つことができる出口を探しているのだ。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は何週間にもわたって警告を発していた。遅くなり過ぎる前に米国は自分たちが背を向けた合意に復帰するべきだと彼女は言った。

ここで身の毛もよだつような話をしよう。

アブカイクに対する攻撃は、クウェートやカタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビアを含めて、中東全体が産する日量千8百万バーレルが容易く打ちのめされてしまう可能性があることを示している。これらの無人機やミサイルに対抗する適切な防御体勢はゼロに等しい。

ところで、ロシアはいつもそこに居る:

ここにひとつのエピソードがある。これは、今週、プーチンとロウハニおよびエルドアンの3人の大統領を結びつけるシリアに関するアンカラ・サミットが行われた後の記者会見で何が起こったのかを伝えるものだ。

質問: サウジアラビアのインフラを復旧するためにロシアは何らかの支援をするのか?

プーチン大統領: サウジアラビアを支援することについて言えば、コーランには自分たちの国民を助ける場合を除いては如何なる形の暴力も非合法であると書かれている。サウジの国民や国家を防護するためには、われわれはサウジアラビアが必要とする支援を提供する用意がある。サウジアラビアの政治的指導者のすべてがしなければならないことは、イランがS-300ミサイルシステムを購入することを決めたように、ならびに、エルドアン大統領がロシア製の最新式S-400 トライアンフ対空防衛システムを購入することを決断したように、賢明な決意をすることだ。これらのシステムはサウジの如何なるインフラに対しても信頼性の高い防御を提供するだろう。

ロウハ二大統領: 彼らはS-300あるいはS-400を購入する必要があるのか?

プーチン大統領: それは彼らの決心しだいだ(笑い)。

The Transformation of War」と題した書籍(訳注:1991年の出版)で、マーチン・ファン・クレフェルトは実際にこのような状況を予見していた。つまり、軍・産・安全保障複合体はその武器システムのほとんどが第4世代の非対称的な敵国に対しては何の役にも立たないことが暴かれると、この複合体全体が崩壊することであろう。南側諸国のすべてがこの状況を観察していることには何らの疑いもなく、このメッセージを彼らは間違いなく受け取ることになる。 

ハイブリッド戦争が再び装弾された: 

今、われわれは非対称ハイブリッド戦争に突入しようとしている。

ネオコン系の常連の容疑者によって扇動され、恐ろしい事故(訳注: たとえば、米国がイラクへ侵攻する理由とした911同時多発テロのような自作自演による事故)を受けて、ワシントン政府はイランを攻撃することを決定したとしても、ペンタゴンはイランやイエメンの無人機のすべてを攻撃し、破壊しつくすことは望み得ないであろう。米国は間違いなく全面戦争を予見する。そして、ホルムズ海峡を通過する船舶は1艘も見当たらない。われわれは誰もがこの戦争の結末を知っている。

このことはわれわれをとてつもなく大きな驚きに直面させる。ホルムズ海峡を通過する船が1艘も見当たらない本当の理由は湾岸地域にはタンカーに積み込む原油がもうないからだ。油田が爆撃され、炎上しているからである。

こうして、われわれは現実的な最終局面へ戻る。この最終局面はモスクワと北京だけではなく、パリやベルリンもが強調していた点である。米国のトランプ大統領は一世一代の賭けに出たが、その賭けには負けた。今、彼は面目を保つ術を見つけ出さなければならない。戦争屋がそうすることを許すならばの話ではあるが・・・。 

著者のプロフィール: ぺぺ・エスコバーアジアタイムズの特派員である。彼の最近の著書は「2030」。フェースブックで彼をフォローされたい。

注:この記事の初出は「アジアタイムズ」。 


<引用終了>

これで全文の仮訳が終わった。

著者のペペ・エスコバーは私の好きな著者のひとりだ。今までに何回かこのブログに登場して貰っている。この引用記事において彼は中東におけるチェス盤がイエメンのフーシ派勢力によって見事にひっくり返された状況を説明している。イエメンとサウジとの間の戦争は非対称型の戦争であるとする見方が興味深い。イエメンは最貧国のひとつであるが、サウジは世界で3番目に大きな軍事費を使っている国であるが、今回のフーシ派武装勢力によるサウジの原油生産設備に対する無人機・ミサイル攻撃はイエメンを勝者にした。この
状況は素人目にもよく分かる、実に見事な非対称性であると言えよう。

サウジアラビアにはやっかいな国内事情がある。国内には、特に石油が産出される東部の州ではシーア派の住民が圧倒的に多い。これらの人たちはサウジの歳入の大部分を占める原油の生産に従事しているが、サウジの裕福な富の恩恵を十分には受けていないという不満を抱いている。このような社会構造があることから、サウジ国内の反政府勢力(シーア派)がイエメンのフーシ派に協力をしたとしても決して不可解ではない。たとえば、製油所の従業員が製油所のスタビライザー用タワーが設置されている位置をGPSで正確に割り出し、その座標データをフーシ派に伝えるというシナリオは現実味を帯びて来る。

著者は「米国のトランプ大統領は一世一代の賭けに出たが、その賭けには負けた」と述べているが、本当の意味で負けたのはトランプ大統領ではなく、トランプ大統領を罷免しようとしている軍産・諜報・メディア複合体の方ではないか。サウジアラビアのために米国の軍産複合体が今まで推進して来た軍事施設は最貧国のひとつであるイエメンのフーシ派武装勢力からの攻撃に負けたのである。




参照:

1How the Houthis overturned the chessboard: By Pepe Escobar, Information Clearing House, Sep/18/2019










2019年10月3日木曜日

アフガニスタンとCIAのヘロイン搬出用縄ばしご


この表題にある「縄ばしご」とは障壁をよじ登る手段としてはもっとも古くから使われてきたもののひとつであって、安価で、手っ取り早く準備をすることが可能だ。海賊映画でお馴染みのように、帆船時代に多用された。

アフガニスタン戦争についてはさまざまな事柄が報じられてはいるが、「アフガニスタンとCIAのヘロイン搬出用縄ばしご」と題された、この1ヶ月余り前の記事(注1)によって、われわれ素人にはまったく考えも及ばなかった側面が突然姿を現した。

たとえどんな美辞麗句を用いて説明しようとしても、あるいは、「民主主義」とか「人権」といった言葉を持ち出して如何に入念に化粧を施したとしても、米国の戦争のほとんどはその深層に金儲けの意図がありありと見える。その多くはエネルギー源や他の天然資源の確保である。

この記事は米軍の隠された伝統を改めて明確に伝えてくれている。それが故に、好むと好まざるとにかかわらず、極めて重要な価値を持っているとも言えよう。米政府にとっては不都合な真実を公衆の目に曝すことになるが、現実にはアフガニスタンでCIAが用意し、過去19年間使用して来た縄ばしごはヘロインを入手し、米市場へ向けてヘロインを搬出するためのものであったのだ。さらには、誰かの金儲けのために・・・

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。

<引用開始>
ペルシャ湾岸には極めて複雑な秘密が数多く並んでいる。そのトップクラスにはアフガニスタン産出のヘロインによる金儲けがある。国際的に広く行われ、何兆ドルにもなるヘロインによる不正資金洗浄の中心にはアラブ首長国連合(UAE)が位置している。

この21世紀のアヘン戦争ではアフガニスタンで集荷された収穫物はロシアやイラン国内のヘロイン市場だけではなく、特に、米国市場に供給される。世界市場のアヘン93%はアフガニスタンから供給されている。

西側でもっとも広く喧伝されている内容とは異なって、これはアフガニスタンのタリバンによる取り組みではないのである。大西洋同盟の連中は決して尋ねようとはしないけれども、もっとも重要な疑問点はいったい誰がアヘンの収穫物を買い取っているのか、誰がヘロインを精製しているのか、誰が輸出ルートをコントロールしているのか、誰が売り捌き、そして、いったい誰がタリバンが国内で課している税金とは比べ物にはならない莫大な利益を挙げているのか、といった点だ。

Photo-1:  AFP 2019 / BAY ISMOYO
アヘン以外にも、米国は「アフガニスタンからウランを持ち出している」のかも

9/11同時多発テロの後、覇権国としての筋書き通りに、2001年、ワシントン政府は「自衛」のためにアフガニスタンを爆撃、「民主的な」政府を擁立し、その後16年が経過しても米軍は、事実上、アルカエダやタリバンに対する対テロ戦争(GWOT)の要となるこの地域から撤退をしてはいない。

ワシントン政府はアフガニスタンの再建のために1千億ドル以上を費やした。そして、麻薬の取り締まりのために84憶ドルを費やしたと言う。イラクの「解放」と並んで、「エンデュアリング・フリーダム作戦」には何兆ドルもの大金が投入された。それでも、占領下にあるアフガニスタンにおけるヘロイン用の縄ばしごは依然として健在である いったい誰が利益を享受しているのだろうか?

SIGAR報告書:
念入りに行われたアフガニスタンのアヘンに関する調査(訳注:「国連薬物犯罪事務所」がこの調査を行った。20161023日に報告書を発行)はアフガニスタンでのアヘンの生産が着実に拡大され、生産地域は不規則に広がって行ったことを詳細に報告している。つまり、「2016年には2001年の規模に比べて生産量は約25倍にも達し、2001年の185トンから2016年には4,800トンにもなった。」 

米国の「アフガニスタン復興特別監察総監」(Special Inspector General for Afghanistan Reconstruction)の短縮名称は愉快な響きを持つSIGAR (訳注:葉巻を意味するCIGARを連想させる)とされているが、この特別監察総監はエンデュアリング・フリーダム作戦が米国内におけるヘロインの大流行に関連を持っていることを控え目ながらも示唆している:

たくさんの契約業者がアフガニスタンに群がっており、その数は1万とも数万とも言われている。ヘロイン搬出用縄ばしごの一角には軍人や元軍人の姿をいとも簡単に見つけることが可能であるが、多くの場合、それは個人的な利益のための行動だ。しかし、決め手となる証拠によると、何とこれは米議会による調査の対象にするべきではない米諜報界の秘密作戦のための資金源にも関係しているのである。 

Photo-2: FLICKER / RESOLUTESUPPORTMEDIA
終わることのない戦争: 米国はアフガニスタンへ派遣されている兵士の数を何千人ものレベルで不正確に報告している

ペンタゴンが指定した「不安定な弧」と称される地帯では多くの諜報活動経験を有し、中東を拠点としている諜報界のある人物はアフガニスタンで活動していたオーストラリア人の諜報工作員との関わり合いについて話をしてくれた。「これは2011年の頃の話だ。彼はアフガニスタンにおけるヘロインの売買に関する報告、つまり、パキスタンの軍港から出発する米軍の車両集団はヘロインをアフガニスタンから運び出すために活用されているという報告を米軍の諜報部門とCIAに提供したと言った。そのほとんどは未精製のアヘンであって、帰路の荷物として輸送され、流通に供されていた。」 

誰も返事をしなかった:
彼はある会合で陸軍の重要な諜報作戦やCIAの活動に関して彼らをを追い詰めて、どうして何の行動も起こさなかったのかとその理由を問うた。その答えは米国の目標は住民の心をつかむことにあり、彼らにポピーを与えることによって彼らの心をつかむことができるのだということであった。もしも彼が再度この件を持ち上げて来たら、「ボディー・バッグに入れられてオーストラリアへ帰国することになるぞ」との脅しを彼は受けたのである。

この人物は断固として譲らなかった。「CIAの海外における作戦はこれらの作戦が稼ぎ出す利益から財源を得ていた。タリバンが自分たちの作戦行動を起こすための財源としてヘロインの売買に課税しているいうのは作り話であって、現状を誤導するためのものであった。」

そのことはトランプ大統領が自分の本能に逆らって、アフガニスタンへの軍隊の増派を決めた背景に存在する重要な動機に向けてわれわれを導いてくれる。つまり、それは「19世紀の不誠実な英国のアヘン戦争の伝統に見られた動機である。あの戦争では、アヘンはインドから輸入するお茶や絹のための支払いに充当され、これらの絹やお茶に課せられた税金は英国に強力な英国海軍の構築のための資金をもたらした。こうして、英国海軍は海洋を支配した。一方、CIAは何兆ドルにも達するヘロインの売買によって最強の政府機関となったのである。自ら選ぶことができるような同盟の相手を持たないトランプにとってはCIAを乗り越えることは不可能だ。軍部はCIAと一緒に行動しているので、トランプの側近は何の役にも立たない。


Photo-3: CC0  
トランプの「米国人の雇用」という訴えはヘロイン禍に直面

 
これはCIAの仕事のやり方からは何ら逸脱してはいない:

過去の事例は豊富にある。もっとも悪評が高い事例はベトナム戦争時の「ゴールデントライアングル」であって、CIAはラオスのモン族に食料とアヘンとの交換を強要した。ラオス北部にあるCIAの本拠でヘロインの精製が行われ、精製はそこで完了した。アヘンの輸出については悪評の高いエア・アメリカ社が手はずを整えた。
この話の全貌はアルフレッド・マッコイ教授の「東南アジアにおけるヘロインに関わる政治」と題されたセミナーにて暴露された。これは(CIAの本部がある)ラングレーをすっかり動顚させた。

近世におけるこれと同様の事例はイタリア人ジャーナリストのエンリコ・ピオヴェサナが最近発刊した書籍に見られる。この本は「アフガニスタンにおける新たなアヘン戦争」の詳細を報告している。

エア・アメリカの復帰:
広大なパシュトーンや他の部族が支配する地域との接触を維持しているパキスタンの諜報組織はもっと火の手が上がりやすい領域について詳しく調査を行っている:つまり、「われわれが持っている諜報情報の中でも最高と目される情報によると、CIAは代理戦争のためにアフガニスタンに子飼いのアルカエダやISISISIL)の将兵を送り込み、米軍の増派を正当化しようとした。」 これは自分の配下の将軍たちによって追い込まれているトランプの考えにもうまく繋がることだ。 

そして、モスクワ政府が登場する。先週、ロシア外務省は「国籍不明のヘリ」によって移送された「外国人戦闘員」をアフガニスタン北部の州に住むシーア派ハザーラ人を虐殺した犯人であるとして非難した。さらには、「アフガニスタンの領空を支配しているNATO軍の司令部はこれらの出来事を頑なに否定している」とも述べた。

Photo-4: US ARMY /SPC GUL A ALISAN
ウィキリークスによるCIA文書: 米国はアフガニスタン・パキスタンに関する戦略に欠けている

その非難はそれ以上には深刻にならない。しかし、モスクワ政府は米国が訓練をしたアフガニスタンの武装勢力がNATOと行動を共にし、過激派勢力を支えるための秘密作戦にも従事していることを非難した。米諜報部門が秘密裏にアフガニスタンのISIS、つまり、「ISISホラサン」を支援していることをロシアの諜報部門が控えめ目ながらも示唆してからすでに久しい。

「新グレートゲーム」におけるアフガニスタンの章に関しては、ロシア諜報部門は明確な理解をしている。ロシア市民は、米国市民と並んで、アフガニスタンのヘロイン搬出用縄ばしごの「巻き添え被害者」でもある。ロシア外務省は何トンもの化学品が如何にして「イタリアやフランスおよびオランダ」ならびに他の国々からアフガニスタンへ非合法に運び込まれるのか、そして、米国とNATOがヘロイン搬出用の縄ばしご、つまり、輸送ルートを摘発しようとはしない様を突き止めようとしている。
結局のところ、エア・アメリカは消え去ることがなかった。同社は東南アジアのジャングル地帯から乾燥した中央アジアと南アジアの十字路地帯へと居を移しただけだ。

注: この記事に表明されている見解は全面的に著者のものであって、必ずしもスプートニクの公的な立場を反映するものではありません。

<引用終了>

これで引用記事全文の仮訳は終了した。
アフガニスタン戦争は米国のアヘン市場へのヘロインの供給には欠かせない側面を担って来たことは明白だ。2016年の国連のSIGAR報告書によると、アフガニスタンにおけるアヘン生産は2001年から2016年の間に急拡大した。つまり、「2016年には2001年の規模に比べて約25倍にも達し、生産量は2001年の185トンから2016年には4,800トンにもなった。」 これほど雄弁な証拠は類を見ない。 

さらには、戦争時の麻薬の密売によるぼろ儲け作戦はベトナム戦争にまで遡る。そして、さらに歴史を紐解くと、中国における英国による悪名高いアヘン戦争がある。
不幸なことには、アフガニスタン戦争の収束を期待することはできそうにない。米国の巨大なアヘン需要は現状を維持することに最大の動機を見い出し続けるからだ。ましてや、それをビジネスとする集団はこのぼろ儲けの舞台を手放すことはないだろう。何と言っても、議会におけるロビー活動をさらに活発に進め、議員を買収する費用なんて安いものだ。

ベトナム戦争では多数の若い兵士を失い、米国内では反戦運動が活発化し、米政府は政治的決断を迫られた。結局、米軍はベトナムから撤退することになった。米国大使館関係者や在越アメリカ人、南ベトナム人をサイゴン(現ホーチミン市)から脱出させるために一刻を争って飛び立つヘリの姿は今でも記憶に生々しい。
しかしながら、今の米国には当時のような反戦運動の動きは見られない。何故かと言うと、代理戦争が推進され、高い給料に跳びつく外人部隊(たとえば、ISIS)や軍隊に近い働きをする民間軍事企業(たとえば、米国の民間会社「アカデミ」)の存在があるから、米軍兵士の損害はベトナム戦争当時に比べると目立たなくなっているのだ。

アフガニスタン戦争は米政府が破産し、米経済が破綻するまで続くのであろうか?それとも、トランプ大統領の英断によって終息するのだろうか?私には分からない。


参照:

1Afghanistan and the CIA Heroin Ratline: By Pepe Escobar, Sputnik, Aug/25/2019, https://sptnkne.ws/fqEb

 

 

 

 

2019年9月24日火曜日

イラン対サウジアラビア - ゲームは終わった


イエメンのフーチ派民兵からの無人機とミサイルによる攻撃によって、世界でも最大規模を誇るサウジアラビアの原油施設が破壊され(914日)、サウジの原油輸出能力は半減したと報じられている。市場では原油価格が20%も急騰した。最近の報道を見ると、復旧には当初の予測よりも時間がかかりそうだ。生産能力の完全な復旧には数ヵ月を要すると言われている。

もしもイランとの全面戦争が勃発し、ペルシャ湾が封鎖されたとしたら、世界の原油市場が被る影響は今回の事例には比べようもない程に大きくなるだろう。その場合に世界経済が被るであろう影響は、素人目から見ても、計り知れないレベルに達することは明白だ。

誤解を恐れずに個人的な感想を言うとすれば、今回のサウジアラビアの原油施設に対するイエメンからの攻撃は、皮肉なことではあるが、われわれ一般庶民にもイエメン紛争についてひとつの基本的な理解を可能とするきっかけを提供してくれた。

ここに、「イラン対サウジアラビア - ゲームは終わった」と題された最近の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。この記事の著者がどうして「ゲームは終わった」と言うのかを読み解きたいと思う。

<引用開始>

サウジ・アラムコに対する攻撃は長い戦争の第一波であろうか?それとも、これですべてが終わったのであろうか?現実は後者にあるようだ。いろいろな意味で、イランとサウジアラビアとの間の戦争は戦争が始まる前にすでに終わってしまったのだ。アラムコに対するフーチ派民兵によるこの攻撃は原油価格を20%も急騰させただけではなく、サウジの原油輸出能力を半減させてしまった。

ところで、フーチ派民兵はアラムコの原油施設に対する攻撃は自分たちがやったと宣言したが、トランプ政権は攻撃をしたのはフーチ派ではなく、イランであると言って、その言い分を国際社会に受け入れて貰いたいようだ。https://sputniknews.com/us/201909191076835893-pompeo-attack-saudi-oil-facilities-act-war-iran/. この時点では、日本はそのようには受け止めてはいない。フランスも然りだ。https://sputniknews.com/middleeast/201909191076835540-japan–no-evidence-iran-behind-attack-saudi-aramco-facilities/

しかしながら、現実には、サウジアラビアが立ち上がって戦う決意と能力を有しているかどうかは攻撃を行った者がいったい誰であったのかを特定することとはほとんど無関係だ。これはサウジアラビアが損害を被ったことを不快に思うのに何ほどの時間もかからなかったことをサウジが見せてくれたからである。このことはさらに次のような質問をもたらすだろう。つまり、「今回の攻撃と同様な攻撃を何回受けたら、サウジは完全に降伏するのだろうか?」見るところ、決して多くはない筈だ。

サウジの経済とインフラは極めて脆弱であることから、前の記事で、私は次のようなシナリオを予測した。主要な富を生産する拠点は実質的にはひとつだけであり(原油生産)、主要な都市へ飲料水を送り出す海水淡水化設備を何ヵ所かに持っている国家は実に易しい攻撃目標となる。結局、それらの一握りの生命線とも言うべき目標が攻撃されると、原油の輸出が停止するだけではなく、家庭用の飲料水も断水してしまうのだ。http://thesaker.is/dissecting-the-unfathomable-american-iranian-war/. しかし、海水淡水化設備を停止させるには同設備を直接攻撃する必要なんてないのである。それらの設備には動力源が必要であり、それは燃料から生み出されている。燃料の供給が停止すると、動力源も停止する。燃料の供給が停止すると、エアコン無しでは生存できない国家の発電プラントさえもが停止する。

最近までは、サウジの人たちは水不足や海水が混じった水、焼け付くような暑さには慣れていた。彼らはオアシスの周りに住み、僅かの水を使う生活に適応していた。しかし、サウジの若い世代や何百万人もの海外からの移住者は家庭で毎日シャワーを浴び、水道水を使い、エアコンを稼働させる。戦争の最中、人々は通常自然の中へ分け入り、食物や水を探す。彼らは狩りをし、地元で採れるイチゴや野生の食用植物を収集し、川や流れの水を入れ物に詰め、裏庭で野菜を栽培する。だが、砂漠の王国であるサウジではそのような代替となり得る生活の手法はない。

さらには、1950年代には数百万人の人口であったが、サウジアラビアの現人口は33百万人に膨れ上がり、この総人口には海外から移住して、仕事に就き、居住する数百万人もが含まれている。https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Saudi_Arabia。供給に限度がある塩からい水は破壊されたインフラが修復されるまでの間、十分には供給できない。そもそも配管さえも無いのだから。 

世界で防衛予算が3番目に大きく、ロシアの防衛予算よりも大きい国家としてサウジアラビアはパトリオット・ミサイルから始まり、弾薬に至るまですべてを輸入し続けている。

これはイランの地理や自然がもたらす諸々の資産や人口動態とは鋭い対照を成している。イランは山岳地帯や渓谷、河川、牧地を有し、農業を基盤とする。7千万の国民は工夫を凝らし、自給自足を全うするよう教育されている。これは米国が課した経済制裁の賜物である。

サウジアラビアはイエメンとはすでに戦争状態にあること、特に、イエメンによる空爆はこの数ヵ月急速に拡大していたことを考えると、アラムコは不意討ちを食ったとする見方は実に馬鹿げており、許せない。サウジにとってはさらに恥ずべき状況となるのだが、イランとの戦争は喫緊の課題であった筈だ。それにも関わらず、サウジのもっとも重要なインフラ設備はどうして無防備のままに放置されていたのであろうか? 

しかし、ここに別途の重要な課題がある。トランプ政権が言っているように、そして、われわれにそれを信じ込ませようとしているように、イランが実際に攻撃をしたのだとすれば、米国はイランのミサイルがイラン本土から発射され、ペルシャ湾を横断し、米国製の最新式の防空や敵機の探査用設備やソフトを巧妙に避けて、サウジ領土内の目標に到達したということを認めざるを得ない。これがわれわれに信じ込ませたいトランプのシナリオであるとすれば、イランと軍事的に渡り合おうとしている米国の軍事能力に関してこれはいったい何を物語っているのであろうか?これは例のロシアゲートよりも桁外れに大きな茶番劇だ。あの茶番劇では連中はロシアは「世界でもっとも偉大で、最強の国家」における大統領選の投票結果に影響を与えることが可能だと主張した。この主張は米国の敵国は非常に組織立っており、聡明で、強力であるが、それとは対照的に米国はすっかり混乱しており、間が抜けていて、弱いと言っているのであろうか?あるいは、その両方か?どちらにしても、そのような主張が他国から成されたのではなく、米国自身から発せられた場合、そういった主張は、間違いなく、米国を高く評価することには繋がらない。

米国・サウジアラビアの弱さや脆弱性はもうひとつの同盟国であるアラブ首長国連邦とも共通する。事実、フーチ派民兵の広報を担当するヤヒア・サリアはアラブ首長国連邦を相手に「あんた方はガラスがふんだんに使用されている摩天楼を防護したいのではないか」という容赦のない警告を発した。https://www.rt.com/news/469104-houthis-new-drones-attack-uae/ 。この警告では、サリアは、多分、「自分の家がガラスでできているならば、他人に向けて石を投げるべきではない」というアラビアの格言をふざけて引用したのであろう。世界中が見ている中、しかしながら、無関心さの中で、何年にも及ぶ無差別爆撃を行い、イエメン人を屈服させようとして彼らに飢餓を強いておきながら、イエメンにはその敵国に対して何らかの慈悲を期待することなんていったい出来るのであろうか?

しかし、次のことには直面しようではないか。アラブ首長国連邦のドバイや他の繁栄している都市はゴーストタウンに変身することが運命づけられた。それらの都市が今見せている魅力や嘘で固められた表面的な輝きが失われるのは時間の問題であろう。結局、これらの幻想都市には本物で、実体を伴った、持続可能なものは何もないのだ。もしも何かがあるとすれば、それはイランとの戦争は崩壊のプロセスを加速させ、海外からの投資家や移住者は、たとえ命からがら逃げ回ることはないにしても、大群となって出国することになるだろう。

もしもこれが同盟であるとすればの話であるが、皮肉にも、米・サウジ・UAE同盟はイランがこの地域でイランの優位性を拡大しているとして非難している。この非難については、多分、何らかの証拠が存在するのであろう。しかしながら、本同盟はイラクに政治的真空状態を作り出し、イランが間もなくその真空を埋めることになったのは彼ら自身が喧伝し、イラクへ侵攻し、サダム政権を転覆させたからだという事実を都合よく忘れてしまっている。イラン・イラク間の8年にも及んだ辛酸を舐めるような戦争が勝者も敗者もなく終わったにも関わらず、米・アラブ同盟がもたらしたサダム政権の崩壊はイランを実質的な勝者の地位に押し上げた。そして、今、本同盟はそのイランを阻止しようとしている。この茶番劇的な状況はこれ以上に皮肉な状況となり得るだろうか?

米国はイラン軍の軍事能力を見くびり、イランもまた相手を見くびっている。これはごく普通のことであり、心理戦では本質的なことである。しかしながら、現実においては、イランの軍事的能力は誰にも分からない。それが故に、イランとの全面的な戦争においては、米国は、当初、艦船をペルシャ湾から遠ざけて、後になってより近辺に艦船を配備することに自信が持てるようになるまでは、イランの短距離ミサイルが到達しない領域に配備し続ける。しかしながら、攻撃目標となるサウジの主要な地上施設は動かすことができない。イランにとっては、片手だけでも数えることができるようなほんの僅かな攻撃目標だけでサウジ・UAE両国を降伏させるのには十分だ。

イランの本当の実力は誰にも分からない中、われわれが今知っていることはサウジアラビアが自分たちよりも遥かに弱く、貧しく、恵まれない、飢餓に悩まされているイエメンを打倒することには見事に失敗したということだ。

米国は地上軍を投入しようとはせず、この趣旨からは、海軍をリスクに曝すことを除けば失うものは何もない。非軍事目標はサウジやUAEのインフラであって、パトリオット防空ミサイルシステムは両国を攻撃するために侵入して来るミサイルのすべてを仰撃することはできない。もしもイエメンがこの作戦を実行することができるとするならば、イランにとっても実行することは明らかに可能である。

私は最近ネットフリックスで「ベトナム戦争」の連載物を観たが、あの戦争について本当のことが露見した当時を思い起した。米国のタカ派は米国の市民ならびに全世界に対して嘘をついていたことからは逃げられないと私は思った。ベトナムで行ったように他国を侵略することなんて二度と出来ないだろうと思った。しかしながら、20年も経たずに、彼らは全力を挙げてイラクへ侵攻した。そして、一般大衆は彼らが喧伝するストーリーを信じたのである。多分、世間には決して変わることがないことが存在する。朝鮮、ベトナム、レバノン、イラク、アフガニスタンそしてシリアでの敗退の後、依然として米軍はイランと闘いたいようである。この戦いでは、最大の敗者は米国自身ではなく、米国の同盟国であるアラブ国家だ。つまり、サウジアラビアとUAEであろう。サウジ・アラムコに対して行われた最近の攻撃は避けることが不可能な帰結を物語る序曲に過ぎない。壁にはすでに大書されており、「ゲームは終わった」とはっきりと読み取ることができるのである。

<引用終了>

これで全文の仮訳が終わった。

サウジアラビアの原油生産のインフラがかくも脆弱であると指摘する著者の洞察には説得力がある。原油生産インフラを防護し、サウジの安全保障を強化しようとすると、何年もの歳月を必要とすることであろう。つまり、サウジアラビアが対イラン戦争を今始めることは軍事的にも経済的にも不可能だ。サウジがこの時点にイランとの戦争にのめり込んで行ったら、それは自殺行為となる。

しかしながら、たとえサウジやUAEにとっては最悪な帰結が予想されるとしても、米国の軍産複合体の戦争計画者は依然として対イラン戦争を始めることを推奨するかも知れない。軍産複合体にとってはこの戦争が米国本土で行われるのではなく、戦争ほど利益をもたらしてくれるものは他にはないからだ。短期的ではあっても、彼らは膨大な利益を手放すようなことはしない。引用記事の著者が述べているように、歴史がそのことを見事に証明している。私としては、米国の軍産複合体に関するこの個人的な見方が間違いであることを祈るばかりだ。

参照:

1Iran vs Saudi Arabia: it’s game-over: By Ghassan Kadi, The Saker, Sep/19/2019






2019年9月20日金曜日

香港の反政府運動のリーダーがホワイト・ヘルメットのボスと交流

香港における反政府デモ(69日)に関して朝日新聞デジタルの益満雄一郎記者は610日版で「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモ行進を伝えた。10日未明には一部の参加者が暴徒化し、警察と衝突。このデモには103万人(警察発表は24万人)が参加したとのことだ。

抗議行動は3月から始まり、78月にはこのデモは見苦しい程の外来者恐怖症や集団暴行の観を呈した。デモ参加者の要求は5項目あったが、その中心的な要求は香港特別行政府が逃亡犯条例の改正案を撤回することにあった。

香港特別行政府長官は最近になって、94日、逃亡犯条例の改正案を正式に撤回すると表明した。これを受けて、翌日、北京政府は香港特別行政府長官の決断を支持することを表明した。しかしながら、反政府抗議活動がこれで収束するのかどうかは極めて流動的であろう。この種の政治的状況においては、多くの場合、お互いの不信感を克服することはそう簡単ではない。

2014年の雨傘運動と呼ばれた反政府デモと並んで、今回のデモにも特筆すべき点がいくつかある。私なりにそれらを記述してみると、今回のデモも米国務省傘下のNED(米国民主主義基金)ならびに香港の主要なメディアのオーナーから資金の提供を受け、さまざまな支援を受けた。

ウィキペディアによると、「NED多くの場合他国の野党の候補に資金提供を続けてきた。直接政党に交付することは法に触れるため、多くの場合、例えば学生による投票キャンペーンのような形で行われる」と描写している。また、「資金の提供と並んで行われる支援としては技術支援、物品、訓練プログラム、メディア利用法、広報活動支援、最先端設備などがあって、政治グループ、市民組織、学生グループや反対運動、出版社や新聞社その他メディアの選定のために提供される。」

香港での反政府デモは学生グループが主体である。学生グループのリーダーらに対してはさまざまな支援が行われている。米国が絡んできた今までの他国に対する干渉(パナマ、ニカラグア、ハイチ、ベネズエラ、フランス、ポルトガル、スペイン、ブルガリア、アルバニア、ウクライナ、セルビア、ジョージア、等)においてはメディアの利用法、広報活動支援、等が繰り返して観察されている。米国が行う反政府支援活動では定番となっている。(注:米国がNGO組織を通じて行う他国への干渉については、具体的な事例をこのブログでも、「ウクライナでのNGO活動」と題した2014310日の投稿で詳しく報告しています。ご一覧ください。)

ここに、「香港の反政府運動のリーダーがホワイト・ヘルメットのボスと交流」と題された最新の記事がある(注1)。

ところで、ホワイト・ヘルメットという組織のシリアにおける活動を記録した短編映画は2017年にオスカー賞を受賞した。しかしながら、「やらせ」と虚偽の集大成であるこの記録映画がオスカー賞を受賞したことはシリア内紛の真の状況を理解している世界中の人たちに「オヤッ!」と思わせた。ハリウッドのコミュニテイーの大部分がそうであるように、アカデミー賞は米英の国際政治によってまんまとハイジャックされてしまったのである。その詳細は多くの紙面を必要とするので、別途議論をしたい。ここで明確にしておきたい点は他国の反政府組織に対して米国が差し伸べるソフトパワーの一角である広報活動支援の実態である。

この引用記事の著者はカラー革命を一種のハイブリッド戦争と位置付けていることに留意しておきたい。香港における反政府運動はただ単に中国政府に難題をふっかけ、中国国内を混乱させ、中国経済のさらなる隆盛を遅延化、あるいは、停止させるというだけではなく、あわよくば、中国を米国の覇権の元にひざまずかせようとするものだ。結局のところ、この行為は武力によって相手を跪かせる伝統的な戦争行為に匹敵する。

中国に対する米国のハイブリッド戦争での主要な戦場は香港だけではない。台湾、西域の新彊ウィグル自治区、チベット地域と何箇所もあるのだ。広大な領土、数多くの少数民族や言語、文化、宗教、歴史を擁する中国の中央政府にとっては頭痛の種だ。しかも、それはかなり厳しい頭痛である。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

 
<引用開始>

(注:この投稿の中ではホワイト・ヘルメットに関する文章でシリア現地の地名や人名をカタカナで表記する必要が出てきますが、その場合、正式な発音ができない私にとっては正しくカタカナ表記をすることは至難の技です。間違いがあることをご了承願います。)

最近ジョシュア・ウンは飛行機で飛び回り、金持ちで名の知られた、権力の中枢にいる人物と親しく付き合い始めている。彼はベルリンへ飛び、アンゲラ・メルケルドイツ首相と会い、民主主義を標榜する人物、たとえば、キエフ市長のヴィタリー・クリチコと会っている。米国がウクライナにおけるカラー革命に積極的に関与していた当時、クリチコはしばらくの間西側の寵児であった。ウンはホワイト・ヘルメットのボスであるラエド・アル・サレーとも会った。実情を知らない人たちのために追記すると、ホワイト・ヘルメットは西側のプロパガンダのための組織であって、テロリストのグループであるアルカエダやジャフバド・アル・ヌスラ(現在はタフリル・アル・シャムと称する)と親密な関係を保っている。(訳注:さらに詳細を追記すると、ウィキペディアによれば、ホワイト・へルメットへの出資の多くは米英両国によって賄われているが、他にもカナダ、デンマーク、ドイツ、日本のJAICA、オランダ外務省、ニュージーランド外務省が含まれる。私自身は日本政府もホワイト・へルメットへ出資しているとは夢にも思わなかった。)本来ならば中国における純粋に草の根的な組織の運動である筈だが、香港でのこの反政府運動のリーダーとシリア紛争の当事者との間にいったい何が共通要素として存在するのであろうか? 表面的には何もない。しかしながら、深層を覗いてみると、あらゆる事柄が見え始める。両者はプロパガンダ組織であり、西側(米英)が推進する外国に対する介入や干渉のために必要なツールなのである。
 
背景の概要: ホワイト・へルメットとアル・ヌスラとの繋がり

ホワイト・ヘルメットは、(今も続いている)シリア内紛の当初、シリア市民の救済者を装ってシリア国内を英雄でもあるかのように闊歩していたものである。彼らはテレビのドキュメンタリーでは大スターであった。こうして、オスカーを受賞した。オスカー賞が彼らの演技に贈られたのだ。実際、その通りであった。文字通り、それは彼らの「演技」に対するものであった。ホワイト・ヘルメットは2013年に英国の元雇用兵で諜報工作員でもあったジェームズ・ル・メジュリエによって設立された 。真の意味で自立したジャーナリストであるヴァネッサ・ビーリーや他のジャーナリストらはホワイト・ヘルメットが米・英・イスラエルが資金を提供していたさまざまな反政府テロリスト・グループ(正式に選出されたバシャル・アル・アサド大統領と戦っていた)の最前線を担っていることを暴露した。このビデオ、あるいは、こちらのビデオを見ていただくと、ビーリーが、アレッポ東部のサクール地区において、アレッポにおけるアル・ヌスラ・フロントの拠点からはたった20メートルしか離れていない、今や放棄されてしまったホワイト・ヘルメットの地区センターの中を歩いている様子が観察される。事実、両組織の地区センターの間にはお互いに行き来する入り口がいくつもあって、両者を区切っているのは遊び場の壁だけである、とビーリーは指摘している:

2017年の430日、アレッポ東部のサクール地区で今では放棄されているホワイト・ヘルメットの拠点を見学した。これはアレッポ東部でかっては最大の規模を誇り、もっとも頻繁に喧伝されて来たホワイト・ヘルメットの拠点であった。破棄された書類を見ると、米英とEU各国がこのグループを支援していたことが判明する・・・ さらには、ヌスラ・フロント、ISIS、および、他の過激派がコントロールする地域において、ホワイト・ヘルメットはこれらの勢力に配属されていたことを示している。これらの勢力はシリアの人口の20パーセント程をコントロール下に置き、ホワイト・ヘルメットが支援し、物資の供給を続ける過激派勢力の手によって数多くの市民は飢餓や必需品の不足、医療サービスの欠如を余儀なくされ、投獄、拷問、処刑、レイプ、等の極端な苦難に曝された。」

(訳注: 調査報道のジャーナリストとしてのバネッサ・ビーリーについてはこの「芳ちゃんのブログ」でもご紹介したことがある。私は、2018619日、「シリア政府軍の沈黙した英雄の前でプライベート・ライアンが恥じる時」と題して投稿した。ビーリーは明確な理念と断固とした行動規範を持っている、尊敬に値するジャーナリストである。彼女は下記のように語っている:私は独立した研究者で、執筆を行い、写真家でもあります。必要な経費は100パーセント自己負担です。資金提供者の意図によって影響を受けやすい多数の大手メディアや国家の支援を受ける独立メディアとは違って、私の場合は、そうすることによって私自身の独立性を可能にしているのです。私は平和活動にも焦点を当て、国外からの干渉や独立国家の内政に介入することもなく、国家主権や市民自らの決断を防護します。)

香港の反政府デモのリーダーであるジョシュア・ウンがネオコン派でクーデターを画策するマルコ・ルビオと面会:

もしもジョシュア・ウンが自分自身を草の根運動のリーダーとして描き上げたいとするならば、彼が今行っている仕事は考え得る範囲では最悪であると言えよう。それを示す証拠は驚くばかりだ。彼は米国の対外政策や外国の政府を転覆させる取り組みに投入される一介の歩兵に過ぎない。そういった取り組みは悪名高いNGOによって実行される。たとえば、米国民主主義基金(NED)だ。香港の反政府デモの参加者の大部分は草の根的な活動家であって、ごく普通の市民であるとしても、これは事実だ。Taunting the Dragon: Background to US-China Trade War & Hong Kong Protestsと題された記事を含めて、多くの記事で報じられているように、ウンは香港の米総領事館の高官のひとりであるジュリー・イーダーと面会しているところを目撃されている。

とりたてて驚くことではないかも知れないが、もしもあなたが今までの話の脈絡を辿っているならば、彼は好戦派やネオコンであって、ベネズエラでのクーデターを画策したマルコ・ルビオとさえも面会している事実をお互いに確認しておこう。私は、2019年の前半に米国が推進していたベネズエラでのクーデターにおけるルビオの役割を強調した。私は上記でリンクを貼った「Taunting the Dragon 」の記事でルビオが中国を北京とウィグルの少数派とに分断する立法化を準備していたという事実についても報告した。ウンがルビオと面会した理由は如何にして香港を中国から引き離し、北京政府に考え得る中でも最大級の困難さをもたらすことができるのかという点にあった筈だ。それ以外にはルビオと会う必要性なんて皆無だったのでは? 

香港の反政府運動:米国の介入と「解放」を要請?

中国人民との関係においては中国政府は「残忍で独裁者として」振舞うことがあり得ることから、香港の反政府派がトランプ大統領に「彼らを解放する」ことを要請するプラカードを掲揚しながら彼らはいったい何を考えているのかを思い計らう必要があろう。(運よく)火の中から飛び出して、(不運にも)チリチリに焼けたフライパンの中へ飛び込むような状況を議論しておきたい。彼らはいったい何を望んでいるのか?米国が中国を攻撃し、香港を割譲するとでも?彼らは北京政府が米中貿易戦争の圧力の前に屈して、深刻な結果を招くこともなく米国が香港に介入することができるとでも思っているのか? RTの報道によると、201998日に展開された最近のデモではこんなことが起こった:

何千人もが香港の反政府デモに参加し、新たに騒乱が起こり警察と衝突した。彼らはワシントン政府に向けて中国の支配から自分たちを解放するように訴えた。これはデモ参加者の一部は今や米国を自分たちの擁護者として見ていることを示すものだ。日曜日に何千人もの反政府派が米総領事館に向かって行進した。彼らはドナルド・トランプ大統領に何週間も続いている政治的大混乱に介入するよう訴えた。ビデオに収録されたデモ行進の様子を見ると、デモ参加者らは米国の国旗を振り、米国の国歌を歌い、自分たちの携帯電話でスピーカーを通して米国の国歌を流した。」

米国による干渉はカラー革命の支持者が米国の国旗を振り、米国の国歌をスピーカーで流すといった実に騒々しい状況を現出するまでになった!なんてこった!数週間前には連中は英国の国旗を振っていたものだ。自分たちを植民地として統治していたイギリスの国旗だ。また、RTは香港デモのリーダーであるジミー・ライ、ならびに、もっと草の根的なマーチン・リーについても報じている。彼らは、ユダヤ主義者でありネオコンでもある元CIA長官のマイク・ポンペオ国務長官と面会した:

「反政府運動のリーダーの一人は香港の富豪として知られているジミー・ライである。彼の会社はアップル・デイリーと称され、もっとも広く読まれている地方紙を所有している。もう一人は法廷弁護士で政治家でもあるマーチン・リーだ。リーは香港で民主党を設立し、その党首を務める。デモの最中にふたりはワシントンを訪れ、マイク・ポンペオ国務長官を含む米政府高官らと面会した。

トランプとブッシュの両政権で顧問を務めたクリスチャン・ウィトンは、この夏、香港でライとリーの二人に会っているが、彼は中国政府に対してこういった危機をもたらすことは米国の国家利益に適うことであると言った。」

最後に思うこと:

香港デモは今や15週目を迎えているが、収束の兆しは見られない。米国がロシアを第一の敵国と見なすことから中国を第一の敵国と見なすことにゆっくりと方向転換しようとしている今、皆さんは中国恐怖症が一段と目立ってくることに気がつくことであろう(そして、ロシア恐怖症は低下していく)。外国からの干渉が増え、台湾や香港、ウィグル、ダライ・ラマ(チベット人)に対する支援だけではなく、中国を統治する中国共産党に反対するその他の少数民族に対する支援も増加することであろう。今、われわれは21世紀にいるが、これらの経済的、政治的干渉における性質の悪い悪戯は21世紀の新ハイブリッド戦争の重要な一部を成しているのである。

著者のプロフィール:マキア・フリーマンは代替メディアで、独立したニュース・サイトであるThe Freedom Articles の編集者であり、ToolsForFreedom.com.の上級研究者を務めてもいる。マキアはSteemitFBにも登場する。

初出: この記事の初出は「Global Research」。

原典: 

https://www.mintpressnews.com/james-le-mesurier-british-ex-military-mercenary-founded-white-helmets/230320/

https://www.youtube.com/watch?v=r4JFcB-sHv8

https://thefreedomarticles.com/ngos-choice-tool-subversion-nwo/

https://thefreedomarticles.com/taunting-dragon-us-china-trade-war-hong-kong-protests/

https://twitter.com/SpeakerPelosi/status/666795258747953152

https://www.rt.com/news/468361-us-hong-kong-protesters-meddling/


著作権 © Makia Freeman, Global Research, 2019

<引用終了>

これで全文の仮訳は終了した。

大手メディアを読んでいるだけでは香港における民主化デモの実態は見えにくい。

香港民主化運動のリーダーたちの側面を詳しく調べてみると、草の根的な民主化とは相性の悪い状況が見えてくる。もっとも素朴で基本的なな疑問は、著者が指摘しているように、こういったリーダーを本当に信じることができるのかという点であろう。香港の一般市民は集団暴行を見せ始めた反政府デモを諸手をあげて歓迎することができるのだろうか?

ここには、言論の自由や民主主義といった美辞麗句を駆使して資本家の金儲け主義が利益を追求する姿勢がありありと見えてくる。中国を米国の覇権の下に跪かせるということは必ずしも表向きの民主主義を中国にもたらすことが優先される訳ではない。ましてや、中国に人権の尊重を根付かせようとするものでもない。中国の膨大な資源を自分たちの手中に収めることが中核的な目標であることを見過ごしてはならない。さもなければ、新植民地主義の本質を見失うことになってしまうであろう。

613日のある記事(注2)によると、反政府運動のオーガナイザーは米国のNEDが自分たちのメンバーの何人かと関係を持っていることについてはまったく何も気付いてはいない。奇妙に思えるかも知れないが、それだけに、NEDの行動は実に巧妙に進められているということであろう。


参照:

1Hong Kong Protest Leader Hangs Out with White Helmets Boss: By Makia Freeman, Information Clearing House, Sep/13/2019

2American Gov’t, NGOs Fuel and Fund Hong Kong Anti-Extradition Protests : by Alexander Rubinstein, Jun/13/2019