2023年12月27日水曜日

歴史に残る超巨大な組織犯罪

 

2024年の米大統領選において民主党候補として選挙運動を開始したロバートFケネデイ・ジュニアは、最近、民主党からは離れ、独立した候補者の立場へと移行した。彼は無党派層や若者たちの間で絶大な人気を博している。

2021年に発刊された「The Real Anthony Fauci」に続いて、彼の新著「The Wuhan Cover-Up」が、今、注目を集めている。

2023年の世界では極めて大きなテーマがいくつも並び、2024年に移行しようとしている。しかも、巧妙にも秘密裏に。

たとえば、新型コロナ禍を通じて甘い汁を吸ったワクチン推進派は次のパンデミックに備えるとの錦の御旗のもとで各国の保健当局の主権を奪い、WHOに決定権を与えようとしている。その主たる目標は世界政府の樹立だ。世界政府の最終的な目標は巧妙に隠されてはいるが、世界の人口を現在のそれの10%にまで低減させることにあると言われている。もしもこの陰謀論が現実の政策となれば、全世界にもたらされる影響たるや、まさに想像を絶するものとなろう。

もうひとつは、米国による単独覇権構造が、今や、多極化世界へと移行し始めたことだ。米ロ間の代理戦争であるロシア・ウクライナ戦争の決着はまだ不明であり、予断を許さないが、地上の状況を見ると、ウクライナ側にとってそれは極めて不利であると言わざるを得ない。しかしながら、米国の単独覇権を推進する勢力はこのような趨勢を手をこまぬいて傍観するだろうか。決してそうではないと思う。ありとあらゆる手段を駆使して、多極化世界への移行を食い止める、もしくは、遅延させようとするだろう。ノルドストリーム・パイプラインの破壊工作は典型的な事例だ。もちろん、単独覇権から多極化世界への移行が起こるとしても、それは長い時間を要するプロセスである。今後、10年、20年といった長い期間を経て初めて、われわれ一般庶民にとっても肌で感じられるような変化が現出することであろう。

要するに、今、われわれは文明社会の歴史上でもっとも混沌とした、激動の最中に生きていると言える。

ここに、ロバートFケネデイ・ジュニアの新著を紹介する「歴史に残る超巨大な組織犯罪」と題された最近の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。歴史上でもっとも混沌とした今の時代を少しでも深く理解したいと思う次第だ。

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副題:ロバートFケネデイ・ジュニア著の「The Wuhan Cover-Up」を紹介

ロバート・F・ケネディ・ジュニアの新著「武漢隠蔽工作」に記された実話はマックス・フリッシュの戯曲「ビーダーマンと放火犯」を長い間思い起こさせてきたが、その戯曲では、まともな中流階級の人々はありふれた光景の中に紛れ込んでいる放火犯を見抜くことができない。放火犯の一人が言うように、「ユーモアや感傷よりも遥かに優れている偽装は真実である。なぜなら、誰もそれを信じようとはしないからだ」。

多くの米国人はパンデミック対策を指揮した「バイオセキュリティ専門家」の幹部や製薬会社のボスが新型コロナ感染症の原因物質である新型コロナウィルスを作り出した人物と同一人物であるという事実は未だに信じられないままでいる。

この集団の幹部らはカリフォルニア州のグレンデール市の消防署長を務めた、放火捜査官であり、事件の重要な公式捜査官を務めながらも30年間に2,000件もの放火事件を引き起こしたと信じられているジョン・レナード・オアを思い起こさせる。

中国の武漢が感染症の震源地として特定された後、WHOは病原体の起源を調査するためにピーター・ダザック博士が率いる代表団を派遣した。同博士が率いる「エコヘルス・アライアンス」はこの感染症を作り出す上で極めて重要な役割を負っていた。驚くことではないかも知れないが、ダザック氏と彼の同僚は研究所からの漏洩は「あり得そうにはない」と結論付けた。

確かに、保健福祉省や国立衛生研究所、国防総省などの政府機関がやっていることをマフィアの金儲けの仕事として見分けることは難しいということを普通の人たちが簡単に理解することは決して容易くはない。

「武漢隠蔽工作」はこのマフィアの金儲けがどのように生まれたのか、そして、その活動が武漢の研究所で新型コロナウィルスを作り出し、同研究所から漏洩させることに至ったのかについて丹念に、かつ、詳細に記録しているという点で非常に貴重な本である。この金儲けの起源はふたつの基本的な要素に根ざしている:

1). 軍事力を拡大し、戦争を遂行する米国の手には負えない性癖。

2). 感染症に対する恐怖心。

1795420日付けの手紙で戦争というものを振り返ってみよう。ジェームズ・マディソンは次のように述べた(訳注:ジェームズ・マディソンは第4代米国大統領で「憲法の父」として広く知れ渡っている):

公共の自由に対するあらゆる悪の中で、戦争はおそらく最も恐ろしいものである。何故ならば、それはあらゆるものから成り立ち、あらゆるものをもたらすからだ。戦争は軍隊の専売特許だ。軍隊から借金や税金へと進む。そして、軍隊や借金へ進み、税金は多数の国民を一部の少数者の支配下に置くのによく知られた手段である。戦争においては行政官の裁量権は拡大される。役職や名誉、および、報酬を扱うその影響力は倍増する。そして、人々の心を誘惑するあらゆる手段が人々の力を鎮圧する手段に付け加えられる。絶え間のない戦争の真っ只中にあって、如何なる州も自由を守り切ることはできなかった。

1961年のお別れの演説で、アイゼンハワー大統領は絶え間のない戦争遂行能力の増強がいかにわが共和国を巻き込むことができるかについて米国の国民に警告を発した。

政府の審議会においては、軍産複合体による不当な影響力の獲得を、たとえそれが故意であろうとなかろうと、警戒しなければならない。見当違いの権力が悲惨な形で台頭する可能性が存在し、それは今後も続くであろう。われわれはこの組み合わせの重みがわれわれの自由や民主的プロセスを危険に曝すことを決して許してはならない。

ロバート・F・ケネディ・ジュニアが指摘しているように、新型コロナの惨事はアイゼンハワーが警告していた複合体の神格化である。本書の冒頭の章では生物兵器開発の歴史が詳述されており、病原体の兵器化とそれに対する対策の策定に軍産複合体が関心を寄せるようになった背景が詳述されている。

この堕落した事業について彼が書いた極めて魅力的な歴史に続いて、彼は読者にこの事業がどのようにして毒性の強い呼吸器系コロナウイルスに焦点を当てるようになったのかを示している。そして、中国南部の省の洞窟からコウモリのコロナウイルスを採取し、武漢ウイルス研究所に米国のバイオテクノロジーを移転して、新型コロナウィルスを生み出した主要な当事者や機関について生き生きとした肖像画を描いている。

新型コロナウィルスをもたらした機能獲得研究プロジェクトはコウモリのコロナウイルスのどの種がヒトに感染し、人間の間で伝染性を持つようにするために必要な特性を進化させる可能性がどれだけ高いかを予測できるという詐欺的な主張に基づいていた。その目的は野生のコウモリからこれらのウィルスを特定して、採取し、実験室で人間に感染させることであった。これらの病原体は生物兵器として、そして、ワクチンの開発と試験のための薬剤として二重の用途に利用できるという可能性を持っていた。

この試みは、1985年の映画「スパイズ・ライク・アス」を髣髴とさせるが、その中でペンタゴンは新しいICBM防衛システムをテストするには米国に向けてICBMを発射する必要があると結論づけている。

新型コロナウィルスの怪物が武漢の研究所から脱出した後、それを作ったのと同人物であるフランケンシュタイン博士の多くはその起源を隠蔽し、科学的な権威と称されるものを駆使して、自分たちの利益と製薬業界の友人たちの利益のためにパンデミックへの対応策を指示した。

私は経験豊富な実録犯罪を取り扱う作家のひとりとして、「武漢隠蔽工作」は人類史上最大の組織犯罪を綿密に記録し、証拠を提示している書籍であると自信を持って断言できる。この本は、歴史的、法律的、科学的な学問において並外れた作品であり、この人道に対する罪の現実を理解したいと願うすべての市民のための参考書として機能することであろう。

もしこの世に正義があるとするならば、この隠蔽工作の加害者たちは全員が刑務所に放り込まれるであろう。文壇の重鎮たちが本書について少しでも理解があるならば、ケネディのノーベル賞受賞を確実にするだろう。通常、ノンフィクション作家には授与されないが、2015年のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのソビエト連邦に関する報道に対する授与には例外としての前例が存在する。

もし米国国民に少しでも分別があるとすれば、2024年の大統領選ではケネディに投票するであろう。彼の教育、知性、洞察力において、彼はよろよろとしているバイデンや猛烈なトランプの頭上を越して聳え立っている。

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これで全文の仮訳が終了した。

引用記事の著者であるジョン・リークは新型コロナ禍を「歴史に残る超巨大な組織犯罪」と称した。

これは、どう見ても、見事に当たっていると言えよう。何故ならば、政府筋や専門家による当初の説明や解説とは異なって、新型コロナワクチンは益をもたらすのではなく、より多くの害をもたらしたという事実が明らかになって来たからだ。ワクチン接種の開始後の超過死亡の急増がそれを端的に物語っている。

世界中の政府は、死亡率を下げるための唯一の介入策として新型コロナワクチンに大きな信頼を寄せていた。しかし、前向き無作為二重盲検プラシーボ対照試験では新型コロナワクチンによる死亡数の減少が実証された事例はなかった。それどころか、世界中のあらゆるデータシステムが同ワクチンの集団接種と同時に死亡率が上昇したと報告している。たとえば、

シュワブと林は死亡率の時間的な傾向を研究するために日本とドイツのデータを使用した。両国とも優れた報告制度を持っている。日本(人口125.7 百万)とドイツ(人口83.2 百万)については、2023618日と2023514日現在、それぞれ合計で392,346,325回と193,232,623回のワクチン接種が行われたとWHOが報告した。これは1人当たりで23回の接種を受けたことに相当する。彼らは集団予防接種の開始と同時に死亡率が急上昇していることを見い出した。パンデミックの終わりには、虚弱者や高齢者は不釣り合いな程多くの死亡に見舞われるため、通常、淘汰効果が現れ、死亡率は下がる筈である。ワクチンが効いているとすれば、死亡率はもっと下がる筈であった。だが、日本とドイツのデータはそれとはまったく異なる状況を示している。(出典:All-Cause Mortality Up after Mass COVID-19 Vaccination: By Peter A. McCullough, MD, MPH, Jun/20/2023

また、英国の著名なジョナサン・クック博士は超過死亡の累積データを示し、その急上昇振りを示した。不幸なことには、同博士は巨大な製薬企業集団によって晒し者にされた。

超過死亡の問題は、パンデミックで浮上した多くの問題のひとつにすぎないが、おそらく最も深刻な問題である。自分自身の調査を行うために並外れた努力を払い、インターネット検閲やそのアルゴリズムを首尾よく回避することができない限り、あなたはこれらの問題の展開について知らない可能性が高くなる。政治家も大手メディアもこれについて公表してはいないからだ。

欧米諸国の政府はあたかも真実を知るよりも、むしろ大勢の人々を不必要に死なせ、医療サービスに多大な犠牲を強いることを好んでいるかのようである。次のパンデミックが近づいていると信じるのであれば、これらの政府は超過死亡の原因となった可能性のある新型コロナ禍中に犯した諸々の過ちをまたもや繰り返すリスクを冒すことを大層喜んでいるかのようだ。

メディアは何を主張しようとも、政府や医療体制に対する監視役ではない。メディアは彼らと共謀して、公衆に対抗している。実際、これら三者の利益はお互いに密接に一致している。

なぜだろうか?なぜかと言うと、政府は大企業によって捕捉されているからである。医療当局は大手製薬会社から資金提供を受けており、それが当局の高官たちのキャリアの成否を左右する可能性があるからだ。メディアは億万長者らによって所有されており、富を集中させる広報部門に過ぎず、ファイザーのような製薬会社の犯罪的な暴利を常態化させる新自由主義のチア―リーダー役として機能しているからだ。

Photo-2:超過死亡について沈黙を続けている理由として考えられる理由は政府やメディア、規制当局がこの研究によって明らかになるかもしれない真実を恐れているからだ

(出典:Across the West, People Are Dying in Greater Numbers. Nobody Wants to Learn Why: By Jonathan Cook, The Unz Review, Jul/18/2023

このPhoto-2のキャプションはすべてを言い切っている。われわれが今住んでいる世界はその程度のレベルの世界なのである。多くの場合、大手メディアは西側の民主主義や自由、人権の尊重を美辞麗句を駆使して描写し、礼賛することに余念がない。あたかも西側諸国はそういった理想的な社会であるかのように一般大衆を洗脳し、錯覚を与えてきたのだと言えよう。彼らにとっては一般大衆は無知であることの方が都合がいいのだ。


参照:

注1:The Greatest Organized Crime In History: By John Leake, Courageous Discourse, Dec/07/2023

 

 


2023年12月22日金曜日

ファイザー社は新型コロナワクチンに関して虚偽の主張をし、誤導したとして告訴

 

昨年の1113日に「新型コロナワクチン鉱山のカナリアはとうの昔に死んだ」と題して投稿した。

その冒頭で当時の新しい潮流について私は個人的な理解を下記のように記した:

新型コロナワクチンの安全性、つまり、副作用の厳しさや致死性に関する議論や見解、新たな論文、等が、今や、頻繁に報じられるようになった。しばらく前はワクチン接種の実施に対して障害となるような反論は徹底的に議論の場から退けられ、学術的な議論が成立しない状況が現出していた。反論者たちはハイテック企業や大手メディアによって彼らがもっとも必要とする議論の場から追い出され、場合によっては医師免許を剥奪されるといった形で徹底的にキャンセルされた。言論の自由は、単純に言って、商業主義によってハイジャックされ、無惨にも抹殺されていたのである。

だが、今や、言論の自由の復活を目指した潮流が新たに現れようとしている。まさにジェダイの復讐のようである!

当時観察された新しい流れはワクチンの安全性に関して提示されたデータに基づいて成された種々の反論であった。上記の投稿に続いて、この新たな潮流を示すものとして私は他にもいくつもの投稿を続けた。たとえば、

2023428日:英国政府は新型コロナワクチンが記録的な数の労働年齢の市民を殺したことをそれとなく認める

2023323日:シュワブの研究は新型コロナワクチンが多くの人たちを殺していることを証明

2023130日:クリーブランド・クリニックで行われた大規模な研究によると、ワクチンを接種し続けると新型コロナに感染し易くなる

あの投稿から1年以上が過ぎた。今、米国ではもうひとつの新たな潮流が見え始めている。それはファイザー社に対する訴訟である。

ここに「ファイザー社は新型コロナワクチンに関して虚偽の主張をし、誤導したとして告訴」と題された最近の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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Photo-1

私や他の人たちは新型コロナワクチンの利点についてワクチンメーカーが行った誇張された主張について指摘し、報告した。

たとえば、202011月、ファイザー社はプレスリリースで同社のmRNAワクチンは「新型コロナ疾患に対して95%有効」であると主張し、結果を発表した。この統計数値は政治家や学者、メディアによって広く引用された。

数週間後、試験の詳細が公表されたとき、95%の「相対的リスク低減」はたった0.84%の「絶対的リスク低減」に対応していることが明らかになった。だが、この遥かに保守的な数値は公にされることはなかったのである。

(誤導しかねない)統計数値が一般の人々に伝えられた。このような状況はワクチンの有益性について人々の認識を歪め、ワクチン接種への意欲を不当に高めた可能性が高い。

また、私はファイザー社が免疫力の低下に関するデータをどのように隠蔽したのかについても書いた。規制当局への提出書類によると、ワクチン接種キャンペーンの初期に、ファイザー社はワクチンの有効性が低下するという証拠を持ってはいたが、一般の人々に警告するまで数ヵ月間も待たせることにした。

ファイザー社はなぜデータの公表を遅らせたのかについては説明していないが、当時、ワクチンの有効性が薄れていることを国民に伝えていたら、ワクチンの接種を妨げていたことであろう。

これらの欺瞞的な慣行は、現在、ファイザー社に対する訴訟理由の一部となっている。

テキサス州のケン・パクストン司法長官は、今週(1127日の週)、ファイザー社がワクチンの「有効性を意図的に偽って伝え」、公開討論でワクチンに関する「真実を広めると脅した」人々を検閲したとしてファイザー社を訴えると発表した。


Photo-4Texas Attorney General Ken Paxton

パクストンは声明で「われわれはテキサス州の人々のために正義を追求している。州民の多くが虚偽情報の下で売られた欠陥製品を受け入れるよう専制的なワクチン接種の義務化によって強制された・・・ 事実は明らかである。ファイザー社は新型コロナワクチンについて真実を語らなかった」と記した。

パクストンは1000万米ドル以上の民事制裁金を求め、ファイザー社が同社のワクチンの有効性について公に話すことを禁じる裁判所からの命令を求めている。

訴訟内容:


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 54ページに及ぶ訴訟文書によると、ファイザー社は「いくつかの面で欺瞞キャンペーン」を行い、その結果、同社は「その欺瞞的な行為によって著しく不当に利益をあげる」ことになった。

第一に、予防期間:FDAはファイザー社のワクチンを最初に承認した際、ワクチンの効果が2カ月を超えてどの程度持続するかを知ることは「不可能」であると認識していた。しかし、2021年の初頭、ファイザー社は、自社のワクチンの効果は継続し、持続的な予防効果があるという誤った印象を意図的に作り出し、有効性が急速に低下していることを示す関連性の高いデータや情報を一般の人々から隠蔽した。

第二に、感染:FDAはファイザー社に対し、ワクチンが新型コロナの感染者から他の人への「感染」を防ぐかどうかを判断するために、追加情報が「必要」であると警告した。しかし、ファイザー社は恐怖を煽るキャンペーンを展開し、米国人が愛する人を新型コロナに感染させないためにはワクチン接種が必要だとほのめかし、1年にもわたってパンデミックに対する国民の強い恐怖心を活用した。

·第三に、変異株からの防御:ファイザーは、いわゆるデルタ変異株を含む、さまざまな変異株に対するワクチンの有効性について故意に虚偽の主張を行い、裏付けのない主張をした。同ワクチンはデルタ株に対しては著しく劣悪な効果を示し、ファイザー社自身のデータもこの事実を裏付けている。それにもかかわらず、ファイザー社は同社のワクチンは「デルタに対して非常に、非常に、非常に効果的である」と国民に伝えた。

この訴訟はファイザー社が「同社の欺瞞キャンペーンの効果を長引かせる」ために、新型コロナワクチンに関する事実情報を投稿した人たちを脅迫し、沈黙させるというあからさまな行動さえも取ったと述べている。

また、パクストンは「自社製品の失敗が明らかになると、ファイザー社は真実を語る人たちを沈黙させることに軸足を移した」と述べている。

この訴訟では、ジャーナリストのアレックス・ベレンソンが検閲された人物の一人として名前が挙げられている。それによると、ベレンソンはmRNAワクチンに批判的な情報を何十万人ものフォロワーのために投稿したため、ファイザー社は「ベレンソンを沈黙させ、彼の発言を公の議論から排除しようと企んだ」という。

ソーシャルメディアプラットフォームに真実の情報を検閲するよう強制したことに加えて、この訴訟はファイザー社がワクチン懐疑論者を脅迫したと述べている。たとえば、202111月、同社のCEOであるアルバート・ブルラは彼らを「文字通り何百万人もの命を奪う犯罪者」と呼んだ。

要約すると、この訴訟は次のように述べている:

ファイザー社は新型コロナワクチンの有効性について米国民を誤解させるために多面的な計画に故意に、かつ、無謀に関与し、肯定的な虚偽の陳述を行い、重要な情報を差し控え、ワクチンの販売と消費を増やすため、ファイザー社の欺瞞的な計画に反論し、真実の情報を広めようとする個人に対しては検閲および抑圧を加える措置を講じた。

多くの人たちはこの(テキサスの)動きを歓迎し、政治的な影響をもたらし、他州が同様の訴訟を起こすことを助長したりする可能性があると述べている。

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これで全文の仮訳が終了した。

米国では全州の約半分の州知事は、テキサス州と同様、共和党系である。今後、テキサス州の事例に続いてファイザー社に対する告訴が繰り返されるのかどうかが見物である。

ここでファイザー社の20202023年度の売り上げ額の推移を見てみよう:

  • 2023年度の総売り上げとして670710億ドルを予測。前年比で3329%減。
  • 2022年度の総売上額は1003億ドル。前年比で23%増。
  • 2021年度の総売り上げ額は 813億ドル。前年比で95%増。
  • 2020年度の総売り上げ額は416億ドル。前年比で 1.8%増。

これらの数値を見ると、悪名高い新型コロナワクチンが売り上げ高の急増に大きく寄与したことは明白だ。こうした結果が容易に予見できたからこそ、ファイザー社の経営陣は常識に逆らい、ビジネス倫理の要請を無視し、CDCFDAを抱き込み、WHOを巻き込み、プロフェッショナルとしての誇りを捨てることさえも厭わなかったのだと言えよう。

2021年度の決算報告を受けて、ガーディアン紙はファイザー社のmRNAワクチンを歴史上稀に見る高収益製品であると評価した。メディアもチア―リーダー役を演じたのである。

新型コロナワクチンを世界中で販売し、世界人口の6人当たりでひとりの割合でワクチン接種をさせたこと自体は、ガーディアン紙が述べたように、ビジネス至上主義の観点からは順風満帆に見えた。だが、ワクチン接種を半ば強制的に受けさせ、個人の行動の自由を規制し、個人の権利を剥奪して、違反者には罰金を課すといった専制主義的な政策を実行し、学問的な論争を封じ込めてワクチンの安全神話を持続させ、これに反した医師については医師免許を剥奪するに及んだ。さらに悪いことには、数多くの死亡者の発生には正面から向き合わず、ワクチンを提供した当事者の製造物責任を回避した。その結果、このビジネスモデルは方々で反感を買った。ワクチンを受けたがために亡くなった肉親を抱えている数多くの家庭、特に、10代や血気盛んな若者を失った家族は死因に関して十分な説明を得られないまま放置されている現状にはやり切れない思いであろう。ファイザー社は20212023年に売り上げを膨大に増やしたが、今後、その成功物語の後処理に膨大な経費を計上しなければならないのかも知れない。

このような状況はモンサント社(現在はバイエル社)の悪例を髣髴とさせる。同社は除草剤ラウンドアップの販売で癌の発生を促したとして起訴され、集団訴訟に見舞われた。ラウンドアップ除草剤による非ホジキンリンパ腫の発癌に関する最近の集団訴訟は、「Monsanto Roundup Lawsuit Update (by Ronald V. Miller, Jr.)の情報によると、202311月現在、バイエル(モンサント)は、約10万件のラウンドアップ訴訟で和解合意に達している。バイエル(モンサント)は約110億ドルを支払った。バイエルは訴訟で大規模な案件を抱える原告側の弁護士とブロック和解の取り決めを交渉することで、これを達成した。まだ4万件の未解決の訴訟が残っているという。1120日のアップデートによると、ミズーリ州の陪審員は金曜日(1117日)、モンサント社に対し、除草剤ラウンドアップが非ホジキンリンパ腫を引き起こしたと主張した3人の元使用者に対し、15億ドル以上の損害賠償を支払うよう命じた。この訴訟では、ニューヨーク州のヴァロリー・ギュンター氏、ミズーリ州のジミー・ドレーガー氏、カリフォルニア州のダニエル・アンダーソン氏が原告となった。3人とも非ホジキンリンパ腫と診断された。陪審員は、ラウンドアップの危険性について十分な警告をしなかったために、モンサント社が彼らの負傷に責任があると判断した。

ここで、ファイザー社の事例に戻ろう。ファイザー社が新型コロナワクチンの安全性を十分に確認しないまま、FDAから緊急時の使用について仮承認を取り付け、その副作用については十分な警告を与えなかったとして集団訴訟に巻き込まれたとしたら果たしてどうなるのであろうか?

参照:

1Pfizer sued for “false and deceptive” COVID-19 vaccine claims: By MARYANNE DEMASI, PHD, Dec/01/2023

 




2023年12月19日火曜日

ウクライナに対する支援はEUの終焉を招く ― 政治家たちが警告

 

ウクライナは今年の6月から鳴り物入りの「対ロ大攻勢」を試みてきたのだが、何の軍事的成果ももたらさずに終わった。これによって、西側では国際政治の舞台におけるゼレンスキー大統領のカリスマ性は地に堕ちた。

ウクライナ軍が戦場で見せたこのような現実の姿は今までプロパガンダを通じて伝えられていた戦況とは異なり、大量の兵器をウクライナに送り込み、NATOへの加盟という甘味な勧誘をチラつかせてウクライナに代理戦争を強いてきた西側にとっては完全に予測の範囲外であった。今や、すっかり「ウクライナ疲れ」を引き起こしている。ヨーロッパ経済の牽引役であったドイツはロシアからのエネルギーの輸入を絶つという西側の対ロ経済制裁に参画した。だが、米国は強力な盟友であるドイツのノルドストリーム2のパイプラインの稼働を認めず、挙句の果てには破壊工作を実行した。ドイツは米国からLPGを輸入し始めたが、このLPGの輸入価格は以前ロシアから輸入していた天然ガス価格の4倍にも跳ね上がったという。それだけではなく、原油価格も上昇した。こうして、新型コロナ禍によって鈍化していたEU圏の経済はさらなる停滞を強いられている。ドイツの産業界は国際市場における競争力を失い、今や、脱工業化の流れに入ったかのようであると伝えられている。

ウクライナに対する米国からの財政支援については、新たな支援パッケージが米国の二大政党間の駆け引きによって振り回され、議会はクリスマス休暇に入り、見送りとなった。米国の世論を見ると、米国政府はウクライナに対して税金を浪費し過ぎているとして納税者の半数が政府を批判していると報じられている。

ここに「ウクライナに対する支援はEUの終焉を招く ― 政治家たちが警告」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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Photo-1© AFP 2023 / JUAN MEDINA

EU加盟国はキエフ政権を支えなければならないことによる副次的影響に苦しんでおり、「ウクライナ疲れ」がヨーロッパ中に忍び寄っている。さらに、ウクライナをめぐる対ロ経済制裁が裏目に出て、ヨーロッパ経済に大打撃を与えた。ドイツのようなケースでは産業の空洞化の危機に瀕している。

ヨーロッパが「産業と経済の砂漠地帯」と化す前にウクライナ紛争を止める必要があると、フランスの国会議員であり、右派の政治運動「フランスよ、立ち上がれ」(「Debout la France」)の指導者でもあるニコラ・デュポン・エイナンはX(旧ツイッター)への投稿で警告を与えた。

同政治家によると、この紛争はヨーロッパを破滅させている。「われわれはゼレンスキーに金を渡し、米国で天然ガス代を4倍も支払っており、わが国では貧困が爆発的に拡大している!」と述べ、デュポン・エイナンは怒りを顕わにした。

Photo-2Screenshot of X post by Nicolas Dupont-Aignan, Deputy of the French National Assembly. © Photo : dupontaignan/X

ニコラ・デュポン・エイナンは手遅れになる前に「和平計画」が必要だとして、繰り返して訴えている。

ドイツ系フィンランド人のインターネット起業家であり、今や使用されてはいない「メガアップロード」ファイルの共有サービスを行う「キム・ドットコム」の創設者はソーシャルメディア・プラットフォーム上でヨーロッパに対して同様の悲惨な警告を発した。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は非EU国家であるウクライナに関する発言によって欧州連合 の破壊を招いていると、キム・ドットコムはXに書いている。

Photo-3Screenshot of X post by Kim Dotcom. © Photo : KimDotcom/X

「この瞬間を思い起こして貰いたい」と彼は言った。「各国はすべての重要な決定については全会一致を約束してEUに加盟することに合意した。だが、この約束は、今、破られようとしている。欧州連合(EU)の終焉だ。」キム・ドットコムは、ハンガリーが拒否権を行使する中、EUの問題を解決するためには27の加盟国すべての承認を必要とはしない「潜在的な代替案」を開発する必要があるとのフォン・デア・ライエン委員長の声明に言及したのである。

木曜日(1211日)、欧州理事会はウクライナとモルドバとのEU加盟交渉を開始し、グルジアにはEU加盟候補国の地位を与えることを決定した。しかしながら、ハンガリーのオルバン首相はEUのウクライナに対する500億ユーロ(550億米ドル)の支援パッケージを阻止した。オルバン首相は、ウクライナはEUに加盟する準備ができているとは思えないと繰り返して述べ、この決定は「完全に無意味で、不合理であり、不適切でもある」と評した。ハンガリーはウクライナのEU申請に対して拒否権を発動する代わりに、「悪い決定」からは「立ち去る」であろう。その日の遅く、ハンガリーは今後数年間でウクライナの加盟を阻止するチャンスがあと75回はやって来るであろうと彼は断言した。

これに対して、ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は「全会一致が得られない万が一の場合に備えて、運用上の解決策を持つためには潜在的な代替案に取り組むことも必要だ」と述べた。

https://t.me/geopolitics_live/11588

キム・ドットコムによるXへの投稿はコメントのスレッドを生成し、数多くのユーザーたちがEUの窮状に関する彼の評価に同意した。アイルランドやフランス、イギリス、ドイツ、イタリアなどに言及し、「指導者たちが自国でゴミのように捨てられる」様子に表れているとして、明らかな「EUへの憤り」があると指摘する者もいた。その一方で、ハンガリーやオランダ、スロバキアでは「EUに逆らう」ことを恐れない首脳陣が国内での支持を集めている。

Photo-4Screenshot of X post. © Photo : floridanow1/X

ユーザーたちはEUを「失敗したプロジェクト」と非難し、「欧州連合の全体的な目的は大陸での新たな戦争を未然に防ぐことにあった筈だ」と強調。それどころか、今、「ウクライナは戦争を助長し、戦争に資金を注ぎ込み、戦争を遂行している」とし、「ウクライナは米国の命令によって引き起こされたもうひとつのヨーロッパの悲劇だ。」

Photo-5: Screenshot of X post. © Photo : IntelOps2/X

Photo-6: Screenshot of X post. © Photo : ASchererNY/X

インターネット上では多くの欧州の指導者らが「オルバンの拒否権を喜んでいるが、それを公に認めるには臆病者であるので、ロシア嫌いのEU官僚をなだめるために公然とオルバンを批判している始末だ」と密かに推測する者もいた。

5 October, 18:50 GMT

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これで全文の仮訳が終了した。

こういったウクライナの現状、および、ウクライナを支持してきたが「ウクライナ疲れ」を引き起こしている西側の現状が今後行きつく所はいったいどこかが非常に気になる。

ウクライナ紛争の2024年の展望については、米国の軍事アナリストであるスコット・リッターは次のように述べている:

キエフに対する西側の軍事援助は枯渇し、ウクライナ軍の運命を決定づけている。西側諸国が何百台もの戦車や何百台もの装甲戦闘車両、何百台もの大砲をウクライナへ送り込む日々は終わった。われわれには与えるものはもう何も残ってはいない。だから、ゼレンスキーが望むことができるのは、せいぜい、わずかの戦車やわずかの歩兵戦闘車両、いくらかの弾薬、そして、おそらくは、一機か二機のF-16戦闘機だ。彼はウクライナ国家の資金を何とか維持するためだけではなく、ウクライナの腐敗し切った機構に潤滑油を塗って維持するためにも、自分自身を権力の座にとどめておく唯一のものとして現状を継続するために多くのお金を欲しがるであろう。(原典:Scott Ritter: Ukrainian Military to Crumble by Mid-2024: By Ekaterina Blinova, Sputnik, Dec/17/2023

また、ヨーロッパの政界ではチェコ共和国のペトル・パベル大統領が2024年について次のような見解を示している:

チェコのペトル・パベル大統領はウクライナでの紛争に大きな変化が生じる可能性を発表した。「われわれが対処しなければならない新たな状況が起こるであろう。この変化は私たちが想像しているような最高のものにはならないだろう」と、パベルは2024年に何を期待するかという質問に答えて、述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はロシアが最強の大国のひとつであるという世界ビジョンを主張しており、他の国々もこの事実を受け入れる必要があると指摘した。また、チェコの指導者はトランプが2024年のアメリカ大統領選に勝てばプーチンとトランプは合意に達することができるという可能性を排除しなかった。「少なくともプーチンの側には、トランプが大統領選で勝てば、ウクライナや他のヨーロッパ諸国がどう思おうと、彼と交渉することが可能となり、ある種の妥協に達することができるという期待がある。理論的には、これはロシアを主要なプレーヤーの地位に戻すことになり、他の国々はどうにかしてそれを我慢しなければならないだろう」とパベルは述べた。(原典:Czech President Pavel: There will be a shift in Ukraine not in the best sense: By Iz.ru, Dec/19/2023

加えて、巷の噂ではゼレンスキーと彼の家族については米国へ亡命するための書類の準備はすでに出来上がっているそうだ。

 

参照:

1Politicians Warn Aiding Ukraine Will Bring About ‘End of EU’: By Svetlana Ekimenko, Sputnik, Dec/17/2023

 

 



2023年12月16日土曜日

ウクライナ、忘れられられている死者たちは誰か(上)

 

1年半程まえのものではあるが、乗松聡子氏のこの記事、「ウクライナ、忘れられられている死者たちは誰か(上)」は、ロシア・ウクライナ戦争を語る時その歴史的文脈を無視した議論はまったく意味を成し得ないことを丁寧に説明している。

私は、ロシア・ウクライナ戦争に関する投稿をする際には、できる限り2014年のマイダン革命にまで遡って、歴史的背景に焦点をあてることを常としてきた。

この乗松聡子氏の記事は、1年半程前のものであるが、日本のメデイアの報道姿勢を痛烈に批判する記事でもある。さらに付け加えれば、この記事は、202312月の現時点では実質的にはもう終わったと言われているロシア・ウクライナ戦争はどういった戦争であったのかを今改めて総括するに当たって、特に、われわれのような一般庶民にとっては、極めて啓蒙的であり、有用な内容でもあると言えると思う。

本日はこの記事を転載し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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2022.05.16

ウクライナ 忘れられている死者たちは誰か(上)

乗松聡子

以下、2022417日に開催された、「緊急企画:ウクライナについてのオンラインイベント」(日本国際法律家協会ピースフィロソフィーセンター共催)における乗松聡子の講演の内容をもとに、511日時点の情報も加えて加筆修正したものである。ソースは主に文中リンクで示し、文末注も使用している。

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米国の「ピープルズ・パーティ」のツイッターアカウントに投稿された上のイラストは、ウクライナ戦争での遺体を前に、「こんな恐ろしいことに世界は目を背けるわけにはいかない!」と嘆いている人の姿を描いているが、実はこの人自身が背を向けている遺体の山のほうがはるかに大きいという皮肉を表している。そして今日私が話そうとしているのは、この山の中にいるウクライナの人々のことだ。要するに、ウクライナ人の被害者の前に心を痛めるこの人は、ウクライナ人の被害者の中でも一部にしか目を向けていないということである。

・歴史と文脈の欠如を補う

日本を含む西側諸国のウクライナ情勢報道には、歴史性と文脈が決定的に欠けていると感じる。今起こっていることを理解するには少なくとも冷戦終結時に戻らなければいけない。このスライドに綴った歴史だけでもとても語りきれない背景がある[i]。 米国はNATO不拡大の約束を破り、ロシアの目と鼻の先まで迫り、ルーマニアやポーランドに地上配備型迎撃ミサイル基地を配備している。これがロシアへの威嚇でなければ何なのか。

ロシアは一貫してNATO拡大が自国の安全保障における大きな脅威であるということを繰り返し訴えてきた。なかでも2007年2月のミュンヘン安全保障会議でのウラジミール・プーチン大統領の演説は特記に値する。プーチン大統領は、国連重視の多極的世界を訴え、NATOの拡張については「相互信頼を低める挑発だ」と強い懸念を示した。NATOEUが、国連と入れ替わる存在であってはいけないとも言っている。15年後の今、それが実現してしまっているようだ。

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・プーチン大統領が「多極化」を訴えて以来悪魔化が加速

フランス在住の米国人ジャーナリスト、ダイアナ・ジョンストン氏は316日の『コンソーシアム・ニュース』の記事「ワシントンにとって、戦争は決して終わらない」でこのように言っている。

2007211日、ロシアの西洋かぶれプーチンは、西側の権力の中心であるミュンヘン安全保障会議に行き、西側に理解されるよう求めた・・・プーチンは、米国が押し付けている『一極集中世界』に異議を唱え、『一部の者だけでなく、すべての者の安全と繁栄を確保する公正で民主的な世界秩序の構築において協力できる、責任ある独立したパートナーと交流したい 』というロシアの希望を強調したのである。西側諸国の主要なパートナーの反応は、憤慨と拒絶であり、15年にわたるメディアキャンペーンでプーチンをある種の悪魔のような存在として描いてきた」。

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このときの動画を観れば、プーチン氏が理路整然と正論を述べ、米国の一極支配に異議を申し立てる様子を観られる。そしてそれを聞きながら、そこにいた西側の指導者たちは驚いたり、戸惑ったり、呆れたようなリアクションをしていることがわかる。動画で確認できるのは、米国のロバート・ゲイツ国防長官、ジョン・マケイン上院議員、ドイツのアンゲラ・メルケル首相などだ。ジョンストン氏の観察によると、この演説をきっかけに西側諸国のプーチン氏叩きが加速したということだ。

プーチン大統領についてどのようなことが言われてきたかについては、フランス大統領選候補のフランソワ・アスリノー氏が動画で語っており、成城大学教員のデニス・リッチズ氏が自身のウェブサイトで英語で紹介している。そこから抜粋した悪口の例を下のスライドで見てほしい。

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しかし見てみると、これらがたとえ「本当」だったとしても何がいけないのかわからない表現ばかりである。これらをプーチン氏の中傷のために使うような人たちはそもそも差別主義者だ。また、西側メディアは、このような表紙で、ビジュアルにプーチン氏を悪魔化する表紙や挿絵を繰り返し使ってきた。

・「マイダンクーデター」米国関与の証拠、「ファック・ザ・EU」電話の中身

もう一つここで注目したいのは、2013年秋から2014年初頭のキエフにおける、市民デモに暴徒が注入され多数の死者を出し、民主的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領が追放される結果となった、「マイダン革命」と言われる事実上のクーデターである。米国関与の決定的証拠である、ビクトリア・ヌランド欧州ユーラシア担当国務次官補(当時)とジェフェリー・パイアット駐ウクライナ米国大使の電話会談がマイダンデモ最中の201424日にリークされた。ヌランド氏が「Fuck the EUEUなどくそくらえ)」と言ったことから、当時のEU指導者たちを怒らせ、ヌランド氏も謝罪していることからも、真正であることが確認されている電話会談である。

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BBCのウェブサイトには解説つきの完全書き起こし文も掲載されている。この会談ではヌランド氏とパイアット氏が、現にヤヌコビッチ大統領が在任中であるにもかかわらず、マイダンデモを扇動していた3人の親米的な有力野党指導者の中で、次のウクライナ指導者が誰であるべきかを論じている。

ヌランド氏は「クリッチは政府に入るべきではない」と言っている。元プロボクサーのビタリー・クリチコ氏のことで、マイダンクーデター後にキエフ市長となり現在にいたる人だ。パイアット氏は、「クリッチは外に出て政治的な宿題などやらせておけばいい」と言いながら、「民主党の穏健派をまとめたい」として、そういう意味では、というニュアンスで、3人の中でも極右度が極めて高いオレーフ・チャフニボーク氏を「問題はチャフニボークとその仲間たちでしょう」と懸念を示している。

チャフニボーク氏は建国時から極右ファシスト・反共・嫌露・嫌ユダヤ、名前からもロゴからも明確にナチス思想を継承している「ウクライナ社会民族党」のメンバーとなり、その後「全ウクライナ連合『自由』」(「スヴォボダ」)と名前を変えた、暴力的な行動でも知られるネオナチ党の党首となり今に至る。

電話会談でのパイアット氏の発言からは、チャフニボーク氏を推すとなると穏健派の支持が得られないのではないかという懸念を匂わせている。それに対しヌランド氏は「ヤーツが経済経験も統治経験もある」と言って、やはり親欧米・反露中道右派の政治家、ウクライナ議会議長も務めたことがあるアルセニー・ヤツェニク氏を推薦している。ヌランド氏は、ヤツェニク氏が大統領になってもクリッチ氏とチャフニボーク氏の外からの助力が必要であり、この2人と「週に4回は電話で話すべきだ」と言っている。

パイアット氏が極端なネオナチであるチャフニボーク氏について懸念を示している様子に対しヌランド氏はお構いなしのようだ。第二次世界大戦後の「ペーパークリップ作戦」「グラディオ作戦」や、戦時ナチスと協働したウクライナ国粋主義者を反共ゲリラ部隊として活用するなど[]、米国のロシアを倒すためならナチスでも何でも使えという考えがここにも見え隠れする。

パイアット氏は、ヤツェニク氏がこの野党3人衆とヌランド氏やパイアット氏との会談を提起していることにも触れており、マイダンクーデターにおいて野党3指導者がヌランド氏やパイアット氏など米国政府の影響下で動いていたことは明らかである。そしてヌランド氏は、当時のバン・キムン国連事務総長や、ロバート・セリー事務総長上級顧問の名前も挙げ、国連からの助力も確保していると自信有りげに言っており、国連の中立性さえ捻じ曲げられていた可能性がうかがえる。

その流れでヌランド氏は「Fuck the EU」の発言をしたのだ。ヌランド氏がEUに対してウクライナ政権転覆への協力の相談をしたかどうかは定かではないが、この言葉からは少なくとも、ヌランド氏はEUからの協力が得られないことを確信していたことがうかがえる。

会話の最後の方には、当時のジョー・バイデン副大統領、バイデンの側近であったジェイク・サリバン国家安全保障担当副大統領補佐官が意欲的に待機している様子が語られている。当時オバマ民主党政権下でこのクーデターが指揮され、その後トランプ政権を経てこの二人はいまそれぞれ、大統領、国家安全保障問題担当大統領補佐官としてウクライナ政府を操っている連続性がある。

ウクライナではマイダンクーデターのさらに10年前、04年には「オレンジ革命」があり、このときもロシアに近いヤヌコビッチ候補が西側に近いビクトル・ユシチェンコ候補より得票が上回っていたのに、西側の支援を受けた市民団体らによる選挙結果への大抗議があり、最高裁判所が選挙のやり直しを命じ、ユシチェンコ大統領が誕生した。

ウクライナでは1991年の建国時の頃からすでに、ウクライナをロシアから遠ざけ西側に近づけるため米国が、CIAから派生した機関である全米民主化基金(NED)、米国国際開発庁(USAID)、などを通して資金を提供しメディア、各種団体を設立し、米国の外交政策に有利な市民社会を作る計画が進んでいた。

英国の『ガーディアン』紙は、041126日の「キエフの混乱の背後にある米国のキャンペーン」という記事で、このオレンジ革命が「米国の創造物であり、西側のブランド戦略とマス・マーケティングを洗練し見事に考案したもの」で、「米国政府が資金を提供し、米国のコンサルタント会社、世論調査員、外交官、米国の二大政党、米国の非政府組織を動員して組織された」キャンペーンと言い切っている。

投資家で「オープン・ソサエティ財団」創設者のジョージ・ソロス氏は、2015年4月、自身が設立したシンクタンク「Institute for New Economic Thinking」の催し「ヨーロッパの未来」で、カナダのクリスティア・フリーランド下院議員(現在は財務大臣兼副首相。ウクライナ民族主義者・反露活動家としても知られる)のインタビューに答え、ウクライナ建国(1991年)の2年前から財団支部を設置し人材育成のために奨学金を出し、25年後のウクライナの市民社会はおもに財団の仕事の成果であると誇らしげに語った。

フリーランド氏も、その時点のウクライナ指導部(2015年なのでマイダン派が主流だったはず)で自分の知り合いはほとんどがソロス氏から奨学金をもらった人たちだと絶賛している。

著者のプロフィール:乗松聡子は東京出身、1997年以来カナダ・バンクーバー在住。戦争記憶・歴史的正義・脱植 民地化・反レイシズム等の分野で執筆・講演・教育活動をする「ピース・フィロ ソフィーセンター」(peacephilosophy.com)主宰。「アジア太平洋ジャーナル :ジャパンフォーカス」(apjjf.com)エディター、「平和のための博物館国際ネッ トワーク」(museumsforpeace.org)共同代表。編著書は『沖縄は孤立していない  世界から沖縄への声、声、声』(金曜日、2018年)、Resistant Islands: Okinawa Confronts Japan and the United States (Rowman & Littlefield, 2012/2018)など。

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乗松聡子氏の記事全文の転載は以上である。

日本の主流メデイアがロシア・ウクライナ戦争について、今日、どのようなスタンスをとっているのかについては、ブカレストに住んでいる小生にとっては正確に指摘することは難しい。とは言え、昨年の2月以降の西側のプロパガンダ、つまり、「ロシアの軍事侵攻は許せない」、「プーチンは悪党だ」といった、2014年のマイダン革命から2022224日に至るまでの8年間の歴史を完全に無視した当時の一方的な主張の延長線上に依然として乗っかっているのではないか。

乗松聡子氏の記事以外にもインターネット上にはさまざまな情報がある。幅広く情報を入手し、自ら解析し、自分自身の結論を導くことが、好むと好まざるとにかかわらず、かってない程に重要となっている。

 





2023年12月13日水曜日

マイク・アダムズは何を知っていたのか、そして、何時それを知ったのか

 

新型コロナウィルスの大流行については解明されてはいない部分がたくさん残されている。ここに、最近の記事がある。「マイク・アダムズは何を知っていたのか、そして、何時それを知ったのか」と題されている(注1)。

マイク・アダムズとはどういう人物であるかについては私は知る由もないが、この記事は彼が202011日の時点でこれから起こる新型コロナ禍がどのように展開するのかを事前に知っていたのではないかと思わせる内容である。

因みに、ウィキペデイアによると彼はこういう人物だ:

マイケル・スコット・アダムスMichael Scott Adams19641030 - 2020723日)米国保守派政治コラムニスト、作家、ノースカロライナ大学ウィルミントン校の犯罪学教授。彼は率直な意見で知られるようになり、しばしば論争を巻き起こした。教授への昇進が認められなかったため、彼は大学を相手に訴訟を起こし、最終的に勝訴した。学生との多くの衝突と、物議を醸すことになった彼のソーシャルメディアやブログへの投稿が全国的に報じられた後、彼を解任するよう求める世論の圧力が高まり、最終的に彼は引退を求められた。大学との退職の合意から21日後、彼は自宅で頭部に自傷による銃創を負って死亡しているのが発見された。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:カオス・エージェント、パート24

カオス・エージェント」に関する他の記事を見るには、ここをクリックしていただきたい 。このようなトピックに関するより活発な会話はRTEローカル・チャンネルで見い出すことが可能だ。

この画像はBrighteon」の創設者であるマイク・アダムズ、別名「ザ・ヘルス・レンジャー」が製作した20197月の動画からのものだ。読者の皆さんには、ぜひこの動画を観ていただき、マイクが完璧な反論をいかに的確に表現したかを考えていただきたい。

https://www.brighteon.com/8879b5af-59b3-4ed3-98e6-f9037f22ade5

幾つかの主要な抜粋:

「注射を受けるために列に並べば、やがては死ぬ可能性が非常に高いことに気付くであろう。そして、これが肝心なことだ。ワクチンは兵器化されている。ワクチンは人類の殺戮スイッチとなっているのだ。彼らは地球上の人口を90%も減らしたいのである。」

「そして、それが首尾よくいく方法は、おそらく、次のようなものとなろう。まず、計画的な大流行が起こる。人工的に改変された生物兵器は北米やアジア、ヨーロッパ、おそらく、南アメリカ、アフリカの人口密集地にも放出されるであろう。ワクチンを作り出すために、政府がワクチン産業界に巨額の資金を提供するよう求める声が湧き上がるであろう。そして、奇跡的にも、ワクチンは記録的な速さで開発される。誰もが列に並んで、ワクチンを接種する必要があると・・・」

ワクチンは遺伝子操作された病原体に対応して記録的な速さで開発されたのか?彼はバクテリアや複製能力が低い感染性クローン、および、複製能力の高い機能獲得したウィルス、等の間の区別を特定しないことさえも知っていた。

不思議なことには、マイク・アダムスは、それ以来、ウイルスは存在しないと信奉する集団に加わったようだ。

このことは、エコノミスト誌の201811月の表紙のように、少し完璧過ぎるようには思えないだろうか?

2020年の元旦:

RTEの読者から、202011日、マイク・アダムスが友人のアレックス・ジョーンズととも
に「
InfoWars」に興味深い出演をしたとの指摘があった。


Photo-2https://www.bitchute.com/video/EltOsRbp5dSe/

私はInfoWarsにはあまり注意を払っては来なかったのだが、私の意見では、InfoWarsは「さまざまな信号に対する注目が洪水のように起こること」の好例として機能しており、おそらくは、重要な諜報活動との繋がりがあるのであろう。実際、それ自体が諜報活動ではないのかとさえ私は疑っている。

RTEの読者が私に興味深い動画を送ってくれたのだが、その動画から:

Photo-3 

Photo-3の記述内容の仮訳:彼はアレックスのシヨウで1時間ほどを掛けて、サモアで起こったワクチンによる危害に関する発表を行った。アレックス・ジョーンズは彼自身とロブ・デューのふたりがその発表のために3週間も費やしたと述べている。[https://www.bitchute.com/Video/EitOsRbpSdSe/, time 47:30] その後、マイク・アダムズはショーを続け、こう言った。

2020年の元旦にここへお集まりいただき、誠に有難うございます。思うに、今年はわれわれの生涯においてもっとも記憶に残る年となりましょう。今年起こることは私が本日ここでお伝えする積りですが、後にこの出来事を振り返って、皆さんは、何とまあ、いったいどうやってあの状況を通過して来たんだろう、と思うことでしょう。どれだけの変化が起こるのか、私は想像もできません。恐らくは、特別なレベルに達することでしょう。現時点では皆さんはまったく予想もできないでしょう。私は今日のトップニュースをご紹介し、分析してみます。エボラ熱に関する偽旗作戦が起こります。これはエボラに対する恐怖心を煽り立てるために、米国人の間にエボラ熱を感染させようというものです。エボラ熱用の新しいワクチンがFDAによって承認され、新しいエボラ熱検出キットがCDCによって配備されます。この検査キットはたくさんの擬陽性をもたらし、その結果、あなた方を隔離することができます。皆さんを実際に病気になっている患者たちがいる部屋へ押し込め、彼らは都市やコミュニティーを閉鎖することができます。エボラ熱恐怖症はその極に達するでしょう。私はこういった話をしています。皆さん、私を信用してください。私の言葉を覚えておいてください。今日は11日です。今年の何時の日か、米国でエボラ熱の大流行が起こります。

マイク・アダムズは新型コロナに代わってエボラ熱について喋っているが、彼は2020年はわれわれの生涯でもっとも記憶に残る年になると言い、それを伝える第一の理由は感染症の大流行のことであり、最終的には都市が悉く閉鎖されるとしている。

それから、マイクは地球は平らだとする説に対して勇敢な立ち位置を取り続けた。

これはサイエントロジーの類か?

今年になるまで、私はサイエントロジーがこれほど多くのフロント・グループを使ってその諸々の活動を隠蔽していることについては何も知らなかった。メモを取り始めると、以前(懐疑的に)書いたリマ・ライボウはサイエントロジーの「人権擁護に関する市民の会」(CCHR)で働いていた事実に気付いた。

またしても、RTEの読者からのものであるが、下記に引用する:

Photo-4

Photo-4の記述内容の仮訳:ジョン・ブリッソンはマイク・アダムズがサイエントロジーの「フリー・ゾーナ―」ではないかとする証拠を見つけた(訳注:フリー・ゾーナーとは公式の組織における行動ではなく、組織の外で個人的にサイエントロジーを実践する者を指す)。[https://odysee.com/@weveread/mike-adams-from-natural-news-world-2] 人権擁護に関する市民の会は精神医学に反対する組織であって、「サイエントロジー教会」によって設立された。だが、CCHRによって公開されたユーチューブのドキュメンタリーでは触れられていない。ここに参照された動画では精神医学用の医薬品が中心的テーマだ。これは2014年にマイク・アダムズが掲載したもの。[https://www.youtube.com/@CCHRDicumentaries]

この内容を確認したい人のために、ここにその動画へのリンクを示す。アレックス・ジョーンズとマイク・アダムスの両者はサイエントロジーにおいては「フリー・ゾーナー」である。つまり、ふたりはサイエントロジーの信条を実践している(あたかもイスラム国家がダイアネティックスを実践しているようなもの)ため、サイエントロジストは(私のような)「抑圧的な人」からは遠ざかるが、本動画はそのようには彼らから遠ざかろうとはしないという証拠について論じている。今年、私がサイエントロジーについて読み、記録したすべての事柄(全体像のグラフは別として100ページ)を考えると、これらの関係性は正確であると思う。

いくつかの捕捉的な観察事項:

マイクとのインタビューで、彼が私にカオス・エージェントについて話すように頼んできた際、リー・ダンダス(彼自身がホスト役を務めていた)は、202116日の米国会議事堂での反逆者に対する暴力を助長する抗議行動に参加していたことを知らなかったのは奇妙に思えた。あれは反逆者に対する暴力を助長するものであって、その時点までにカオス・エージェントに関して私が紹介して来た中ではもっとも衝撃的な事例のひとつであった。

マイクはトーマス・レンツの司会をした。レンツはDMEDの軍事健康データベースにまつわる大失敗に関与した連中の一人であり、彼はレンツがさまざまな訴訟に巻き込まれていることについては漠然と触れただけで、レンツを誇大に宣伝した(訳注:DMEDは、国防医療監視システム(DMSS)に含まれる匿名化されたアクティブコンポーネント要員および医療イベントデータをリモートで照会するためのWebベースのツール)。レンツはほとんど何もしてはおらず、私の意見では(そして、彼の周辺におり、私が話をしたほとんどすべての人たちの意見では)、そのどれに対しても有能な仕事をしていたわけではない。だが、彼はその仕事を続けるためにあなた方から600万ドルを本当に必要としている。レンツはフリン将軍と親しく、マイクは彼を国家指導者として推奨しているので、これは人間関係のレベルにおいては理にかなっている。

ご自分で判断をしていただきたい。

それが何であっても、私は自分が見た通りに話をし続けたいと思う。もしもあなたが英雄になることに執着し過ぎているならば、ここはあなたが居るべき場所ではない。適切な情報を集めて個人的な図書館を構築し、それらを研究し、自分で判断し、自分で決断を下せるような旅を始めたいのではない限り、ここはあなたの場所ではない。恐れることはない。

私は本記事の調査中に見い出した関係性に踏まえて「Qアノンからプランデモニウムへの連続性」の記事を更新した。

***

これで全文の仮訳を終了した。

私にとってはこの著者が言いたいことをすべて理解することは困難であったが、ひとつだけ共感できる事柄がある。結果的には、それはまさに「マイク・アダムズは何を知っていたのか、そして、何時それを知ったのか」である。

この引用記事はその冒頭で「Brighteon」の創設者であるマイク・アダムズが製作した20197月の動画を紹介している。世界中が中国で起こった致死性の高い感染症の爆発についてわれわれがニュースを聞くようになる半年も前のことだった。その内容はおどろおどろしい描写である。と同時に、現実におけるさまざまな断片がもたらす際限の無い不信の念である。彼が喋っている2020年に起こることの内容は、今思うと、新型コロナ禍の展開と驚くほど酷似していた。引用記事の著者、マシュー・クロフォードが「マイク・アダムズは何を知っていたのか、そして、何時それを知ったのか」と疑問を発するのは当然のことであろう。

マイク・アダムズが述べた点の中でもっとも注意を惹くのは「彼らは地球上の人口を90%も減らしたいのである」という背景にある黒幕の思惑、あるいは、目標についての指摘であろう。要するに、新型コロナ禍は意図された目標を実現するためのツールであったと言う。

誰かが意図したものであったとすれば、意図した側に属する集団の誰かは何らかのサインを一般大衆に向けて故意に発したのではないか、あるいは、不用意にも口を滑らせたのではないかとも推測される。

たとえば、私が「オヤ!」と気が付いたものだけでも下記のような情報が公知の事実となっている。これらはわれわれ一般大衆が新型コロナの大流行を知るよりもかなり前の時期についての情報であるんだが、こういった内容を報告した人たちは何かが起ころうとしていることにすでに気付いていたと言えそうだ:

Israeli TV says US intel warned IDF & NATO of coronavirus threat in NOVEMBER 2019, doubling down on claims dismissed by… US intel: https://on.rt.com/af20, Apr/17/2020:

イスラエルのチャンネル12は、米諜報機関が、先週2020410日から始まる週)医療情報機関の高官が同報告を却下した後も、2019年)11月にはテルアビブとNATOにコロナウイルスに関する早期警告を伝えたと主張している。

What did they know, exactly? US intel warned of ‘cataclysmic’ coronavirus pandemic in NOVEMBER 2019, report claims: https://on.rt.com/aehl, Apr/08/2020:  

米軍情報機関は2019年)11時点でまだ初期段階にあった中国でのコロナウイルスの流行について警鐘を鳴らそうとしたと内部情報筋は主張し、彼らが何を知っていて、誰が報告を無視したか、または押し潰したのかという疑問を投げかけた。201911月までに武漢でコロナウイルスの流行制御不能になり始めていただけでなく、軍事アナリストはすでに中国と米国の両方にとって「大惨事になる可能性がある」と警告していたと、(ホワイトハウスに対する)ブリーフィングに詳しい4人の情報筋が水曜日46日)ABCに語った。

Two years before coronavirus, CDC warned of a coming pandemic: By Alexander Nazaryan, National Correspondent, Yahoo News, Apr/02/2020:

2年前、アトランタのエモリー大学の講堂に4万人もの死者を出した1918年のインフルエンザのパンデミック別名「スペイン風邪」を記念して、全米の公衆衛生当局のトップが集まった201857日、米国疾病管理予防センターCDCが主催したこの会議は、過去の災厄を掘り起こし、現在への教訓と未来への警告を発するはずであった。「Nature Against Man」と「Innovations for Pandemic Countermeasures」と題したセッション行われた。暗黙のうちに、1918年のパンデミックは特異な大惨事であったが、21世紀の状況はもうひとつの大流行に理想的であるという理解があった。

Exclusive: The Military Knew Years Ago That a Coronavirus Was Coming: By Ken KlippensteinTwitter, The Nation, Apr/01/2020:

国防総省は2017人工呼吸器マスク、病床の不足についてホワイトハウスに警告したが、トランプ政権は何もしなかった。トランプ大統領が新型コロナ流行は「予期していなかった」ものであり、「どこからともなくやってきた」と繰り返し主張しているにもかかわらず、The Nationが入手した2017年の国防総省の計画によると、国防総省は新型インフルエンザの脅威についてだけでなく、その結果、人工呼吸器マスク、病院のベッドが不足することを十分に認識していた

もしもマイク・アダムズが今も生きていたならば、「マイク・アダムズは何を知っていたのか、そして、何時それを知ったのか」というマシユウ・クロフォードの疑問に対して、新型コロナ禍が収束した今、彼は具体的に答えてくれているのかも知れない。

参照:

注1:What did Mike Adams know, and When Did He Know It? By Mathew Crawford, Nov/30/2023