2022年12月28日水曜日

答は遺体安置所にある


副題:調査は重要であるが、冷徹な事実こそが世論を勝ち取る

第二次世界大戦が終わってから、世界は冷戦構造の中で相対的に安定していた。だが、1989年の秋、ベルリンの壁がついに崩壊し、多数の東ベルリン市民がまさに怒涛のように西ベルリン側へとなだれ込んだ。その様子はテレビで詳しく報じられ、何もすることができずに国境の検問所に立ち尽くす東ベルリン側の国境警備隊員の姿が印象的であった。また、それまでの22年間、ベルリンの壁を突破しようとして命を落とす悲劇が何回も繰り返して起こった。映画にもなった。ベルリンの壁で悲惨にも死亡した市民の数は200人を超したと言われている。大部分の人たちは国境警備隊によって射殺された。そして、1991年にはソ連邦が崩壊した。何十年にもわたって続いていた東西間の冷戦はこれで終わった。もっと正確に言うと、「これで終わった」と誰もが思った。

しかしながら、西側にとっては格好の仮想敵国であった旧ソ連邦の崩壊によって、NATO同盟はその存在理由を見失ってしまった。彼らは新たな理由を見い出さなければならなかった。米国経済を支える主要な産業はもはや伝統的な製造業ではなく、軍需産業が主役となっていた。理由が見い出し得ないとするならば、新たな理由を作り出さなければならなかった。こうして、NATOの新しい挑戦が始まった。たとえば、911同時多発テロ事件が起こり、「テロとの戦い」を開始すると米国が宣言した時、ある米軍の高官は「これで向こう50年間は(米軍は)安泰だ」と言った。彼のこの言葉には存在理由を失って、あれこれと模索をしていたNATO軍にとっては911同時多発テロ事件の発生は大きな安ど感をもたらしてくれたようであった。

あれから20年。米CIAが仕掛けを作り、相手国を戦争に導き入れ、米国の軍需産業に大儲けをさせる構造はますますあからさまとなり、同時に深刻さを増して行った。湾岸戦争、イラク戦争、リビア侵攻、シリア内戦、イエメン、アフガニスタンを経て、今は、ロシア・ウクライナ戦争である。このロシア・ウクライナ戦争ではロシアに対する嫌悪感が大手メディアによるプロパガンダによって喧伝され、燃え盛る火に絶え間なく油が注がれ、暴走した。挙句の果てに、20229月、ヨーロッパのエネルギー需要の主要な部分を供給しているノルドストリーム・パイプラインが破壊工作を受けた。ところが、EUはこの破壊工作に関する公式調査は行わないという。これは国際的なテロ活動である。この破壊工作によって誰が一番大きな利益を得るかと言えば、どう見てもそれは米国である。

ウクライナを舞台とし、その背景で米軍需産業が謳歌している金儲けの話も見え見えである。米国は、2014年、ウクライナにおけるマイダン革命で選挙によって民主的に選出されていた当時のヤヌコヴィッチ大統領を暴力的に追い出し、傀儡政権を樹立した。米国はこの政変で決定的な役割を演じた。つまり、大量の現ナマを注ぎ込んだのである。反政府デモに参加する若者たちには日当が払われた。当時の米政府の国務次官補を務めていたヴィクトリア・ヌーランドはデモ参加者たちにクッキーを配り、その様子がテレビで報じられ、一躍有名になった。彼女は「米国はすでに50億ドルもウクライナへ注ぎ込んでいる」と豪語し、米国の仲介を半ば当然であるかのような印象作りを行った。マイダン革命から数か月後の52日、オデッサでは悲惨な出来事が起こった。これはロシア語を喋るウクライナ市民に対する弾圧であって、彼らとキエフ政府との間に決定的な亀裂をもたらした(注:詳細については202257日に投稿した「あれはもう我慢の限界であった  ウクライナ内戦の引き金となった出来事」を覗いてみてください)。2014年に始まったウクライナの東部2州とキエフ政府との間の武力衝突は、2022224日、ロシア政府がウクライナ東部のロシア語を喋る住民の安全を確保するために特別軍事作戦を開始すると宣言するまでになった。こうして、ロシア・ウクライナ戦争が始まった。まさに、米軍産複合体の思惑通りの展開となったのである。そして、ロシア・ウクライナ戦争はロシア・NATO戦争に変貌し、今や、誰もが理解しているように、実質的には米ロ戦争であると言えよう。ゼレンスキー大統領は、数日前の1221日、米連邦議会で演説を行い、米国による支援の継続を訴えた。米議員たちは拍手を送った。来年の1月になって、中間選挙後の新体制に移行すると米下院は共和党が優勢になる。そうなる前に、民主党と現政権はゼレンスキー大統領を米国に招き、議会で演説をさせて、現状の維持、つまり、ロシア・ウクライナ戦争の継続を内外に知らせたのである。米国の対ロ戦争を主導している米国の軍産複合体は今後も多くの金儲け作戦を企て、実行することであろう。つまり、これはウクライナの破壊はまだまだ続くということだ。それとも、共和党が優勢になった来年の米下院はロシア・ウクライナ戦争を速やかに収束させることができるのだろうか。

前置きが長くなってしまったが、米国の軍産複合体の行動パターンと大手製薬企業の行動パターンは酷似していることを私はここに示したかったのだ。両者の行動パターンは、明らかに、金儲けに収斂する。

この2022年は、私がたまたま住んでいるEU圏にとっては極めてユニークな一年であったと私には思える。

ウクライナ情勢に加えて、2020年の当初から始まった新型コロナ感染症の大流行は世界のメディアを席巻し、大手メデアは恐怖感を煽ぐことで多忙を極めた。都市閉鎖が行われ、一般庶民は行動の自由を奪われた。(大手メディアの報道によれば)急遽、ワクチン開発競争が始まった。間もなく、mRNAワクチンが時間との競争で勝利し、演出された緊急事態が進行する中、米FDAは仮の使用認可を与えた。こうして、世界中で集団接種が開始された。その過程では、mRNAワクチンの安全性を問う科学的な報告や見解は脇へ追いやられ、学問的な論争を行えるプラットホームは意図的に排除された。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンやランセットといった世界的に著名な医学専門誌さえもが偏った編集方針を採用した。これらはすべてが新型コロナワクチンの接種をグローバルに展開するために採用された全面的な情報の検閲、ならびに、統制である。こうして、言論の自由は一部の製薬大手が推進する金儲けプログラムによってハイジャックされてしまった。しかしながら、背後にある目的は当初からあからさまに感じ取られた。このような出来事は決して多くはないと思うのだが、どうであろうか。

新型コロナ禍ほどに全世界を手玉に取って、事実を歪曲し、一般の人々が与えられた虚偽の情報を強制的に信じ込まされたことってあっただろうか?世界各国の主権はFAOや世界経済フォーラムによって剥奪され、一部の僅かの国々を除き、各国の指導者たちは自国の主権を守り通すことができなかった。その気もなかったかのようだ。だが、私の印象では、新型コロナ禍は、今、急速に変化しようともしている。それを示す最新、かつ、最強の要素はペンタゴンによる新しい動きに見られる。最新のニュースによると、米軍兵士は誰でもが新型コロナワクチンを接種しなければならないとしてきた今までの方針をペンタゴンが破棄することになった。バイデン大統領が最近署名した2023年度「アメリカ国防権限法」(NDAA)にはワクチン接種の義務の停止が含まれている。この新法を受けて、ペンタゴンは30日以内に米軍兵士に対するワクチンの接種義務を破棄しなければならないのだ。こうして、米軍に勤務する兵員たちの多くは政治的ナンセンス、あるいは、企業利益の追求によってハイジャックされた医療政策から解放されることになる。ご存知のように、米軍内ではワクチン接種を拒否する兵士は、最悪の場合、軍法会議にかけられる。こうして、米国ではワクチン接種を強制されている犠牲者の集団は、近い将来、医療関係者だけとなる。(出典:Biden Forced to Retreat as Military Troops Who Opposed Covid Vaccine Mandate Get Major Victory: By James Lyons-Weiler, · Popular Rationalism, Dec/24/2022

「新型コロナ疲れ」が感じられる昨今ではあるが、前回の投稿に続いて、今回も新型コロナ関連の情報をおさらいしておこうと思う。

ここに、「答は遺体安置所にある。副題:調査は重要であるが、冷徹な事実こそが世論を勝ち取る」と題された短い記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

こうして記事を書くのは実に久しぶりだ。そして、今、私には記事を書いている時間はほとんどない。だから、この記事は短く、直ぐに終わらせることになる。

ほぼ3年間にわたり、われわれは医学研究分野の指導者たちから研究論文やピア・レビュー、ランダム化比較試験、証拠に基づく医療、等に関していろいろと聞かされてきた。法廷での証拠の提出や専門家の間の議論のためには、これらはすべてが確かに重要である。私はこれが非常に重要な仕事であることを知っており、理解している。そして、新型コロナ時代のこの段階におけるプレーヤーの皆さんには多いに感謝していることを理解していただきたい。しかしながら、世論は、たとえそれが存在するとはしても、それ程動いてはいない。人々は健康を害した後には情報を集めようとする。あるいは、親しい人が健康を害したことを聞いてから始めて情報を集める。これは世論におけるごく自然な流れだ。

2021年の1月の始め、私は「誰かが健康を害した、あるいは、亡くなったということを誰もが知るようになるまではコロナ禍は終わらないであろう・・・」という趣旨のことを言った。

そして、あれから2年後、今、われわれはここにいる。そして、そのような状況が起こっており、これからも起こり続けるであろう。真実がやって来て、ダムは決壊する・・・ まずは漏れが始まり、亀裂が起こり、より大きな流れとなって、ついに完全な破壊となる。それは間違いなくやって来る。

当面、人々が亡くなっている。偽の偶像である偽のワクチンによってもたらされる死や命をとりとめたとしても不具になる危険を最小限に抑えるためにはいったい何をすることができるのであろうか?どうすればダムの決壊に間に合わせることができるのか?答えは、指導者が研究論文を大事にするように、われわれにとっては逸話を共有することが重要だ。人々が日常生活において家族や友人のネットワーク、地域社会、町や州で観察しているものを確認する必要がある場合、真実の光へ向けて最後に背中を押してくれるものとしては信頼できる研究論文の存在が必要である。だが、多くの人たちは研究論文を必要とはせず、論文を読もうともしない。社会というものは目の前にいるすべての人間のように反応する。彼らは自分の目で原因と結果を見て、自分自身が生き残るために自分の行動を調整する。

ここにある「別添F」には 123ページにもわたって文書化され、米連邦裁判所において偽証罪の罰則の下で宣誓された逸話が数多く含まれている。キャシディ7歳、プレストン15歳、エデン17歳、ブリアナ30歳、ホリー42歳、チャールズ48、等、さまざまな逸話が文書化されている。そして、この文書以降、6歳の L11歳のイアンについて、ならびに、偽のワクチンによる致命的な接種を受けた可能性がある数多くの突然死した人たちについても接種の日付けを明確にすることが必要である。これらは、別添Fが作成された2022823日以降、私の注意を引いてきた。

証拠は遺体安置所にある:

米国のたったひとつの州においてさえもたくさんの証拠が存在する。マサチューセッツ州の死亡診断書は、世界中のすべての研究者に公開されてはいるものの、一纏めにされ、がらくた同然のCDCのデータベースとは異なり、真実を示している。

死亡者の接種日を要求しよう。記録化された元データを要求しよう。これらのデータは双方からの安全性に関する質問に答えてくれる。実は、とても簡単なことだ。

人口が300万人を超える州が予防接種情報システムのデータベースと重要な記録である死亡診断書のデータベースとを関連付ける作業を行うことを私に許してくれるならば、たったひとつの州においてさえも1,000人もの偽ワクチンによる死亡例を見い出すことができるであろう。

答えは存在している。それを明らかにし、透明にすることが必要なだけだ。

***

これで全文の仮訳が終了した。

実に興味深い見解である。

早速、われわれも、ここで、「別添F」を覗いてみよう。まず、その表題を確認しておきたい。表題は『マサチューセッツ州の死亡診断書では新型コロナワクチン自体は「死因」から不正に除外され、マサチューセッツ州の死亡診断書では「新型コロナ感染症」は実際には死因ではなかったにもかかわらず、死因として不正に記載されている』となっている。死因に関する情報が意図的に歪曲されていことは明白だ。

◇◇◇

キャシディ・バラッカ 、7歳:20221月に死亡。胃腸機能の停止。数分のうちに症状が現れた。数日後に死亡。(ニュース、追悼記事、VAERS(ワクチン有害事象報告制度)の記録、および、死亡診断書から)

◆プレストン・セットルズ、15歳:20222月に死亡。心筋症(以前から診断されていた心臓病)。彼はワクチン接種を受けたのだろうか?もしも接種を受けたならば、それは何時だったのか?そして、もしもワクチン接種を受けなかったならば、自分の心臓の状態のままで彼はいったいどれだけ長く生き延びることができたのだろうか?

◆エデン・マクドナルド、17歳:20216月に死亡。脳卒中。(VAERSの記録、および、死亡診断書から)

◆ブリアナ・マッカーシー、30歳: 20214月に死亡。脳卒中。 (VAERSの記録、および、死亡診断書から) 

マサチューセッツ州公衆衛生局の死亡診断書 、2021-19578から:

しかし、以前の死亡診断書においては新型コロナワクチンが検死官らによって死因から意図的に除外されたことによって、(ワクチンの)危険性が知られることとなり、ワクチン接種の強制は衰退し、この30歳の女性や友人、そして、教師は今日も生き延びていたことであろう。それに代わって、検死官たちは、それが明らかに死因ではなかったにもかかわらず、「新型コロナ感染症」を死因として不正に追加した。こうして、世間では恐怖感が高まって、接種を希望する人が増え、「別添」が示すように、未成年の子供を含めて、死亡者数が増えて行った。

◆ホリー・ホッジドン、42歳: 20219月に死亡。 (ホリーの弟、ダン・アーリー37歳は20216月に突然死亡) 内出血。(地域に広まった逸話から。死亡診断書には死因としてU071「新型コロナ感染症」と記載。)

◆チャールズ・カセラ、48歳: 202111月に死亡。ワクチン接種から24時間足らずの間に睡眠中に死亡。(個人的な会話から。死亡診断書にはU071「新型コロナ感染症」と記載されている。)

◆頁9798の纏め ― 死亡診断書における劣悪な記載パターンを物語る薬物の過剰摂取の事例: 24件の死亡診断書はX42U071のコード番号の両方を記載している。他のコードは無し。X42とは「麻薬や精神病発現薬の過剰摂取または暴露の事故によって引き起こされた毒性による死を示す。U071とは「新型コロナ感染症」を示す。新型コロナウィルスに陽性であったとしても、それは「死因」には繋がらず、「U071A」または「新型コロナ感染症」を死因として死亡診断書に記載することは詐欺行為である。死をもたらした因果関係はないからだ。たとえば、

• Year 2022

• SFN_NUMBER 822

• CODIA = 「コカインおよびフェンタニルによる急性中毒」

• CONDII = 「新型コロナ感染症陽性」

この死亡診断書には「U071」は死因として記載されるべきではなかった。だが、実際にはそう記載している。24件の死亡診断書は明らかに詐欺的であり、医療問題と災害救援の両方のプログラムで連邦政府からの補助金を受け取っている組織において典型的に見られる行動パターンを示している。

◆頁9196の纏め  ― チャンドラ医師の死亡診断書における記載パターン:ジョティルメイ・チャンドラ、ライセンス番号226711、患者の治療に従事する医師。CODIAとは「死亡の直接要因」を記載する欄。チャンドラ医師は2020年、2021年、および、2022年の6月までに25件の死亡診断書を作成した。25件の死亡診断書のうちで19件においてCODIAの欄に「急性呼吸不全」というほぼ同じ文言が現れる。ある専門の検死官は、これはおそらく死亡診断書を記入するルールを知らない医師によって記載されたものであって、怠惰な行動を示すものであると指摘した。このような慣行は死の根本原因を覆い隠してしまう。たとえば、「急性呼吸不全」ではなく、チャンドラ医師がCODIAに記載するべきであった他の死因としては次のようなものが挙げられる:

- うっ血性心不全が6

- 急性腎不全 が5件

- 急性脳血管障害が2

- 出血性脳卒中が1

これらの死亡診断書のうちで、最近新型コロナワクチンの接種を受け、循環器系が攻撃された人たちはいったい何人いたのだろうか?これらの死亡診断書は適切に記入されてはいない。容認できない行動パターンが明確に観察される。MIISMassachusetts Immunization Information System)による検査やカルテだけが真実を示すことが可能だ。

◆総纏め:

 • 50件以上のワクチンによる死亡例の詳細が別添に纏められている。

• 50件以上が実際には新型コロナ感染症による死亡ではなかったにもかかわらず、新型コロナ感染症による死亡と記載されている。

原告は50件以上のワクチンによる死亡に関してMIISやカルテにアクセスすることができない。

• MIISやカルテへのアクセスが可能であれば、マサチューセッツ州内におけるワクチンによる死亡例をさらにいくつも明るみに引っ張り出すことであろう。いったいどれ程増えるだろうか?5,000件?

MIISへのアクセスはワクチンの副作用についての真実を学ぶには不可欠である。だが、国家は自らの違法行為を調査しようとはしない。

◇◇◇

上記に転載した「別添F」からの情報は非常に限定的ではあるのだが、新型コロナ禍がどのように展開してきたのかに関してその実態を理解するには十分であると思う。抽象的な文章の羅列ではなく、この「別添F」のデータは新型コロナ感染症の脅威を煽り、ワクチンの副作用によって不幸にも死亡した人たちの数を少なく見せかけようとして、国家的なプロジェクトが進められてきたことを雄弁に物語っている。そして、それはすべてが製薬大手企業の金儲けのためであった。その目標を達成するためには米連邦政府からのさまざまな補助金が医療関係者の間にばら撒かれ、極めて有効に効いていたことを伺い知ることができる。選挙運動の場合と同様で、人間社会は現ナマには実に脆弱である。ましてや、国家的なプロジェクトとして何かが開始された際には大多数の人たちはそれを疑うことはしない。こうして、ハイジャックは白昼に堂々と行われたのだ。

しかしながら、真の情報があちらこちらで漏洩し、われわれ一般庶民もそれらの情報を知るようになった。そして、これらの一連の新たな動きはしばらく継続するような気配だ。

参照:

1The answer is in the morgue. Research is important, but cold, hard facts win public opinion: By

COQUIN DE CHIEN, Dec/23/2022

 

 


2022年12月24日土曜日

新型コロナ禍とはいったい何だったのか?何兆ドルもの世界規模の負債危機を引き起こして、帝国主義戦略を強化?

 

「新型コロナ禍とはいったい何だったのか」という問い掛けは極めて本質的であり、非常に真面目なものであると思う。少なくとも、多くの人たちがその答えを待っているのではないだろうか。したがって、極めて本質的で、非常に真面目な答えを用意する必要があろう。

今までに分かっている事柄に基づいて私が敢えて総括してみるならば、新型コロナ過は大手製薬企業が金儲けをするために展開した巧妙な巨大プロジェクトであったと言わざるを得ない。そのプロジェクトには国会議員を始めとする政治家が加わり、各国の政府や国連機関、国際的な経済フォーラム、民間のNGOもさまざまな形で参画し、一翼を担った。百万人ものフォロアーを持っている超売れっ子の歌手たちさえもが動員され、コンサートにやってきた聴衆に向かってワクチン接種を勧めた。各国の宣伝担当の大手メディアは新型コロナウィルスの脅威を毎日のように喧伝し、一般大衆を洗脳した。それに加えて、ソーシャルネットワークのプラットフォームを提供するハイテック企業は情報コントロールのために情報の検閲を行い、ファクトチェックを行い、前大統領のアカウントさえをも停止した。名門の医学専門雑誌も情報コントロールに加わって、彼らの筋書きに沿った医学的な見解や説明と異なった内容を述べる論文については掲載を拒否した。前例のない、極めて大規模な国際プロジェクトであった。このプロジェクトの背景に流れている理念は、誰もが気が付いているように、「金儲け」というキーワードである。そして、権力を追求する者たちにとってはワクチン接種を義務化し、国民にワクチンパスポートを持たせ、個人情報をデジタル化することは世界を彼らのコントロール下に置くための有効な道具あるいは手法であることが実証された。

もっとも重要な点は各国のエリートたちは金儲けのために、それと同時にさらなる強権を振るうために一般大衆に対して嘘をついたことにある。そして、各国の政府や国際機関、あるいは、国際規模の団体、等のリーダーたちは現状の体制から自分自身が得る利益に満足し、さらにそれを拡張したいという極めて世俗的な気持ちにおいては彼らあるいは彼女らが社会構造のトップの座に居ようと、社会の底辺に居ようと、大きな違いはないということが明白に分かった。しかしながら、ただひとつだけ違いがある。前者は自分の欲求を満たす手段や影響力、人的資源、その他諸々の手段を身近に有しているが、後者は何も持ってはいない。

ここに、「新型コロナ禍とはいったい何だったのか?何兆ドルもの世界規模の負債危機を引き起こして、帝国主義戦略を強化?」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

他にもさまざまな切り口がある筈だ。それらについても理解を深めて、この新型コロナ禍をより客観的に理解したいと思う次第だ。

ところで、この記事が公開されたのは4か月以上も前の事であるのだが、この記事のテーマそのものは今もなお新鮮である。なぜならば、新型コロナ禍がもたらす健康被害はまだ収束してはおらず、今後さらに何年続くのかは現時点では誰にも分からないからだ。少なくとも、私にはそう見える。

***

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◇◇◇

「したがって、労働者階級の悲惨な状態の原因はこれらの小さな不満にあるのではなく、それは資本主義システム自体に求められるべきであるという大きな中心的事実がますます明白になる。」フリードリヒ・エンゲルス、「イギリスの労働者階級の状態」(1845年刊)(英語版の序文、p.36

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IMFと世界銀行は何十年にもわたって公共サービスの削減、最貧困層が支払う税金の増加、労働者の権利と保護を損なう動きに基づいた政策課題を推進してきた。

IMFの「構造調整」政策により、アフリカ人の52%は医療にはアクセスすることができず、83%は職を失ったり病気になったりした場合に頼るべきセーフティネットさえもがない。IMFは新自由主義政策が貧困と不平等を助長することを示した。

2021年、新型コロナ禍にまつわるIMFの融資に関する「オックスファム」の報告書は33のアフリカ諸国が緊縮政策を追求するよう推奨されていることを示している。世界の最貧国は2022年に430億ドルもの債務返済を行うことになっているが、この返済を履行しなければ、これらの国々は食料輸入の費用を賄うことが可能である。

また、オックスファムと「開発金融インターナショナル」(DFI)はアフリカ連合の加盟国55カ国のうち43カ国が今後5年間に総額で1,830億ドルもの公的支出の削減に直面していることを明らかにした。

グローバリゼーション研究センター」のミシェル・チョスドフスキー教授によると、世界経済の閉鎖(2020311日、190か国以上が封鎖となった)は前例のない世界的な債務のプロセスを引き起こした。現在、新型コロナ禍後の時代における各国政府は世界の債権者の管理下に置かれることになる。

私たちが今見ているのは、各国政府が西側の金融機関のニーズに屈服するにつれて、国家自体が事実上民営化されて行く姿である。

さらに、これらの債務は主にドル建てであり、米ドルと米国がこれらの国々に対して影響力を強化することに役立っている。

この現状は疑問を投げかける:新型コロナ禍は本当に何だったのだろうか?

2020年の初頭に都市封鎖と諸々の規制が始まって以来、何百万人もの人たちがこの質問を繰り返してきた。それが純粋に公衆衛生に関するものであったとするならば、健康や経済、債務の膨大な分野における影響がどんなものとなるのかについては十分に知っていた筈であるのに、なぜ医療サービスや世界経済の大部分を閉鎖しなければならなかったのか?

世界的にも著名な科学者を検閲し、住民のすべてを恐怖に陥れ、順守を確保するために警察の全力と残忍さを活用するために軍事スタイルのプロパガンダ作戦を開始したのはなぜか?

これらの行動は、特に「新型コロナによる死亡」の定義とデータをしばしばマッサージした手法やPCR検査が人々を怖がらせ、服従させるためにどのように悪用されたのかを考えると、公衆衛生にもたらされたリスクは完全に不釣り合いなものであった。

カーディフ大学のファビオ・ヴィージ教授は、(80歳以上の)非生産的な人々をほぼ独占的に標的とする病原体に直面して、「悪質な支配エリートら」が世界経済を凍結させようとした時に最初から疑わしいぞと思うべきであったと指摘している。

新型コロナは公衆衛生上の緊急事態という仮面をかぶった資本主義の危機であった。

資本主義:

資本主義においては、一般的な利益率が低下する傾向を相殺するには資本の蓄積を確実にして、新しい市場に参入し、資本を創造し続ける必要がある。資本家は資本を再投資し、さらなる利益を上げることができるように、資本(富)を蓄積する必要がある。これを可能にするのに資本家は労働者の賃金に対して下押し圧力をかけることによって十分な剰余価値を引っぱり出す。

しかし、資本家が十分に再投資できない場合(商品の需要の減少、投資機会と市場の不足、等により)、富(資本)は蓄積され、価値を失い、このシステムは危機に陥る。こういった危機を回避するには、資本主義は絶え間のない成長を必要とし、新しい市場、そして、十分な需要を必要とする。

作家のテッド・リースによると、資本主義の利益率は1870年代の推定43%から2000年代には17%へと低下の傾向にある。賃金と法人税は削減されたが、労働からの搾取の可能性は資本蓄積の要求を満たすにはかってない程不十分であった。

2019年の後半まで多くの企業は十分な利益を生み出すことができなかった。売上高が低下し、キャッシュフローは制約を受け、借り入れによって資金調達が行われていることを示すバランスシートがあちこちで蔓延した。

20202月に起こった株式市場の大暴落を受けて、経済成長は弱まり、「新型コロナ禍の救済」を装ってさらに数兆ドルがシステムに投入された。

その時点までに危機を食い止めるために、さまざまな戦術が採用されていた。

労働者の賃金が圧迫されたため、信用市場は拡大し、個人の債務が増加して、消費者需要は何とか維持された。金融規制が緩和され、投機的資本が新しい分野や投資機会を活用することが許可されたのである。と同時に、自社株買いや学生債務経済、量的緩和、大規模な救済と補助金、軍国主義の拡大が経済成長の維持に役立った。

帝国主義戦略の強化もあり、海外各国の生産システムはグローバル企業や国家によって取って代わられ、経済活動分野から撤退するよう圧力をかけられ、多国籍企業がその空いたスペースを占有するようになった。

これらの戦略は投機バブルを生み出し、資産の過大評価につながり、個人債務と政府債務の両方を増加させたが、実行可能な利益と投資収益率を確保し続けるのに役立った。

しかし、2019年になると、イングランド銀行の元総裁であるマーヴィン・キングは壊滅的な結果をもたらすであろう新たな経済および金融危機に向かって世界はまさに夢遊病者のようであると警告した。彼は、世界経済は低成長の罠に陥っており、2008年の危機からの回復は大恐慌後のそれよりも弱いと主張している。

キングは連邦準備制度理事会と他の国の中央銀行は政治家との協議を密室で開始する時がやって来たと結論付けた。

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これは、世界で最も強力な投資ファンドである「ブラックロック」を含めて、主要なプレーヤーが集合して、今後の戦略を策定した際に起こったことである。これは新型コロナ禍が始まる前のことであった。

ファビオ・ヴィージ教授は、貧困国の西側資本への依存を深めることは別として、都市封鎖と経済取引の世界的な停止により米連邦準備制度理事会はハイパーインフレを回避するために実体経済を閉鎖しながら、(新型コロナ禍を装って)病んでいる金融市場を新たに印刷したお金で溢れかえさせることができたのだと言う。都市閉鎖により商取引は中断され、これは信用の需要を枯渇させ、伝染を止めた。

新型コロナ禍はその前にすでにメルトダウンしていた資本主義経済に数兆ドルもの救済という隠れ蓑を提供した。10年以上の「量的緩和」が行われていたにもかかわらず、この新たな救済は米連邦準備制度理事会(20203月の数か月前)とその後の「新型コロナ禍救済」によって金融市場に投入された数兆ドルの形でもたらされたのである。

IMFや世界銀行、世界の指導者たちには新型コロナ禍にまつわる都市封鎖を通じて世界経済を閉鎖することが世界の貧困層にどのような影響を与えるかは十分に分かっていた。

それでもなお、彼らは都市封鎖を認可し、現在、2022年だけでも世界中でさらに2億5千万人を超す人々が極度の貧困レベルに新たに陥ると予測されている。

20204月、IMFと世界銀行は1.2兆ドルもの融資を伴う金融機関からの救済や融資を求める数多くの貧しい国々からの援助要請の洪水に直面しているとウォールストリートジャーナルが述べた。

金融システムの再起動を支援することに加えて、この世界経済の閉鎖は西側のグローバルな多国籍企業や金融界の利益に貧困国が依存せざるを得ない状況を意図的に強化させることになった。

また、都市閉鎖は中小企業を破産に追い込み、独占企業やグローバルチェーンに買収されて、資本主義のリストラを加速させるのに役立ち、それによってビッグテック、デジタル決済の巨大企業、メタやアマゾンといったグローバル・オンライン企業が継続的に実行可能な利益を挙げることを確保し、その一方で何百万もの雇用を喪失せしめた。

ウクライナ紛争の影響を否定することはできないが、世界経済は再開され、インフレが上昇し、「生活費」における危機を引き起こしている。借金の多い経済においてはインフレを抑制するために金利を上げる余地は限定的である。

しかしながら、現行のインフレは金融システムに注入された流動性によって引き起こされているだけではなく、エネルギーと食品の企業は一般の人々を犠牲にして莫大な利益をかき集め続けていることから、食品の商品市場の投機性や企業の貪欲さによっても煽られているのが現状だ。

抵抗:

しかしながら、抵抗はふんだんに存在する。

新型コロナ禍においては規制に対する反対や自由を支持する集会が行われたが、これらは別としても、現在、少なくとも英国では全国鉄道海運輸送労働組合(RMT)の書記長であるミック・リンチのようなメディアに精通した指導者が率いる、より厳しい労働組合主義が前面に出てきている。彼は国民にアピールし、生活費の高騰に対する広く抱かれている不満をうまく活用する方法を知っている。

教師や医療従事者、その他の人々は、RMTにしたがってストライキ行動を起こしかねない。

リンチは英国では何百万人もの人々が生活水準の低下と企業年金の剥奪に直面していると言う。彼はこう付け加えている:

「新型コロナ禍はこの国の裕福で権力を持った人々が賃金を可能な限り引き下げるために使う煙幕であった。」

これは10年間にわたって課された「緊縮財政」が、新型コロナ禍の到来に先立って、まったく同様の結果をもたらすために使用されてきたようにである。

今や、労組運動は生活水準の低下に抵抗し、国家が提供する福祉を荒廃させ、残っているものは何でも民営化するといったさらなる試みに抵抗する上で主導的な役割を果たすべき時だ。

(新型コロナ関連の)公的債務を抑制する必要性やAI、職場の自動化、失業の増大、等を考えると、健康と福祉サービスを完全に解体して、民営化する戦略を採る可能性が高まっているようである。

資本主義の論理にしたがうと、労働は労働者階級の存在の条件であるため、これは本物の懸念となる。したがって、大衆労働力がもはや必要ではないと見なされる場合、資本主義の経済活動が求めてきた労働を再生産し、維持する上で伝統的に役立ってきた大衆教育や福祉、医療の提供やシステムは必要なくなる。

2019年、極度の貧困に関して国連報告者を務めるフィリップ・アルストンは、2008年の金融危機後の10年間で、英国政府の大臣たちは「英国人口のかなりの部分を体系的に窮地に追いやってきた」として非難した。

アルストンはこう述べている:

「トマス・ホッブズがずっと前に観察したように、そのようなアプローチは最貧の人々に対して「孤独で、貧しく、厄介で、残忍で、短い」人生を強いることになる。英国の社会契約がゆっくりと蒸発して行くにつれて、ホッブズの予測は新たな現実となるリスクがある。」

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ポスト新型コロナの時代、アルストンの言葉は重みを増すばかりである。

この記事が終わりに近づくにつれて、ボリス・ジョンソンが英首相の座を降りたというニュースが流れている。彼の犯罪性や道徳的基盤の欠如、二重基準は文字通り注目に値する首相であったと言えよう。彼の政府の取り巻き連中の多くにもこのことが当てはまる。

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このことを念頭に置いて、最初の論点を締めくくろう。

「英国のブルジョアジーほど深く意気消沈し、利己主義によってこれほどまでに不治の病に襲われ、内部の腐食が進行し、進歩することができない階級を私は見たことがない・・・

この世の中では、お金のための場合を除いて、それ自体が排除されることは決してない者なんてこの階級にとっては存在しない。彼らは至福がこの世の急速な利益には繋がらず、痛みはこの世で金を失うことからの救済には繋がらないことを知っているのである。

この貪欲さと利益に対する欲望の存在下においては、ひとりの人間の感情や意見が汚染されないままでいることは不可能である。」これはフリードリヒ・エンゲルスの文言だ。「イギリスの労働者階級の状態 」(1845年刊)、p.275

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著名な作家であるコリン・トッドハンターは開発、食品、農業を専門の分野としている。彼はモントリオールに所在する「グローバリゼーション研究センター」(CRG)の研究員だ。

著者は自身の作品に対してメディアや組織からは何の支払いも受けてはいない。この記事を高く評価していただいた場合は、ご自身の方法でいくつかのコインを送ることを検討していただきたい。 colintodhunter@outlook.com

ご注目の画像は「レッド・ボイス・メディア」からのもの。

Photo-6:コリン・トッドハンターの電子書籍をご一読いただきたい。「食糧、没収、依存。新世界秩序への抵抗」

現在、世界を股にかけたアグリ・フードチェーンの全領域において企業統合が加速している。アマゾン、マイクロソフト、フェイスブック、グーグルなどのハイテク/ビッグデータにかかわる多国籍企業はコルテバやバイエル、カーギル、シンジェンタ、等の伝統的なアグリビジネスの巨人たちに加わって、食料と農業のモデルを世界に押し付けようとしている。

ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団もこれに関与している(Navdanya International刊の「Gates to a Global Empire」に収録されている)。広大な農地を買収し、アフリカで大いに宣伝された(しかし、失敗に終わった)「緑の革命」を促進し、生合成食品や遺伝子工学技術を推進し、より一般的には巨大農業食品企業の目標を促進している。

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本記事の出典はグローバル・リサーチ。

著作権 © Colin Todhunter, Global Research, 2022

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これで全文の仮訳が終了した。

新型コロナ禍では世界的に経済活動が閉鎖され、世界の最貧国への食料品の輸入が停滞したばかりではなく、市場における末端価格も急騰した。一般庶民は踏んだり蹴ったりである。そんな中、西側のIMFや世界銀行は救済の手を差し伸べた。つまり、借金を勧誘したのである。

「新型コロナは公衆衛生上の緊急事態という仮面をかぶった資本主義の危機であった」と著者は言う。さまざまな説明が行われている中、この引用記事は極めて単刀直入だ。まだまだ新型コロナ禍の余韻から覚め切ってはいない、つまり、以前の日常性を取り戻してはいない日本のわれわれ一般庶民にとっては、この論理がしっかりと収まるまでには時間を必要とするかも知れない。

資本の論理が全世界を巻き込む姿は戦争という形で今まで何回も見せられてきた。今回は、同論理はまったく違った形で実行されている。従来の伝統的なやり方は戦争である。それは相手国を徹底的に破壊する。それらの過去の戦争に比べて、今回の戦争では新型コロナの大流行というまったく違った手法、戦略が動員された。これは情報戦争であり、サイパー戦争である。つまり、相手をどれだけ洗脳するすることができるかがこの戦争の中心的な戦略なのである。

当然のことながら、巻き添え被害が起こった。かなり深刻である。英国は新型コロナ禍において導入された諸々の政策や規制によって大きな影響を受けたようだ。他のヨーロッパ諸国に比べても、英国の現状はより深刻であると思われる。この冬の寒気が英国社会全体を襲う1月、2月にはいったいどうなるのだろうかと心配だ。そして、この具体的な心配はEU諸国にとっても決して他人事ではなく、英国と共通した難題である。新型コロナ禍による経済停滞に加えて、現行のロシア・ウクライナ戦争では底無しのウクライナに対する支援を継続することによって米英両国を始め、EU圏各国はその富を垂れ流しにしている。ロシアを敵にしたヨーロッパでの戦いは長い過去を背負っており、さまざまな動機が介在していたが、現行の戦いは実際には敵ではないロシアを敵として位置付けた時に、つまり、対ロ経済制裁を決定した時に欧州のその後の経済的苦境は約束されたも同然であった。EUの決定は経済的自殺であったと誰かが評した。インフレが進行し、燃料価格が急騰した。各国の地下に備蓄されている天然ガスは今後どれだけ持つのか、誰も明確な説明をすることができない。NATO号、あるいは、EU号は、まさに海図も持たずに、出帆したのである。

新型コロナとロシア・ウクライナ戦争という二重の試練を受けた2022年の負け組は、結局のところ、英国とドイツだったと言えるのかも知れない。この冬が過ぎ去り、来年の夏がやってくる頃にはより鮮明な全体像を描けるのではないか。

ところで、新型コロナの大流行が始まった頃から、もっと正確に言えば、それよりもかなり前から、米諜報機関や米政府内においては「これから中国を起源とする感染症が始まる」との警告が出回っていたという。どうしてそのような警告を出せたのか?素人のわれわれには理解できない!これはまるで、放火犯が次の放火の場所を予告しているような状況だったと辛口のジャーナリストが述べていた。

この引用記事を読むと、そういった放火犯のエピソードはいわゆる陰謀論のひとつに留まるだけではなく、「新型コロナとはいったい何だったのか」という全体像に関する問い掛けにおいてかなり重要な要素であったのではないかと思えてくる。巨大なジグソーパズルの絵を完成するには、たとえ小さな一片であったとしても、その一片は決して捨てられない。新型コロナ禍については個々の情報の真実性が今でも十分に明らかにされてはいない情報が決して少なくはない。だが、何時の日にか現時点よりも遥かに明確に説明することが可能となるであろう。可能にしなければならない!

参照:

注1:What Was Covid Really About? Triggering A Multi-Trillion Dollar Global Debt Crisis. “Ramping up an Imperialist Strategy”?: By Colin Todhunter, Global Research, Aug/11/2022

 

 


2022年12月18日日曜日

FDAは新型コロナワクチンに関する虚偽のデータの提出に対して見て見ぬふりをした ― 元犯罪捜査官の言

 

新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐとして新たに開発されたmRNAワクチンが導入された。緊急時の仮使用を認可したFDAの本来の仕事は安全で効果の高いワクチンを市場へ送り出すことである。ところが、彼らが行ったことはそうではなかった。

ここに「FDAは新型コロナワクチンに関する虚偽のデータの提出に対して見て見ぬふりをした ― 元犯罪捜査官の言」と題された記事がある(注1)。

この記事は129日に掲載した「コペンハーゲンで行った私の発表」の著者が書いたものであって、いわばその続編と言ってもいい内容だ。

米政府の機関であるFDAと民間製薬企業ファイザーとの間の癒着はどのようなものであったのかについて具体的に学んでおこう。これは単にFDAとファイザーとの間のことだけではなく、まったく同様の関係が米環境庁と除草剤ラウンドアップを開発したモンサント(現在はバイエル)との間にも見られた。安全性の評価についての癒着は記憶に新しいのである。一般庶民の健康が多くの分野で多くの政府機関によって軽視され、われわれ一般庶民はもっとも極端な場合には想像もできないような形で死に巻き込まれるのである。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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Photo-1: ミシガン州ホワイトオークにあるFDAの標識。2020720日現在。 (Sarah Silbiger/Getty Images)

 

2021112日、英医学会会報はブルック・ジャクソンの申し立てを報じた。彼女はファイザー社の重要な新型コロナワクチンの臨床試験でデータ整合性の問題について内部告発を行った地域ディレクターである。数週間後、「虚偽のデータ」に関するジャクソンの苦情を裏付ける文書が漏洩した。

漏洩した文書の中には、FDAの犯罪捜査局(OCI)の元連邦捜査官によって発信された電子メールが含まれている。ファイザー社は故意に虚偽のデータをFDAに提出し、FDAは見て見ぬふりをして、それに対応した。 

電子メールに書かれていることの重大性を把握するには、まずOCIの役割を理解することが重要となる。

 

OCIとは何か?

OCIは刑事事件に関するFDAの法的執行機関である。警察と同じように、FDAが規制している製品に絡んだ違法行為について犯罪捜査を行い、起訴をする場合はその案件を司法省に持ち込む。

OCIは米国のシークレットサービスやFBI、または、内国歳入庁の犯罪捜査部門から出向した約200人の連邦捜査官で構成されている。捜査官は米国全土に配置され、海外にも駐在しており、他の連邦法執行機関と同じ種類の逮捕権限を執行することができる。

80年代後半にジェネリック医薬品のスキャンダルが起こったことを背景にして、この部門は元FDAコミッショナーのデビッド・ケスラーによって設立された。FDAの従業員がジェネリック医薬品のメーカーから賄賂を受け取った罪で有罪判決を受けた後、ケスラーはこういった詐欺を取り締まることを決意したのだ。

「私が最も気にかけているのは、FDAの信頼性と完全性を回復することだ」と当時ケスラーは言っている。そして、それを行う唯一の方法は強力な法的執行に焦点を合わせることに尽きる。われわれは法的措置を執行するつもりだ。」

それ以来、多くのOCI調査が行われ、逮捕や多額の罰金、および、刑務所送りをもたらした。たとえば、フロリダ州の2人の臨床試験研究者に関する最近の判決に観察されるように、実際には被験者が参加してはいないのにその臨床試験に参加しているかのように見せかけ、彼らはデータの改ざんを企てた。

 

電子メールの漏洩:

この記者(私)が入手した2021326日付けの電子メールにはジャクソンが申し立てた苦情に対するFDAの取り扱いに関してOCI捜査官の所見が詳述されている。

FDAで働いてきたので、多くの理由から、虚偽のデータの提出を自認している企業に対してFDAが見て見ぬふりをしたことは驚くべきことだと思う」と、機密保持契約に署名した後に個人情報を伏せることにしたOCI捜査官が書いている。

FDAは「莫大な命の損失を犠牲にしてワクチンを支持したこと(とにかく、最終的には承認することを予知していたが)に関しては間違いなく受けることになるであろう批判を恐れていた可能性が高い」とOCI捜査官は付け加え、「リスク/利益比率を比較検討する」FDA特有のジレンマの存在を認めた。

電子メールによると、FDAとしては緊急事態の中で予想よりもはるかに高い有効性を持つワクチンを承認する方が国民に役立つのか、それとも、ファイザー社のデータの整合性の問題を公に問題にしてワクチンに対する国民の信頼を損なうのかのどちらかを選択する必要があった。

特に、当時、アストラゼネカは間違いを仕出かしていた。79%の有効性を主張した後に、競争相手であるアデノウィルスベクターの新型コロナワクチンの「中間分析」からのデータを公表したのである。

臨床試験自体のデータおよび安全性監視委員会はアストラゼネカが「古くて、誤解を招く可能性のあるデータ」を故意に公開し、ワクチンの有効性を誇張し、アストラゼネカは最新の(そして、あまり印象的とは言えない)データに更新せざるを得なくなったと同社を非難した。

当時のアストラゼネカの行動を振り返って、OCIの捜査官は同社が「故意に虚偽のデータを提出した」こととは「多いに異なる」と考えていたが、この種の欺瞞が国民に疑念を植え付けるだけであることを懸念していた。

「一般市民は、臨床結果が医薬品を承認、販売、そして、服用するのに有効であるとし、それらを信頼することができなければならない」とOCI捜査官は書き、アストラゼネカの出来事に関するウォールストリートジャーナルの記事を引用し、ワクチンは「依然として安全であり、効果的である可能性が非常に高い」と付け加えた。

ここで私が言いたいのは、規制当局が国民を保護する代わりに、今回のわれわれのケースにおいては彼らは詐欺に加担していたという点である。当時、異常な状況下において彼らは正しいと信じていたことをしていたのかも知れない。しかし、今、彼らはすぐにもやるべきことがあるのかも知れない」と、インタビューの要求には応じてくれなかったOCI捜査官が付け加えた。

 

漏洩した電子メールに対する応答は?

この記者はFDAが不正なデータについて目をつぶったという主張やジャクソンの苦情についてOCIが行った調査の内容に関してコメントを求めた。だが、当局は「FDAは一般的な方針として犯罪捜査の可能性についてはコメントをしない」と回答してきた。

FDAは一貫してジャクソンの苦情を過小評価してきた。「ファイザー・ビオンテックの新型コロナワクチンの承認とコミナティの承認を支えているデータについては完全な信頼を持っている」と言う以外、公式声明を発表してはいない。

FDAを擁護する側の人たちはジャクソンの苦情の中心にある3つの臨床試験施設でデータの完全性に問題があったとしても、ファイザーの全体的な試験結果に影響を与える可能性は低いと考えている。

3つの試験施設から得られたデータを除外することが試験結果全体に影響を与えるかどうかを判断するために、私は念のためにFDAに「感度分析」を実行したかどうかを尋ねたが、FDAはコメントしようとはしなかった。

漏洩された電子メールに応えるために、ファイザーは声明を発表した。その全文を以下に示す。

ファイザー社からの1130日付けの声明:

「ファイザーは20209月に匿名の申し立て者から米国テキサス州の単一の臨床研究者サイトに関連する連絡を受け取った。臨床研究に関するファイザーの品質管理プロセスにしたがって、提起された問題点を徹底的に調査した。必要に応じて是正および修復をするための措置が取られた。ファイザーの調査ではデータを無効にしたり、研究の完全性を危険にさらしたりするような問題や懸念は特定されなかった。

当社はこの問題をFDAに対して前向きに通知し、施設内知見審査委員会に調査結果を報告した。

ファイザー・ビオンテックBNT162bワクチンは、その後、臨床プログラムから提出された堅牢なデータに基づいて、FDAEMA、その他の規制当局によって承認された。承認後、ワクチンは世界中の何億人もの人々に投与されている。患者の安全と試験の完全性に対する当社の取り組みの基盤とするため、ファイザーは臨床試験のあらゆる側面に対して堅牢な品質管理システムを導入している。私たちは提起されたすべての懸念を非常に深刻に受け止め、徹底的に調査し、必要に応じて課題や問題に対処するために迅速な措置を講じる所存である。」

 

著者のプロフィール:マリアン・デマジPhD

マリアン・デマジはリウマチ学の医学博士号を持ち、医療に関して調査報道を行う記者でもあって、オンラインメディアや一流の医学雑誌に寄稿。10年以上にわたって彼女はオーストラリア放送協会(ABC)のテレビドキュメンタリーを制作し、南オーストラリア州科学大臣のスピーチライターおよび政治顧問として働いてきた。彼女の記事は以下からアクセスが可能:https://maryannedemasi.substack.com

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これで全文の仮訳が終了した。

OCI捜査官が「ここで私が言いたいのは、規制当局が国民を保護する代わりに、今回のわれわれのケースにおいては彼らは詐欺に加担していたという点である。当時、異常な状況下において彼らは正しいと信じていたことをしていたのかも知れない。しかし、今、彼らはすぐにもやるべきことがあるのかも知れない」と述べている。これはFDA内部からの批判でもあって、事態は深刻である。民間企業だけではなく規制当局さえもが今回の詐欺行為においてどっぷりと加担していたという事実はこれ以上隠蔽し続けることはできそうにはないと思われる。

製薬大手がどれだけ多額の賄賂をFDAに投入したのかについては知る術はないけれども、目が飛び出る程の巨額の資金がばら撒かれたのではないかと推測する。調査報道を行うジャーナリストらの努力によって詳細な数値が遅かれ早かれ公表されるかも知れない。

また、テキサス州における杜撰な臨床試験に関する地域ディレクターからの告発についてはファイザー社ならびにFDAが真剣に受け止めた形跡は認められない。つまり、ファイザーとFDAは自分たちの立場を守るために周到なダメッジ・コントロールを実施したのである。第三期臨床試験はアルゼンチンやブラジル、トルコ、南ア、米国を含め、全世界で153の施設で行われ、46,331人が参加したと報じられている(出典:Fact check: COVID-19 vaccines did have clinical trials: By Reuters Staff, Feb/02/2021)。常識的な経験法則から言えば、不祥事が起こったのはテキサスの3カ所の施設だけであったと結論付けることには無理があるのではないかと思う。特に、他社との競争で優位に立とうとして、時間との競争の下で行われた臨床試験においては多数のルール違反やそれに近い状況が起こったのではないかと推測される。

そして、もうひとつの経験則は実態はわれわれ一般庶民が理解している状況よりも遥かに悪いことが多いという点である。たとえば、その好例はこの記者がFDAに感度分析を行ったのかとの質問を行ったところ、当局はそれに対して回答をしなかったというエピソードに見られる。一般庶民が理解している安全性、つまり、巧妙に洗脳された結果思い込まされている安全神話を崩さないためにファイザーの回答は美辞麗句を並べて、聞こえがいい声明を発表した。これは官僚化した民間企業では頻繁に観察される図式だ。

そして、最後に付け加えておきたい点がある。mRNAワクチンの安全性に関しては、最近、特に頻繁に症例報告がなされ、総合的に見るとワクチンによって助けた人命よりも副作用によって不幸にも命を失った人たちの方が多いという指摘がされている。そして、現在までに報告されている副作用による死亡者の数はその全容を示すものではないし、近い将来に完全なデータが提供される保証もない。今後も数多くの人たちがワクチンの副作用によって命を失う。それが何時まで続くのかは誰にも分からない。

参照:

注1:FDA Turned a ‘Blind Eye’ to ‘Submission of Fraudulent Data’ on COVID Vaccine Says Former Criminal Investigator. Pfizer and FDA respond to leaked OCI email: By Maryanne Demasi, The Epoch Times, Dec/07/2022

 




2022年12月15日木曜日

ツイッター・ペーパーがわれわれの間にいる専制主義者を暴露

 

米国では政治論争におけるやばい裏話が次々と暴露されている。イーロン・マスクが開始したツイッター社の社内文書の公開もそのひとつだ。しかも、その衝撃は大きい。すでに2回行われている。これは言論の自由を抑制しようとして以前のツイッター社が関与していた行き過ぎた介入を暴露するもので、言論の自由に関して正常な環境を取り戻そうとする壮大な試みである。報道によると、今回イーロン・マスクが敢行した行動には、上級管理職も含めて、情報統制に関与して来た大勢の従業員の解雇が含まれている。彼らの多くは民主党の支持者であって、ツイッター社が提供するソーシャルネットワークを通じてバイデン候補の敵であるトランプの選挙運動に対してさまざまな妨害工作を行ってきたのだが、それを示す具体的な証拠が公開されたのである。専門家に言わせると、いい悪いは別にして、もしもこれらの妨害工作を行っていなかったならば、バイデン候補が大統領に当選することはなかったであろうし、今回の中間選挙で民主党が上院で優勢になることもなかったであろうという。

今回のイーロン・マスクの行動が正常な言論の自由をどこまで取り戻してくれるのかは現時点では未知数であるが、少なくとも、昨今観察されて来た米国の憲法修正第1条に記載されている言論や出版、集会の自由に対する行き過ぎた介入については、今や、この状況を元へ戻そうとする潮流が出てきたことは誰の目にも明らかである。常識的な米国人の多くはこれを支持しているのではないだろうか。

ここに「ツイッター・ペーパーがわれわれの間にいる専制主義者を暴露」と題された記事がある(注1)。著者は米国の政治においては著名なロン・ポール元下院議員である。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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私は言論の自由の英雄としてのイーロン・マスクについては懐疑的であることを認めざるを得ない。世界で最も裕福な人物になるための道のりにおいて、彼は米国政府の助成を受けていた企業から別の企業へと移動した。しかし、先週末に彼が行った「ツイッター・ペーパー」の公開は政府のソーシャルメディア操作の蓋を吹き飛ばし、憲法修正第1条を評価しているわれわれにとっては大きな勝利となったことは否定できない。

この情報公開は真に独立したジャーナリストのマット・タイビと協力して、政治家や「公式のワシントン」の代表者らが当時のツイッター社の検閲を担当していたチームにツイートを削除し、黒幕が一般大衆には読ませたくはないような投稿をする以外に何の罪も犯してはいないアカウントに対して禁止の圧力をかけた彼らのやり口を議論の余地なく暴露したのである。ところで、ツイッターの検閲を要求していた人々の多くは米国憲法とその憲法修正第1条の下で宣誓した米国政府の関係者であったという事実を忘れないでおこう。

また、米国の両政党がツイッター社に気に入らない情報を検閲するよう促していた事実があったことを理解しておくことが重要だ。周りにはたくさんの腐敗がある。しかし、ツイッターペーパーが示しているように、検閲チームのツイッター従業員は圧倒的に民主党の支持者であるという理由だけで、民主党の政治家からの要求に対してはるかに多くのツイートが検閲されたのである。

おそらく、ツイッター・ペーパーのこの最初の公開で示された最も忌まわしい証拠は、バイデン候補の2020年の大統領選キャンペーン組織からツイッター社内の連絡先へ送られた一連のツイートであろう。これらはソーシャルメディアに検閲を求めていた。ツイッターの内部文書は彼らの検閲チームが「これらを処理した」、つまり、検閲したことを示している。

イーロンマスク自身はこの公開の前に、つまり、彼がこの会社を支配し、大量の解雇を開始する前に、ツイッターは選挙を操作していたと公然と述べていた。だから何年もの間、ワシントンのエリートからはロシアがわれわれの選挙に干渉しているという嘘を聞いてはいたが、あれは結局ツイッターだったのだ。もちろん、これはフェースブックのような他の大規模なソーシャルメディア企業についても疑問を提起させる。マーク・ザッカーバーグは果たして彼自身の会社が選挙干渉について白紙のままで居られるのであろうか?彼にそうするように要求する勇気を持っている者はいるのだろうか?

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彼らはどうやってこれらすべての責任を逃れたのだろうか?もう一人の真に独立したジャーナリストであるグレン・グリーンウォルドが「ツイッター・ペーパー」が発表された夜、タッカー・カールソンのテレビ番組で指摘しているように、CIAは米国市民が主流メディアで消費する情報を操作しようとし、彼らの行為はかつて物議を醸したが、今日ではこれらのメディアは米諜報機関の「元」指導者や将校をニュースアナリストとして公然と雇っている。CNNMSNBC、フォックス、そして残りのメディアは誰もが米国人に何について考えるべきかを伝えるために、諜報機関の「元」メンバーを彼らの陣容に加えている。「ビッグテックによる検閲は国家安全保障のための重要なツールである」とグリーンウォルドはタッカーに語った。「誰かがそれについて何かをしようとする度に、CIAと国防総省の元職員や他の連中は飛び上がって、言論の自由を回復させるなんて、許せない」と言う。

これは非常に大規模な汚職スキャンダルである。したがって、適切な調査が行われることはほとんど保証されてはいない。政府自体が最も有罪であり、「政府委員会」は犯された犯罪を明らかにするのではなく、実際には隠蔽するであろうことが私たちには分かっている。しかし、真実は強力だ。ウォーレン報告書がケネディ大統領の暗殺をゴマ化してしまってから約58年後、世論調査は「公式の」物語を信じる米国人がほとんどいないことを示している。

真実には力がある。われわれは常に真実を求めなければならない。どんなに嘘をついても、真実という消毒剤に耐えることはできない。イーロンマスクの勇気に感謝し、われわれは彼がさらにこの動きを続けるよう激励したいと思う。

ロン・ポール医学博士の注目すべき記事はこちら

ロン・ポール博士は元下院議員で、ミーゼス研究所の特別顧問である。

ロンポール研究所による著作権© 2022。全体または一部を転載する際の許可は、完全なクレジットとライブリンクが与えられる限り、喜んで許可を与える。

ロン・ポール博士による前の記事:「 ワシントンの危険なウクライナでの無駄な行為が潰され始めた?」

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これで全文の仮訳が終了した。

ツイッター・ペーパーの公開によってもたらされたスキャンダルはまだ序の口である。今後どのような展開になるのか、極めて興味深い。結果として、たとえ少しでも言論の自由を取り戻すことができるならば、われわれ全員にとってそれ程いいことはない。

ところで、ユーチューブ動画にもさまざまな情報が流されている。たとえば、下記のような動画があるので、まだご覧になっていない方は参照していただければと思う:

(1) 2022.12.4 Twitterファイルが大反響【及川幸久】:https://youtu.be/GOLZaqlx39Y

(2) 2022.12.12 大統領のツイート排除【及川幸久】:https://youtu.be/EpNrs796_mI 

 

参照:

1The Twitter Papers Reveal the Totalitarians Among Us: By Ron Paul, MD, Ron Paul Institute, Dec/06/2022

 

 

2022年12月9日金曜日

コペンハーゲンで行った私の発表

 

最近(1024日~25日)、デンマークのコペンハーゲンにて「科学的自由の欠如:原因、結果および治療」と題した会議が開催された。この会議に出席したいけれども、あいにく出席できない専門家のためにはズームによるオンライン出席が準備された。その会議で発表を行った研究者のひとりが「医薬品規制における失敗:基準の低下と制度の腐敗」と題して発表内容をインターネット上で公開している(注1)。

新型コロナの大流行では新たに開発されたmRNAワクチンが投入された。「安全で有効である」と喧伝され、集団免疫を確立するためにはワクチン接種が是非とも必要であるとされ、各国の政府は接種率を競い合った。だが、ワクチン接種の開始から2年が経過した現在、まったく予期されなかった状況が現出している。むしろ、来るべきことが来たと言うべきかも知れない。死者数が非常に多く出たことや、ワクチンの効き目が短いこと、副作用によって毎日の生活に支障を来すような健康被害に見舞われた人たちが決して少なくはないこと、等、好ましくはない事柄がいくつも表面化したのである(訳注:このブログでは916日と918日の2回に分けて、「イスラエル政府は新型コロナワクチンの安全性に関して深刻な問題点を見い出すも、必死にそれを隠蔽」と題してイスラエルの状況をご紹介した)。

このような現状には医薬品の承認や医療行為に関する規制を行っている筈の米FDAの姿勢が大きな影を落としていることは言うまでもないであろう。換言すると、規制当局のFDAが利益を追求する企業側に捕捉されたのである。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

研究者の目から見た米国の政府機関であるFDAは新型コロナワクチンの承認ではどのような貢献をしたのか、あるいは、貢献をしなかったのかについて基本的な点を学んでおこうではないか。

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Photo-1: 会議にて、左から右へ:Leemon McHenry, David Hammerstein, John Ioannidis, Peter Gøtzsche, Maryanne Demasi, Michael Baum, Kim Witczak

最近、私はデンマークのコペンハーゲンで「医薬品規制における失敗:基準の低下と制度の腐敗」と題して発表を行った。 

この会議はオックスフォードのCentre for Evidence-Based Medicine (CEBMならびにデンマークのInstitute for Scientific Freedomの主催で開催された。

発表に用いたスライドを下記に示す:

「安全で効果的」という表現は医薬品キャビネットの中で簡単に手が届く錠剤や腕に接種されるワクチンに関してリスクを大きく上回ることが証明されていることを一般の人々に保証するために医薬品の規制当局が何時も使う文言である。そして、これは試験データが厳密に、かつ、独立して行われた評価に基づいているものであるとわれわれ一般大衆は想定する。しかしながら、私が本日提示する情報は医薬品の規制当局が制度的腐敗の犠牲になっており、公衆衛生を保護するという宣誓の言葉に対してしばしば違反していることを示唆している。

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英医学会会報(BMJ)のために私が最近行った調査では6つの主要な国家の医薬品規制当局を分析し、利益相反、業界からの資金提供の割合、データの透明性、医薬品承認の経路、等の側面を比較した。

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私が見い出した事柄を要約して、表1(Photo-4)に示す。特に、一番上の行を見ていただくと、すべての主要な医薬品規制当局はまさに規制を行うと誓った相手である業界から資金提供を受けており、オーストラリアのTGAは資金の96%を製薬業界から受け取っていることが分かる。ただし、米国のFDAは資金や人的資源においては世界でもっとも恵まれている規制当局であり、低中所得の国家は規制上の決定をFDAに期待していることから、この発表では米FDAに焦点を当てることにする。

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80年代のHIV / AIDS危機の後、特に擁護団体からは新薬を市場に出すのに時間がかかり過ぎるという懸念が表明された。米国議会は1992年に「処方薬ユーザー・フィー法」を可決し、FDAが業界からの資金提供を受け入れることを可能にした。その資金は1993年の2,900万ドルから2016年には884百万ドルへと膨らみ、30倍にも増加した。現在、医薬品の評価に費やされる資金の65%は業界の手数料から来ている。FDAは、承認のプロセスを迅速化することができるように、より多くのスタッフを雇った。うまく行った。1988年には市場に投入された医薬品のわずか4%が最初にFDAによって承認されたものであったが、資金の調達構造が変更された後、1998年までにそれは66%にまで上昇した。

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現在、FDAによって承認された医薬品の68%は迅速承認制度を介している。これは人々が新規医薬品へのより迅速なアクセスを入手することを意味するため、擁護団体は特に喜んでいる。しかしながら、欠点もある。それはこの迅速承認制度に必要な立証責任は低いという点にある。

一例を挙げると、FDAが「臨床的な知見」ではなく「代理マーカー」の変化をどのように受け入れるかという点である。アルツハイマー病に対する「アデュカヌバブ」という薬品はベータアミロイドタンパク質の低下に基づいて承認されたが、患者の症状に意味のある改善は見せなかった(訳注:アデュカヌマブは米国のバイオジェン社と日本エーザイにより開発され、FDAによって20216月に医療用として承認された。その際、本剤が有効であるという証拠がないことから、3人のFDAアドバイザーが辞任するという非常に議論を呼ぶ決定がなされた・・・。さらなる詳細についてはウィキペディアを参照いただきたい)。

これは製薬会社が自社の医薬品を市場に投入するにあたって、より少ない予算で、より小規模な、堅牢ではない試験を必要とするだけで市場への投入に漕ぎ着けてしまうことを意味している。

FDAは、また、製薬会社が「確認試験」を実施することを条件に、有効性が証明される前に医薬品を市場に投入することを許可している。しかしながら、これらの試験はしばしば実施されないか、薬が効かないことを実証するのに何年もかかる。その間ずっと、その薬は「安全で効果的」というふりをして、市場で販売される。

その結果、迅速承認制度で承認された医薬品は安全上の理由から中止となったり、ブラックボックス警告が出されたりする可能性が高まる。

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医薬品の承認プロセス中にFDAは諮問委員会を招集し、意思決定プロセスに洞察と信頼性を提供する。しかし、最近の分析によると、FDAは同委員会からの独立した意見を求めているが、それほど頻繁ではない。2010年には、承認された医薬品の55%が諮問委員会によって審査が行われたが、2021年にはこの比率はわずか6%にまで減少した。

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FDAは、臨床試験施設について抜き打ち検査を実施して、それらの試験から得られるデータの完全性を確保する。違反や不適切な行為が見い出された場合、FDAは検査報告書を作成する。報告書は一般大衆とは積極的に共有されてはおらず、多くの場合、詳細は情報公開法(FOIA)に基づいた要求を提出することによってのみ取得可能となる。FOIAの処理には数か月もかかることがあり、報告書は大幅に黒塗りされ、入手することの価値は限定的である(スライドを参照)。

2007年、米監察総監室はFDAは試験施設の1%を検査しただけで、米国内および海外で稼働している施設の数に関するデータベースさえも所有してはいないと判断した。FDAは、どれだけの数の試験施設が稼働しているのかを把握してはおらず、それらすべてを追跡することは「人的資源を大量に消費する」と述べている。

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新型コロナの大流行の際、事態はFDAにとって悪化の一途を辿った。ワクチンメーカーがその事業を強化している間、これらの制約によってFDAによる試験施設現場での検査は一定期間停止することを意味した。規制文書によると、FDAはファイザーの153の試験施設のうちで9施設、モデルナの99の試験施設のうちで1施設のみを検査した [訂正:完全承認前に検査されたのは1施設だけでしあったが、緊急時使用許可(EUA)については9施設が検査され、合計10施設になった]

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特筆すべきこととしては、ブルック・ジャクソンという名前の内部告発者はテキサスに拠点を置くファイザー社の3つのmRNA試験施設でのデータの改ざんについてFDAに苦情を申し立てた。彼女は3つの試験施設の地域ディレクターであり、データの改ざんや患者の盲検化の解除、および、有害事象の追跡を行わなかったこと、等、訓練が十分には行き届いてはいないワクチン接種者を目撃したのである。驚いたことに、ジャクソンの苦情を受け取った後、FDAはこれらの施設について現場検査を実施した形跡はない。

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FDAの証拠基準が何十年にもわたって低下して来たことは明らかだ。当局は製薬業界の資金に大きく依存しているため、医薬品の承認は迅速になったが、医薬品がより安全になったというわけではない。FDAは、医薬品を承認する際に外部の諮問委員会にあまり依存してはおらず、新型コロナ禍においてはホワイトハウスからの多大な圧力に耐えてきたことは周知の事実である。トランプ政権だけではなく、バイデン政権からも圧力があった。証拠があるにもかかわらずバイデンが広範なブースター接種を推進した後、ワクチンのトップ当局者であるマリオン・グルーバーとフィリップ・クラウスは昨年10月に辞任した。今年の政府の説明責任報告書は政府機関のスタッフが大きな政治的圧力にさらされていることを明らかにし、そのような状況が新型コロナに関して「科学的発見の抑制」を引き起こしたと彼らは述べている。

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改革は非常に扱いにくい。ある人はデータの透明性と利益相反の段階的な改善を提案している。また、他の人はFDAの医薬品の承認決定を評価する独立した機関が必要であると指摘している。また、FDAは大規模な見直しを行うことが必要であり、FDAは「家を掃除」し、退職までの時間を単にFDAで過ごしている官僚たちを排除する必要があることも指摘されている。明確な答えはないが、過去数か月にわたって私がインタビューした人々はほとんどがこの政府機関は「壊れてしまっている」という見方に同意している。


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これで全文の仮訳が終了した。

この引用記事はすでに3年にもなった新型コロナの大流行に対する闘いについての反省の記録である。具体的に言えば、これは公衆衛生については第一義的に最善をつくすことが使命である筈の米政府機関のFDAが製薬業界によって捕捉され、彼らの利益を優先するといった本末転倒の行為を犯したことに対する批判である。

Photo-4には主要6カ国の状況が掲載されている。オーストラリア、EU、英国、日本、米国、カナダである。規制当局の予算総額の中で業界からの資金提供がどれほどの割合を示すかが纏めらている。上記の国々の順番でそれぞれの比率を示すと、オーストラリアの96%から始まって、89%、86%、85%、65%、50.5%となる。好むと好まざるとにかかわらず、これらの数値は製薬業界の意向や利便性に沿って新薬の承認や医療行政が歪曲される可能性があることを雄弁に示している。つまり、現在の制度はすっかり腐敗し、危機的な状態にあるのだ。

さらには、独立した外部の諮問委員会や専門分野の学会といえども、真の意味で独立した立場を貫き通すことは、通常、決して容易なことではない。残念ながら、そういった目を覆いたくなるような状況は日本でもさまざまな事例が観察されて来たことは周知の事実である。また、医薬品や食品の業界だけではなく、自動車産業について言えば、製造者側が排ガスの安全基準を守り切れずにデータを改ざんするといった不祥事が内外で報じられたのはそれほど昔のことではない。

そして、最新の記事のひとつがとんでもない米国の状況を伝えている。その内容を下記に付け加えておこう:

私は患者によく尋ねられることがある。「他の医師はどうして今日まで新型コロナワクチンの接種をあれほど強く推進して来たのだろうか?」と。ワクチンの安全性の統計値は驚くほど貧弱であること、ワクチンの有効性は短期間のうちに失われてしまうこと、そして、変異株にも対応しているとされる組み合わせ型ブースターの接種についてはヒトに対する試験データが完全に欠如しているが、これは何故か? その答えは2021年の初めに集団予防接種を促進するために何百もの組織に対して非公開で個人支払いを行う「新型コロナ・コミュニティ部隊」と称する組織化が行われ、米保健福祉省や疾病管理予防センターから個人に流された現ナマの痕跡を辿ることによって明らかになるかも知れない。米国医師会、米国家庭医協会、米国看護師協会、米国産婦人科学会、米国小児科アカデミー、米国小児科学会、米国医学生協会、等の著名な組織が名前を連ねている。総額で130億ドルもの金が個人に流されたのである。(原典:Why Doctors Push COVID-19 Vaccination so Hard; COVID-19 Community Corps Funneled Billions of Dollars to Medical and Community Groups: By Peter A. McCullough, MD, MPH, Dec/07/2022

この腐敗ぶりは目を覆うばかりだ!

上記の「新型コロナ・コミュニティ部隊」を経由して個人に対して金を振りまく政策ばかりではなく、民主党が支えるバイデン政権は公明正大に選挙を行う事さえもできないことを全世界に知らしめたばかりである。イーロン・マスクが最近公開に踏み切った「ツイッター・ファイル」はバイデン政権がツイッター社に対して圧力をかけて、民主党が野党に対して選挙で勝つようにするべく言論の自由を蹂躙した事実を暴露している。政府による悪行は美辞麗句によって、つまり、嘘の上塗りを続けることによって巧妙に喧伝され、その場を凌ぐことになる。しかしながら、たとえあの手この手を駆使して情報のコントロールを行い、当面は首尾よく辻褄を合わせたとしても、時を経るにつれて小さな綻び目から真実の情報が漏れ出す。これが常である。歴史を見ると、JFK暗殺事件や911同時多発テロがまさにそのような経緯を辿っている。政府が調査委員会を設置して、事実を究明すると主張しても、その委員会自身が真実を隠ぺいするのが落ちだ。そうすることが政府高官らにとっては当面の利益となるからである。こうして、政府に対する国民の信頼感は地に堕ちる。

参照:

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My recent talk in Copenhagen. Failure of drug regulation; declining standards and institutional corruption: By Maryanne Demasi, PhD., Nov/29.2022