2020年3月25日水曜日

新型コロナウィルスがヨーロッパの自由主義を解体

今日(323日)のオンラインニュースの写真で目に飛び込んできた映像は人影が23人しかいないパリのエッフェル塔前の広場だった。その記事の表題には「ニューヨークとパリはがらがら」という文字が躍っている。これがコロナウィルスの大流行の現状を象徴的に伝える今朝の報道だ。

後知恵ではあるが、当初中国政府の対応が遅いといって苦言を呈していた西側の批評家や政治家は今自分たちの対応も中国と負けず劣らず遅きに失したことを認めざるを得ないであろう。たとえば、今朝の別の報道によれば、米国の諜報部門は1月から大流行の危険性を指摘し、国会議員やホワイトハウスの職員宛てに何回も警告を送っていたという。それにもかかわらず、議会もホワイトハウスも目に見えるような行動を起こさなかった。

イタリアにせよ米国にせよ、国内の政治勢力が二分している国々では新型コロナウィルスによる感染が必要以上にひどくなっているようだ。不幸な事に、どちらも初動で躓いた。つまり、人災の側面があって、その影響は無視できないほど大きい。日本では与党と野党との力関係は与党側に大きく傾いており、与党はやろうと思えば何でもやれる政治的環境を持っている。しかしながら、一般庶民が今感じているのはコロナウィルスの大流行を抑えるという観点では日本も初動で失敗したと言わざるを得ないのではないだろうか。

ここに、「新型コロナウィルスがヨーロッパの自由主義を解体」と題された記事がある(注1)。コロナウィルスの議論としてはスケールがずば抜けて大きい。つまり、コロナウィルスがヨーロッパの基本的な政治理念に与えた影響を論じている。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。ヨーロッパの現状を学んでみたい。

<引用開始>


Photo-1: ファイルから © Reuters / Dylan Martinez

自由主義は一連の教義に根底を置いている。政治家がそれを復唱し、メディアがオウム返しにする。たとえば、「多様性はわれわれの力だ」という文言は、それが意味を成さなくなってすでに久しいにもかかわらず、持説となっている。しかし、新型コロナウィルス が状況をすっかり変えてしまうであろう。 

自由主義は流動的なイデオロギーであって、その基本的な教義は偉大な論文や設立文書に記述されているわけではない。教義が刻まれた石板は存在せず、自由主義的民主国家の市民はかって中国共産党の党員が常に所持していた「毛沢東語録」に匹敵するような小冊子を持っているわけでもない。

新型コロナウィルスのせいで世界中で10,000人(訳注:ルーマニア時間で325日の13時半現在、19,638人)もの人たちが死亡している今、差し迫った疑問はこの大流行がいったいどれだけ長く続くのかという点だ。

国境の閉鎖は反ヨーロッパ的だ: 



Photo-2: オーストリアとドイツの国境で検問を示す交通標識。2020319日。
 © Reuters / Andreas Gebert

教義: 
EU内の市民の移動や住む場所の自由はEU市民権の土台である」 - EU議会 

現実: 
Covid-19の大流行は「開かれた国境は何としてでも守る」という教義を記録的な速さで解体してしまった。

EU圏内の保健相が先月会合を持った。彼らはヨーロッパ大陸の国境を閉ざすのは「均衡を逸脱しており、効果もない」と言う点で皆が合意した。その2週間後、コロナウィルスがイタリアから外部へ広がって、エマニュエル・マクロン仏大統領は「ナショナリズム」が正真正銘の危機に瀕していると宣言し、「ウィルスはパスポートを持ってはいない」とも言った。

ウィルスは確かにパスポートを所有してはいないかも知れないが、ウィルスを運ぶ市民はパスポートを所有している。今、ローマでの会合から1カ月足らずで、「シェンゲン圏」はその存在が実質的に葬り去られたのである。ヨーロッパのほとんどの国は国境を閉鎖し、航空機の往来を止め、外国人の入国を制限した。まさにウィルスが広がるのを許す穴だらけの国境を非難する姿勢に関して言えば、ヨーロッパはこの時点で大流行の中心地である中国に取って代わったのだ。

ビジネスが繁栄し、人々が死亡することがない限り、国境の開放はいい考えである。しかしながら、実際の危機に直面すると、自由主義的な西側各国も自国の国益へと逆戻りする。

人権と自由は侵すことができない:


Photo-3: フランスのパリで必須となっている封鎖措置を実行する警察官。
2020318日。© Reuters / Benoit Tessier

教義:
「現代文明はその具体的な基礎を自由の原則に置いて来た。つまり、人は他人に使われる存在ではなく、むしろ、自治的であり、主要な生き物である」 - ヨーロッパ連邦主義者であるアルティエロ・スピネッリの言葉 

現実:
スピネッリはヨーロッパの統合のために自分の生涯の大部分を費やし、個人的自由の概念はヨーロッパの指導者たちによって常に言及される概念となった。しかしながら、新型コロナウィルスはこの面白みのない言葉を潰してしまった。

隔離は今やヨーロッパ大陸のどこでも必須である。閉鎖命令に背いたイタリア人は227ドルの罰金を食らうか、3カ月間の刑務所暮らしとなる。スペインはフランスやノルウェーと同様に、何十人も逮捕し、最高で33,000ドルの罰金を課した。英国では、木曜日(319日)に通過した法案が公衆の安全を名目に個人の自由を制約する新たな権限を政府に付与した。

rt.comにおける関連記事:Lockdowns, curfews. Troops on the streets. Governments handing out free cash. This utter madness was entirely avoidable

その法律によると、保健当局の職員にはスクリーニングのために「潜在的に感染が疑われる市民」を拘束する権限が与えられる。さらには、国家は診断試験の後にウィルスの保持が疑われる市民を「必要に応じて、それ相当の」期間にわたって隔離することが許されるとしている。両親は、そう要請された場合には、自分の子供たちを保健当局の職員に引き渡さなければならない。さもなければ、罰金が課される。

中国では過酷な取り組みがウィルスを直ちに止めるのに功を奏したが、われわれの指導者は個人の自由を国家のための施策よりも優先した。彼らはこう言う。中世以降、政府はより優しくなり、より親切になって来た。しかしながら、現実には、彼らは自分たちの権力を行使する。自分たちの職員が中世の地方行政官のように振る舞えるように自由裁量を与え、疾病に見舞われた地域を立ち入り禁止にし、誰もが刑務所に放り込まれたかのような苦痛を感じる封鎖措置を実行する。

われわれは皆がヨーロッパという大家族の一員だ:

 
Photo-4: ファイルから。2019年のブリュッセルでのEUサミットでポルトガルの
アントニオ・コスタおよびルーマニアのクラウス・ヨハニスと歓談する
アンゲラ・メルケルドイツ首相 © Reuters / Yves Herman

教義: 
「ヨーロッパの大家族は何事でもうまくやって行ける。完全さを除いてはね。しかし、ヨーロッパの国々を同じテーブルに就かせるために最高の手段を持っていることは素晴らしいことだ」 - 前EU委員会の委員長を務めたジャン・クロード・ユンカーの言葉。

現実:
EUの指導者らは2000年に「多様性の中での統合」をEU圏のモットーとして採択した。これは活気のないEUの官僚主義的な機構に何らかの活力を注入しようとしたものであった。コロナウィルスの大流行はこの文言が空虚に聞こえることを証明してくれた。

公衆の健康に関する危機の最中にブリュッセルが断固とした行動を起こす権力を持つことは比較的重要なことである。今月の始め、イタリアにおける感染者数が何千にもなった時ローマ政府は絶望的な状況に追い込まれて、EU圏における「市民保護メカニズム」を通じて医療器材や支援を要請した。しかしながら、ブリュッセルはメンバー国家に対してこの要請に応じるよう命令する権限が欠けていたことから、どこの国も名乗り出ることはなかった。

rt.comにおける関連記事:Slavoj Zizek: Biggest threat Covid-19 epidemic poses is not our regression to survivalist violence, but BARBARISM with human face

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2015年に百万人以上の難民を受け入れる決断をした。その時、これを「人道的な」決断として説明し、他のメンバー国も一緒にこの重荷を背負うようにと呼び掛けた。けれども、今や、そのような同志意識は皆無だ。新型コロナウィルスがイタリアやスイスで猛威を振るっている中、メルケル政権は保護マスクの輸出を禁じた。フランスも外国への保護具の流れを規制した。EU圏全体としても圏外への医療器具の輸出を禁止した。セルビアのような従属国家に対してさえもそうしたのである。

新型コロナウィルスによって打ちのめされた中国だけがこの真空状態を埋める動きを示し、セルビアに向けて5百万個のマスクを出荷し、イタリアへは300人の医師を派遣した。ヨーロッパの大家族にとっては大変な量である。

ヨーロッパ文明は最高の文明: 


 
Photo-5: スイスのジュネーブにある作家であり哲学者でもあったジャン・
ジャック・ルソーの像 © Reuters / Denis Balibouse

教義:
「人類はすべてが平等であり、独立している。何人も他人の生命や健康、自由あるいは所有物に危害を与えてはならない。」 - 英国の哲学者ジョン・ロックの言葉。 

現実:
市民は団結し、社会のために行動するという社会契約の考え方はルネサンスの頃ヨーロッパで生まれた。それ以降、われわれヨーロッパ人は独立心が旺盛な米国の従兄弟たちに比べてより文明化した存在であると見なして来た。あるいは、外国のわれわれの友人たちは専制主義による命令に従うよう強要されるとさえ見なす。

現実には、ヨーロッパは70年間にわたって途切れのない平和を享受して来た。われわれの文明は何らかの試練を受けるようなことはまったく無かった。ところが、致死的なウィルスが玄関口へやって来た今、われわれのメンバー国のいくつかは一晩のうちにジャングルの掟が支配する「自然の状態」に逆戻りしてしまった。

ロックの言葉を無視して、法律の順守は言うまでもなく、フランスやイタリアおよび英国では略奪に関する報告が表面化している。 パニックに陥った買い物客が食品や飲料水を大量に買い込み、スーパーマーケットでは小競り合いが起こった。買い物客は棚を空っぽにし、年配者や身体が不自由な人たちには何も残してくれなかった。

rt.comにおける関連記事:UK supermarkets SWAMPED with panic buyers amid Covid-19 crisis, as product rationing falls on deaf ears (VIDEOS, PHOTOS)

英国では、貧困者や社会でもっとも恵まれない人たちのために用意されているフードバンクさえもが荒らされた。

これがロックやホッブス、ルソーが語ったヨーロッパであろうか?明らかにそうではない。

著者のプロフィール: グラハム・ドッカリーはアイルランドのジャーナリストならびに批評家であり、RTに寄稿している。以前はアムステルダムに本拠を置いて、DutchNewsや数多くの地方紙や全国紙のために書いていた。

注:この記事に示されている内容や見解ならびに意見は全面的に著者のものであって、必ずしもRTの意見や見解を代表するものではありません。

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

国境を越えて一般市民が自由な移動することを許してきたシェンゲン圏が実質的に崩壊した。新型コロナウィルスはヨーロッパ人が長年追い求めてきた理想を一晩のうちに破壊してしまったのである。

1カ月あるいは2カ月後にコロナウィルスの感染が遠のいて、元の生活のリズムが戻って来た時ヨーロッパ人はすっかり変貌したヨーロッパの姿を見ることになりそうだ。近い将来に見られる現実のヨーロッパは糖衣錠のような口当たりの良さを失い、その苦さが口いっぱいに広がることであろう。

ヨーロッパの大家族と言う理念は再生するのだろうか?それとも、新型コロナウィルスが裸の王様の本当の姿を暴露してしまったことから、この理念は再起不能に追い込まれてしまったのだろうか?そして、これとまったく同じ問いかけが米国に対しても有効であるように思える。その答えはしばらくすると見えて来るだろう。


参照:

1Covid-19 dismantles the hollow commandments of European liberalism: By Graham Dockery, Mar/20/2020, https://on.rt.com/ad7h

2020年3月18日水曜日

米国は生物兵器の研究や生産とその使用では世界的なリーダー

中国当局のデータによると、武漢で始まったとされる新型コロナウィルス感染の第1号は昨年の1117日までに遡り、当人は湖北省の55歳の住人であるという。内部告発者とのインタビューの結果得られたことではあるが、中国の医師たちは12月の末になって初めて自分たちが対処しているのは新型のコロナウィルスであることに気が付いたとのことだ。South China Morning Post紙が314日に報じた。

つまり、感染症の大流行が起こっていることを専門家が悟り、政府が動き始め、メデイアが報道を始める2か月前にはいわゆる「感染者ゼロ」への感染が密かに始まっていたのである。しかし、感染症の流行が表に出たきっかけのひとつは武漢市の一人の若い医師(Li Wenliang)が何らかの感染症が流行しており、それはSARSに似ているとして彼の医学部時代の同期生の間で使用されているチャット・グループへ警告のメッセージを送ったことだ。彼が警告を出したのは1230日であった。その警告は上記のチャット・グループの枠内には留まらず、中国国内の遥か彼方にまで速やかに広まって行った。

今ではこの感染症は新型コロナウィルスが引き起こしたものであることは誰でもが知っているが、約2か月半前の12月末の時点では専門家の間でさえも知られてはいなかった。武漢の警察署は世情を混乱させるものであるとして警告メッセージを発信した医師を非難した。中国全域が新型コロナウィルスの感染に大きく影響されたが、国を挙げての努力によって中国は公にCovid-19の大流行は峠を越したと宣言した(環球時報によると、312日に国家衛生健康委員会が宣言)。武漢の警察署ではこの気鋭の医師を非難した署長を始め署員らはその後新型コロナウィルスの感染によって死亡した Li Wenliang医師に悔やみの言葉を手向けたであろうか?

日本では新型コロナウィルスによって引き起こされた肺炎で日本で初めて死亡した患者を扱った相模原中央病院の体験談が公開された。それによると、コロナウィルスの感染で日本で初の犠牲者となった感染者第1号は21日に同病院に入院した。常勤の感染症専門医がいないこの病院では医師たちが悪戦苦闘する。感染症は専門外であって、当初は治療方法さえも分からなかった。感染がまだ初期の頃で周囲の目は冷たかった。この患者は別の病院へ転院後に死亡したが、コロナウィルスに感染していたことが判明した。この病院で死亡した患者と同室に入院していた患者3人と担当の看護師一人もコロナウィルスに感染した。この体験談の中でもっとも印象深いのは医師たちが決して諦めなかったことだ。感動的でさえある。

今や英雄の地位に据えられている中国の故Li Wenliang医師や苦労話を披露してくれた相模原中央病院の医師たちには拍手を送りたい程だ。

話を元へ戻そう。中国での「感染者ゼロ」はどこから感染したのか?今出回っている説明は動物、たとえば、コウモリから、あるいは、他の動物を介して感染者ゼロにウィルスが飛び移ったのではないかという推測である。

もうひとつは201910月に武漢で開催された国際的なミリタリー・ゲームへ参加した200人の米兵の誰かがウィルスを運んで来たのではないかとする推測である。この推測では故意に運んできたのか、本人が気が付かないまま運んできたのかは誰も断定することはできない。

ここに、「米国は生物兵器の研究や生産とその使用では世界的なリーダー」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。

311日に掲載した「中国の新型コロナウィルス - 衝撃的な最新情報。ウィルスは米国からやって来た。日本、中国、台湾は米国が起源だと報告 」と題された投稿と並んで新型コロナウィルスの背景を理解ずる上でこの情報が少しでも役立って欲しいと思う次第だ。どこまでが事実であって、どこから推測の域へ入るのかについては、厳密な意味では私のような素人には明確に線を引くことは出来ない。それは専門家の仕事である。しかも、政治的には中立な専門家の仕事だ。

これからもさまざまな情報が流れてくることであろうが、明らかにでっち上げのニュースとして判断できそうな情報は別にしても、世の中にはどちらとも言い難い情報が実に多い。そのような場面では第六感に頼るしかない。大量の洗脳情報が飛び交っている今日の世界においては、そうしながらも真実に一歩でも近づけたらいいなと思う次第だ。

<引用開始>

疾病を予防したり、ウィルスの作成を暴露する人たちは英雄であるが、疾病やウィルスを拡散する連中は極めて非人道的である。生物兵器を駆使した戦争や多数の住民に対する生物兵器の使用、ならびに、非常に稀な生物兵器を作り出そうとする欲求に関しては、米国政府や軍産複合体の歴史をみると、これらの超強力な組織は無辜の市民に対しては何の思いやりも持たない死の提供者となっていることが分かる。人工的に作り出されたウィルスは戦争のためであり、経済を破壊し、飢餓または大量死をもたらす。何れであってもこれはわれわれの間に見られる極めて邪悪な行為である。このレベルで行われる破壊行為は権力を持った者たちに委ねられる。例えば、大統領は何百万人もの市民を消し去る命令を出すことができる。彼は自分がその原因となり、長期化させた問題を制御する能力には欠けているが故に、犠牲者たちに罪を被せようとする。

現代の戦争は無辜の市民にとっては過去の戦争による流血沙汰に比べると遥かに残虐であり、厳しい拷問と化し、より大きな苦痛を与え、特に子供たちにはより多くの危害を与えるなんていったい誰が想像することができたであろうか? 

塹壕の中で闘い、死んでいった何百万人もの兵士たち、原爆で破壊された都市、国中を破壊された国家、専制的な、あるいは、選挙で選出された「指導者」をなだめるために故意に飢餓状態に追い込まれた何百万人もの人たちの記憶。かって私は核戦争は、誰もが知っているように、生命の終わりを告げるものと考えていたが、現代的な戦争と科学技術のことを思うと、今や、秘密の戦争行為のために毒物が次々と放出されていることから、私は制御の枠外に置かれた、死をもたらすウィルスが今や世界中の人々を食い潰してしまうかも知れないと考えるようになった。この狂気には終わりがない。同種の生物兵器による報復攻撃が行われると、ウィルスはまさに世界中に広がる。すべてが人間が作り出したものである。

2019年の新型コロナウィルス(2019-nCoV)は明らかにラボで作り出された一連のウィルスのひとつであって、この時点ではほとんど選択的にと言ってもいいような様相で、いや、むしろ、確実にそうだと言えるような様相で中国人を選択的に襲っている。これは、一見したところ、本当の起源はいったい何処にあるのかという疑問を、まさに水門を一気に開くかのごとく、呼び起こすことになった。このウィルスは以前SARSMERSが現れたのと同じような独特の特徴を備えており、今までに同定されたことはない遺伝子、つまり、動物や人間がかって曝されたことのない遺伝子を持っている。これはわれわれの誰にとっても大問題だ。何故ならば、もしも、このウィルスが人工的に作り出されたものであるならば、このウィルスはまさに生物兵器として作られたと言えるからだ。いったい誰がこのウィルスを中国で放出したのだろうか?このウィルスは中国で作り出され、「何らかの間違いで」世間へ放出されたという筋書は可能ではあるが、いかなるレベルにおいても信用できるようには聞こえて来ない。 中国政府が中国人を集中的に襲うウィルスを作り出し、それを自国内で放出したなんていったい誰が信じるだろうか?

興味深いことには、過去において米国の大学やNGOは非合法的な生物学的実験を行うために中国へ出かけた。これは中国政府にとってはとんでもないことであったので、結果的にはこれらの連中は強制的に退去させられた。このスキャンダルでは中心的な当事者であるハーバード大学は何十万人もの中国人のDNAサンプルを盗み、それらのサンプルを持って中国を去り、米国で非合法的な研究を継続した。彼らが行った会話については完全に異なった方向に歪曲する米国の軍部が当時の中国における研究を開始したものと考えられる。これは疑惑どころの話ではなく、それ以上のものだ。

グローバル・リサーチにおけるこの記事によると、米国は少なくとも1940年代の当初から大規模な生物兵器プログラムを持っていたが、1860年代からさまざまな国に対して有毒物質を使用して来た。 犯罪的な生物兵器の研究や製造に関与する政府やそのパートナーによって如何なるプロパガンダが広められようともこれはもはや秘密ではない。

カウンター・パンチ(訳注:「カウンター・パンチ」ではなく、「グローバル・リサーチ」ではないか)のこの記事によると、1999年当時、米国政府はフィリピンやプエルトリコ、ベトナム、中国、北朝鮮、ラオス、カンボジア、キューバ、ハイチのボートピープル、ならびに、われわれの隣人であるカナダにも化学・生物兵器を(CBW)を配備した。もちろん、米国市民は何度もギニアピッグとして活用されており、政府によって有毒な細菌に曝され、致死的な化学物質に曝されて来た。 米国は、イラクやシリアで起こったように、代理戦争の遂行者を使うことが良く知られていることからも、これは氷山の一角に過ぎないということを留意していただきたい。1999年以降、数種類の異なるウィルスによる感染が流行しているが、現在中国を襲っている新型コロナウィルスも含めて、それらのほとんどは人工的に作られたウィルスである。

特定の人種に焦点を合わせた生物兵器の研究開発については多くの証拠がある。これは極めて深刻な問題だ。 ポストモダンなマルクス主義者によるばかばかしい人種差別の議論を受けて、誰もがこれは大手メデイアがニュースとして取り上げると思うであろうし、これらの残忍で人種差別的な毒物に関与する連中は誰であっても、どんなレベルであっても追放すべきだと思うであろう。しかしながら、そのようなことは何も起こってはいない。何故だろうか?それは政府による隠ぺい、あらゆるレベルで見られる偽善行為、および、左翼に傾倒した目標、等を含めて、実に明白な理由があるからだと私は思う。政府の資金を得て行われている人種差別的な科学を暴露したとしても、何の利益も得ることはないだろう。

生物兵器やウィルスを開発し、生産しているのは米国だけに限られている訳ではなく、世界の多くの先進諸国も行っていると私は言いたい。しかし、戦争と殺戮の分野ではどの場合でもそうであるように、生物・化学兵器を駆使してある国家の国民全体を抹殺したいという非人間的な渇望においても米国は世界で指折りの地位を保っている。何故ならば、これらの兵器は極端に危険であり、制御することが著しく困難であって、無防備に拡散し、特定の国の住民が受けるリスクだけではなく世界中の市民が受けるリスクは計り知れない。米国が作り出した致死的なウィルスが他国に対して使用され、そのことが確認された場合を考えていただきたい。そして、報復措置としてその国が、あるいは、他の国が米国に対してもうひとつの致死的な生物兵器で反撃すると決めた場合を考えて貰いたい。これはいったい何処で終わりとなるのであろうか?このようなシナリオではいったい何億人が犠牲とならなければならないのだろうか?

これらが物語っている事柄はすべてがひとつの事実を指摘している。つまり、今までに知られている中でももっとも毒性が強く、もっとも致死的なウィルスが世界中の研究所で作り出されているのだ。たとえば、米国ではメリーランド州のフォート・ディートリック研究所、アーカンソー州のパイン・ブラッフ・アーセナル研究所、ミシシッピ州のホーン・アイランド研究所、ユタ州のダグウェイ・プル―ヴィング・グラウンド研究所、インディアナ州のヴィーゴ・オーディナンス・プラント研究所、他が挙げられる。政府と製薬業界との間のファシスト的な癒着を考えてみて欲しい。世界中に配置された米軍基地を考えてみて欲しい。これは疾病を治療したり、ワクチンを開発するためのものではなく、たったひとつの目的のために存在する。つまり、大量虐殺を行う生物兵器による戦争のためである。したがって、このような現実がもたらす事柄には良いことなんて何もない。

一度に何百万人もの市民に病気を引き起こし、彼らを殺害する生物兵器を開発しようとする原動力は茶番などではなく、邪悪さえをも凌ぐものだ。この権力はごく少数の者に握られているが、この狂気の沙汰によって潜在的に犠牲者となるのは地球上の人類のすべてだ。このようなレベルに差し迫った狂気の沙汰はどうして継続的に存在することが可能なのであろうか?如何なる課題であっても一般大衆を団結させることが可能であるとすれば、生物兵器や細菌戦争に参画し、特定の民族を殺害し、世界中に疾病を引き起こし、死をもたらす可能性を持ったウィルスを作り出す政府は多くの市民を反政府の立場で団結させるに違いない。最初のステップは、政府は、特に、その可能性がもっとも高い米国政府は特定の国に危害を与えるためにこれらのウィルスを故意にばら撒いているということを暴露することだ。それが証明された暁には誰にとっても信じられないようなリスクが理解され、人々は自分たちを分断している諸々の理由を脇に置いて、一緒になって立ち上がり、この人類に対する脅かしを押し止めようとするであろう。

「平和省の膨大な数に上る研究所や実験場では専門家チームが新しく、かつ、より以上に致死的な毒ガス、あるいは、大陸全体の植物を破壊することが可能な程度に大量に製造できるような毒物を求めて、根気強く研究を続けている。あるいは、可能な抗体のすべてに対して免疫性を付与された細菌を探索している。」 ー ジョージ・オーウェルの「1984年」から 

追記:こちら、こちら、こちら、こちら、こちら、そして、こちら。

著者のプロフィール:ゲイリー・D・バーネットは投資の専門家であったが、今はモンタナ州のルイスタウンに住み、執筆をしている。

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

結局、この記事は武漢で起こった新型コロナウィルスの大流行は米国起源のウィルスで起こったとは断定していない。しかしながら、その可能性を示す現実世界の諸々の状況を詳細に述べている。

とは言え、著者は1999年以降、数種類の異なるウィルスによる出来事が起こっているが、現在中国を襲っているコロナウィルスも含めて、それらのほとんどは人工的に作られたウィルスである」とかなり断定的な語調で述べている。問題は人工的に作ったのは中国なのか、それとも、米国なのかという議論に至るが、その答えは現時点では確定されてはいない。

私が一番面白いと思った部分は次の記述だ:

興味深いことには、過去において米国の大学やNGOは非合法的な生物学的実験を行うために中国へ出かけた。これは中国政府にとってはとんでもないことであったので、結果的にはこれらの連中は強制的に退去させられた。このスキャンダルでは中心的な当事者であるハーバード大学は何十万人もの中国人のDNAサンプルを盗み、それらのサンプルを持って中国を去り、米国で非合法的な研究を継続した。彼らが行った会話については完全に異なった方向に歪曲する米国の軍部が当時の中国における研究を開始したものと考えられる。これは疑惑どころの話ではなく、それ以上のものだ。

ハーバード大学の研究者が何十万人もの中国人のDNAサンプルを盗んだという。そして、それを持ち帰って、米国で非合法的な研究を継続した。いったいこれは何が目的だったのか?誰が研究資金を提供したのか?何かが透けて見えて来るような気がする。

実は、これと同じような出来事がロシアでも起こった。1年ほど前だっただろうか。あるいは、2年前だったかも知れない。ロシア人のDNA情報を集めている米国人がロシアで発見され、当人は国外へ退去させられたとの報道があった。民族特有のDNA情報を集めるというこれら二つの事例は、好むと好まざるとにかかわらず、中国人やロシア人を標的にした生物兵器の開発を連想させる。そうではないとしたら、他にはいったいどんな目的があるのだろうか?不幸なことには、われわれが今住んでいる世界は邪悪さをますます増加させている。


参照:

1The U.S. is the World Leader of Bio-Weapons Research, Production, and Use Against Mankind: By Gary D. Barnett, Information Clearing House, Feb/22/2020





2020年3月11日水曜日

中国の新型コロナウィルス - 衝撃的な最新情報。ウィルスは米国からやって来た。日本、中国、台湾は米国が起源だと報告


新型コロナウィルスについては、中国だけではなく国際的な見方としてコウモリや他の野生動物が媒介しているという説が主流のようであるが、そもそもそのもっと上流はいったい何処に起源するのかに関しては決定的な見解はまだ出ていない。

中国における新型コロナウィルスについては、当初、西側の主流メディアが大袈裟に喧伝し、経済戦争に加えて、あたかも中国に対する格好の情報戦争を開始したかのようにさえ見えた。米国のメディアに特有な近視眼的な見方は、今、米中間に新たな摩擦を引き起こしている。たとえば、中国の環球時報(Global Times)がコロナウィルスとの闘いに関して纏めているウェブサイト( Real-time update on coronavirus outbreak)では35日に下記のような情景が報じられた。
  • テレビ司会者のばかばかしい解説は彼らが中国に対しては厚顔無恥で、偏見を抱いており、中国についてはまったく何も知らないことを露呈したと中国の外務省が述べた。これはフォックスニュースの司会者ジェシー・ワターズがCOVID-19の大流行に関しては中国が謝罪するべきだと言ったことを受けたもの。
  • 中国当局に対する謝罪の要求には正当な理由はまったくない。感染が214ヵ国へ広がり、18,449人を死亡させたH1N1インフルエンザの大流行に関して誰かが米国に謝罪を要求しただろうか?中国外務省の言。

227日には中国の呼吸器系の医師の間では指導的な役割を担っている専門の医師からは次のような議論がすでに提起されていた。
  • COVID-19ウィルスの流行はまず中国現れた。しかしながら、これはこのウィルスが中国を起源にしているとは限らないと中国の呼吸器系専門家のトップであるゾング・ナンシャンが述べた。
西側では一部の人たちが新型コロナウィルスを「中国ウィルス」と呼んでいることに関して中国外務省は、この流れに沿って、公式に反論を強めている昨今である。このような議論の応酬は決定的な科学的裏付けが出るまでは延々と続くのかも知れない。
ここに「中国の新型コロナウィルス - 衝撃的な最新情報。ウィルスは米国からやって来た。日本、中国、台湾は米国が起源だと報告」と題された記事がある(注1)。
本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。

ここにご紹介する見方が正論であるのかどうかの判断はわれわれ素人にとっては難しい。今後、賛成論や反論がいくつも登場してくることだろうと思う。ただし、真実が究明されるのかどうかは保証できない。

ある出来事が地政学的な議論に発展すると、ほとんどの事例は結論が出されないままに放置されてしまうことが少なくない。率直に言って、当事者にとっては結論を出さない方が都合がいいからであろう。JFK暗殺事件、911同時多発テロ、マレーシア航空MH-17便撃墜事件、ノビチョクによるスクリッパル父娘殺害未遂事件、等、たくさんの事例が思い浮かぶ。

<引用開始>

西側のメディアは大舞台を速やかに乗っ取り、中国に出現した新型コロナウィルスの大流行という筋書きを設定し、これは武漢市の海産物市場でウィルスが動物から人へ飛び移ったものであると喧伝した。

実際には出所は長い間分からないままであったが、今や、中国と日本からの報告によると、ウィルスの起源は中国ではなく、何処か他所にあって、複数の場所が考えられるのだが、このウィルスは海産物市場に持ち込まれた後に急速に感染を拡大した。

さらに重要なことは、ウィルスは中国に起源を持っているのではなく、日本からの報告や他のメディアからの報告によると、米国に起源を持っているという点だ。

中国の研究者らはウィルスは中国以外に起源を持っていると結論した:

中国で遺伝子情報のサンプルを収集した後、医学研究者らはウィルスは海産物市場に起源を有するのではなく、複数の未知の供給源があって、ウィルスは海産物市場に暴露されてからそこいらじゅうに伝播して行ったのだと初めて結論を下した。 (1) (2) (3)


Photo-1

環球時報によると:

中国人研究者らの新しい研究によると、新型コロナウィルスは昨年の11月武漢の華南海産物市場とは別の場所で人から人への感染を始めたようだ。

中国の科学者や研究者のためのオープンリポジトリであるChinaXiv上で出版された研究論文はこの新型コロナウィルスは他の場所から海産物市場に持ち込まれ、その後急速に同市場から数多くの濃厚接触者へと感染して行ったと解明した。この知見は遺伝子データや感染源、中国全土から収集された新型コロナウィルスの変種の拡散ルート、等の解析の結果得られたものである。

この研究者が信じるところによれば、「患者ゼロ」は華南海産物市場で作業員や販売員にウィルスを感染させ、何時も人が混雑しているこの海産物市場はさらに購入者らへのウィルス感染を促進させ、2019年の12月初旬には広範な大流行を引き起こした。(環球時報、2020222日の報道)(2)

中国の医療関係当局と安全保障当局はウィルスの起源について迅速、かつ、広範な探索を行い、12ヵ国、4大陸から100個近くの遺伝子情報を収集し、すべての亜種や突然変異種を識別した。この研究の最中、彼らはこのウィルスの大流行がかなり早期に始まったこと、つまり、武漢で行われた軍事ゲームの直後に始まったことを確かめた。

そして、彼らは日本の独立した研究者らが得た結論と同じ結論に到達した。つまり、このウィルスは中国を起源としたものではなく、中国の外部から持ち込まれたものだ。

中国の呼吸器系専門家のトップであるゾング・ナンシャン医師は127日にこう述べている(訳注:これは「1月」ではなく、「2月」が正解):

COVID-19は最初に中国で見い出されたが、このウィルスは中国が起源であるとは限らない。起源は何処か、他所の国である。」 (4)

もちろん、これは実際の起源がいったい何処にあるのかについて新たな疑問を生ぜしめる。もしも当局が12ヵ国から収集した100個もの遺伝子サンプルの分析を行ったとするならば、彼らには中国以外に起源があることを実証する説得力のある理由があったに違いない。このことは「患者ゼロ」を見い出し、特定することが如何に困難であったかをも説明することであろう。

日本のメディア:コロナウィルスは米国に起源を持っているのかも:

2020年の2月、日本のテレビ朝日のニュース報道(テレビおよび印刷物)はコロナウィルスは中国ではなく、米国を起源としており、インフルエンザのせいで死亡したとされている14,000人の死亡者の中で何人か(あるいは、多く)はコロナウィルスの感染によって死亡したのかも知れないと報じた。(5)


Photo-2

日本のテレビ番組は何人かの米国人は知らないうちにコロナウィルスに感染したという疑惑を報じたが、この報道は中国のソーシャルメディアで素早く広がり、新型コロナウィルスは米国を起源としていたという恐れや憶測に火をつけた。

日本のテレビ朝日が行った報告は米国政府がこのウィルスが米国内で如何に蔓延しているのかを把握することについては失敗したことを示唆している。

しかしながら、テレビ朝日が報じているように、インフルエンザで死亡した米国人がコロナウィルスに感染していたのかどうかは分からない。(2020223付け人民日報の英語版)

214日に、米疾病管理予防センター(CDC)はインフルエンザ様の患者についてはロサンジェルス、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ニューヨークの公共保健ラボで新型コロナウィルスの検査を実施すると言った。

テレビ朝日ネットワークは自分たちが主張する内容に関して科学的な文献を提示し、米国では検査を実施しなかったか、検査を行ったとしてもその結果を公表しなかったことから誰も死因については知らないでいると報じて、問題点を浮き彫りにした。自然発生かそれとも人為的な発生か、あるいは、事故によるものかそれとも誰かが故意に引き起こしたのかといった疑問点については言及を避け、単にウィルスの流行は先ず米国で起こったのかも知れないとしている。西側のインターネットはこの情報を洗い流してしまったようではあるが、中国のメディアは依然としてこの情報に言及している。

これらの情報は日本だけではなく中国においてもスズメバチの巣を突っついたような感じだ。特に武漢では10月に世界規模の軍事ゲームが開催されていたことから、この情報は中国のソーシャルメディアでは素早く広まった。あの時点で国外から持ち込まれたウィルスの感染が始まっていたのかも知れないという見方はすでに広く議論されている。

「多分、米国の代表団がコロナウィルスを武漢へ持ち込み、何らかの突然変異がウィルスに起こって、以前よりも致死性が高まり、感染し易くなって、今年の大流行に繋がって行ったのではないか。」(2020223日の人民日報)(1)

中国に対する西側の生物兵器(西側による中国叩き)? 

上海の復旦大学で国際関係論を教えるシェン・イイ教授は世界中のウィルスの専門家たちが、安全保障の専門家も含めて、このウィルスの起源を追跡していると述べた。興味深いことには、中国政府はこの問題を隠ぺいしようとはしなかった。ニュース番組はこう伝えている:

「ネティズンは積極的に議論に加わるよう推奨されるが、道理をわきまえた議論を進めることが望まれる。」 

中国においてはこれは意味があることだ。もしも、報告の内容が取るに足りないものであるならば、政府はそのことを明確に指摘し、
偽情報は拡散するなと人々に告げる。

台湾のウィルス専門家がコロナウィルスは米国に起源を持つと指摘: 

そして、227日に台湾がテレビのニュース番組で図表や流れ図を示し、コロナウィルスは米国に起源を有すると解説した。(6)


Photo-3
 
下記にそのニュースの主な内容について大雑把な翻訳を行い、その概要および分析結果を示そう。(下記の地図を参照願いたい。)

動画の中に現れる人物はこのウィルスの起源を長い時間をかけて詳細に探索したウィルス学と薬学の両分野に通じたトップクラスの専門家である。彼は動画の最初の部分でさまざまなハプロタイプ(つまり、ウィルスの種類)について説明し、それぞれのタイプがお互いにどのように関連しあっているか、ある特定のタイプは他のタイプよりも先に出現したに違いないことやあるタイプは他のタイプに由来すること、等々を説明している。端的に言って、これはごく初等の科学であって、地政学的な課題とは無関係であると彼は説明する。数字を順番に並べると数字の3は常に数字の2の後に現れるのとまったく同じことだと彼は言う。


Photo-4

彼が主張する重要な点のひとつは台湾で感染が広がっているウィルスの種類はオーストラリアと米国にだけ存在しており、台湾ではオーストラリア人によって感染が広がった訳ではないことから、台湾での感染は米国からやって来たということになる。

基本的な論理としては、何もない状態から単一のウィルスが出現することはあり得ないことから、もっとも多種類のウィルスが存在するひとつの地理的な場所がこのウィルスの起源であるに違いない。今までに知られている5種類のウィルスのすべてが米国にだけ存在する(武漢やそれ以外の中国では一種類だけが存在し、台湾、韓国、タイ、ベトナム、シンガポール、英国、ベルギー、ドイツも同様だ。)これは他の国のウィルスは米国に起源を有するとする命題を構成する。

韓国と台湾のウィルスは中国のウィルスとは異なるハプロタイプを持っており、多分、感染がより以上に起こり易いが、致死性はかなり低い。このことから、中国での致死率の三分の一であることを良く説明している。

上記の検討にはイランもイタリアも含まれてはいないが、両国はそれぞれの国で蔓延しているウィルスの遺伝子を解明し、中国のウィルスとは種類が違うと述べている。これは両国のウィルスは中国からやって来たものではなく、まったく違った国から持ち込まれたものであることを示している。イタリアのウィルスの致死率は中国のウィルスのそれとほぼ同じで、他の国々での致死率の3倍を示し、イランのハプロタイプはもっとも致死率が高く、10%から25%までの間にある。(7) (8) (9)

西側のメディアが報じた膨大な量の報道が中国を焦点にしていたことから、世界のほとんどの人たちは新型コロナウィルスは中国を起源として、他の国へ広がって行ったと信じ込んでいるが、これは今や間違いであることが証明された。この投稿を書いている時点で、約50ヵ国が少なくとも一人の感染者を抱えているが、これらの国々からウィルスのサンプルを収集し、その起源が何処にあるのかを特定し、世界中の感染源を調べ、感染拡大のパターンを詳しく調査することは非常に興味深いことであると思う。

このウィルス学の専門家はさらにこう述べている。米国は最近200人以上の「肺線維症」の患者が呼吸困難を引き起こし死亡したと報告したが、これらの患者の状況や症状は肺線維症によっては説明することができない。彼はこれらの死亡例はコロナウィルスに由来するものであるとして米国の保健当局がこれらの死亡例を慎重に取り扱うよう求める書簡を送ったが、彼らはこれらの人たちの死因は電子タバコのせいにして、そこから先の議論には沈黙を決め込んでしまった。

台湾の医師はウィルスの流行は想定以上に早くから始まっていたとも言った。「われわれは2019年の9月を想定しなければならない。」 

彼は2019年の9月の出来事について次のように言った。何人かの日本人がハワイへ旅行し、感染して帰国した。これらの人たちは中国へ渡航したことは一度もない。これは中国における感染の2か月も前のことであり、CDCがフォート・ディートリックにある生物兵器ラボは病原菌の紛失を防護するには不十分であると言って、突然、同ラボを閉鎖した直後のことであった。(10) (11)

彼は(日本人のウィルス学の専門家がそうしたように)個人的に非常に注意深くこれらの出来事を調査したと言っている。これはコロナウィルスはすでに米国内で感染が拡大していたが、その症状は他の疾病に寄るものであると公式に報告された。こうして、多分、隠ぺいされてしまったのだ。

中国の著名なニュース・ウェブサイトである環球時報は米国におけるひとつの事例に言及した。米国である女性の親戚がインフルエンザで死亡したと医師らから聞かされていたが、死亡証明書は死因としてコロナウィルスと明記していたのである。226日に、ABCニュースの関連企業であるKJCT8のニュースネットワークはある女性の姉妹がコロナウィルスに感染して死亡したと同メディアに喋ったと報じた。コロラド州モントローズに住むアルメタ・ストーンは「彼ら(医療スタッフ)は死因はインフルエンザであると私たちに告げていたが、私が死亡診断書を入手すると、死因はコロナウィルスと記載されていた」と言ったのである。(12)

米国でそのようなケースが何件あるのかについてはわれわれは確認することができないが、CDCは信頼できる検査キットを持ってはいないし、何もせず、ウィルスの同定も行っていないことから、他にも同様の事例が存在することであろう。

***

参考情報:

最近の2年間(貿易戦争の最中)、中国はいくつかの大流行を経験している:

2018215日: H7N4鳥インフルエンザ。中国で少なくとも1,600人に病気の症状が現れ、600人以上が死亡した。多数の鶏が殺処分となった。中国は米国から鶏肉製品の調達が必要。

20186月: H7N9鳥インフルエンザ。数多くの鶏が殺処分された。中国は米国から鶏肉の調達が必要。

20188月: アフリカ豚インフルエンザ。ロシアでも同一の種類のウィルス、ジョージアから。 何百万頭もの豚が殺処分された。中国は米国から豚肉の調達が必要。

2019524日: 中国の省レベルの14の地域でアワヨトウ(訳注:ヨトウムシに属し、稲などを荒らす害虫)の幼虫が大発生。ほとんどの作物に被害。中国の穀倉地帯で8,500ヘクタール以上に被害が拡大した。驚く程多く産卵する。中国は米国から農産物の輸入が必要。たとえば、トウモロコシや大豆。

201912月: コロナウィルスの出現が中国経済を抑制。

20201月: 中国の湖南省は「高い毒性」を持った鳥インフルエンザに見舞われた。数多くの鶏が死亡し、多くの鶏が殺処分となった。中国は米国から鶏肉を調達する必要にせばまれている。

標準的な格言によると、悪運は三つも重なるが、六つも重なることはない。

***

著者のプロフィール:ラリー・ロマノフはマネジメント・コンサルタントやビジネスマンであったが、今は退役している。国際的なコンサルタント企業で上級管理者の地位を占め、国際的な輸出入ビジネスを所有していた。上海の復旦大学で客員教授を務め、上級MBAのクラスで国際情勢の事例研究を講義した。ロマノフ氏は上海に居住し、現在は一般的に中国や西側に関係する10冊の本を執筆している。コンタクト先は2186604556@qq.com. 著者はグローバル・リサーチへ頻繁に投稿している。

引用文献:

(1) https://www.globaltimes.cn/content/1180429.shtml
(2) https://news.cgtn.com/news/2020-02-23/New-study-shows-Wuhan-seafood-market-not-the-source-of-COVID-19-OjhaHnwdnG/index.html
(3) https://www.thelancet.com/action/showPdf?pii=S0140-6736%2820%2930183-5
(4) http://www.xinhuanet.com/english/2020-02/27/c_138824145.htm
(5) http://en.people.cn/n3/2020/0223/c90000-9661026.html
(6) https://m.weibo.cn/status/4477008216030027#&video
(7) http://en.people.cn/n3/2020/0301/c90000-9663473.html
(8) http://www.ansa.it/english/news/2020/02/27/coronavirus-italian-strain-isolated-at-sacco-hospital_986ff0c2-7bd6-49fe-bbef-b3a0c1ebd6f4.html
(9) Coronavirus has Mutated, Iran attacked by a Different Strain from Wuhan
(10) https://www.fredericknewspost.com/news/health/fort-detrick-lab-shut-down-after-failed-safety-inspection-all/article_767f3459-59c2-510f-9067-bb215db4396d.html
(11) https://www.unz.com/wwebb/bats-gene-editing-and-bioweapons-recent-darpa-experiments-raise-concerns-amid-coronavirus-outbreak/
(12) https://www.sohu.com/a/376454525_164026

本記事の初出はGlobal Research
Copyright © Larry Romanoff, Global Research, 2020

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

中国の専門家は中国当局が12ヵ国から収集した100個もの遺伝子サンプルの分析を行った結果を踏まえて、新型コロナウィルスの起源は中国にあるのではなく、米国にあるのだと発言した。この科学的な情報は西側のメディアが執拗に推し進めてきた中国を悪者視するプロパガンダを反故にする影響力を秘めている。私にはそう思える。

今後もこの投稿で扱ったテーマに関してはさまざまな賛成論や反論が現れて来るだろうと思う。むしろ、私は活発な議論の展開が起こって欲しいと思う次第だ。

その一方、商業面では、COVID-19ウィルスの感染が国境を越えて急速に広がる中、世界中で数多くの研究開発グループが今COVID-19用のワクチン開発にしのぎを削っている。国際的な大レースである。中には生物兵器を扱う研究所さえもが含まれているとのことだ。まさに、「この盾はどんな鉾でも防ぐ」と言った後で「この鉾はどんな盾でも突き破る」と言って売り込もうとするようなものだ。どのチームが勝利を収めるのかは分からない。チームの数と同じくらいに互いに異なる手法があって、どのような考え方がワクチンとしてもっとも有効で、副作用も起こさずに人の免疫系を元気付けてくれるのかは動物試験や臨床試験を待たなければならない。実際の使用に供されるまでにはさらに1年から1年半は待たなければならないと報じられている。

参照:

1China’s Coronavirus: A Shocking Update. Did The Virus Originate in the US?
Japan, China and Taiwan Reports on the Origin of the Virus: By Larry Romanoff,
Global Research, Mar/04/2020