2016年12月27日火曜日

宇宙における「俺」あるいは「私」は何とちっぽけな存在なんだろうか!



果てしなく広がる宇宙に関する記事 [1] が目についた。

「果てしなく」と一言で言ってはいるが、順序を追って宇宙の大きさを理解しようとすると、素人の私にとってはそれはいとも簡単に理解の限界を超えてしまう。要するに、自分と言う存在が如何にちっぽけなものであるかが嫌と言う程感じられるのである。空間的な意味だけではない。時間的な意味においてもそれは当てはまる。

霊長類の起源は考古学的には500万年とか600万年の歴史を遡ると、さまざまな学者が報告している。そして、われわれの前には他の哺乳類や両生類の長い歴史がある。それらにまで遡って人の個々の臓器の進化の跡、たとえば、神経系とか消化器系とかの起源を辿ってみると何億年も遡ることが可能だとどこかで読んだことがある。

それでも、年齢が138憶歳と言われている宇宙の起源から見れば、霊長類の出現なんてつい最近の出来事でしかない。因みに、太陽系の年齢は今45億歳だそうだ。そして、太陽はさらに63億年存在し続け、恒星としての寿命を全うする。つまり、核融合の燃料が尽きてしまうのだ。そして、赤色巨星となる。その時、太陽は地球の公転軌道の付近にまで大きく膨らむという。その後は、太陽の質量は小さいので超新星爆発は起こさずに、収縮し、冷えて、白色矮星となる。太陽の場合は、質量が小さいのでブラックホールは形成されないという。

63憶年という気が遠くなるような時間とは別に、ここでは、われわれの地球を取り巻く空間の広がりをあらためて考えてみよう。

空間的な宇宙の大きさを図解した記事 [1] がある。

この記事を纏めてくれた著者には、想像するに、少しでも論理的に宇宙空間を理解してみたいという気持ちがありありと伺える。これは古来から誰もが抱いて来た疑問でもある。多くの方々はすでにご存じであるかも知れないが、われわれの毎日の生活感覚をいとも簡単に超してしまう空間的尺度に思いを馳せながら、宇宙空間の広大さを理解してみたい。

なお、多くの場合、写真を拡大して見ていただいた方がいいのではないかと推測される。



<引用開始>

われわれはいったい何なのか、何処から来たのかについて考えを巡らすためには、取り敢えず一切の事柄を停止して考えてみる必要がある。この投稿に含まれている図版を順に眺めて行くことによってあなたの世界観は、多分、変わって来るかも知れない。

われわれは如何に取るに足りない存在であるかを示すこれらの25枚の図解に私は驚愕し、私の関心はさらに高まった。それと同時に、私は文字通り圧倒されもした。

もしもこの投稿が気に入ったら、あなたの友達ともこれを共有してみて欲しい!


1. これがわれわれが住んでいる地球だ。 

[訳注:これは地上700キロの上空を周回する人工衛星「テラ」に搭載されている中分解能撮像分光放射計(MODIS)が取得したデータから作成されたもの。たとえば、陸地や海岸線のデータは2001年の6月から9月にかけて収集された。今や、結構よく見慣れた地球の姿である・・・]



2. これは太陽系。われわれの隣人たちだ。





3. これは地球と月との間の縮尺距離を示す。月はもっと遥かに遠いんだと思っていたんじゃないかい?



4. 地球と月との間の距離には太陽系の惑星をすべて並べることが可能だ。驚いたかな? 

 via: reddit.com


5. われわれが如何に小さいかを感じ取る術を持ってはいない人のために、北米を木星と比較してみよう。 



6. 土星のリングの幅には地球を6個も並べることが可能だ。 



7. 地球にも土星のようなリングがあったとしたら、そのリングはどのように見えるのだろうか? 
 via: io9.com


8. これは彗星。ロサンゼルスの街と比べてみて欲しい。実に大きいね!

 

9. 彗星が大きいだって?それでは、太陽と比べて見よう。地球は左下の小さな粒に過ぎない。

 via: twitter.com
 

10. 次に、月から見た地球の姿。これも良く見慣れた写真だ。

 NASA


11. そして、火星から見た地球。

 NASA


12. 土星から見た地球。

 NASA


13. そして、40億マイル(64憶キロ)も離れている海王星から見た地球。

 NASA


14. 地球を太陽と比べてみよう。何時もの事ながら圧倒されてしまう。



15. 火星から見ると、太陽はこのように小さな粒でしかない。

 NASA


16. 宇宙には数多くの恒星がある。地球上の海岸の砂粒を全部集めたよりも多いんだ。



17. 無数の恒星がある。それらの多くはわれわれの太陽よりも大きい。太陽の大きさを「おおいぬ座VY星」と比べてみよう。



18. 銀河はとてつもなく大きい。分かりやすく言えば、太陽を血液中のひとつの血球の大きさにたとえて見ると、天の川銀河は米国の大きさに相当する。

 via: reddit.com

19. 天の川銀河は大きい。われわれが居る場所は矢印のところ。

 via: teecraze.com

20. 夜空に見える星はすべてが黄色い円の範囲内に入ってしまう。そのことを考えると、まさに圧倒されてしまう。

 via: twitter.com

21. しかし、天の川銀河は宇宙の中では最大級の銀河なんだと思ってはいなかったかね。それでは、天の川銀河を「Ic1011」と比較してみよう。 

[訳注:この図では、天の川銀河は一番左側。その右側にはもっと大きな「アンドロメダ銀河」も示されている。こうして見ると、「Ic1011」の巨大さは言葉では言い表せない!ウィキぺディアの記述を以下に引用してみる。Ic1011は現在知られている限りにおいては最も大きな銀河である。直径は600万光年と、天の川銀河の60倍も大きい。およそ100兆個の恒星で構成されており、これは銀河系の300倍以上の数であると考えられている。質量は天の川銀河の約100倍である。もし天の川銀河の位置にIc1011を置いた場合、大マゼラン雲のような銀河系の伴銀河はおろか、アンドロメダ銀河までもが飲み込まれてしまう。Ic1011のような巨大な楕円銀河は、小さな銀河同士の衝突によって誕生すると考えられている。]

 via: twitter.com

22. これはハッブル望遠鏡から撮影したもの。この空間には何百万個もの銀河系があり、それらの個々の銀河は何百万個もの恒星を持っている。そして、それらの恒星の周りには惑星が周回している。

[訳注:個人的な印象を記すと、この写真には強烈に圧倒される。それぞれの銀河の多くがわれわれが住む広大な天の川銀河に匹敵する。あるいは、それよりも遥かに大きいのだ。また、この写真は宇宙のほんの一部を切り取ったものでしかない。これらの事実を総合すると、宇宙の広大さを示すのには十分だ。カリフォルニア州、サンディエゴの近郊にパロマ―山天文台がある。そこを訪れた時、これと似たような写真を見たことがある。今、その写真が語ろうとしていたことの意味に改めて気付いたような感じがする。]


23. それらの銀河のひとつ、UDF 423。この銀河は地球からは100憶光年も離れている。これはいったい何を意味するのか分かっているかい?この銀河の光がわれわれの地球に到達するのには100憶年もかかるのだ。基本的には、この銀河を観察することによってわれわれは100憶年前の宇宙を観察していることになる!


24. 夜空を眺める時、任意の1平方インチの空間には何憶もの銀河や恒星、惑星が存在していることに留意して欲しい。

 via: thetoc.gr

25. しかし、すべてがバラ色というわけではない。ここではブラックホールを地球の公転軌道と比較してみよう。ブラックホールとは一度そこに入ってしまうと、その重力が余りにも大きいので物質や光はそこから抜け出すことができないような時空間である。



あなたご自身の人生や経験についてあれこれと考える時、あるいは、この世の善悪を考察する時、われわれはかくもちっぽけな存在であるという事実を念頭に置いて欲しい。宇宙の中に置き忘れられた小さな点のような、非常に小さな存在なのだ。念のため。これがわれわれが住んでいる場所だ。



補足A: 太陽系の近辺(赤い点が太陽系)


photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

補足B: 天の川銀河系における太陽系の位置


photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

補足C: その他の近隣の銀河系によって囲まれている「天の川銀河」


photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

補足D: さらにズームアウトしてみよう。白い点が無数に集まっている部分が「おとめ座超銀河団」。天の川銀河を赤い点で示す。


photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

補足E: さらに、さまざまな「局部超銀河団」を示す。赤い点が「おとめ座超銀河団」。


photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

補足F: ここに観測可能な宇宙を示す。ここまでの図解で示したことのすべてが小さな赤い点の範囲内に入ってしまうのだ。凄いだろう。そう思わないかい?



photo credits: Andrew Z. Colvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

<引用終了>


補足Fの図解の中央部にある赤い点の範囲内には今まで延々とご紹介して来た事柄のすべてが入ってしまうという。そして、その赤い点の周りには無数の超銀河団が散らばっている。まさに、無数だ!

もう形容する言葉が見つからい!

この年末年始の休暇にはお子さんたちと一緒にこれらの図や写真を眺めてみるのも一興だと思う。

でも、低学年のお子さんは避けていただいた方がいいかも。私が小学生だった頃、地球は丸くて、回転していると兄から聞かされ、その晩は眠れなかった。「眠っている間に地球がどんどん回転して行き、地球の下側に来たらどうなるんだろう」なんて考えていた。もちろん、答えは全然分からない。あの夜は全然眠れなかったことを今も覚えている。言わば、無防備のまま、まったく新しい概念を聞かされ、それを消化することはできなかったのだ。それだけに、その衝撃は大きかったのである。

中学生や高校生以上のお子さんにとっては非常に興味深い話だと思う。さらには、大人にとってさえもだ。



参照:

1These 25 pictures will make you completely reevaluate your existence. Just WHOA:  justsomething.co/these-25-pictures-will-make-you-completely-...