2020年2月24日月曜日

まさにポストアポカリプス的である - コロナウィルスは毎日の生活をどのように変貌させたか

言論界で人気が高い哲学者のスラヴォイ・ジジェクは最近次のように言った。「われわれの中の誰かは、私自身も含めて、まさに昨今の武漢の街を訪れ、文明が死に絶えた後を示す映画のセットのような街の雰囲気を味わってみたいと密かに思っているのではないだろうか。武漢の人気のない通りはそれ自身が非大量消費社会のイメージを容易く感じさせてくれる。」(さらに詳しくは213日に掲載した「新型コロナウィルスを巡るヒステリックな大騒ぎには人種偏見が潜んでいる - スラヴォイ・ジジェク 」と題した投稿をご覧ください。)

スラヴォイ・ジジェクの述懐は日常性からは全く違う別世界を垣間見たいという好奇心を描写したものではあるが、新型コロナウィルスの大流行が日常生活に与えている影響は、間違いなく、部外者の想像を大きく超すものであると思う。ここに、「まさにポストアポカリプス的である - コロナウィルスは毎日の生活をどのように変貌させたか」と題された記事がある(注1)。

特に、武漢の通りを示す最初の写真は圧巻である。立ち並ぶビルは通常ならばかなりの人通りを想像させるのに十分である。しかしながら、それとは対照的に通りには歩行者が一人だけ。この記事は221日に出版されたものであるから、つい最近の状況である。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

<引用開始>



Photo-1: © ガーディアン提供。写真:Getty Images

コロナウィルスは公衆衛生上の緊急事態ではあるが、単なる医療の問題だけではない。この大流行によって何百万人もの生活が変貌させられた。中国国内では自発的に自宅内で生活することを余儀なくされ、中国人は海外で人種差別に遭遇している。武漢から始まって英国北部に至るまで、われわれはこの大流行によってさまざまな影響を受けることになった人たちを取材した。

武漢:


Photo-2: © ガーディアン提供。中国の武漢で病院に転用された展示場での人たち。
写真:STR/AFP via Getty Images

ウィーはミッドランズで博士号の取得をめざしている29歳の中国人学生であるが、彼女は武漢の出身である。この大流行の震源地となった武漢では彼女の両親は20日間以上にもわたって外出してはいない。「両親は歩き回ることができない。自分のアパートから一歩も出ることができない」と彼女は言う。「窓を開けると空気を介してウィルスが広がって来るのではないかという恐れから窓を開けることさえもできないでいる。」


Photo‐3: © 写真:Getty Images。先週の武漢の通りには人っ子ひとりいなかった。

「今、武漢ではどこもかしこも閉ざされており、公共の交通機関や自家用車はすべてがストップ。自家用車で路上をドライブすることさえもできない。皆は自宅に閉じこもって、食べ、眠り、映画を観るだけだ。これができることのすべてだ」とウィーは言う。
ウィーの両親は自分たちのアパートから外出できるのはいったい何時になるのかについては聞かされてはいない。ソーシャルメディア上ではこれ以上の隔離が続くならば自殺したほうがましだとの書き込みを見たことからも、ウィーは武漢で隔離状態になっている人たちの心の健康を心配している。

「闘うべき最大の敵はウィルスではなく、心の健康だ。ひとつの部屋で半月も続けて過ごすなんて恐ろしいことだ。外出もできず、外の新鮮な空気も吸えない。」

湖北省:

武漢からは100マイルも離れている湖北省の田舎で英国人教師のクロードは中国人のガールフレンドならびに彼女の家族と一緒に彼女の実家で自らを隔離している。二人は旧正月の休暇で同地を訪問していたところだった。

「一日か二日後にはゴーストタウンになった」とクロード(46歳)が言った。「1週間目はリラックスしていた。私は香港の近くで仕事をしている。私は休暇中だった。今頃までには閉所性発熱症に罹っているだろうと思っていたが、実際には今すこぶる元気だ。ガールフレンドの家族はわれわれのためにたくさんの料理を作ってくれ、掃除もしてくれる。私は甘やかされっぱなしだ」と彼は言った。

彼はこの町をポストアポカリプス的だと描写した。人っ気がない通りで米国のスイングジャズが流され、ウオールマートの入り口ではバイオハザード防護服で身を固めた連中が買い物客が店に入る前に彼らの体温をチェックしている。彼とガールフレンドのふたりにはこの町から何時離れることができるのかはまだ分からない。しかし、
ふたりが深セン市の自分の家に戻った時には改めて2週間の隔離を要求されることであろう。

街のムードは「極めて落ち着いていた」とクロードは言ったが、何週間か後になって供給が途絶え始めるとこのムードは一変するだろうと感じられた。「日が経つにつれて、マスクを装着する人が増え、人々はお互いの間隔を開けるようになってきた」と彼は言った。

湖南省:

隣の湖南省では、28歳の中国人でメルボルンに住むユーハンもこの罠に陥ったひとりである。彼女は旧正月を祝うために帰省したところであった。

彼女は両親と一緒にほとんど3週間も自発的に隔離状態を続けた。そこから離れるのは200メートル程離れた場所に住む祖母を訪れる時だけである。ユーハンはこの隔離がさらに2週間も続くのではないかと心配している。

彼女の家族は2‐3日毎にオンラインで食料品を注文し、料理をし、テレビを観ることで時間を潰している。通常、昼食のために祖母を訪れ、彼女の夕食の分も用意する。しかし、ユーハンの友人の家族は多くが家を離れようとはしないと彼女は言う。

「私の祖母は、特に陽射しがある日には散歩のために外へ出ようとする。しかし、私は何時も彼女を制止して、彼女と一緒にアパートの中を歩き回っている」と彼女は言った。「テレビの公共放送は主にいい話だけを報じるから、状況は今でも危険であることを説明することは時には難しいことがある。」

上海:

中国で人口がもっとも多い上海では、数多くの外国人教師は自分の職場を心配し始めている。

同市の国際幼稚園に務める23歳の教師ロブはこんな話をしてくれた。子供の親たちが新学期のために子供を送り出すことをためらったので、約25人の同僚がこの大流行で職を失った。それ故、教師らは自分のビザが30日間で失効する前に職を探さなければならなくなった。

「これらの教師は労働ビザをキャンセルされた場合、健康保険もキャンセルとなる」と彼は言う。「学校側は何もできないという。利益を挙げる余裕もないので学校側は教師を解雇しなければならない。彼らが働いていないならば、彼らのビザをキャンセルしなければそれは不法行為となるのだ。」

ロブは計画した通りに英国へ飛ぶことはできなかった。その代わりに、バンコックへ飛んだ。今は、上海へ戻って、マスクは6ポンドも請求されると周囲の人たちから聞かされた。マスクを入手するために当日の登録を失念するとマスクなしで外出しなければならない。また、各所帯に配布されるべきマスクは家主の下へ配布されるので、家主がアパートの住人にマスクの割り当てを行っているのだと聞かされた。

英国への途上で:


Photo-4: © ガーディアン提供。北大興国際空港における
エアー・チャイナの旅客機。写真:TR/AP

中国を経由した旅行者の何人かはコロナウィルスの感染を予防する筈の航空会社のチェックに関しては批判的である。デイヴはパートナーと一緒にバンコックで休暇を過ごし、エアー・チャイナを使って北京経由で英国へ戻った。この旅行中彼らはマスクと水泳用のゴーグルとを装着した。

バンコックでは航空会社の職員が乗客の体温を測っていたが、4人の乗客は「明らかに限度を超していた」のだが、搭乗員との短時間の議論の末乗り込むことが許されたとこの39歳の旅行者が言った。

「パートナーと私はふたりともこのフライトは緊張をはらんでいると感じていたが、搭乗員たちは見た感じでは神経質になっていた。何人かは感染の防止をまったく気にしてはいなかったし、多くの人たちはその気にはなっていないような感じでさえあった。たとえば、マスクの装着が適切だとはとても言えなかった。」 

ヒースロー空港では何のチェックもなく、何の情報もなかった。「ごく普通の日に特別な出来事もなくヒースロー空港へ到着したような感じであった」と彼は言った。「少なくともイングランド公衆衛生局に関する何らかの情報があるだろうと私は思っていたが、ポスターさえもなかった。エアー・チャイナ便から降りた私たちや咳をしている一団の乗客らは楽々と空港を後にした。」

「手の消毒剤が方々に置いてあったが、誰もそれを使おうとする者はいなかった」と彼は付け加えた。「いささかなおざりに感じられた。」


英国内で:


Photo-5: © ガーディアン提供。イングランド北部に住むリーは
人種差別的な嫌がらせを体験した。写真:Alamy

英国内では中国人の地域社会はウィルスの影響を感じ取っている。イングランド北部で博士号の取得を目指している中国人学生のリーは、コロナウィルスのせいで、夜の外出時に人種差別的な嫌がらせに遭遇した。彼と他の二人の中国人の友人はある晩買い物のためにショッピングセンターへ出かけた。その時一台の車に乗った三人の男らが彼らに向かって叫び始めた。リーが言うには、彼らはわれわれのことを「中国ウィルス」とか「中国人のろくでなし」とか喚いた。

「われわれは本当に恐ろしく感じた。彼らを急いでやり過ごし、静かにしていた。何故かと言うと、彼らは暴力を振るうかも知れないと心配したからである。通りには誰も居なかったし、とにかく安全に過ごしたいと思ったからだ。あの時は実に危険な感じがした。」 

あの出来事以降、彼は家に居ることが多くなり、大学へ通う場合と食料の買い物をする場合だけ外出するとリーは言う。大流行が起こってからというもの、文化的な違いが問題を引き起こしているように感じられる。

英国人はマスクを装着しないが、アジア人にとってはマスクはごく普通のことだと彼は言う。「今や、私の中国人の友人たちはマスクを付けると凝視されるような始末だ。」

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

この記事を読み、写真を眺めて平均的な日本人が感じることは、恐らく、日本にもこのような事態が来るかも知れないという不安感であろう。むしろ、確実にやって来そうな感じさえする。東京は武漢の街のようには決してならないといったい誰が言えるのだろうか?日本はダイアモンドプリンセス号での感染防止は大失敗に終わり、国内に数多くの感染者を抱え、その趨勢が衰えを見せてはいない韓国と日本は、このままで行くと、世界中から隔離の対象にされるかも知れない。そんな悲観的な思いに駆られるのは私だけだろうか。

中国の湖北省は5千9百万人の人口を抱えながらもその全域に外出禁止令を出した。その規模が日本の人口の半分に相当し、韓国の人口を上回ることを考えると、外出禁止令が社会に与えた衝撃は非常に大きいことは誰にもピンと来る。しかも、武漢では今でも続いている。幸運にも新型肺炎から全快し、退院したとしても、さらに二週間は外出しないよう湖北省当局は求めている。

しかしながら、それだけの対策を取ったからこそ、震源地である湖北省の感染者数は、今、減少し始めている。湖北省当局は2月20日に省内の企業は310日以前にはビジネスを再開するなと指示した。つまり、2週間後にはビジネスを再開する自信を表明したのだ。この自信が首尾よく裏付けされることを祈るばかりである。

参照:

1It's post-apocalyptic': how coronavirus has altered day-to-day life: By Molly Blackall and Rachel Obordo, The Guardian, Feb/21/2020




2020年2月19日水曜日

新型コロナウィルス感染の最悪のシナリオ

新型コロナウィルス感染を封じ込める上でもっとも大きな難題は感染していながらも症状が出ていない段階で周囲の人たちへの感染が広がる点にあると思う。極端に言えば、中国では14億人の人口全員について血清検査や臨床的な診察を行うことが必要となる。不可能だとは言わないまでも、実現は極めて困難だ。日本の場合は126百万人で、その困難さはまったく同様である。

米国の疾病対策センター(CDC)の長官は新型コロナウィルスは地域社会特有の疾病であると言う。14日の報道によると、米国では15人の感染者が確認されている。CNNでのインタビュウに応えて、CDCのロバート・レッドフィールド長官は「このウィルスに関しては知らないことが多くある。恐らくは、このウィルスは今シーズンだけではなく、来年にさえも持ち越されるかも知れない。そうこうしている内にこのウィルスは拠点を築き上げ、われわれは地域社会での感染に見舞われることになるかも」と言った。

不幸にも東京で感染が発生したとすれば、明らかにそれは首都圏全体で対策を講じなければ意味がないことになる。今横浜港沖に停泊しているクルーズ客船ダイアモンドプリンセス号における感染は横浜市や東京への感染は起こらないと言い切れるのであろうか?症状がない感染者から周囲の人たちへの感染が起こっている現在、クルーズ船から外部へと感染が広がることはないと誰が断言できるのであろうか?

ここに「新型コロナウィルス感染の最悪のシナリオ」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

<引用開始>


Photo-1: © Used with permission of / © St. Joseph Communications. Passengers step
off a plane carrying Canadians back from the Wuhan province in China, after
it arrived at Canadian Forces Base Trenton in Trenton, Ont.,
on Feb. 11, 2020. (Lars Hagberg/CP)

(編集者からの注釈:この記事に掲載されている意見はあくまでも著者のものであって、必ずしもMSNまたはMicrosoftの見解を代表するものではありません。)

ティモシー・スライは疫学の専門家であって、ライアーソン大学で公衆衛生学の教授を務めている。2003年にはトロントでSARS対策に従事した。

この原稿の執筆の時点は中国での大流行が始まってから約8週目であり、放送や出版物およびソーシャルメディアは最近公にCOVID-19 と名付けられた新型コロナウィルスを重症急性呼吸器症候群(SARS)や季節性のインフルエンザまたは1918年に大流行したインフルエンザと比べている。

避ける術もなく、陰謀説を信奉する少数の巡礼者らはこれはでっち上げだ、公害によって引き起こされた、あるいは、生物兵器が放出された、等と主張している。カナダだけでも季節性のインフルエンザで毎年3,000人以上もの死者が出る。「そのことを考えると、いったいどうしてこんなに大騒ぎをするんだ?」と批判者らは言う。

この段階でもっと適切だと思える質問点はこうだ。「現実にはいったい何を予期することが可能なのか?」

疫学の専門家は大流行の激しさやその規模を推測する尺度として三つの点を用いる。つまり、潜伏期、致死率、および、基本再生産数。

参考情報: The science of novel coronavirus

先週、ジャンティエン・バッカー他はEurosurveillance誌に COVID-19の潜伏期(IP)に関してもっとも詳細な推測値を発表した。たとえ隔離の場所がクルーズ船、病院、あるいは、自宅であったとしても 、その論文は隔離の手順を教えてくれる。研究者らはCOVID-19 ウィルスに感染した88人を詳しく調査し、その結果、潜伏期間の平均値として6.4日を算出した。その振れ幅は2日から11日。COVID-19ウィルスはSARSよりも僅かに短い潜伏期間を持ち、MERSのそれと非常に類似している。

木曜日(213日)現在、中国政府は累計の死者数は1,113 人で、累計の感染者数は44,653 であると言った。これらの数値が大流行の全体を代表しているとすれば、致死率は2.5%となり、感染者が死亡する危険度は「スペイン風邪」と称せられた1918年のインフルエンザの大流行での致死率と同じレベルとなる。

COVID-19ウィルスはそれ程に恐ろしいんだという結論に飛びつく前に、われわれには中国が毎日報じている数値は果たして正確であるのかという疑問がある。隔離されている何千万人もの人たちを観察する仕事だけを取り上げても、それは、たとえ不可能ではないにしても、非常に困難な仕事である。毎日の致死率は不思議なほどに一貫している。あたかも毎日の比率はひとつの公式にしたがって編集されているかのようでさえある。さらには、感染例は「確認された」ものとして記述されている。未確認の者や症状が軽い者、症状が現れてはいない者、報告されなかった事例、等は含まれない。したがって、これらを含めると確認された患者数の何倍にもなるであろう。もしもそうだとすれば、致死率は劇的に低下する。

参考情報: ‘It felt like the end of the world’: From Wuhan to Canada in coronavirus quarantine

幸運なことには、中国の国外で起こった518例では二人が死亡したが、彼らについては詳しい観察を行い、独立した致死率として0.4%以下という数値が得られた。この致死率が有効であるとすれば、それぞれの確認された感染者一人について6人から7人の未確認者がいるのではないかという議論が可能となる。

基本再生産数(R0)とは個々の一次感染者が何人の二次感染者を生み出すのかを示す。19181919年に大流行を起こしたスペイン風邪のR0 1.4から2.8でり、平均値は2であった。COVID-19ウィルスについては最近の3週間に10個以上の推算が行われ、R01.7から3.3までの範囲に分布している。

現実にはいったい何を期待することが可能なのか?ウィルスの人間に対する適応がうまく行かなかった場合、時間の経過にしたがってウィルスは勢力を失い、R01よりも小さくなるとウィルス感染は次第に衰える。しかし、このウィルスが過去の8週間に示した活発な感染の拡大を見ると、このような変化は当面はありそうもない。

参考情報: Beijing’s credibility deficit makes the coronavirus crisis much worse

母集団が前にウィルスに遭遇したことがあって、免疫性を獲得している(あるいは、抗菌剤やワクチンが導入された)場合、感染は自然に消滅する。しかしながら、COVID-19は人間集団にとっては新しいウィルスである。つまり、人々は免疫性を持ってはいないし、今後の6カ月から12カ月はワクチンの開発、試験、製造を行えるようには思えない。世界規模の流通にはさらに時間を要する。HIVウィルスに効果を見せた抗菌剤が考慮されてはいるが、効果を見せるかどうか何の保証もなく、試験を行ってみる必要がある。

最悪のシナリオはウィルス感染が拡大し続け、母集団の大きな部分に感染が広がることだ。何人もが死亡するが、多くの人たちは新たに獲得した免疫性によって生きながらえる。こうして、大流行は終わりとなる。ある地域に根を降ろした場合、ウィルスはその母集団内において何の障害もなく拡大する。仮に百万人の母集団を取ると、当初少なくとも三分の一(33万人)が感染する。致死率が2%であるとすれば、6,500人が死亡する。主として、老人や何らかの持病を持っている人たちが死亡するだろう。その年の終わりには「COVID19 ウィルスの致死率」は0.66%であったと報じられることだろう。生きながらえた323,400人はコロナウィルスに対して少なくとも当面は免疫となり、その後の感染の拡大を鈍化させる。

もしもウィルスが出回っていると、当初感染しなかった65%の人たち(67万人)が感染するかも知れない。あるいは、2003年のSARSの流行のように、ウィルスは野生に戻り、二度と報道されることはないのかも知れない。

参考情報: Coronavirus: What Canadians need to know

ウィルスが人間集団に入り込み、そこに居座ることが許されると、この種の大流行が起こり易い。上記に引用した仮定の数値は何年にもわたって起こった大流行の動きやウィルスが今日までに示した特性に基づいている。

強力で立派な人的資源と公衆衛生のインフラを有する国々では、当面、その国へ入国する人々が感染しているかどうかを監視することになるが、別の問題が存在する。空港で実施されている皮膚温度の測定は感染者がその国へ入ってくるのを防止するという意味では直感的に理解できる限界ではあろうが、この手法には信頼性があり、有効であるのかどうかを示す証拠は今まで常に欠けていた。SARSの大流行では、184万人がスクリーニングを受け、794人が隔離された。感染の事例は確認されなかった。

感度解析においては一般的に言えば保守的な解析を行なって、最近、ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院のビリー・キルティーとサム・クリフォードは研究結果を出版した。それによると、皮膚温度の測定を実施したとしても、100人の旅行者のうちで46人は検出されることもなく入国する。現行の大流行では空港でのスクリーニングによっていくつかのCOVID-19の感染事例が確認されてはいるものの、この推測値は多くの旅行者はスクリーニングでは検出されなかったとしている。

封じ込めは功を奏するだろうか?接触のあった人達を隔離することは果たして有効なのか?感染が確認された人たちや感染の疑いがある人たちには有効である。特にその数が少ない場合。しかし、感染者が検出されることもなく人ごみの多い都市部へ入って行くと、新たな流行を容易に引き起こし、感染が検出される前に手に負えなくなってしまう。中国政府によって公表されている「確認された」感染者数を見ると、大流行が弱まっているとは言えない。現時点では、ほんの一握りの感染者だけが30ヵ国へ入国したとして各国で報道され、厳重な隔離措置を受けている。

しかし、何百人もの感染者が国境当局の監視を潜り抜けて、マニラやムンバイ、モンバサ、あるいは、メキシコ市といった超過密な人ごみの中へ消えて行ったとしたらいったい何が起こるのだろうか?カナダは武漢との直接の接触はないが、上記の超過密都市との間には多くの定期便が飛んでいる。すべては計画通りにうまく行くと予測することは簡単であるが、母なる自然は何時も抜け道を見つけ出す・・・

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

今回の大流行では感染が次々と繰り返されている間に感染力は低下し、重症となる感染者の割合も低下するとの説が出回っている。もしもこの説が現状を説明するものであるとするならば、中国以外での感染者は中国の湖北省程の厳しい展開にはならず、より軽症に終わり、発症しない率が高くなるとも言える。そうすると、世界的な大流行という懸念は一挙に後退するだろう。しかしながら、この説が正しいのかどうかは検証する必要がある。

震源地である中国の湖北省では新たな感染者の数は頭打ちとなって来た。216日の朝発表された前日の24時現在の新たな感染者数は1,843人で、2,000人の大台を割った。その後もこの趨勢が維持されて4日間続き、21824時現在の新規感染者数は1,693人である。この新しい傾向が本当に沈静化を示すものであれば朗報である。問題は湖北省での感染者のスクリーニングがどれだけ正確に行われているか次第である。湖北省の呼吸器系の専門家であって、最前線にいるゾング・ナンシャンは18日にこう言った。「武漢では人から人への感染はまだ下火にはなっていない。現時点ではふたつの課題と取り組む必要がある:患者と健常者とをふるい分けること。そして、 COVID19の患者とインフルエンザの患者とをふるい分けることだ。」

少なくとも気を緩めることができるような状況にはないようだ。2週間後、あるいは、1カ月後にはもっと確かなことが言えるのではないか。

もうひとつの議論は潜伏期。今まで言われて来た潜伏期は長くても14日であったが、潜伏期は24日だとする意見が出ている。でも、これは非常に稀なケースであるとゾング・ナンシャンは言う。ゾングと彼のチームは中国国内の522カ所の病院から入手した1,099人のデータを調査した。たったひとりの患者ではあるが、24日の潜伏期が確認され、14日を超す事例は13人に認められた。「これは大多数の特徴を取り上げるのか、それとも、稀なケースを取り上げるのかという問題だ。3日から7日が平均的な潜伏期であって、大多数の感染者に当てはまる。しかし、例外が存在するということは決して驚きではない。」(Original article: Clinical characteristics of 2019 novel coronavirus infection in China, by Nan-Shan Zhong et al.


参照:

1Coronavirus: The worst-case scenario : By Maclean's. Feb/12/2020


2020年2月13日木曜日

新型コロナウィルスを巡るヒステリックな大騒ぎには人種偏見が潜んでいる - スラヴォイ・ジジェク

新型コロナウィルスを巡っては重要な視点が幾つかあるが、多分、最大級の重要性はヒステリックな騒ぎを引き起こし、それを続けようとする動機にあるのではないだろうか。

中国の環球時報はコロナウィルスに関する情報を、毎日、時系列的に更新している。その日に確認された新規患者数や死者数、ならびに、累積患者数と死者数を始めとして、退院した患者数、一般市民の挙動や地方自治体の職員の不正、あるいは、ワクチンの開発、病院の超迅速な建設、物資の不足を緩和する動き、等が報じられている。もっとも最近の報道を読むと、僅かながらも収束の兆候が感じられる。しかしながら、そんな楽観的な印象も翌日にはあっさりと打ち消されてしまう。コロナウィルス感染の大流行は目下そんな感じで推移している。

ここに、哲学者であるスラヴォイ・ジジェクの見解を示す記事がある(注1)。「新型コロナウィルスを巡るヒステリックな大騒ぎには人種偏見が潜んでいる - スラヴォイ・ジジェク」と題されている。

コロナウィルス感染の大流行そのものの挙動、つまり、患者数や死者数、ならびに、退院者数の推移、あるいは、病院の建設やワクチンの開発についてだけではなく、西側の大手メディアが煽り立てる危機的状況の背景に潜むイデオロギーや動機を明快に論じている点に私は凄く新鮮な印象を受けた。まさに盲点を突かれた感じだ。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しよう。

<引用開始>


Photo-1:中国の武漢にある橋を下から眺める  © Getty Images / Gregor Sawatzki

われわれの中の誰かは、私自身も含めて、まさに昨今の武漢の街を訪れ、文明が死に絶えた後を示す映画のセットのような街の雰囲気を味わってみたいと密かに思っているのではないだろうか。武漢の人気のない通りはそれ自身が非大量消費社会のイメージを容易く感じさせてくれる。

コロナウィルスはいたるところでニュースとなっている。私は医療関係の専門家を装う積りは毛頭ないが、ひとつだけ問題提起をしておきたい:事実はいったい何処で終わり、イデオロギーはいったい何処から始まるのか?

まず最初の不可思議な点はこうだ。このコロナウィルスの大騒ぎよりも遥かに悲惨な大流行がいくつも起こっており、まったく別の感染症によって毎日のように何千人もが死亡しているにも関わらず、いったいどうして本件にはこれ程執着するのだろうか?

もちろん、もっとも極端なケースは19181920年に起こった「スペイン風邪」と称されるインフルエンザの大流行であろう。当時の死者数は5千万人に達したと推定されている。現在はどうかと言うと、米国では今シーズンだけでも千5百万人の米国人が感染し、少なくとも14万人が入院し、8,200人が死亡した。

今回の大流行では明らかに人種差別的な妄想が絡んでいる。生きている蛇の皮を剥いているとか、コウモリのスープをズルズルと飲んでいる中国人女性に関する幻想のすべてを思い起して欲しい。その一方で、現実には、中国の大都市は恐らくは世界でももっとも安全な場所のひとつである。

しかしながら、より深遠で、しかも、矛盾した側面が存在する。つまり、われわれの世界がより緊密に連結されればされる程、地方で起こった惨事は世界的規模の恐怖を引き起こし、遅かれ早かれ地球規模の大惨事となり得ることだ。


2010年の春、アイスランドの小さな火山から放出された噴煙がヨーロッパのほとんど全域で航空機の発着を中断させた。これは人類が持つ自然を変え得る能力のすべてとは無関係に、人類は依然として地球上に生息する生物のひとつに過ぎないことを悟らせるものだ。

そのような取るに足りないほどに小さな出来事が社会的・経済的に与える壊滅的影響はわれわれが実現した技術的発展(空の旅)のせいで引き起こされている。1世紀前であったならば、このような火山の噴火はやり過ごされていたことであろう。

技術的発展はわれわれを自然からますます独立させるが、それと同時に、それとは違ったレベルにおいてはわれわれは自然の気まぐれさによって必要以上に振り回される。そして、まったく同じことがコロナウィルス感染の拡大についても言えるのだ。もしもこれが鄧小平の改革以前に起こっていたとすれば、われわれは多分これについては聞くこともなかったであろう。

コロナウィルス感染の拡大に関する憶測やこの世の終わりといったシナリオによって煽り立てられている恐怖は世界経済に対しては感染の拡大以上に大きな脅威となる。

闘う準備をする


ウィルスは得たいの知れない、目には見えない寄生虫のような生命体としてその個体数を増やし、詳細な機構は基本的には何も分かっていないにもかかわらず、いったいどうやってウィルスと闘うのか?この知識の欠如こそがパニックを引き起こす源泉である。もしもウィルスが予期もしない突然変異を起こし、世界規模の大惨事を起こすとしたら・・・?

これは私の個人的な被害妄想ではあるのだが、当局がパニックを大っぴらに見せている理由は、一般大衆の混乱や騒動を避けるために、公表したくはないような突然変異について政府自身が何かを知っている(あるいは、少なくともそういった疑いを持っている)からなのだろうか?何故かと言うと、今までに分かった実際の影響はどちらかと言うと比較的控えめなレベルで推移しているからだ。一つだけ確かなことがある。つまり、封じ込めや隔離は解決にはならない。

完全に無条件な連帯意識や世界レベルで調整された対応策が必要なのだ。これはかっては共産主義と称されたものの現代版である。われわれがこのような方向での取り組みに着手しないならば、今日の武漢の姿は、恐らく、われわれの都市の将来のイメージとなるのではないか。

数多くの暗黒郷小説がすでにこれと同じような運命をはっきりと描いている。われわれはほとんどが在宅し、コンピュータに向かって仕事をし、ビデオコンフェレンスを介して連絡しあう。ホームオフィスの片隅に置いたマシーンで汗を流す。食べ物は配達されてくる。

rt.comでの関連記事:All US has done could only spread fear’: China slams Washington for ‘stoking panic’ against Beijing over coronavirus

武漢での休日

しかしながら、この悪夢とも言うべき見方にはまったく予期し得なかった解放論者的な展望が秘められている。この数日間というもの私は武漢を訪れるという夢に耽溺していたことを認めなければならない。

大都市における半ば見捨てられた通りは、通常ならば活気に満ちた大都市の中心部がゴーストタウンになってしまったかのように見え、店舗が開いているにもかかわらず客の人影は見られず、一人の歩行者または一台の車がそこここに認められ、一人一人が白いマスクをしている・・・、まさにこれは非消費者世界のイメージを端的に示しているのではないだろうか?

上海または香港の人っ子一人もいない空っぽになった目抜き通りの憂鬱な美しさは私に古い映画を思い出させる。たとえば、「渚にて」だ。あの映画では息を呑むような巨大な破壊ではなく、ほとんどの住民が消えてしまった都市が映し出される。あの映画では世界はもはや手に届く所にはなく、誰かがわれわれを待っている訳でもなく、われわれを見て、われわれを求めている訳でもない。

何人かの歩き回っている人たちが身に着けている白いマスクはまさに格好の匿名性を与え、社会による認識のための圧力からは開放してくれる。

われわれの多くは1966年に学生たちが辿りついた、かの有名な状況主義的な結論を今も記憶している。つまり、「無為な時間なしに生きること、そして制約なしに楽しむこと」。

フロイドとラカンがわれわれに何かを教えてくれたとするならば、それは超自我の禁止令の最高の例は、ラカンが適切に証明しているように、超自我はもっとも基本的なものであることから積極的に禁止令を楽しむことであって、何かを禁止する否定的な行為ではない。この公式は惨事の領収証である。われわれに与えられている時間の中ですべての瞬間に強烈に関与したいという衝動は息が詰まるような退屈感に終わる。

無為の時間は自分の身を引き下げることであって、これは昔の神秘主義論者が「平静さ」、「開放」と称したものであって、われわれの生活体験を再活性化する上では非常に重要なものだ。多分、次のようなことを期待することが可能ではないか。中国の都市で進められているコロナウィルス患者の隔離がもたらす予期せぬ影響としては少なくとも何人かは無為の時間を活用して、気忙しい活動からわが身を解放し、この窮状が意味するもの(あるいは、そのナンセンス振り)を考えることであろう。

これらの私的な考えを公表しようとすることは危険であるということを私は十分に承知している。つまり、私は自分が部外者であり安全な場所にいるからこそ、より掘り下げた、ある種の権威的な洞察を犠牲者の苦痛のせいにするという新たな解釈を提示しようとしているのではないか?こうして、皮肉にも私は彼らの苦痛を正当化しようとしているのではないか?

「これはわれわれに共通した惨事だ」:ストロー級のチャンピオンがコロナウィルスの流行を恐れて北京を離れるので、UFC(総合格闘競技の団体)はジャン・ウェイリーの身柄を中国から引き取ることに。

人種差別主義的な底意

武漢のマスクをした市民が医薬品や食料を求めて歩いている姿を見る時、彼や彼女の意識には反消費主義的な考えは毛頭ない。あるのはパニックや怒りならびに恐怖である。私が弁解したい点は恐怖に満ちた出来事であってさえも、それは予測ができないような前向きな結果をもたらし得るということだ。

カルロ・ギンツバーグは自国を愛するのではなく、自国を恥ずかしく思うことはその国に属していることを示す本物の徴であるのかもしれないという考えを提案した。

多分、イスラエルの誰かは勇気を絞り出して、ネタニヤフとトランプが自分たちのために提案した政策に関して恥を感じていることだろう。もちろん、これはユダヤ人であることが恥だという意味ではない。それとは違って、ウェストバンクにおける行動がもっとも貴重なユダヤ主義の遺産に与える影響に関して恥じるという意味である。

多分、英国人の誰かは十分に正直者であって、ブレクジットをもたらしたイデオロギーの夢を恥ずかしく思っているに違いない。しかし、武漢の人たちにとっては恥ずかしく思ったり、疑問に駆られている時ではなく、勇気を絞り出して辛抱強く闘いを続ける時なのだ。

もしも中国にコロナウィルスの大流行を過少評価する人がいるならば、チェルノブイリ原発事故で自分の家族を速やかに避難しておきながら、危険はないと公言した政府職員が恥じなければならないのと同様に、そういう人たちは自らを恥じるべきである。あるいは、地球の温暖化はないと公言しながらも、ニュージーランドで家を買ったり、ロッキー山脈で生き残り用のバンカーを建設する高級職員が自らを恥じなければならないのと同様に・・・

多分、このような二重行動に対する一般大衆の怒り(すでに、当局者には透明性を約束させるところまで来ている)は中国に予期しなかったもうひとつの建設的な政治的展開をもたらすであろう。

しかし、真の意味で恥じなければならないのは中国人を如何にして隔離するべきかを考えているわれわれ自身なのである。

注:この記事に表明されている文言や見解および意見は全面的に著者のものであって、必ずしもRTの見解や意見を代表するものではありません。

著者のプロフィール:スラヴォイ・ジジェクは文化哲学を専門とする哲学者。リュブリャーナ大学の社会学哲学研究所で上級研究員を、ニューヨーク大学ではドイツ語の特別栄誉教授を、そして、ロンドン大学のバークベック人文学研究所では国際部長を務める。彼の生活に関するドキュメンタリーは彼を「文化理論のエルヴィス」と描写した。ウェブサイトの「Vice」は書評で彼を「西側でもっとも危険な哲学者」と称した。スラヴォイはガーディアン紙やニューステーツマン、インデペンデント、他で執筆している。

<引用終了>

これで全文の仮訳が終了した。

スラヴォイ・ジジェクの記事を仮訳するのは私には初めてのことだ。哲学の分野にはまったくの門外漢である私にとっては大きな挑戦となった。正直に言うと、この仮訳よりも上質な訳がいくらでもあると認めざるを得ない。その点はご容赦願いたい。

とは言え、著者が指摘したい点は明瞭だ。「コロナウィルスはいたるところでニュースとなっている。私は医療関係の専門家を装う積りは毛頭ないが、ひとつだけ問題提起をしておきたい:事実はいったい何処で終わり、イデオロギーはいったい何処から始まるのか?」という部分は哲学者らしい思索の過程を示す格好の文言であると私には思えた。

「技術的発展はわれわれを自然からますます独立させるが、それと同時に、それとは違ったレベルにおいてはわれわれは自然の気まぐれさによって必要以上に振り回される。そして、まったく同じことがコロナウィルス感染の拡大についても言えるのだ。もしもこれが鄧小平の改革以前に起こっていたとすれば、われわれは多分これについては聞くこともなかったであろう。コロナウィルス感染の拡大に関する憶測やこの世の終わりといったシナリオによって煽り立てられている恐怖は世界経済に対しては感染の拡大以上に大きな脅威となる」という指摘は言われてみれば当然だとういう感じがするけれども、この記事の文脈からは実に重要な意味合いをもっている。

ところで、環球時報は毎日新型コロナウィルスによる新たな感染者や死者の数、さらには、特効薬の臨床試験、ワクチンの開発予定、等を時系列的に報じ、更新を行っている。

たとえば、

21210:25 pm:中日友好病院は新型コロナウィルス用の薬剤「Remdesivir」について臨床試験を実施中であると公表した。

21203:27 pm:中国におけるコロナウィルス感染からの回復の率は127日の1.3%から火曜日(211日)には10.6%へ上昇した。これによって退院者が増加している。中国は依然として新型コロナウィルスとの厳しい闘いに直面しているが、好ましい兆候も現れている。新規の患者数は24日に3,887人を記録しピークを示したが、火曜日(211日)には2,015人に低下した。48.2%の減少である。国家厚生当局の言。

212日の10:55 am:火曜日(211日)の真夜中現在、新型コロナウィルスの震源地である湖北省の外での新規患者数は8日間連続して減少した。湖北省でも新規患者数は二日間続けて減少し、過去の10日間で初めて2,000人を割った。

大局的にみると、中国における総患者数の曲線上ではようやく変曲点が観察されているようだ。これからは山を下ることになる。山を登るのに要した2か月と同程度の時間が必要だと想定すると、中国が勝利宣言を発する時期は4月中旬か。

その頃、シンガポールや日本での感染の拡大はピークに達しているのかも。あるいは、すべての策が奏功して、すでに沈静化しているかも知れない。


参照:

1: Clear racist element to hysteria over new coronavirus – Slavoj Zizek: By Slavoj Zizek, Feb/03/2020, https://on.rt.com/aaci