2023年10月28日土曜日

ウクライナ軍の航空機の損失が急速に高まっているが、これはロシアの新型ミサイルのせいらしい

 

1025日、ロシアのシイグ国防相はロシアは新型ミサイルを使って、数多くのウクライナ軍の航空機を撃墜したと語った(原典:Russian forces receive weapons that downed 24 Ukrainian warplanes over 5 days - Shoigu: By TASS, Oct/25/2023)。「過去の5日間でわれわれは24機もの敵機を撃墜したが、実は、最近、これを実現する新システムを受け取った。」

これに呼応するかの如く、詳細な分析で定評の高いブログサイトである「アラバマの月」が新しい記事を掲載した。その記事は「ウクライナ軍の航空機の喪失が急速に高まっているが、これはロシアの新型ミサイルのせいらしい」と題されている(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:これがどれほど有効かは分からないが、関連性は高いと確信している

軍事専門家のウラジスラフ・シュリギンはこう語った。「ペンタゴンはロシア航空宇宙軍の有効性が突然高まっていることについて鋭く懸念するようになった。」

最近の2週間で、ロシア軍はウクライナの上空で本物の虐殺を演じることとなった。ウクライナ軍は、少なくとも、10機の航空機を失った(他の情報筋によると、14機)。

さらには、それらの航空機はすべてが最前線からは遠く離れており、ロシアの防空システムの実効半径の外側、ならびに、ロシアの戦闘機ミサイルの標準攻撃半径の外側であったにもかかわらず、撃墜された。生還することができたパイロットによると、彼らの飛行機が攻撃される瞬間まで彼らは身近に迫った攻撃に関する警告情報を警報システムからは受け取ってはいなかったと報告している。

米国側が信じるところによれば、ロシア航空宇宙軍は長距離の目標物を攻撃することが出来るようになったというだけではなく、発射後、航空機のレーダーから目標物を照らさずに独立して目標を追尾し、無線の特徴を活用して目標物に誘導することができる新しいミサイルを配備した。

現在、米国側はこの情報を注意深く検討し、これは非常に重要なことだと考えている。それが確認されれば、それは彼らの新しい主力戦闘機であるF-35について宣伝されてきたすべての優位性を無力化してしまう武器をロシア側が取得したことを意味するからである。

ウラジスラフ・シュリギンは、確かに、ロシアの「軍事専門家」であって、ロシアのトークショーにしばしば出演している。

ロシア国防相の最近の日報が現実に近いとするならば、「ウクライナの上空で本物の虐殺が起こった」という主張は有効である。私はそうであると信じている者のひとりだ。

今年の第3四半期までにおけウクライナ空軍の典型的な損失率は週に13機の飛行機またはヘリコプターであった。

だが、10月中旬以降、私のメモによると、ロシアの日報は次のような撃墜記録を報じている:

  • ウクライナ空軍の17機のミグ29戦闘機
  • ウクライナ空軍の2機のSU-24 戦術爆撃機
  • ウクライナ空軍の3機の近隣空域用支援ジェット機
  • ウクライナ空軍の1機のL-39練習用ジェット戦闘機
  • 3機の MI-8輸送ヘリコプター

たった9日間で合計26機の空軍機を失ったことになる!

これが真実に近いとするならば、これはウクライナ空軍にとっては壊滅的な損失率である。

こんなことはいったい可能であろうかと誰もが尋ねるかも知れない。私は可能だと信じている。202210月、何十年にもわたる研究開発の後、ロシアのR-37M長距離空対空ミサイルによって成されたウクライナ空軍機の最初の撃墜についてメディアが発表した:

R-37R-33から派生した。MiG-31のような最新型レーダーを備えてはいない航空機との互換性のために、半能動的な追尾装置は「Agat 9B-1388」アクティブ追尾装置の変化型に置き換えられた。同様に、折りたたみ式テールコントロールはMiG-31ほどには大きくはない航空機の半共形搭載装置であってさえも搭載を可能にする。

ミッドボディ外板が揚力を高め、したがって射程範囲を広げる。「ディフェンス・トゥデイ」によると、航続距離は飛行プロファイルによって異なる。直接発射での80海里(150 キロ)から巡航滑空プロファイルの215海里(398 キロ)まで。

それ以来、R-37Mの指定はRVV-BD(長距離空対空ミサイル)として知られるミサイルの中でも近代化された変形モデルとして多用されている。R-37Mの航続距離は200kmを超え、極超音速での飛行(マッハ56)が可能である。これは近代化されたMiG-31BM迎撃機、あるいは、Su-35SSu-57等の多用途戦闘機に装備される。「Izdeliye 57」として指定されているSu-810用の長距離空対空ミサイルがはたしてR-37Mの派生型であるかどうかは不明だ。

本ミサイルはAgat 9B-1388システムを介して半能動的に、または、能動的に誘導され、高度15,00025,000メートルの目標を攻撃することができる。

R-37Mミサイルの最大到達距離は400キロメートル(~250マイル)で、極超音速域での速度はマッハ56と言われている。それはウクライナの防空システムの範囲外から、つまり、安全な空域からでもウクライナの奥深くへと発射することが可能にする。

2023年の2月、ウクライナはR-37Mの残骸を発見したと主張した。

ロシアの標的に対してイギリスの「ストーム・シャドウ」ミサイル(および同様のフランス製のSCALP-EG)を発射するために、改造されたウクライナの飛行機が使用されてきた。だが、それらの使用で成功したとの最近の報告については私は聞いたことがない。

ウクライナ軍の航空機は生き残るためには地表すれすれに飛ぶ必要がある。

ウクライナの航空機の損失が突然増加したという事実は改善された照準能力や長距離射程範囲を備えたR-37Mの新しい変形モデルが多数導入されたことを示している。

米国は「長距離」(100キロメートル、60マイル)のAIM-120D空対空ミサイルを搭載したF-16戦闘機をウクライナに導入する計画である。これはロシア空軍機の能力に比べて明らかに劣っており、損失を助長するだけだ。

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これで全文の仮訳が終了した。

この引用記事はロシアとウクライナの空軍力の差を、部分的ながらも、分かり易く説明している。ウクライナ軍の弱点は制空権を失ったことにあるとしばしば指摘されているが、ロシアの空軍力の優位性は新型の空対空ミサイルの導入によって今まで以上に強化されたようだ。

ロシアの新型ミサイルが何を意味するのかについては、今回の引用記事が述べているように、米国は自国の主力戦闘機であるF-35 戦闘機の優位性を失うかも知れないとして、新たに起こっているウクライナでの状況の解明に慎重な態度をとっているという。

ロシアはすでに極超音速ミサイル(例えば、キンザール)を実戦配備しており、ウクライナで実際に使用した。その一方、米国側は極超音速ミサイルの試射に漕ぎ着けたものの、初めての試射は失敗したと報じられている(CNN2022年6月30日の報道)。

一方、今年の6月以降のウクライナ軍による対ロ大攻勢は失敗に終わって、バイデン政権にとっては大きな不満ではあろうが、ヨーロッパ諸国がこの紛争の最中に米国からF-35戦闘機を大量に購入する決定をしている事実を見ると、米国の軍産複合体にとってはロシア・ウクライナ戦争は実に有益であったと言えるのではないか。むしろ、F-35 戦闘機をEU各国に売りつけ、高額の収益を上げることが、ノルドストリーム・パイプラインを破壊することと並んで、米国の隠された目標のひとつであったのではないかとさえ私には思える。

この大攻勢が行われた今夏、ウクライナは9万人もの戦死者を出し、西側から供給された戦車や大砲は思った程の威力を見せずに終わった。今は、西側から供給されるF-16戦闘機が最後の頼みとなってきた。だが、この引用記事でも分かるように、この最後の選択肢もそれほどは期待できそうにはないようだ。ウクライナは長引く消耗戦の影響を受けて、経済が破壊されている。その一方で、西側が思い付きで採用した対ロ経済制裁はロシアに対して何の効をも奏さなかった。代理戦争の戦場となったウクライナは踏んだり蹴ったりだ。

米国は最新鋭のF-35戦闘機をウクライナへ供給する意思はないという。そんなことをしたら、核大国であるロシアに対して米国が大っぴらに宣戦布告をするようなものであるからだと言われている。

米国は新たな下院議長の選出で混乱を見せていたが、ついにマイク・ジョンソンが新議長として選出された。新議長はウクライナに対する米国の軍事支援を今後どう判断して行くのだろうか?従来と変わらいのか、それとも、新たなスタンスをとるのか?ガザ・イスラエル紛争が新たな軍事的局面に入っている時であるだけに、米国にとっては海外における軍事的展開は今まで以上に難題となりそうだ。(注:1022日に掲載した「二正面作戦は間違いなく不可能  米陸軍の前司令官は米国はふたつの代理戦争を同時に遂行することはできないと言う」と題した投稿を参照いただきたい。)

ましてや、中国に対する米国の攻勢は論外とならざるを得ないのではないだろうか?それとも、われわれ素人にはまったく予想もできないような展開が待っているのであろうか?

参照:

注1:Ukraine’s Sudden High Air Losses Likely Caused By New Russian Missiles: By Moon of Alabama, Oct/25/2023

 

 


2023年10月26日木曜日

米国の老人ホームのデータをさらに調べてみると、新型コロナワクチンは高齢者を死に至らしめたことが分かる

 

923日の投稿では「9巡回裁判所の判事がカリフォルニア学校区のワクチン接種義務に衝撃を与え」と題された記事をご紹介した。それは、新型コロナワクチンが引き起こす副作用に関するものであり、最悪の場合、心臓麻痺によって若者に死をもたらすことに多くの親たちが危機感を抱いており、カリフォルニア州のある学校区に対して裁判所の裁定がついに出され、学校区が推し進める新型コロナワクチンの接種義務に警鐘を鳴らしたのである。この裁定内容は他の学校区にも影響を与え、若者や学童・生徒たちの突然死を避けるのに役立つだろうと期待されている。

それでは、年配者の場合はどうであろうか?私自身も毎日が日曜日の身分であるから、まったく他人事ではない。

年配者に対するワクチン接種による危害については、残念ながら、この種の法的な判断は米国においてもまだ存在しない。それは、学術的な調査が十分におこなわれてはいないからだと指摘されている。国家的な保健政策である新型コロナワクチンの接種について接種義務を覆すには、大掛かりな調査研究を行い、科学的にその危害を証明することが必要となる。だが、巨大な製薬企業に絡めとられてしまい、米国の保健政策を主導する筈の米疾病管理予防センタCDC)の腰は重い。CDCが前向きな姿勢を取らない限り、医師団体や研究者らも動きようがない。大規模な研究を実施するには多額の研究費が必要となるからだ。そして、米国が動かなければ、世界は動こうともしない。

しかしながら、ある専門家の主張によると、年配者が曝されている新型コロナワクチンによる危害は実際には極めて深刻である。

ここに、「米国の老人ホームのデータをさらに調べてみると、新型コロナワクチンが年配者を死に至らしめたことが分かる」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:新型コロナワクチン接種後の感染致死率(IFR)が一カ所の老人ホームで減少する毎に、他の6.5カ所の老人ホームではIFRが増加した。これは、まさに災害だ。

Photo-1;(訳注:CMSとは米国保健社会福祉省の公的保険制度運営センターを指す。老人ホームに関するデータの出処先。)


Photo-2

概要:

米国の老人ホームのデータは新型コロナワクチンに関する現場の状況を示す検証データである。最も恩恵を受ける筈であったまさにその集団に効果が認められなければ、このワクチンはすべてが終わりだ。

この投稿は先に掲載した記事の続編である:

スティーブ・カーシ・ニュースレター」:米国の老人ホームのデータは新型コロナワクチンが高齢者にとって災害であったことを明確に示している。ワクチン接種は新型コロナで死亡するリスクを高めた。

さらに先を読む

6日前 · 403 いいね · 175コメント · スティーブ・カーシ

 

新型コロナワクチンは高齢者や他の人たちの新型コロナによる死亡のリスクを軽減してはくれなかった。それどころか、まったく反対のことをした。

いくつかの論点をここに示す:

  1. ワクチンにとって最も重要な集団について「黄金の基準」としてのデータを集め、それを使用し、ワクチンが機能することを示した論文は存在しない。
  2. ペンシルバニア大学のジェフリー・モリス教授のような「専門家」といえども、「アップル・バレー・ビレッジ」のような老人ホームにおいてワクチン接種前の死亡率が、ワクチン接種後わずか4週間で、90人の感染者のうちで28人となった経緯を完璧に説明することはできないこれは同一の変異株についてである。どうして、突然、より致命的になったのか?
  3. JAMAに掲載された論文のデータによると、退役軍人保健局の128カ所のコミュニティー・リビング・センターではブースターショットを選択した居住者の感染致死率(IFR)は28%も増加した死亡者数が少な過ぎたことから、この増加量は統計的には有意ではなかったが、全体の傾向は明らかにあらぬ方向を示した。
  4. 私はCDCにデータを提供している15,197カ所の老人ホームのそれぞれについての分析を終えたところだ。IFRの改善があった一カ所の老人ホームに対して、IFRが同程度に悪化した老人ホームは6.6カ所も存在したことが判明した。これは政府の筋書きにとっては完璧な災害である。ワクチンが効いたとしたならば、結果はその逆であった筈だ。この点こそがワクチン支持者の誰もがこういったデータを絶対に避けようとしている最大の理由である。悪化する確率が6.6倍という状況が偶然に現れる可能性は極めて低い(1126カ所対169カ所)。
  5. データ自体には問題がない。このデータはJAMAに掲載された査読付き論文で使用されたものであるが、その論文はIFRに関してはまったく考察を加えてはいなかった。
  6. データは直接得られる逸話と良く一致する。たとえば、アップル・バレー・ビレッジではワクチン接種が展開された直後にそこで働いていた職員らは膨大な数の死亡を目にした。つまり、彼らの職歴中では最大級の死者数を観察したのである。20211月には50人。これは1か月当たりで約3人の居住者当たりで1人の死亡に相当する。通常、彼らが目にする1月の死者数はわずか5人だけだ。「彼ら」はこのような事実をどう説明するのだろうか?アップル・バレー・ビレッジは問い合わせには応答しない。彼らはそれについて話したくはない。私はなぜだろうかと疑問に思う。だが、他の人たちは誰もそうは思わない。モリス教授は本件についてはまったく話そうともしない。

その他の逸話:

彼らは下記のような逸話をどのように説明するのだろうか?もしもワクチンが安全であり、効果的であったとするならば、このような逸話が存在することは不可能だ:


Photo-3:(訳注:内容の仮訳をここに示す:「オーカ―ド婦人は2021年の半ば頃まで老人ホームで働いていた知人とお喋りをしたが、その知人は元の職場へは絶対に戻らないと言った。そこでは居住者に対する新型コロナワクチンの接種を開始してから2週間以内に多数の死者が出た。彼女が勤務していた場所では死亡率が75%にもなったが、誰も疑問を挟まず、調査しようともしなかった。英国の老人ホームで働いていた人たちやそういった人たちを知人に持っている人たちからは同様の逸話が聞こえて来る。誰も元の職場には戻ろうとはしない。」)

 14日以内に75%が死亡したって?

CDCのデータベースで、私はワクチン接種後の死亡率が2倍以上に上昇した老人ホームを1,000カ所以上見つけ、さらには、IFR50%以上に跳ね上がった老人ホームを100カ所以上も見つけたので、私にとっては上記の逸話はまったく驚くに値しない。

もうひとつの逸話:

10年間にわたって准看護助手を務めてきたジェームズ・デバロンが掲載したこの動画を見ていただきたい。地方紙から5件の記事。ワクチン接種前には死亡者はいなかった。だが、ワクチン接種後の2週間以内に14人が死亡。このワクチンは患者に重篤な状況をまたらし(彼らは歩くこともできず、考える能力を失った)、人々を殺している。彼はこのことについて発言したために解雇されるであろうと気付いた。彼には得るものは何もない。

問題は、これらの状況を引き起こしたのがワクチンではなかったとしたら、いったい何がこれらの死を引き起こしているのかという点だ。

ワクチン接種は重篤な状況や死亡を引き起こしており、この老人ホームの従業員が観察したことと良く一致する。これらの観察内容により良く一致する仮説が他にあるとするならば、私は是非ともそれを拝聴したい。

さらに、もうひとつの逸話:

非常に尊敬されている人々 は誰もがいわゆる「誤った情報を広める人物」になることが突然閃いて、決心するという事実にあなたはお気付きになっただろうか?なぜなんだろうと自問したことはおありだろうか?

老人ホームのデータ:

すべてのデータとソフトウェアは私のGitHub に収録されており、私が最初にデータを見始めた時からそれらは公開されている。

ワクチン接種開始以前の12週間と開始後の12週間の症例と死亡の分析はこちら(スプレッドシート中の「分析3」のタブを参照)。そのスプレッドシートで6.6のオッズ比を確認できる。

ワクチン接種が大成功を収めたことを示すデータの分析はいったいどこにあるのか?

そういった分析結果は存在してはいない。

次の段階:

次は、筋書きに関してわれわれの側に立っている人たちから始めて、中間にいる人たちへと駒を進め、他の疫学者たちにデータを明白に認めて貰おうと思う。

纏め:

私はワクチンに関して記録のレベルとでも言えるようなデータをついに手に入れた。そして、予想通り、それは連中の筋書きにとっては大惨事であろう。CDCの老人ホームのデータは新型コロナワクチンが高齢者にとって事態をさらに悪化させたことを明瞭に示している。

彼らはこのことについては話したくはない。だが、私はその話をしたい。

私は骨にむしゃぶりつく犬のように本件に焦点を合わせ続けようと思う。

彼らには現実に直面する時がやって来たのである。

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これで全文の仮訳が終了した。

驚くべき報告である。

この記事では准看護助手のジェームズ・デバロンが引用されている。彼の動画を見ていただきたい。彼が内部告発に動いた背景が語られている。つまり、老人ホームに収容されている居住者たちはワクチン接種後に、次々と死亡していった。ワクチン接種前の死亡率に比べると、桁違いに増加した。この現実を見て、ジェームズ・デバロンは自分の体験を自分の記憶の中に留めておくことはできず、自分が観察した状況を動画で伝えることにした。彼も著者のスティーブ・カーシも周囲の人たちに事実を知って貰おうと決意したのである。こうして、彼らはワクチン推進派からは「誤った情報を広める人物」とのレッテルを貼られた。彼ら以外にも、数多くの研究者や専門家たちもそう呼ばれた。

だが、いったいどちらが実際に「誤った情報を広める人物」であったのかが、今や、明白になりつつある。似たような状況は歴史上何回となく繰り返されてきた。

米国社会は、今後、いったい何処へ到達するのであろうか?

今回、新型コロナ感染症を巡って世界中で展開された状況は、結果として、無意味に何十万人、何百万人もの死者をもたらした。この事実を考えると、われわれが取り組まなければならない状況は極めて重い。伝統的な価値観や倫理観は軽視され、ないがしろにされた。米国の公衆衛生行政に従事する政府機関(保健福祉省、CDCFDANIH、等)はワクチンの安全性を評価する際には科学的な解析を行い、証拠に基づいた論理的な判断をしなければならない。だが、不幸なことには、米政府機関は民間の製薬大手企業にかすめ取られ、彼らの金儲けプロジェクトに加担した。これらの現実に起こった状況は客観的に検討し、非を是正しなければならない。それは米国のためだけではない。世界中の国々は、多くの場合、米国の判断に沿うことになるから、米国が判断を誤ると、全世界が判断を誤ることになる。新型コロナ感染症に関する諸々の対策がその好例であると言えよう。

参照:

1Further analysis of US Nursing Home data proves, once again, the vaccines made it more likely for the elderly to die: By STEVE KIRSCH, Sep/13/2023

 

 


2023年10月22日日曜日

二正面作戦は間違いなく不可能 ― 米陸軍の前司令官は米国はふたつの代理戦争を同時に遂行することはできないと言う

 

ロシア・ウクライナ戦争とガザ・イスラエル紛争は両者とも米国の代理戦争である。米国とその同盟国が巨額の戦費を払い、膨大な量の武器を供給して行われている代理戦争だ。

奇しくも、そのことを象徴するかのような最近の記事が目に付いた。「二正面作戦は間違いなく不可能 ― 米陸軍の前司令官は米国はふたつの代理戦争を同時に遂行することはできないと言う」と題されている(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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先週末、ジョー・バイデン米大統領はウクライナとイスラエルの両方に武器を送るという彼の約束を強化した。しかしながら、元米軍上級将校は、非常に多くの戦線での戦争を支援することは持続不可能であり、米軍の戦争準備の水準をさらに劣化させるだろうと述べている。

ハマスが先週(107日)イスラエル国境の町への攻撃を開始し、1,300人以上のイスラエル人を殺害した後、イスラエル国防軍(IDF)はガザ地区の包囲を宣言し、月曜日(1016日)の夕方の時点で2,750人以上のパレスチナ人を殺害し、さらに1,000人が行方不明になり、少なくとも10,000人を負傷させるという執拗な砲撃を解き放った。イスラエルがアイアンドーム・対空システムから数千発のタミール・ミサイルを発射し、いくつかの主要都市を標的とするハマスのロケットを撃墜した後、バイデンは「米国はイスラエルに補給するために介入する」と述べた。

それ以来、バイデンは、何千もの小型兵器をイスラエルに送り込み、ふたつの空母戦闘グループをこの地域に配備した。月曜日(1016日)、米メディアは最大で2,000人の米軍兵力をイスラエルに配備する準備ができており、IDFの非戦闘分野での支援をする役割を計画していると報じた。

イスラエル軍を強化するためのこの急ぎの行動は、過去2年間で460億ドルをも超えてしまったウクライナに対する米国の軍事的支援の継続をめぐってワシントンにおいて行われている政治的戦いの真只中に起こっている。ここで問題となるのは米国がウクライナだけではなく、イスラエルをも支援することがはたして可能であるのかである。

「われわれはアメリカ合衆国であり、歴史上最も強力な国家である。これは世界においてではなく、世界の歴史においてだ」とバイデンは日曜日(1015日)に放映された事前に録画された米国のメディアインタビューで述べている。「われわれはこれらの紛争の両方を処理し、それでもなお全体的な国際防衛を維持することができる。」

ホワイトハウスは議会にイスラエル援助法案を要求すると予想されているが、議会は下院議長の選出をめぐる論争に閉じ込められたままだ。部分的に始まった戦いではあるが、前議長は来年の予算にウクライナ援助を含めると主張。

Photo-2: 

関連記事:Israel Set to Commence Ground Offensive in Gaza Despite Iran's Warnings - Experts: Oct/16/2023

「選択肢がある場合、もしもどちらかひとつの選択肢を選ぶならば、米国の支援は、おそらく、イスラエル側に向かうであろう」と国際コンサルタントで退役米陸軍中佐のアール・ラスムッセンは月曜日(1016日)にスプートニクに語った。

「彼は完全に間違っている」とラスムッセンはバイデンについて言った。「ふたつの紛争を同時に支援する方法はない。われわれはお金を生み出し、より多くのお金を送ることができると思うが、それはそこ(ウクライナ)では何の役にも立たない。ウクライナは支援の理由を失っている。」

「彼はそれを、あるいは、それが何であっても約束することはできるが、それらの武器を提供することは別の話であり、資金援助について議会を通すことは別の話だ。特にエスカレーション(二正面作戦)が発生した場合、特にわれわれが直接関与する場合、それを実際に行うのは非常に難しいことだと思う。その一方で、台湾や中国との緊張も高まっている。彼らが両方の紛争をサポートすることができる可能性は非常に低いと思う」とラスムッセンは述べた。

「私は資金供給の観点から、つまり、資金の容量の観点から言いたい。私にはわれわれの武器会社は見えては来ない。ウクライナでわれわれは非常に多くを使い果してしまった。われわれはすべてを使い果たしてしまった。われわれはイスラエルにおいて備蓄していた弾薬さえをも持ち出して、ウクライナに向けて送った。明らかに、イスラエルはそれを取り戻そうとしていると思うが、それは戻ってはこないだろう。われわれはすでに弱体化した立場にあり、私にはそういった動きが可能であるとは思えない。優先順位の観点から言えば、イスラエルはウクライナよりも優先されると思う。これはわれわれにとっては戦略的により重要なことだ。」

この元米陸軍将校は、先週の出来事はバイデン政権の本当の意味での優先事項はイスラエルであり、ウクライナの戦争努力だけではなく、パレスチナの人権をも犠牲にして、必要なすべての巨費を獲得することを示していると述べた。

「こちらについては多くのことが起こっている。興味深いのは、少なくとも、当地のニュースでは先週はウクライナについてはほとんど何も報じられていなかったという点だ。すべてはイスラエルとハマスに関するものだった」と彼は言い、イスラエルのガザに対する包囲と爆撃作戦については「米国政府からの非難は何もなかった」と述べた。

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関連記事:Saudi Crown Prince Makes Blinken Wait Overnight for Audience Amid Gaza Crisis

13 hours ago, Oct/16/2023

「人権に関しては、われわれは窓の外に報り出してしまった」とラスムッセンは言う。「バイデンにとっては、彼はイスラエルを支持しなければならないと思う。イスラエル・ロビーからの政府に対する影響力が大き過ぎ、議会に入ってくるお金と寄付が多過ぎる。われわれはすでにイスラエルには年間40億ドルを提供している。この額はきっと膨らむと思う。われわれは、必要に応じて、ウクライナからイスラエルに移行する。ウクライナはもはや優先度の高い政治目標ではないと思う。」

「これはバイデン政権に変更を迫ることであろうと思う。それはほぼウクライナからの出口を示す標識だ。政治的には、彼はイスラエルを支援する必要がある。おそらく、彼は筋書をウクライナからそっと遠ざけることができるだろう」と彼はそれとなく言う。「直近の反撃は完全な失敗として暴露されている。」

ラスムッセンは、バイデンがイスラエルとハマスの間の和平仲介者を演じることを含め、中東に戻りたがっていることを示唆したが、バイデン政権にはエルサレムが最近の暴力の発生のせいにしようとしたイスラエルとイランの間の戦争を見たいと思う連中もいる可能性が高いことを示した。そして、それは米国を引きずり込む劇的なエスカレーションになるであろう。

「これは爆発する可能性がある。これは、潜在的に、ウクライナにおける緊張状態よりも悪くなる可能性がある。彼は選挙前に何かを爆発させたいとは思ってはいないだろうが、それはバイデンにとっても[政治的に]好ましくはないだろうと思う。」

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関連記事:Americans Show Record Low Approval for Military While US Boosts Aid to Ukraine, Israel: Oct/16/2023

ウクライナとイスラエルに送られているすべての武器に照らして、ラスムッセンは米国の軍産複合体の能力について尋ねられ、20222月以降、米軍の姿勢は「かなり弱体化し」、「さらに弱まり、さらなるストレスを受けるであろう」と述べた。

「兵士たちの戦争に対する準備、特に、大きな紛争では疑わしいと思う」と彼は言った。

「武器と弾薬の両方の観点から、20年間にもわたって果てしのない戦争が軍事的に続く中、米軍は酷く消耗してしまったとは思っていない。政策や訓練など、すべてについて何らかの変更をしたという姿勢は見られず、兵士の採用目標も達成できてはいないと思う。」

「米国がどちらか一方の紛争を実際にうまく処理できるとは思わない。ましてや、両方を間違いなくうまく処理できるとはとても思えない」と彼は言った。「それはわれわれの軍隊であり、われわれの準備態勢だ。過去数年間で大幅に弱体化している。武器庫を大幅に空っぽにしてしまった。軍需企業、つまり、われわれの軍産複合体はそこにあるニーズを満たすのに十分に強化されているわけではない。だから、これは非常に危険であり、脅威的な状況だ」と彼は言う。米国はウクライナ紛争と同じように中東の「代理軍」に頼る可能性が高いと予測される。

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これで全文の仮訳が終了した。

1020日のアル・ジャジーラ紙の「バイデンはイスラエルとウクライナへの支援のために議会に対して1050億ドルを要求」(原題:Biden asks US Congress for $105bn in assistance for Israel and Ukraine)と題された記事によると:

ジョー・バイデン米大統領は、イスラエルとウクライナへの人道的および軍事的援助、ガザへの人道支援、および、米国とメキシコとの国境での移民対策を提供するために、1,050億ドル以上の要求を議会に提出した。・・・この支出パッケージの大部分はウクライナに捧げられており、その目的のために610億ドル以上が計上されている。イスラエルには140億ドル以上が向けられ、その多くは「アイアンドーム」として知られる同国の防空システムやその他の武器の購入に使われる。90億ドル以上がウクライナ、イスラエル、ガザでの人道支援のために確保され、140億ドル近くが米国の国境警備に向けられる。

ケヴィン・マッカーシー前下院議長が罷免されたから下院では議長の不在が続いており、政策を巡る分断が深まっている。そんな中、米下院は議長代行の下でこのバイデン政権からの支出パッケージを全額認めるのだろうか?現状では、具体的な法的な措置によって議長代行の権限を強化しない限り、そうすることは不可能らしい。また、CBSニュースによる最近の世論調査によると、有権者の間ではイスラエルへの支持は依然として強いが、調査対象の無党派と民主党員の半数以上が、米国はイスラエルにこれ以上軍事援助を送るべきではないと述べている。同世論調査では、民主党員の70%と無党派の60%近くが、ガザにより多くの人道援助を送ることを支持していることが分かったという。

米国はウクライナとイスラエルのふたつの選択肢からひとつを選ぶならば、イスラエルだと著者は述べている。ウクライナでは実質的な戦闘はすでに終わっている。ウクライナに武器や弾薬を供与し、戦費を送り込んできた西側にとっては極めて不都合な現実ではあるが、今や、ウクライナ軍の敗北は認めざるを得ないだろう。そんなウクライナへさらに軍事支援を継続することにどんな意味があるのか。せいぜい、ウクライナ政府高官の私腹を肥やすだけではないか。

米下院はいったいどのような選択をするのであろうか?

ところで、米国の戦争のやり方は米本土から遠く離れた戦場で戦闘を行い、戦場に投入する兵士は代理軍である。この引用記事の著者はガザ・イスラエル紛争に投入される兵士らは中東の代理軍となるであろうと推測している。さもありなんである。最近、米政府は2000人の米軍兵士をイスラエルへ送り込むと発表した。さらに、これらの兵力は戦闘員ではなく、兵站を担当すると付け加えている。この米政府の発表はまさに著者の指摘を支えるような内容である。

こういった動きは日本にとっては何を意味するのであろうか?

米国はもはや二正面作戦を戦えないと言う現実が大っぴらに判明した場合、米国は台湾有事についても戦略を変更しなければならないではないか。だが、米国の戦争計画者の頭の中には、台湾有事に関してもまったく同じ構図が描かれているように思える。つまり、台湾有事での米国の代理軍は日本の自衛隊だ。最近の日本政府の言動を見れば、明白だ。米国を忖度したものであると言えよう。つまり、現政権は極めて危険な火遊びにまっしぐらに進んでいる。これは大きな誤りであり、一般庶民にとっては極めて不幸な事態となりかねない。

参照:

1‘Definitely Not Both’: Former Army Commander Says US Can’t Support Two Proxy Wars: By Fantine Gardinier, Sputnik, Oct/16/2023

 

 


2023年10月19日木曜日

ガザ・イスラエル紛争は偽旗作戦か、彼らがそうさせたのか、彼らの目標はガザを地図上から消し去るためか

 

最近勃発したガザ・イスラエル紛争に関しては、前回の投稿で「107日、パレスチナのハマス武装勢力はイスラエルにミサイル攻撃を行い、イスラエルの占領地域へ武力侵攻した。 さすがのイスラエルの諜報機関もこの攻撃についてはまったく予知してはいなかったという。 一方では、モサドがハマスの動きについてまったく予知し得なかったのはいささかおかしい、これには裏があるのではないかといった憶測も出ている」と書いたばかりだ。

まさにその疑問に答えるかのように、ここに「ガザ・イスラエル紛争は偽旗作戦か、彼らの目標はガザを地図上から消し去るためか」と題された記事がある(注1)。 つまり、イスラエル側はハマスの動きを察知してはいたが、ハマスの侵攻を敢えて許して、ガザ地区に対するイスラエル側の反撃を正当化するためにハマスの奇襲を敢えて成功させたのではないかという見方である。 これはかっての真珠湾の奇襲や911同時多発テロに相似した構図であるとの指摘がある。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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これは大量虐殺だ。 絶対的な虐殺である。 彼らは「ガザを地図から消し去ろうとしている。 

「イスラエル軍は間もなくガザ北部で広範な攻撃を開始すると発表した。 この警告は約100万人の民間人に向けて同地域からの避難をイスラエルが命じた1日後に出された。 」

ハマスが統治する封鎖地域は、土曜日(107日)、ガザ地区の人口の約半数を対象とした大規模な避難命令の影響で大混乱に陥った。 パレスチナ人は徒歩や車、ロバが曳く荷車でガザ北部から避難するのに苦労しており、ガザ地区は飲料水危機の増大にも直面している。

人道団体は避難者らには行き場がないと言う。 隣国がガザからの脱出を誰にでも許可するかどうかを巡って混乱のさなかにあり、ガザからエジプトに向かうもう一つのルートは封印されたかのようだ。

前回のイスラエルによるガザ砲撃よりもさらに強力な攻撃が差し迫っているようだ。 「われわれは間もなくガザ地区を広範囲にわたって攻撃する予定だ」とイスラエル軍首席報道官ダニエル・ハガリ少将は全国放送の演説で述べたが、攻撃の日程については明らかにしなかった( AOL.com2023 10 14 )

はじめに:

2023107日土曜日早朝、ハマスは ムハンマド・デイフ軍司令官率いる 「アル・アクサ・ストーム作戦」を開始した 同日、ネタニヤフ首相はいわゆる「戦争準備状況」を確認した。   

軍事作戦はかなり前から計画されるのが普通だ(以下のネタニヤフ首相の20231月の声明を参照)。 「アル・アクサ・ストーム作戦」ははたして「奇襲攻撃」だったのか?

米諜報機関はハマスの攻撃が差し迫っていることは認識してはいなかったと述べた。 

『ハマスの侵攻はイスラエルの「諜報の失敗」だったという企業・国営メディアの主張を信じるには、ほとんど絶望的に世間知らずでなければならないだろう。 モサドは、地球上で最も強力ではないにしても、最も実効力のある諜報機関の一つである。 』

ネタニヤフとその巨大な軍事諜報機関(モサド)はイスラエル人とパレスチナ人の無数の死をもたらしたハマスの攻撃をはたして予知していたのだろうか?

ハマスによる「アル・アクサ・ストーム作戦」の発動前に、パレスチナ人に対する全面戦争を行うというイスラエル側の綿密に策定された計画はすでに想定されていたのだろうか?これは、メディアが伝えているように、必ずしもイスラエル諜報機関の失敗であったのではない。 実際には、まったく逆である。  

証拠や証言はネタニヤフ政権が数百人のイスラエル人やパレスチナ人に死をもたらしたハマスの攻撃を予知していたことを示唆している 。 そして、「彼らはそれを起こさせた」のである

「ハマスはイスラエルに2000発から5000発のロケット弾を発射し、数百人のイスラエル人を殺害し、数十人のイスラエル人を捕虜として捕らえた。 その後、イスラエルによる空爆で数百人ものパレスチナ人がガザで殺害された。 」(スティーブン・サヒウニー)  

107日のアル・アクサ・ストーム作戦の後、戦闘機が230万人のパレスチナ人が住むガザ地区に大規模な爆撃を加えた際、イスラエル国防大臣はパレスチナ人を「人間動物」と呼び、「それに応じて行動する」と誓った・・・」(Middle East Eye)。 2023109日にガザ地区の完全封鎖 開始され、230万人のパレスチナ人に対する食料、水、燃料、必需品の輸入を遮断し、妨害することになった。 これは完全に人道に対する犯罪である。 これは虐殺だ。  

注目に値するのは、ネタニヤフ首相の軍事行動はハマスを標的としたものではなく、むしろその逆である。 彼は230万人の無実のパレスチナ民間人を標的にしており、武力紛争法(LOAC)の4つの基本原則に明白に違反している。  

(国際法である武力紛争法によると)「・・・民間人および民間施設(学校や病院、住宅地)を尊重し、保護するため、紛争当事国は常に民間人と戦闘員、および民間施設と軍事目標を区別し、それに応じて作戦の指示をするものとする。 作戦は軍事目標に対してのみ行う。 」[追加議定書第 1、第 48 ]

皮肉なことに、 スコット・リッターによれば、ハマスは米国製の兵器をウクライナで入手したと報告している。  

これは「奇襲攻撃」ではなかった:

ハマスの攻撃は「偽旗作戦」だったのか?

『私は25年前、IDFの諜報部隊に勤務していた。 イスラエル側がこれから何が起こるのかを知らなかった筈はない

フェンスに沿って動き回るたった一匹の猫でさえも(フェンスの反対側の)全兵力を起動させ得る。 したがって、今回の場合は??

「世界最強の軍隊」にいったい何事が起こったのだろうか?

なぜ国境検問所は広く開放されていたのだろうか?何かが大きく間違っており、何かが非常に奇妙であった。 これらの一連の出来事は極めて異例であり、イスラエルの防衛システムとして典型的であったとはまったく言えない。

私にとって、この奇襲攻撃は計画された作戦のように思える。 あらゆる面でそう思えるのだ。 

もしも私が陰謀論者であるならば、これはディープステートの仕業のように感じると言うであろう。   

イスラエルの人々とパレスチナの人々は、再び、より高位の権力者に売り渡されたかのように感じられる。 』 IDF 諜報員エフラット・フェニグソン氏の声明、2023 10 7 日。 強調を追加

皮肉なことに、メディア(NBC)は、現在、「ハマスの攻撃にはイランが関与した特徴が見られる」と主張している。

 

歴史 ― モサドとハマスの関係:

モサドとハマスの関係はどのようなものなのか?ハマスは「諜報機関」なのか?そこには長い歴史的背景がある。 

ハマス(ハラカット・アル・ムカワマ・アル・イスラムヤ)(イスラム抵抗運動)は、1987 年にシェイク・アハメド・ヤシンによって設立された。 当初、この組織はパレスチナ自治政府を弱体化させる手段としてイスラエル諜報機関によって支持されていた。

「モサド(イスラエルの「情報特別任務研究所」)のおかげで、ハマスは占領地での存在感を強化することができた。 一方、アラファト大統領のファタハ民族解放運動とパレスチナ左翼はもっとも残忍な形の弾圧と脅迫にさらされ続けた。

実際にハマスを創設したのはイスラエルであることを忘れてはならない。 エルサレム・ヘブライ大学の歴史家ジーブ・スターネル氏によると、 「イスラエル側はイスラム主義者をパレスチナ解放機構(PLO)に対抗させることは賢い策だと考えた」という。 L'Humanitéフランス語から翻訳)

ハマスとモサドおよび米国諜報機関とのつながりはロン・ポール下院議員が米国議会への声明で 認めている  「ハマスはイスラエルによって始められたのか?」

「あなたはハマスを知っていますが、歴史を見ると、ハマスがヤセル・アラファトに対抗することを望んでいたため、 イスラエルによって奨励され、実際に始められたことが分かる・・・」(ロン・ポール下院議員、2011年)

この声明が意味するのは、ハマスは「諜報資産」、つまり「諜報機関にとっての資産である」ということだ。

WSJ2009 1 24 )のイスラエルがハマスの誕生にどのように貢献したか」も参照していただきたい。  

コーエン氏によれば、イスラエルはガザのイスラム主義者たちを最初から抑制しようとするのではなく、パレスチナ解放機構とその有力派閥であるヤセル・アラファトのファタハの世俗的国家主義者に対する対抗勢力として、長年にわたってガザのイスラム主義者たちを容認し、場合によっては奨励してきたという。 (WSJ。 強調を追加)

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ハマスとの連携はネタニヤフによって確認された:

「袋から飛び出した猫」

「パレスチナ国家の樹立を阻止したい人は誰であってもハマスの強化とハマスへの送金を支持しなければならない」と彼(ネタニヤフ)は、20193月、イスラエル国会での彼のリクード党議員との会議で語っている。 「これは、ガザ地区のパレスチナ人をヨルダン川西岸のパレスチナ人から隔離するというわれわれの戦略の一部だ。 」(ハアレツ紙、2023109日。 強調を追加)

この声明はネタニヤフと彼の軍事諜報機関は無実のイスラエル民間人の殺害に責任があることを示唆しているのではないか?

ハマスのための「支援」と「お金」:

ネタニヤフに代わって「ハマスに送金する」ことは「タイムズ・オブ・イスラエル」の2023108日の報告によって確認されている:

「アッバスがパレスチナ国家の樹立に向けて動くのを防ぐために、ハマスはパレスチナ自治政府に損害を与えるパートナーとして扱われていた。 ハマスはテロリスト集団の地位から始まって、イスラエルがエジプトを通じて交渉を行い、カタールからガザ検問所を通じて数百万ドルのスーツケースを受け取ることさえも許可される組織へとその地位を昇格させて行った。 」(強調を追加)

軍事的なエスカレーションの危険?:

この「偽旗」作戦は米国の諜報機関や国防総省、NATOとの連携と調整において、数年にわたって慎重に計画されてきた複雑な軍事諜報活動であることについては何の錯覚も持たないようにしようではないか。

同様にして、パレスチナに対するこの行動は潜在的に中東の大部分を飲み込む可能性のある軍事的エスカレーションのプロセスをすでにもたらしている。

イスラエルは、2004年以降、事実上のNATOの(特別な地位を持った)加盟国であり、積極的な軍事および諜報面での連携や占領地域に関する協議に関与している。

ペンタゴンとNATOの両者との軍事協力はイスラエル国防軍(IDF)によって「イスラエルを脅かす潜在的な敵、主にイランとシリアに対するイスラエル側の抑止力を強化する手段である」と見なされている。

NATOとイスラエルの軍事協力の前提は「イスラエルは攻撃を受けている」という点にある。 イスラエルの大西洋同盟との合意は「集団的安全保障」(ワシントン条約第5条)の教義の下でNATOに「イスラエルの救済に来ることを義務付けている」のであろうか?

最近の展開について言えば、中東での米軍の配備はエスカレーションを回避するために進められているとされている。

イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長によると:

イスラエルに敵対する国や組織がうまく状況を活用しようとするリスクは常に存在する。 そして、例えば、ヒズボラのような組織やイランのような国がそれに含まれる。 だから、これはイスラエルに敵対する国や組織がそういった状況を利用しようとすべきではないというメッセージなのである。 そして、米国は、特にエスカレーションを阻止したり、状況のエスカレーションを防いだりするために、この地域にはより多くの軍隊を配備したか、配備してきた。 (ブリュッセルでのNATOの記者会見、20231012日。 強調を追加)

ネタニヤフの「新たな段階」:

パレスチナに対する「長期にわたる戦争」:

パレスチナの人々に対する75年前の戦争(1948年の「ナクバ」以来)の新たな段階を構成するとしてネタニヤフが表明した目的はもはや「アパルトヘイト」、あるいは、「分離」には基づいていない。 この新しい段階は平和を望むイスラエル人に対しても向けられているが、「完全な割り当て」とパレスチナ人の故郷の地からの完全な排除によって構成されている。

「これらは私(ネタニヤフ)が率いる中央政府の基本的な方針である。 ユダヤ人はイスラエルの地のすべての地域に対して排他的、かつ、疑う余地のない権利を有している。 政府はイスラエルの地のすべての地域、つまり、ガリラヤやネゲブ、ゴラン、ユダヤ、および、サマリアでの定住を促進し、発展させる。 」(ネタニヤフの20231月の言。 強調を追加)

われわれは「偽旗作戦」の可能性を指摘するフィリップ・ジラルディ博士が行った鋭い分析をご紹介して、読者の皆さんの注意を喚起したいと思う。

ミシェル・チョスドフスキー、グローバルリサーチ、2023108日。

上記のテキストは20231012日に更新された。

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下記のフィリップ・ジラルディ博士が行った鋭い分析をお読み願いたい。

ガザ・イスラエル紛争は「偽旗作戦」か?

彼らは紛争を起こさせたのか?

彼らの目的は「ガザを地図上から一掃すること」か?

フィリップ・ジラルディ博士、2023108日。

ネタニヤフ、あるいは、彼の内閣の誰かが約一週間前に行った演説を読んだのは私だけであろうか?その演説で彼/彼らは話のついでに「展開しつつある治安状況」に言及したが、それはむしろ(私には)彼らがガザ地区における進展について知っていたのかも知れないということを示唆し、報復としてガザを地図上から一掃することができるようにあの攻撃が起こることを密かに選んでいたことを示唆している。 おそらく、米国からイスラエルに対する「支援」を得るという誓約に依存し、イランを巻き込んで、同国を攻撃するのであろう。

私はこの演説へのリンクを見つけることはできないかったが、それはパレスチナ人に対する別の虐殺の口実として役立つだろうとその時思ったことから、私が読んだ内容についてはかなり強い記憶を持っている。

元諜報員としての私には、イスラエルがガザ地区内に複数の情報提供者を潜伏させてはいなかったということ、集団や車両の動きを拾ってくれる電子聴取装置を国境の壁に沿って配備してはいなかったということ、等はとうてい信じられない。

言い換えれば、よくあるように、すべてが嘘の塊であるかも知れないのだ。

そして、いつもそうであるように、ジョー・バイデンはそれ自体を「守る」ために支払うべく、貧しい小さなイスラエルに数十億ドルを送る準備をしている。

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著者のプロフィール:フィリップM.ジラルディ博士は中東におけるより大きな利益に基づいて米国の外交政策を追求する501(c)3税控除可能な教育財団(連邦ID番号:52-1739023)である「国益評議会」の事務局長を務める。 ウェブサイトは councilforthenationalinterest.org、住所は私書箱2157、パーセルビル、VA 20134で、その電子メールは inform@cnionline.org 。 彼は「グローバルリサーチ」へ定期的に寄稿している。

本記事の出処はグローバルリサーチ。

著作権 © Philip Giraldi and Prof Michel Chossudovsky, Global Research, 2023

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これで全文の仮訳が終了した。

引用記事の著者らはハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃は偽旗作戦だったと言う。 イスラエル側が奇襲攻撃が起こることを容認したのであれば、イスラエル側の真の目標はいったい何であったのかが問われる。 著者らはガザ地区を抹殺することが目標であると言う。

米国は空母攻撃軍団をふたつも東地中海へ送り込んでいる。 これはパレスチナを支援する勢力には何時でも反撃をするという意思表示であろう。 米空母軍団の存在を承知の上で、レバノンのヒズボラ―やイランはたしてガザ・イスラエル紛争に関与して来るのだろうか?

もっとも直近の展開としては、1017日、ガザ地区のアル・アリ・バプティスト病院がミサイル攻撃を受け、500人以上の民間人が殺害されたと報じられている。 パレスチナ側はイスラエルがやったと主張し、イスラエル側はイスラム・ジハド勢力がやったと主張。 レバノンのヒズボラ―はその翌日の1018日を「前代未聞の怒りの日」と名付けたという。 ロシア外務省はイスラエル側はこの攻撃はイスラエルがやったものではないことを衛星画像を使って証明するべきだと述べた。 このガザの病院に対する攻撃の真の犯人はいったい誰であったのかは遅かれ早かれ判明することであろう。

あるジャーナリストはガザ・イスラエル紛争はロシア・ウクライナ紛争に比べて第三次大戦をもたらす可能性が10倍も高いとして懸念を表明している。

混迷が深まるばかりである。

参照:

1Is the Gaza-Israel Fighting “A False Flag”? They Let it Happen? Their Objective Is to Wipe Gaza Off “the Map”?: By Philip Giraldi and Prof Michel Chossudovsky, Global Research, Oct/15/2023