2022年2月24日木曜日

コロナ禍の筋書きにほころび

 

コロナ禍の展開の中でmRNAワクチンを世に送り出した米製薬会社の2社、ファイザーとモデルナの株価は一時の人気に比べて最近大きく下落している。この下落はコロナ禍の終焉を物語っていると言えそうだ。株式の値動きは、通常、6か月程の将来を読む先行指標であると言われている。

ファイザー:最近のピーク時(昨年1216日)の最高価格:$61.43

                   今年218日の終り値:$48.53(ピーク時の79%に下落。コロナ禍が始まった2020年の1月は$3540であった。)

モデルナ:  最近のピーク時(昨年89日)の最高価格:$484.47

                   今年218日の終り値:$145.74(ピーク時の30%に下落。20201月は$2030程度であった。)

変異株オミクロンは、昨年119日、南アで最初の感染サンプルが採取された。この変異株はその後1か月程度の間に世界中へ急速に広がって行った。しかし、感染の速度は非常に迅速ではあるものの、重篤な状態に陥ることは今までの事例に比して遥かに少ないことが判明した。普通の風邪のレベルであるとさえ言われている。

2年間にわたって続いたコロナ禍を総括するにはまだ時期尚早かも知れない。

しかしながら、ヨーロッパでは多くの政府(訳注:ナチ化したオーストリアやドイツを除いて、スウェーデンとスイスが規制を撤廃するとすでに宣言したデンマークやノルウェー、フィンランド、アイルランド、チェコ共和国、オランダ、イタリア、リトアニア、フランスおよび英国の戦列に最近加わった)が規制の撤廃を宣言している。この現状は、ワクチン接種を義務化し、ワクチンパスポートの取得を推奨していた23か月前のEU各国の動きとは様変わりである。

そして、もっとも大きな最近の変化はワクチン接種にはどのような問題点があったのかを指摘する声が一挙に増加し始めたことだ。今回のワクチン接種はコロナウィルスの蔓延を防ぐための「緊急時の使用」という名目で、長期に及ぶ副作用については十分な検証をせずに、集団接種を開始したという経緯が存在している。

長期間のワクチンによる負の影響は今後何年間にもわたって観察を続けて行かなければならない。今後の重要な課題である。

内部告発が抹消され、フェースブックが行ったファクトチェックは情報操作を可能にし、科学的な報告に対する著者を誹謗する、等のいかがわしい状況がわれわれの目の前で起こった。都市閉鎖の効能が疑問視されたが、ほとんどの政府はこれを強行した。嫌気を感じた人たちは政府の政策に対して抗議行動を起こした。たとえば、カナダで最近起こった大型トラックの車列による抗議行動は多くの市民の支持を得、この手法はオーストラリアやヨーロッパへも広がった。

今や、世間は総括の段階に入ったかのようである。さまざまな総括があり得る。ひとつは当局側による総括である。当局による総括のひとつは反政府行動を起こした人物を刑事告発すること。たとえば、上述のカナダの首都における大型トラックによる反政府抗議行動に関してはデモに参加したトラックの運転手を逮捕することが始まっている。このような状況は前トランプ大統領の支持者が米議会へ乱入したとしてバイデン政権の下で刑事告発を受けていることとまったく同質の光景に見える。

もうひとつは支配者層に対して不満や怒りを感じている側からの総括である。都市閉鎖によって職を失った人たちやビジネスを閉鎖せざるを得なかった人たちの不満は高まるばかり。政府に対する不信の念が高まった。例えば、米国におけるバイデン政権の支持率の低迷をもたらした要因のひとつとなっているようでさえある。この後者による総括は、今、急に増え始めたような印象を受けるが、こう感じるのは私だけであろうか。

ここに、「コロナ禍の筋書きにほころび」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。 

***

コロナ禍の筋書きは著名な医学・医療分野の学者や解説者に対して情報検閲を掛け、彼らを失職の憂き目に曝し、軍人や医療関係者に対してはワクチン接種の義務を非合法的に強要し、学童らは政治的に腐敗した学校運営者からの影響を受け、家族のメンバーは恐怖感に駆られた、無知な親戚からの非難を受け、プロの運動選手たちは無能なチームオーナーやスポーツ関連の高官らによって誤導されるといった事態をもたらした。しかしながら、これらの筋書きは、今や、われわれの目の前で崩壊しようとしている。だが、闘いは終わったわけではない。オーストリアやオーストラリアといった国々はほとんど完全にナチ化した。西側諸国の政府はことごとくが誠実さに欠け、信頼を置くことができないことを示した。本日の投稿には良いニュースと悪いニュースとがある。良いニュースは皆に希望を与え、悪いニュースは闘う意欲をさらに高めさせるのではないか。支配者集団はどれもこれもが我々の敵であることを理解しておくことが重要である。勇気のある医学者は真実を語り続け、インターネットのウェブサイトは脅しに遭ってさえも屈服せず、カナダにおける大型トラックの車列デモは新型コロナにまつわる大嘘に亀裂をもたらした。まさに、ハンプティ・ダンプティ(訳注:英国の童話に登場する卵男のこと:ハンプティ・ダンプティ、壁の上に座って、ハンプティ・ダンプティ、ドシンと落ちた。王様の馬のみんなも王様の家来のみんなもハンプティを元には戻せなかった。〔マザーグース〕- ウィキペディアから)のように、これは元へ戻すことはできないのだということを確めておきたい。ファウチは大量殺人を犯した。彼の責任を追及しなければならない。ワクチンの製薬企業は責任を取らなければならない。そして、真実の情報を「人を混乱させるためのガセネタ」と主張した下劣極まりないメディアも責任を取らなければならない。これらの卑劣な輩が責任を取らされるまではわれわれは安全に過ごすことができないであろう。われわれは彼らを許したり、忘れたりしてはならない。彼らは再びわれわれの喉元を狙ってくるであろうからだ。

関連記事:

エリートたちが推進する独裁政治は抵抗を招いている:https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/the-elites-imposition-of-tyranny-is-meeting-resistance/

◆ワクチン接種者の死亡が増加:https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/deaths-of-vaccinated-people-rise/

◆米国防省の内部告発者がワクチン接種後に兵士らの間で疾病が爆発的に増加したことを示す証拠を提供:https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/department-of-defense-whistleblowers-provide-proof-that-following-vaccination-military-illnesses-exploded/

◆証拠が入ってきた。

マスクの着用は防護具としては無用であって、多くの害を与える: https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/the-proof-is-in-masks-are-useless-as-protective-devices-and-do-much-harm/

マスクを着用しない子供の親たちが「刑事告発」に脅かされている:
https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/parents-of-unmasked-children-threatened-with-criminal-charges/

◆オーストラリアは全面的なナチ国家になった: https://www.paulcraigroberts.org/2022/02/06/australia-has-gone-total-nazi/

(注:著者またはその代理人の許可に基づいて、この記事をPaulCraigRoberts.org から転載)

***

これで全文の仮訳が終了した。

今回のコロナ禍は社会を分断した。日本社会は最悪の事態をうまく免れたが、ワクチン接種が義務化された国々では、特に、欧米では接種者と非接種者との間に大きな亀裂が生まれた。この状況はやむを得ないことだとしてマイノリティーである非接種者に対する圧力を見過ごすには余りにも不条理であると言える。

冒頭にも書いたように、ワクチンがもたらす長期的な副作用の実態は、もしそういったものがあるとすれば、これから表面化して来る筈だ。最終的に評価を下せるのは何年後のことであろうか・・・。

参照:

1Cracks In the Covid Narrative: By Paul Craig Roberts, Feb/06/2022

 

 


14 件のコメント:

  1. これは、人道に対する罪だと言った人がいますが、まさにその通りだと思います。誰かを犠牲にして成り立つような社会は終わりにしなければなりませんね。

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    1. Kiyoさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      これは人間社会をまともに維持していくのに必要となる基本条件ですよね。
      まったく同感です。

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  2. И.Симомураです.私もこの記事に共感しております.これらの強圧的ワクチン接種貫徹政策は,手段と目的の間に大きな不均衡が存在しております.社会防衛という抽象的な目的達成のために,自己の身体への侵害を拒否するという,人間の生存を保証する権利を放棄しろ,ということに等しいですね.1930年代のCCCPでは,スターリンの玉影の上にシューバを掛けて重労働十年を食らった教授がいたそうです.彼らの心理は正にそれですね.それほどまでにワクチン在庫が気がかりなのでしょう.彼らに倫理道徳を説いても無駄でしょう.「人をみて法を説け」とはいつの時代でも格言なのでしょう.

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  3. シモムラさま
    コメントをお寄せいただき、有難うございます。「社会防衛」という錦の御旗を改めて吟味してみますと、その「社会」には都市閉鎖によって職を失い、商店を廃業せざるを得なくなった零細ビジネスオーナーは必ずしも「社会」の一員としては扱われず、政府職員が一生懸命に防衛したのはワクチン製造企業であった。完全に本末転倒した姿でした。そして、これを指導したエリートたちは一般大衆は何も気づいてはいないと思っているかのような節が見えます。この傲慢さは実に不可解です。エリート集団はこれから先のプロジェクトにおいても新型コロナ対策で「功を奏した手法」をまたもや使うことでしょうね、失敗に終わった部分を修正し、さらに磨きをかけて・・・

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  4. И.Симомураです.ご存知かと思いますが,セイカーブログに,ジュネーブの露大使館発の,ウクライナ軍とネオナチによる,ドンバスでの虐殺の調査報告書とビデオが公開されております.怖ろしく残虐な場面が載っております.これがつい数日前まで続いていたと思うと,表現する言葉がありません.リンク先は次の三つです:
    https://geneva.mid.ru/en_US/web/geneva_en/donbasstragedy
    https://disk.yandex.com/d/NxzaukFVNmSHSA/Presentation%20Ukrainian%20War%20Crimes.pdf
    https://archive.org/details/presentation-ukrainian-war-crimes
    大祖国戦争中,白ロシアとウクライナでドイツ軍が実行した数多くの残虐行為と同じですね.




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    1. シモムラさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      この件、気が付いています。これらがロシアが国際社会に訴えているドンバス地域で起こった「大量虐殺」の実態。目を覆いたくなるような画像に胸が痛くなります。こういった残虐行為を行って来たウクライナ正規軍、ネオナチ、国粋主義者を一掃するというロシア政府の決断は見上げたものですよね!
      第二次世界大戦ではナチドイツと闘って一般人を含めて2700万人を失った当時のソ連。それを乗り越えて、国家の建設に注力した粘り強さ。
      そして、2022年の今、ウクライナにおけるネオナチや国粋主義者がウクライナ政府の中枢で指揮をとっている状況はロシアには許容できないものであるに違いないと私は想像します。

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  5. ご存知でしたか.数日前のある番組で,二人の著名な軍事評論家と雨宮処凛さんという名前の女性,ほかに三氏の参加する討論番組を視聴したのです.雨宮嬢の発言には仰天しました.ドンバスでロシア軍が16000人のドンバス人を殺害したことに抗議するデモに参加した,と語ったのです.渋谷駅前ではこれとウクライナ侵攻に抗議する約二千名の規模のデモに参加した,と語っておられました.在京ウクライナ大使館は,人容れ屋を経由して,なんと「ウクライナ救国b義勇軍募集」を公然と打ち出しております.私は心配です.байтаマスコミが,「白人国家ウクライナをモンゴロイドで救おうではないか」という狂気を煽る,「ロシアを非難しろ」と公務員に強制する,ということが直に起こるのではないか.オーストリアでは天才的指揮者ゲオルギーエフ氏が解雇されたとあります.彼の発言によるのではなく,彼の沈黙によるものだそうです.芸術の都とはこんなものだと,内心ほっとしました.欧州は徐々に崩壊,腐敗してゆくことでしょう.


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    1. シモムラさま
      著名な指揮者であるゲルギーエフ氏が職を追われたというニュースは先日知りました。シリア紛争では数年前に現地の人たちを励まそうとしてオーケストラを連れてパルミラを訪れ、クラシックを演奏していましたが、実にタフな人物だなという印象を受けていました。戦争が始まると芸術の世界はいとも簡単に崩壊してしまうものですね。
      私が今の日本がおかしいと感じる点は人々の行動が確かな情報に基づいて行われるのではなく、大勢の掛け声に押されて動いてしまう点にあります。今回ご紹介していただいた渋谷駅前のデモに参加したという女性の行動はその典型的な例ではないでしょうか。
      西側の秩序は、ご指摘のように、崩壊し始めたのかも知れませんね。ウクライナのネオナチの動きを目にしながら、過去の7-8年間何の修正や規制さえをも施さなかったEUの政治エリートには危機感を覚えます。

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  6. 主流メディアがあまりにも常軌を逸しているので、というか、それに乗せられているのが私たち庶民ですけど。正直なところ頭に来ています。メディアは暴力装置ですね。
    ご存知だと思いますが、ロシア外務省が2014年以降のドンバスとウクライナの状況に関する資料「The Truth Behind Events in Ukraine and Donbass」を公開しています。
    こちらで知りました。
    https://tvzvezda.ru/news/202232317-yIXvy.html
    訳して、記事にし始めたところです。

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    1. kiyoさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      ウクライナ東部の分離派二州に対するキエフ政府の執拗な暴力はまさに病的です。気違い沙汰です。ウクライナ市民の大多数はこの趨勢に快く思ってはいないのでしょうが、煙が出始めた頃に失火の源を根絶しておくべきでした。ネオナチや国粋主義者が勢力を伸ばして行った過程はドイツにおけるナチズムの台頭によく似ているように思います。そして、今日のロシア・ウクライナ戦争はそこから出発しているので、議論の際には2014年のマイダン革命は西側が実は非常に大きな誤算を果たした事実を認識することが必要だと思います。日本のメデイアは扇動するだけで、歴史的な深層を見てはいないような感じ。日本の民度はこの程度のものなのか?不幸なことですよね!

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    2. 今日の「ウクライナを守れ」はナチズムを守れ!と同意語ですね。あまり言いたくはありませんが、知性も感性も麻痺させられている気がします。
      あんたずれてるよ!と言いたくなる人が多すぎます。つくづく思います。メディアは人をダメにします。

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    3. kiyoさま、
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。まったく同感です。「ウクライナに対する同情論」は理性による論理を完全に逸脱していますよね!私も戦争は大嫌いですが、今回は2014年のマイダン革命に続いてウクライナで起こったネオナチや国粋主義者たちが主導したロシア語住民に対する暴力沙汰に目をつぶっているメデイアの姿勢は私には想像もできません。日本の現在の風潮は酷く表面的で、物の本質を捉えていません!一日でも早く目を覚まして欲しいものです。

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  7. И.Симомураです.元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんが,「馬渕睦夫が語る虐殺とウクライナ問題の真実」というサイトを開いております.
    https://ukraine-now.hatenablog.com/entry/massacre-in-ukraine
    マレーシア航空の撃墜事件,オデッサの虐殺事件,ドンバスにある秘密の絶滅収容所,ドンバスでの虐殺,等などに,衝撃的な分析がなされております.撃墜を指揮した軍高官が顔を写真で見れます.在日ウクライナ人の中には,明らかにキエフの指揮を受けているものもいるということです.例の「義勇軍徴募」も彼らの後ろにいる,大使館員なのでしょう.至急お知らせしました.個人的に嬉しいことを一つ.明日京都から娘がこちら(国後の見える道東の町)に休養がてら来ます.あと三年間政府より研究費を支給され,研究に従事します.

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    1. シモムラさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      私もマレーシア航空撃墜事件やウクライナ東部のドンバス地域におけるキエフ政府軍によるロシア語住民に対する虐殺行為に関連していくつかの投稿をして来ましたが、元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんの発信内容は私自身の考え方とほぼ全面的に同じであるとから私はこれを読んで意を強くしています。有難うございました。
      ところで娘さんが道東へやって来られるとのこと、楽しみですね。道東と言うと、今いらっしゃる場所は知床ですか?一緒に美味しいものを食べ、美味しいお酒を傾けて、たくさんの思い出を作っていただきたいと思います。ところで、もし差支えがなかったら電子メールアドレスを交換したいと思いますが、如何でしょうか。こちらは「otayoshimichi2@gmail.com」です。詳細はメールで。

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