2022年5月15日日曜日

ドンバス:2014年~2022年におけるマリウポリの犠牲者たち ― 同市の住民が語る

 

ウクライナ人やロシア人にとってはウクライナ南東部のアゾフ海に面したマリウポリの街はオデッサやクリミア半島のヤルタと並ぶ観光名所のひとつであった。しかしながら、8年前にマイダン革命後のキエフ暫定政府が政権をとると、マリウポリの街にも残忍な異変が起こった。そして、最近の2か月、マリウポリという名称を聞いたこともなかった大多数の人たちもマリウポリを注目することになった。注目の対象はネオナチ・アゾフ大隊が立てこもったアゾフスタリ製鉄所の地下室である。

ここに、「ドンバス:2014年~2022年におけるマリウポリの犠牲者たち ― 同市の住民が語る」と題された最近の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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2022416日、私たちは最後のウクライナ軍が配置されているアゾフスタリ製鉄所のすぐ近くにあるマリウポリに戻って来た。私たちは工場周辺の3つの異なる場所に出かけ、民間人と話をした。彼らはアゾフ大隊が自分たちや自分たちの家をどのように攻撃したかを教えてくれた。また、彼らの多くは201459日のことだけではなく、20151月にDPR(ドネツク人民共和国)に属するコスモドロム地区が砲撃された際に実際に何が起こったのかについても教えてくれた。

マリウポリ市での殉教は2022年に始まったわけではない。それは、8年前、201459日の虐殺で始まった。

アゾフスタリ工場近くの建物の中庭で、バレンティーナとスヴェトラーナは201459日の戦勝記念日にマリウポリで何が起こったのかについて教えてくれた。オデッサ虐殺の1週間後、ドンバスはキエフで起こったクーデターに対して立ち上がり、ドネツクとルガンスクの新共和国の創設を問う2014511日の住民投票の準備をしている間にマリウポリでは新警察署長の任命がマイダン革命後の当局によって宣言された。ヴァレリー・アンドロフチャクが任命された。(訳注:「オデッサ虐殺」に関しては、57日にこのブログで掲載した「あれはもう我慢の限界であった  ウクライナ内戦の引き金となった出来事」も参照ください。)

201459日、戦勝記念日の式典が最高潮に達する中、アンドロフチャクはマリウポリ警察にデモ隊を逮捕するよう命じた。警察官らはこの命令の実行を拒否。この反乱に直面して、新警察署長は彼の部下の1人を撃ち、自分のオフィスに立てこもり、国家警備隊を呼んだ。国家警備隊は急進党に属するウクライナの議員であるオレグ・リャチコによって率いられており、警察の建物を攻撃した。デモ隊の側に立つ警官や自分たちの警官を支援しようとして集まってきた民間人の両方を撃った。この衝突で2人の警官と7人の民間人が殺された。

虐殺の2日後、マリウポリの住民は2014511日の住民投票では誰もが投票した。これは、当日投票したバレンティーナやスヴェトラーナが言うように、ドネツク人民共和国の創設を確認するものであった。

スヴェトラーナは、201459日の有名な祝日に当時の市長ユーリ・コトルベイが「不思議なことに欠席した」ことを非難した。彼女に言わせると、マリウポリ市長はこれから何が起こるのかを知っていたので欠席したのだった。また、彼が20151月にも事前に知っていたように、彼の街はDPRによってではなく、ウクライナ軍によって砲撃されることになった。

スヴェトラーナによれば、20151月、ウクライナ議会がロシアを「侵略国」として宣言する準備をしていた際、マリウポリ市議会でも同様の投票が行われた。しかし、結果は期待されていたものにはならなかった。コトルベイが挙げた手はこの地方自治体の議会で沈黙に見舞われることとなったのだ。彼女によると、2015124日にコスモドロム地区に対して砲撃が実行されたのはこの失敗に対する罰としてであった。

その後、マリウポリのこの東部地区は「グラッド」と「ハリケーン」の多連装ロケット砲による激しい砲撃を受け、31人が死亡、117人が負傷。犠牲者のほとんどは子供を含む民間人であった。スヴェトラーナによれば、救助の車両は砲撃された地域から遠く離れた場所に待機しており、砲撃が終わると出発した。彼女によると、市長は何が起こるかについて警告されていたのである。

当然のことのように、(ウクライナとは異なり)DPRは「ウラガナ」多連装ロケット砲を所有したことはないという事実があるにもかかわらず、この砲撃は、OSCEも含めて、DPRによるものであるとされた。ふたつの人民共和国によって最近公にされたOSCEのあからさまな公平性の欠如についてはここでは議論しない。つまり、OSCEの監視カメラは実際に共和国側の民兵をスパイし、ウクライナ軍の砲撃の誤差を矯正することにも用いられていたのだ(さらには、ウクライナ軍はこのカメラをコントロールすることさえも可能だ)!

スヴェトラーナの証言は、それはDPRが発砲したのではなく、2015124日にマリウポリに発砲したウクライナ軍が事前に市長に警告していたことを確認するものである。

2022416日にマリウポリで撮影されたフランス語の字幕付きのレポートを参照して欲しい。

バレンティーナと私たちが訪れたさまざまな場所でインタビューを引き受けてくれた別の民間人も、過去2か月間にネオナチ・アゾフ連隊の兵士が民間人に対して犯した犯罪について話してくれた。その地域にはロシア軍もDPR民兵もまだいなかった頃、アゾフ大隊は水を汲む民間人に対して迫撃砲を発射し、近くの病院の上層階を占領し、2人の女性年金受給者が住んでいたアパートに手榴弾を投げ込み、建物に発砲し、破壊した。

それ以来、ロシア軍はアゾフスタリ工場に閉じ込められたウクライナ人兵士らに降伏をするよう再三にわたって呼びかけ、降伏しさえすれば彼らは殺されないこと、そして国際法の基準に従って適切に、かつ、尊厳をもって扱われること、等を保証した。それにもかかわらず、ウクライナ人兵士らは降伏を拒否し、地下には彼らと一緒に千人もの民間人がいると至る所で叫び、工場への攻撃が始まった際には彼らを避難させるためには人道回廊が必要だと叫んでいた!

一部のロシアのコメンテーターが指摘しているように、アゾフスタリ製鉄所の地下室には民間人がいて、彼らを避難させたいと思った場合、ロシア側が兵士らが降伏するための安全な人道回廊を開いたときに、なぜ彼らは民間人を工場から去らせなかったのだろうか?彼らがこれらの民間人が立ち去ることを阻止した場合、それは彼らが人間の盾として使用するために民間人を人質に取っていることを意味する!これは、アゾフスタリのウクライナ軍兵士がテロリストにすぎないことを意味するものである!

さらには、地下にいることを証明しようとしていると思われる動画は実際には何も証明してはいない。テレグラム・チャンネル「Война  с  фейками 」(偽物との戦争)が指摘しているように、ウクライナの兵士を映した動画は彼らと一緒にいるとされる民間人を映した動画が示す様子とは異なる。

つまり、インタビューを受けた女性たちや子供たちは地下室にいると言っていたが、それがアゾフスタリの地下室であるのかどうかについては特定されてはいない。さらには、示されている地下室には1000人ではなく、最大でも100人程度であり、そのサイズは(巨大な)製鉄所の地下室というよりも、むしろ典型的な民間の建物の地下室のサイズに似ている。民間人との動画は騒々しい地下室を示しているが、兵士との動画は静かで、壁の色も同じではない。民間人がいる避難所には緑の壁と灰色のプラスチックパイプがあり、兵士らがいる避難所には青い壁と白いパイプが観察される。

さらに、最近捕らえられた数人のアゾフ兵士は工場には民間人はいないと述べており、最近のインタビューではゼレンスキーさえもがウクライナ人兵士についてだけ話をしていた。この民間人についての話は、ロシア軍とDPR軍が攻撃を開始し、アゾフスタリ工場の北部を支配下に収めた際に、まさに魔法のように、出現したのである。つまり、これは工場の地下室でネオナチ・アゾフ大隊の兵士らが完全に殲滅されるのを防ぐために企てられた愚かな嘘に過ぎないと見破ることにロケット科学者なんてまったく必要ない。

しかし、民間人に対する犯罪で告発されることがないようにするために、ロシア側は、今日(420日)、アゾフスタリ工場内の人々(民間人または軍隊)が避難または降伏できるように新たな安全回廊と停戦を組織した。

工場自体の地下室からは民間人は(またはそのことについては、兵士も)出てこなかったが、この人道回廊はアゾフスタリの主要検問所の真正面にある家の地下室に閉じ込められていた120人以上の民間人を外へ導き出し、私たちの同僚である「戦争ゴンゾ」が指摘しているように、これらの民間人の避難が最終的に実現した。
ラムザン・カディロフが発表したメッセージによると、アゾフスタリは間もなくロシア軍の支配下に置かれ、これでマリウポリでの戦いは終わりだ。そして、クラマトルスクとスラビャンスクでの戦いが始まる。

Christelle Néant

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これで全文の仮訳が終了した。

この引用記事でもっとも興味深い点はアゾフスタリ製鉄所の地下室には民間人はいなかったという指摘だ。1000人もの民間人がいるというのはアゾフ大隊が流した嘘に過ぎないと言う。救出された民間人は製鉄所近くの民家の地下室から出て来た人たちだとのことだ。

民間人の救出に関しては、この引用記事と並んで、「太陽を再び見られるとは ―  死を覚悟の製鉄所脱出 ウクライナ」(May/082022https://www.afpbb.com/articles/-/3403724)と題されたYouTube動画もご覧願いたいと思う。

今や、アゾフ製鉄所からの民間人の避難は終わった。つまり、ロシア軍やDPRの民兵から成る同盟軍が地下のアゾフ大隊の残党を殲滅する時がやって来たということだ。昨日(514日)午後の「ロシアの春」の報道によると、アゾフ大隊に対するDPR・ロシア同盟軍の攻撃が始まった。地下には民間人が一人も残されてはいないことを祈るばかりである。

ウクライナ政府は国連や国際赤十字からの代表に委託して、まずは負傷兵を救出したいとしている。DPR・ロシア側との交渉が行われており、この交渉ではトルコが仲介役として働いている。かねてから非ナチ化を基本的な目標にして来たロシア側がネオナチ・アゾフ大隊の残党を実際にどのように扱うのかが見物である。また、ウクライナ軍側は執拗にヘリコプターを飛ばして救出作戦を試みたが失敗を繰り返していたことから、NATO軍から派遣された高官らが地下に残留しているからではないかとの噂がされており、その真相はどうなのかが極めて興味深い。

 

参照:

1DONBASS - THE MARTYRDOM OF MARIUPOL CIVILIANS FROM 2014 TO 2022, AS TOLD BY ITS INHABITANTS: By Christelle Néant, Donbass Insider, 20/04/2022




19 件のコメント:

  1. 翻訳ありがとうございます。マリウポリに電気が通じ灯りがともってきたようですね。
    こちらの動画ご存知ですか?
    https://www.youtube.com/watch?v=mARfK3-Crkg&t=15s

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    1. kiyoさま
      この動画を観るのは2回目ですが、著者の主張には改めて共感します。ジョージ・ケナンとかステイーブ・コーエン、ジョン・ミアハイマ―といったロシア学の専門家は何十年も前からロシアを正確に評価し、見解を述べています。それにもかかわらず、政治家やウオールストリートは米国の対外政策を間違った方向へ引っ張っていることが実によく分かります。すべては金儲け主義の成せる技ですよね。
      特に最後尾で取り上げた「誰が一番得をするのか、誰が一番損をするのか」という議論は秀逸ですね。一番得をするのは中国人。一番損をするのはウクライナの国家主義者。二番目に損をするのは日本人。日本人は全員がこの動画を観るべきですね!

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    2. この方の他の動画を見ましたが、どうやら《日本核武装論者》のようですね。その目的は米国からの独立を果たすためだそうです。ソ連崩壊後連邦構成共和国は次々と独立してゆきますが、この国は最後までまっていました。日本政府は直ちに総領事館を開設することを決め、チュルク語の専門家をスカウトし始めました。セミパラチンスクの核実験場の使用権を確保しようとしたと噂されていました。核をもとうとしたのでしょう。その後どうなったのかわ全く情報がでてきません。

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    3. シモムラさま
      もうひとつの動画とは第4回 「アメリカ人も呆れた 属国主義で核武装議論から逃げてきた日本の保守政治家達」のことですか?私も今観たところです。
      その動画では、ニクソンとキシンジャーは日本に核抑止力を持つよう2年半にもわたって勧めたけれど、当時の佐藤栄作首相を始めとして日本の政治家は理解してくれなかった。その後、ニクソンが中国を訪問し、中国側が日本の核武装を反対したことから、日本が核抑止力を持つことについて米国は推奨しなくなった。それ以来、50年にもわたって核武装の議論はまったく深化されてはいない。2030年頃には中国の経済力は米国を追い抜くが、その頃には中国は核弾頭の数を倍増させているだろう。そうなると、日本は役に立たないミサイル防衛システムを抱え、米国の核の傘に依存することになる。しかしながら、中国との核戦争に踏み込みたくはない米国は日本と中国とが戦っても日本を助けには来ない。日本はドカ貧となるだろう、といった論旨ですね。
      もしも日本と中国が協力し合えず、戦争に頼るような事態を想定しますと、尖閣諸島問題がすぐ念頭に浮かびますが、尖閣諸島が日本にとって核大国との戦争も辞さないと言えるだけの価値を持っているのかどうか、私には否定的に見えます。もうひとつは台湾です。いずれの場合も、実態は、恐らく、非常に相対的なものであると思われます。米国が日本の背後に軍事的に控えている場合だけ、日本は中国に対して強気でいられるけれども、米国が日本を助けには来ないならば、つまり、米国の核の傘が使えないならば、日本は最初から強硬に出ることはあり得ないのではないかと思います。
      核武装だけが将来の選択肢であるとは思いませんが、北朝鮮と米国とのやり取りを見ただけでも、核武装は一定の影響力を発揮することは間違いないですね。避けては通れない重要な要素であると思います。問題は米国の民主党の指導者が日本の核武装には絶対反対の立場をとっていることから、このことが日本の政治家やメデイア界をビビらせており、与党や野党を問わず、議論がまったく深まらず、皆が逃げてしまう・・・と、この動画の著者は指摘しています。
      2030年頃の米国は米ドルの信用が衰え、経済力が衰退し、国内問題に忙殺され、国際政治における覇権体制も今とはまったく違って、多極世界となっている可能性が高いと思います。そうなると、米国の民主党も今のような影響力を発揮できなくなっている可能性が大あり。さて、どうなるのでしょうか?

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    4. セミパラチンスクの核実験の被害、初めて知りました。なんにも知らなくて恥ずかしいです。
      伊藤氏の動画、とても勉強にはなりました。この方の別の動画で3、4人の評論家?の方々が出てくる動画(Russia and Ukraine Crisis Part3)も見ましたが、自分には違和感があります。はっきり言って伊藤氏(全面的に賛同するわけではありません)以外は司会者含め、?マークがつきました。もっときつい言葉を使いたいですが、ここでは控えます。評論家という人々はご自分の分析の正しさを強調したくてたまらない人が多い感じがします。それが仕事といえば仕事なんですが。ですが、ドンバスのような、明日はいのちがあるのかというような環境で生活している、普通の人々が何を感じているのかということは眼中にないのではと思います。歴史から何を学ぶのかは大事ですが、情感というか、何を感じるのかという感性を感じない分析や主張は、たいがい難解で絵空事のように感じてしまいます。なにも分析とか○○論とか大袈裟なことではなくて、SMSのちょっとしたコメントも含め、正しさの自己主張、自己満足が多すぎる気がします。自分も例外ではありませんが。

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    5. セミパラチンスク核実験場は、周辺の住民に悲惨な被害を及ぼしているのです。ゴルバチョフ夫人は白血病で亡くなりましたが、コムソモール員時代に同実験場でボランティアとして社会活動をしていたのです。

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    6. フクシマの爆発損壊した原子炉は天井が無くなり、猛烈な放射能が青天井に吹き上がっているらしい。放射能を帯びた霧が立ち込め、放射能塵が福島県内に降り注いでいるのだそうです。セミパラチンスク日本版です。

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    7. 文字通り爆発事故でした。その後の隠ぺい工作はひどいものです。あの頃は必死で調べましたよ。今は、スーパーで福島産の野菜などが普通に売られています。魚なども東北産のものは絶対に買わないようにしていますが、ほとんどの人は気にしていないようです。セシウムは半減期が短くて、メディアもセシウムだけに焦点を当てて安心を演出する報道していましたが、他の核種も同時に降り注いでいるわけで、千年、万年単位で危ないということが分からないみたいです。コロナやワクチンといっしょで何も考えない人が大半です。今は、たまに放射線量があがっているという記事を見かけるくらいで完全に忘れられています。
      長崎の爆心地で生き残った、味噌と玄米の話を知って、自家製の味噌やぬか漬けを作り始めました。米ぬか発酵液とか今でも使っています。

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  2. 翻訳ありがとうございます。千人の民間人の話、私も疑っておりました。二か月間でも千人の排泄物の量は膨大なものでしょう。
     ウラガーナuraganaは、ураган uragan の属格形でしょうね。①(35m以上の)暴風、サイクロン:②多連装ロケット砲。所謂カチューシャロケットのことですね。原文のrocket scientist は英和辞典の第二の意味として、《俗語》頭のいい、数学につよいやつ。因みにロシア語では、この意味での用例はありません。さあ、どんな大鼠が掛っているのでしょう。フィンランドもスウェーデンも、この獲物の面々を見てから、NATO加盟申請をしたほうがよいですね。

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    1. シモムラさま
      フィンランド国内にはロシアとの関係は静穏だという意見もあります。どうしてNATO加盟が必要なのか?
      さて、アゾフスタリではどういう幕引きが待っているのでしょうかね?米国は少なくとも米中間選挙までは長引かせたいのでしょうか?バイデン大統領や民主党の狙いはロシア・ウクライナ戦争を長引かせて、ロシアを経済的に疲弊させるとしていますが、NATOを支えることで一応の団結を示したEU諸国はコロナ禍で打撃を受けた上に追い打ちをかけるように、対ロ経済制裁のブーメラン現象によって、燃料や食品価格の高騰によって直撃を受けています。ロシアが受ける経済的影響よりも、EU諸国の方がむしろ先に疲弊してしまいそうな感じ。これでは国内問題から目を離させ、ロシア・ウクライナ戦争に関心を引き寄せようとする政策は裏目に出てしまうのではないか。

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  3. フィンランド人は毎日酒が飲めれば、幸せだとかんずる人たちが多いですね。酒はアルコという会社の専売ですね。蒸留酒には一日の購入本数が決められており、値段も500mlあたり数千円ですから、事実上の禁酒法があるのです。禁酒法はロシア語でсухой законスホイザコン”干上げる法”といいます。彼らの酒の飲み方は悲しいですよ。森の中に逃れて、ひっそりと飲みます。女性の飲酒も社会問題です。ポーランドにいたとき、彼女たちの飲み方が写真入りで紹介されておりました。十代の少女たちがへべれけになり、屋外で並んで放尿している憐れな姿でした。ポーランド女性も飲みますが、ここまでには至らない。アルタイ系とウラル系は酒に弱いですね。サハ人(旧称ヤクート人)も酒に弱く、僅かの盃数で酔い、レストランなどで身近の得物を構えて殺し合いをしますね。ですから家庭でもレストランでもテーブルナイフさえ置いておりません。民宿形式の宿では、内部での飲酒禁止を謳っているところが少なくありません。罰金まで決められています。ヤクート人はロシア人と大いに異なり、吝嗇で金銭に非常に拘ります。寧ろロシア人の方が静かに楽しく酒を楽しみ、争わず、他人に対して鷹揚ですね。しかし昔のロシア人毛皮商人は、ウォッカによって主に古アジア語系民族(氷河期に既にシベリアに展開していた民族。本邦のアイヌ民族もそれに該当します)を収奪しました。この政策によって消滅した先住民族は多いのです。

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    1. シモムラさま
      スウェーデンでは酒の購入が制限されているので、酒が欲しいスウェーデン人はフィンランドへ出かけて、酒を入手するという話を聞いたことがあります。現在もそうなのかどうかは分かりませんが。日本人もアルコールの代謝物であるアルデヒドを分解する酵素が少ない人種に入るそうですよね。私の父は酒が好きで、兄は父親に似たらしく結構飲みますが、私は彼にはかないません。これも分解酵素の問題。フィンランド人の酔っ払いに関する話、驚きですね。そこまで酷いとは想像できません。日本酒に比べると、蒸留酒はアルコール度が高い。ウォッカよりもアルコール度数がさらに高い「サマゴン」には手を焼きました。ウクライナのチェルカッシという街で聞いた話ですが、冬になると酔っ払って、屋外で凍死する人が出るとのこと。年中行事だそうです。

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    2. フィンランドではなく、やはり隣国のノルウェイだと思います。この国では蒸留酒は安いですよ。フィンランドでは40度500mlのウォッカが1985年当時で二千円はしたと思います。ですから砂糖を月限度一杯の40㎏買って、アルコール酵母を加え発酵酒を醸造し、自家製蒸留器で60度ほどの密造酒を造るのです。セルビアでは李から醸造酒を醸し、アランビックという装置で蒸留酒パーリンカにします。60度もあるのに、私は不思議と悪酔いした覚えがありません。自家蒸留は気を付けねばなりません。その過程で、必ずメチルアルコールが生成するからです。

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  4. 酩酊路上凍死は珍しくはありません。十一月のノゴシビルスクに出張したときのことでした。朝早く学会に参加するため、宿を出てすぐ。路上に凍死体を見つけました。ホテルのフロントに戻り、死人のようだ、とポルチエに知らせました。彼は「承知、検死があるので触れない」とぶっきらぼうに答えました。損壊しないこれなど幸せな方で、多くは路上に寝込み車に轢き殺されます。

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  5. タルコフスキーの処女作 ”Иваново детство イワンの少年時代” 邦題《ぼくの村は戦場だった》https://www.youtube.com/watch?v=aRkPoF7iVGc 時間軸24:44から有名な《雄鶏と老人》の場面があります。このロケーションはスラヴャンスクですよ。映画の最後の場面で流れるガルモシカの旋律は《Михаил Исаковский作詞
    В прифронтовом лесу《前線の森にて》です。ガルモシカにピッタリのメロディーだと思います。

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    1. シモムラさま
      「イワンの少年時代」を今観終わりました。12歳の少年が戦場に赴きたいというひたむきな思いが見事に描かれていますね。当時ソ連にはこういう少年がいたとしてもまったく不思議ではないように思います。どこまでも続く白樺林の風景が秀逸でした。ロシア人はあのような雰囲気に曝されるとロマンチックになるようですね。それがよくわかります。この映画を紹介していただき、感謝です!

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  6. ”カッサード大佐”По словам корреспондента Куксенковой, следующая партия пленных начнет сдаваться в 4 часа утра.Всего на "Азовстали" еще заблокировано 2227 человек.《(女性)従軍通信員クークセンコヴァによると、次の捕虜集団は朝の4時に投降が始まるが、アゾフスターリにはまだ2227名が閉じ込められている》とあります。

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    1. 2227人もがまだ地下に閉じこもっているとは!凄い数値ですよね!

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  7. 《カッサード大佐》の最新記事を見つけました:
    Цифры с "Азовстали" Сладков по цифрам с "Азовстали".アゾフスターリ由来の数値について、従軍通信員スラトコフ

    1. Всего свыше 2500 человек там было на момент начала сдачи.投降の時点での人数は、2500人以上
    2. Из них "Азова" 804 человека.そのうちアゾフ大隊員は804名
    3. Из общего числа 404 раненых, из них 55 тяжелых.負傷者404名のうち、重傷者55名
    4. Свыше 200 трупов в замороженном состоянии.戦死者200名以上は冷蔵状態に置かれている
    5. Трое наших пленных (1 офицер, 2 солдата)(将校一名、兵士二名の)我が軍捕虜は三名
    По данным МО РФ вчера сдалось 265 человек, из них 55 раненых. Раненые все в Новоазовске. Остальные в Еленовской колонии.ロシア連邦国防省のデータによると昨日の投降者数は265名で、そのうち55名が負傷者。負傷者はノヴォアゾーフスク市へ、残りの者はエレノフスカ市の一時収容所へ。
    ブログ主様 終わりは近いですね。

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