2022年5月18日水曜日

サファリ部隊はうまく行かなかった ― 外国からの傭兵らはウクライナから離脱

 

ウクライナ南部のマリウポリではアゾフスタリ製鉄所の地下壕から重症の負傷兵の搬出が始まっている。

516日の報道によると、274人がアゾフスタリ製鉄所の地下豪を離れ、外へ出て来た。これらの内の53人はウクライナ軍とアゾフ大隊からの重傷者だとのこと。ウクライナ国防相の副大臣であるアンナ・マルアルによると、重症者はノヴォアゾフスカの病院へ収容され、必要な治療を受ける。残る221名はアレニフカへ送り込まれ、そこでロシア人捕虜との交換が行われる。軽症者や戦闘可能なアゾフ大隊の隊員はまだ誰も地下壕から出てはいない。516日に始まったプロセスはネオナチ・アゾフ大隊員の降伏とは言えない。あくまでも、捕虜の交換である。ただし、516日、9人が白旗を掲げてアゾフスタリの敷地を離れたという。ウクライナ軍の投降は今のところ9人だけ。

アゾフスタリの地下に立てこもったウクライナ軍は2000人とも2500人ともいわれている。その内でアゾフ大隊は約800人。ウクライナ情勢は、今、急速に変化しているように感じられる。今後の動きが注目される。

ところで、今回のロシア・ウクライナ戦争では外国からの傭兵が世間の関心を呼んだ。日本人も70人程がウクライナへ出かけたと報じられている。歴史的に見ると、2000年以上も前から外国人傭兵はさまざまな局面で存在していた。

ここにウクライナにおける外国人傭兵に関して「サファリ部隊はうまく行かなかった ― 外国からの傭兵らはウクライナから離脱」と題された最近の記事がある(注1)。西側諸国から傭兵を募って、ロシアと戦って貰おうというウクライナ政府の試みは必ずしもうまくは行かなかったようだ。何が失敗の要因となったのだろうか?

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

ウクライナ当局によると、「ロシアと戦うために」52カ国から2万人以上もの外国人がウクライナにやって来た。しかしながら、キエフ政府はそのことに関してはあまり話したくはないようだ。彼らの多くはすでにはっきりと我に返っており、喜んでその理由を語っている程である。

Photo-1

傭兵らにとっては英雄的に見えた任務は実際には自殺的でさえあることが基本的に判明したのである。それは腐敗し切った司令官たちや質が悪く、多くの場合不十分とも言える武器や装備のせいでもある。

グルジア軍団(2014年にウクライナで創設された国際旅団)の司令官であるマムカ・マムラシヴィリは、イギリスのテレグラフ紙に、彼の部隊に加わるためにやって来た傭兵の70%は「すでに引き返した」と推定されると言っている。そして、多くは本当の戦いにさえも出てはいない。

期待と現実のミスマッチ:

キエフで軍事教官を務める英国からのボランティア、マット・ロビンソンは、新兵の中には単純な狩猟経験と基本的な生存スキルしか持っていない連中もいるため、この国にやって来る多くの外国人市民は彼らを待っている物事に対して完全な準備はできていないと指摘。それでも、彼らは偉業を成し遂げ、「敵を打ち負かす」ことを望んでいるのである。

「これらの軍事ツーリストは自分自身が相手を撃つ代わりに自分が銃撃に曝されると、ひどく失望する。ロシア-ウクライナ紛争では、兵士らはほとんどの時間を射撃することにではなく、隠れて過ごす。主として砲兵戦争であるという現実を理解したくはないのだ。

「不可思議な戦争」:

イラクやアフガニスタンなどの国々で戦闘経験がある志願兵は「ウクライナ戦争は別のレベルにある」と言う。あるイギリスからの元海兵隊員は、傭兵は「ここでは部外者であり、ロシア人について君が何と言おうとも、これはプロの軍隊であり、彼らは多くのハイテクを使用している」と言った。

長期契約はするな:

「大金を掴もうとする兵士」がウクライナを去るもう一つの理由は、ウクライナ軍に加わる際に三年契約に署名することには躊躇を感じるという点だ。これは彼らの前提条件なのである。ボランティアたちはこのような長い法的義務を避けたいと願って、到着したら多くはナズバット組織に加わるか、家に帰ろうとする。

しかし、外国人のためのナズバットにおいてさえも人生は必ずしも蜂蜜のように甘くはないのだ。

元米空軍兵士のマイケル某は、ナズバットやテロボロンでの外国人新兵は、通常、他の誰もがやりたがらないような任務を割り当てられており、「重要な情報がなければ危険な状況に陥るかもしれない」と主張している:

「たちの悪い司令官に遭遇すれば、砲撃の餌食となりかねない。他の連中とうまく協調できないときに戦場に出るのは危険そのものである――自分の味方によって殺されかも」とマイケルは言う。そして、そこには腐敗が蔓延しているのである:「主要な装備にも欠けている。戦闘員には予備の弾薬が無い武器が与えられたり、防弾チョッキや応急処置のキットもなしだ。われわれは皆が戦いたいと思っているが、彼らはわれわれの仕事をやり易くしようとさえもしない。」

「新兵は採用しない」:

ロシアの特別軍事作戦の開始から数日後、ウクライナ当局は「モスクワと戦う」ことを望む外国人にビザなしでの入国を約束した。しかしながら、3月には、すでに登録資格が狭められることになった。つまり、軍事経験を持つ連中だけを採用し始めたのである。その根底にある議論は、訓練を十分に受けてはいない志願兵を前線に送ることは支援というよりはむしろ障害となる。それだけではなく、武器や弾薬の在庫は「すでに」枯渇しつつさえあるのだ。

モスクワがさらなる思考のための糧を与えてくれた:

ウクライナで戦うことを望む外国人傭兵はロシアからの警告を受けることとなった:

国際法の下では傭兵は戦闘員の地位を持ってはいない。皆が言うように、流れに身を託すことになる。

「ロシア軍はわれわれの権限下にあるわけではない」:これで外国人傭兵は一掃されたも同然だ。

キュレーター:リュボフ・ステプショワ

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率直に言って、傭兵として戦場を渡り歩くことの本質は短期間のうちに大金を掴むことにある。たとえば、英国の民間軍事企業のひとつは次のように言って、傭兵を勧誘している:「ウクライナへ出かけたい者、多言語を操れる傭兵を募集。日給は最高で2000ドル(1,523ポンド)。ボーナス付き。ウクライナ人の家庭を紛争によってますます深まっている混迷から救出しよう!」(原典:Private military firms see demand in Ukraine war: By Bernd Debusmann Jr, BBC News, Washington, Mar/09/2022

日当が2000ドルだと言うが、実際の手取りがどれだけあるのかは分からない。それでも、いい金額ではないか。コロナ禍で2年間もの都市閉鎖に見舞われ、職を失った若者、特に、軍人としての経験を持っている連中にとってはこの傭兵募集の広告は多いに気をそそられるのではないかと思う。しかしながら、ウクライナの現地へ行ってみると、期待と現実との間には大きなミスマッチが存在することに気付かされるようだ。彼らは「軍事ツーリスト」とも称されているらしい。この種の言葉は別の領域でも使用されている。偏見めいた話になって恐縮ではあるが、国際的に著名な数多くのピアノコンクールで常連のように顔を出すコンクール参加者は「ツーリスト」と呼ばれるとどこかで読んだことがある。

そのような大金はいったい何処から出て来るのかと言うと、素人の私でさえも、今米議会上院での議決を待っている400億ドルのウクライナに対する財政支援のことを思い起こさざるを得ない。たとえば、1人の傭兵を3年間雇用した場合、2000ドルの日当を支払うと、少なくとも、合計で219万ドルを必要とする。さらにボーナスや民間軍事企業の取り分を上乗せすると、350万ドルとか400万ドルにまで膨らむであろう。恐らく、この数値は一兵卒の話ではなく、トップクラスの司令官レベルの場合ではないかと思うのだが・・・

ロシア軍はかねてからウクライナ東部のロシア語を喋る住民に対して行われて来たウクライナ軍による戦争犯罪行為に対しては軍事法廷を開くと公表して来た。そこには、引用記事でも指摘されているように、国際法の順守が待っている。この軍事法廷におけるネオナチ・アゾフ大隊に対する取扱いだけではなく、ロシア軍に捕まった外国人傭兵の取り扱いも大きな関心を呼ぶことになるではないだろうか。

参照

1Safari did not work: foreign mercenaries flee from Ukraine: By Pravda.ro, May/14/2022

 

 

44 件のコメント:

  1. この記事にアクセスできません。大変興味深い記事の翻訳、感謝申し上げます。《日当が2000ドルだと言うが、実際の手取りがどれだけあるのかは分からない。それでも、いい金額ではないか。コロナ禍で2年間もの都市閉鎖に見舞われ、職を失った若者、特に、軍人としての経験を持っている連中にとってはこの傭兵募集の広告は多いに気をそそられるのではないかと思う》コロナ禍戦略の目標はまさにここにあったのではないでしょうか。ナズバットとテロボロンは多分назбат短期契約大隊 (нзаначенный батальон) とтероборона地域編成民兵部隊 (территориальная оборонаその兵員数は戦時の16-20%。ソ連では1923ー38年に存在) だと思います。

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    1. シモムラさま
      ナズバットとテロボロンについての情報を提供していただき、有難うございます。当方はヤフーへのアクセスが遮断されているせいで、情報検索は極めて困難。4月4日以来、不便を強いられています。
      最近、アクセスできない記事が時々ありまね。真理省、あるいは、どこからか圧力が加わって、撤去されてしまったのかも知れませんね。

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  2. kiyoさま
    最新の記事「ウクライナの恐怖と拷問、西側の国際機関・メディアは沈黙してきた」(https://quietsphere.info/)を拝見しました。
    ウクライナの極右派が行って来た数々の拷問やレイプについて西側のメディアは見て見ぬ振りをしてきた。もう何年にもなる。今、こうして、今、一般大衆の目にも具体的な事例が曝されつつあります。
    kiyoさまのご努力に感謝です!

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    1. アゾフスターリからの捕虜曳きだしに際し、国連事務総長、国際赤十字が出張ってきましたが、彼らはグルなのですね。人道的ラベルに隠れて非人道的行為に関わっていたのです。邪悪な組織だ。赤十字のマークのある車両で、軍事物資を密送していたのでしょう。

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  3. kiyo様 拝見いたしました。大きなお仕事に感謝申し上げます。Natachaはナターシャという発音で使われます。ChestakovaはШестаковаシェスタコーヴァという発音です。マミウーリアはмамаママの愛称形です。幼子が母を慕うときに発する大変情緒的な表現です。私は国連機関の犯罪的行為をずうっと前から疑ってきました。2014年頃の報道で、ドンバス側からの停戦違反調査の申し入れにより、OSCE職員がドンバス側に入ると砲撃が止むが、彼らが立ち去ると、先程の聞き取りの位置に正確に砲弾が着弾する、というものがありました。多額の賄賂を貰っているのでしょう。本当に重要な記事を翻訳してくださいました。あらためて御礼申し上げます。

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    1. OSCEは第三者として監視を行う基本的な義務を完全に逸脱してしまいましたね。
      このような事例は、残念ながら、多く存在します。私は2019年に国連機関のひとつであるOPCW(化学兵器禁止機関)で起こったスキャンダルを思い起こします。
      OPCWは化学兵器禁止条約(CWC)に参加している締約国が条約にしたがって化学兵器の開発、製造、貯蔵、使用をしていないことを専門家の立場から監視する役目を担っている。この国連の機関がシリア内戦における化学兵器の使用についての報告で破廉恥な行為をした。専門家が現地調査を行い、報告書を提出したが、上層部はこの報告書を改ざんし、それを正式の報告書とした。どのように改ざんしたのかと言うと、シリアのアサド大統領にとって不利な内容に改ざんしたのだ。つまり、リークされた内部報告書と外部の誰かに執筆して貰った報告書を最終報告書として公開されたものとの間には大きな違いがあった。
      OPCWのトップは何をしたかったのか?それはアサド大統領が自国市民に対して化学兵器攻撃を行ったという証拠としてOPCWの最終報告書ででっち上げ、それによってシリアに対する西側のミサイル攻撃を正当化するためのものであった。このようなスキャンダルが国連機関のひとつであるOPCWで公然と行われたのである。これでは、OPCWトップの信用はガタ落ちである。この全容が明るみに出たのは2019年のことであった。
      思うに、OPCWのトップは西側のディープステーツから高い評価を受けたに違いない。彼はOPCWから退職し、エーゲ海のどこかで優雅に余生を送ることになる、あるいは、なったのかも・・・ 
      もしくは、アサド大統領側の勝ちでほぼ終わったシリア紛争はそれ程重要ではなくなり、今や、ウクライナが最大の関心事であり、役者がOSCEに替わったということだ。つまり、「嘘の帝国」の公演は国際舞台で延々と続いている。

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  4. 追加情報:

    ウクライナ紛争に関する情報は玉石混交である。ロシア・ウクライナ戦争は古来からの物理的な戦争であると同時に、情報戦争でもあるからだ。そのことを承知の上で、限られた時間を有効に使いたいと思う。

    その意味では乗松聡子氏の下記の報告を推奨したいと思う。まさに、「必読」である。多くはすでにご存じの事柄かも知れない。だが、依然として、数多くの新情報が含まれている。

    上:  https://isfweb.org/post-2995/
    2022.05.16 ウクライナ 忘れられている死者たちは誰か(上)

    中:  https://isfweb.org/post-3084/
    2022.05.17 ウクライナ 忘れられている死者たちは誰か(中)

    下:  https://isfweb.org/post-3107/
    2022.05.18 ウクライナ 忘れられている死者たちは誰か(下)

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  5. 傭兵も逃げ出すウクライナ。欧米が絡むと国全体が腐敗しますね。2014年にネオナチ党である右派セクターは、ウクライナ全土で約35万人を登録したということですから、彼らはどこまで根を張っているのやら。
    ですが、まずはアゾフの”任務完了”を祝したいと思います。彼らはこれから本物の地獄を見ることになるのでしょう。
    国際機関とメディアの共同作業で世界は騙されてきたということでしょうね。ここまで嘘の帝国システムが準備されたうえでコロナ騒動も作られたと言えそうです。恐ろしいことです。SNSなどですぐにばれるとはいえ、一般の方は偽情報を信じます。
    シモムラ様、名前は修正させていただきます。ありがとうございます。
    それから、次の記事を訳したいと思っています。
    https://ria.ru/20220517/azovstal-1788820039.html
    https://iz.ru/1317663/ivan-petrov/um-za-rasu-zakhodit-kak-natcisty-marginaly-stali-voennymi-liderami
    https://iz.ru/1328204/ivan-petrov/k-voennoi-sluzhbe-odin-pochemu-iazychestvo-stalo-fundamentom-neonatcizma
    どこまで出来るか分かりませんが、校正をお願いできますでしょうか?

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    1. kiyo様 喜んでお手伝いいたします。

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    2. kiyo様 今ざっと目を通しましたが、イズヴェスチア発の情報は古く、冗長に感じます。венкоры ФАН(war-correspomdents of Federal Information Bureau) 連邦情報局従軍通信員の戦場レポートの紹介の方が遥かに緊急性が高いように思われます。如何でしょうか。

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    3. венкоры war-correspomdentsは誤り。военкоры war-correspondents が正しい。

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    4. シモムラ様 探しましたが分かりません。URLを教えて頂けますか?

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  6. 追加情報をもうひとつ:

    アゾフスタリ製鉄所で962人が投降(5月18日)
    動画:
    Azovstal: 962 militants have surrendered so far; over 1000 left as national humiliation unfolds... (bitchute.com)

    5/18/2022 Leaks: The lead to surrender was from the fighters holed up in the steelworks; mostly due to lack of drinking water. Zelensky & Co had no choice but to react & catch up. No agreement with Kremlin exists; only drafts, now meaningles…

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  7. 下院では国連関連の国際機関からの脱退の法案が準備されているようです。私は国際オリンピック委員会からも脱退したほうが安全なように感じます。ロシアの美女の出ないオリンピックなど、すぐさまボイコットされるでしょう。

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  8. 乗松聡子氏の記事、とてもいいですね。さすがです。
    国際オリンピック委員会からの脱退、賛成。フィギュアスケートは特に。WHOも危ないですね。
    新しい記事書きました。軽めです。
    https://quietsphere.info/the-surrender-of-the-azov-regiment-and-the-joy-of-liberation/

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    1. kiyoさま
      新しい投稿を拝見しました。そこには、何時ものことですが、まったく知らなかった情報がたくさんあって、ウクライナ・ロシア戦争の本質的な姿を見せてくれれいます。感謝です!

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  9. kiyo様 投稿拝見しました。実に興味深い記事です。ナチ高官の投降シーンは見せないということですが、軍法会議にはかけられるわけで、多分極刑が宣告されることでしょう。両共和国では死刑があります。エヴァちゃんの動画いいですね。私は、1945年のベラロシア駅頭での、復員第一陣列車の歓迎シーン первый поезд победы を思い出しました https://www.youtube.com/watch?v=PL5xvhLAKVc。
    尚、ロシア連邦情報庁従軍通信員(War-correspondents for Information Agency of the Russian Federation)のリンク先はhttps://riafan.ru/category/voennye_korrespondenty_fanです。毎日の記事が時系列で出ています。英語に翻訳した経験がありませんが、ロシア語文の文法性は、英語のそれより遥かに高く、まず誤訳は起こらないものと考えます。起こるとしたら、ロシア語でよくある省略表記にだと考えます。それとても形態論に即しており前後の文脈で原義を復元できます。通信員のスラトコフの記事は《カッサード大佐》までも、引用してますね。

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    1. シモムラさま、
      「復員第一陣列車の歓迎シーン」を拝見しました。沸き上がる歓声や大量の花束。抱擁し合う人々、そして、延々と続く行進曲。好むと好まざるとにかかわらず、日本で玉音放送に聞き入る人たちの沈鬱な姿と比べてしまいました。もちろん、雲泥の差です!比べること自体が無惨であるのです。しかしながら、これが現実の姿であると受け入れるしかありません。

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    2. この『第一勝利列車』のコメント欄には7651の投稿があり、”涙なしには見れない”というものが圧倒的でした。

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  10. 1945年のベラロシアの記録フィルム見ました。教えて頂いてなかったら、こういうフィルムは見ることはなかったでしょうね。
    リンク先、チェックしました。いくつかまとめて記事で紹介できそうです。
    試しに機械翻訳してみました。
    chromeのG翻訳だと
    「私たちは莫大な損失を被っています。彼らは数千人にのぼります。彼らは私たちから負傷者を奪うのではなく、後頭部を撃ちます。彼らは死者の死体を奪うことさえできず、誰もそれらを必要としません。「同じ」部隊がここで戦っているので、1日以上ポジションを維持することはできません。これについては前に話しました」とデニスは説明しました。
    理解できません。?です。
    DeepLだと
    「私たちは、何千という大きな損失を被っているのです。負傷者は連れて行かれず、後頭部を撃たれるんだ。死者の死体は持ち帰ることもできない、誰も必要としない。先ほどの『同じ』部隊がここで戦っているのだから、1日以上は持ちこたえられない」とデニスは説明する。
    と、なります。いけそうです。
    やってみます。ありがとうございました。

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    1. あの記録映画はべラルス共和国でのものではなく、モスクワの終点べラルースキー駅でのものです。帝国時代から行き先を始発駅の名前にしているのです。この方が駅を間違えることがありませんね。映画では女性も歴戦の兵も泣いておりますね。七年前ハバロフスクで勝利記念日を祝いました。夜はコンサートに行き、部隊背景の大スクリーンにこの映画が映し出されました。私が所属していた研究機関の所長は、あのメロディを聞いた途端泣けてくるんだ、と語っておりました。

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  11. Катерина Зубова youtube サイトでウクライナ人歌手ニコライ グナチュークНиколай Гнатюк歌う《木苺の鐘》 マリーノヴイ ズヴォーンМалиновый звонが聞かれますよ。
    https://www.youtube.com/watch?v=gXiEpqF-3lk
    ソ連時代はもうノスタルジアの世界なんですね。

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    1. 抒情的でいいメロデイーですね!感謝です!

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  12. 《カッサード大佐》が大変面白い記事を書いております
    Ещё про украинцев.
    もう一つ、ウクライナ人について
    В начале СВО хохлами был сбит наш самолёт.
    Экипаж благополучно катапультировался, но приземлился в тылу врага, и вдобавок их ещё и прилично подраскидало друг от друга.
    特殊作戦が始まったばかりの頃、我が軍の航空機が”房毛野郎(ウクライナの男はおでこの房毛をのこして、頭を剃っていた)”によって撃墜された。乗員は幸いにもカタパルトで脱出できたが、敵軍の入り口に着地してしまった。加えて、お互いが離れ離れになったことが明らかになった。
    Кругом враги, связи нет, СПДГ сюда однозначно не прилетит, а вот хохлы, наоборот, уже мчат со всех сторон. Поэтому ребята побегали- поискали друг друга чуть и погнали каждый по своему пути.
    廻り中、敵である。通信手段もない。СПДГ SPDG救出落下傘部隊はここには飛んでこない。それどころか、四方八方から奴らが疾走してくる。そのため、男たちは走り始め、しばらくお互いを探し求めたが、敵は一人一人の進む方向を追跡してきた。
    У штурмана из средств навигации был только старый компас. Он по нему и пошёл.
    操縦士の航法用具には古いコンパスがあるだけだった。彼はそれを頼りに出発した。
    Уходил от погони по снегу и лесам, прятался от патрулей, форсировал только что вскрывшиеся ото льда реки и шёл вперёд. На север. К своим.
    Долго шёл.
    雪山や森に逃げて追跡を逃れ、パトロールを躱した。氷が解けたばかりの川を強行突破し、前進した。北へ、味方へ。そして長いこと歩いた。
    Я уверен, история этого геройского штурмана найдёт отражение в сценарии фильма или в книге, ибо ему там есть и что рассказать, и что показать. Но сейчас я хотел рассказать не об этом геройском штурмане.А об украинцах.
    私(カッサード大佐のこと)は、この英雄的操縦士の語る話が映画のシナリオにもなるし、本にもなり、語り聞かせることも、見せるものもあることを承知している。しかし今はこの英雄のことについては語らない。語りたいのはあるウクライナ人たちのことについてだ。
    Когда военлёту после форсирования очередной речки становилось совсем херово, он заходил в украинскую деревню и стучался в хату с краю.
    次の小川も強硬突破したとき、パイロットはずいぶんヤバイ事態にあることが分かった。彼はウクライナ人の村に入り込んでいたのだ。彼は村外れの農家の戸をたたいた。
    И везде его кормили, сушили, давали крышу и оказывали помощь.
    そうしたら、どの家庭でも彼に食事を提供し、服を乾かしてくれ、泊めてくれた、援助を惜しまなかった。
    Никто ему не отказал в крове. Никто его не сдал хохлам, никто не отравил и не обидел. Ни словом, ни делом. Ни один украинец.
    И снова он шёл вперёд.
    彼を傷つけるものなど一人もいない。房毛野郎にひきわたそぅとするものなど一人もいない。不快にするものも、侮辱を加えるものも一人もいない。言葉によっても、行動においてもだ。一人もそういうことをしない。再び前進。
    На третий день в очередной деревне он так же постучал в дверь, и ему открыла хозяйка. Она увидела грязного, мокрого, замерзшего вооружённого военлёта в российской форме и НАЗ ИРе, и взяв его в охапку, затащила в хату, не задавая никаких вопросов.
    三日目の日、次の村で同様に戸をたたいた。扉を開いてくれたのは、主婦だった。彼女の前には、汚れずぶ濡れの冷え切った空軍パイロットが立っていた。ロシア軍制服と特別偵察中隊のマークも見える。主婦は両手で彼を抱きかかえ、農家の中に引き摺り入れた。一言も質問をせずに。
    Тут же дозвонилась своему мужу, который в соседней деревне получал гуманитарку от российских военнослужащих. Ну а там уже дело техники.
    Попросив мужика передать трубку ближайшему российскому военному, военлёт в два предложения обрисовал положение дел, и через пятнадцать минут за военлётом в деревню примчались наши.
    Мне кажется, в жизни штурмана это были самые длинные 15 минут в его жизни.
    主婦は自分の夫に電話をいれた。彼は隣村でロシア軍からの人道物資を受け取っているところだった。ここで問題は航空機の手配だけになった。彼は主婦の夫に近くにいるロシア軍の兵士に受話器を渡してくれと頼み、兵士に二行ほどの短い文章で状況を説明した。すると15分後にパイロットのいる村に味方が到着したのだ。私には、この15分は彼の人生で最長の時間であったとおもぅ。
    За эти три дня он по глубокому тылу противника прошёл без малого сто километров.
    Сын степей. Красавчик.
    この三日間でこのパイロットは敵軍の真ん前を、約100㎞突破したのだ。大草原の産んだ息子である。良い男まえだ。
    Так что есть хохлы, а есть украинцы.
    Не путайте их.
    かくして”房髪野郎”もいるし、真のウクライナ人もいるということだ。
    彼らを驚かさないでくれ。

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    1. 《木苺の鐘》私には日本の演歌のように聴こえてきました。
      操縦士の敵中横断、まるで映画ですね。これ、引用させてもらってもいいですか?
      ウクライナの記事は分析とか事実の記述が普通ですが、そこには人間のドラマ、物語があるわけで、そうしたものを僕としては取り上げていきたいと思っています。
      最後の文は「混同しないように」という文に書きかえますね。

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    2. kiyo様 どうぞお使いください。《Не пугайте их.
      (путайтеは誤りです。すみません)彼らを驚かさないでくれ》は、おそらく農家のドアのノックの仕方を表現しているのでしょう。日本人はノックを小さくしますね。ところがこれはソ連ではストゥカーチстукачと言って、”密告者”のノックの仕方、またはストゥカーチェリстукатель”保安機関員”のノックの仕方を指すのです。彼らは朝三時にドアを密やかにコツコツとノックします。小さなノックでも収支の住民には、静かなノックゆえに恐怖を与えるのです。このパイロットは、善意を確信して、ドアをドンドンとノックし、”スパシーチェパジャルスタспасите пожалуйста どうか助けてください”と戸口で言ったのだと思います。だから安心して皆はドアを開けたのでしょう。ですから、最後の表現は、ウクライナ人に助けを求めるときは、ドアは強く叩き、戸口で”助けてください”と言いなさい、ということなのでしょう。

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    3. "収支の住民"は”周囲の住民”の誤りです。すみません。

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    4. ”プガーチ пугать ”びっくりさせるは、誰もいないと思っていた場所で、偶然人に出会った時の驚きをも意味します。静かに歩いている人に向かって、物陰からワワッと言って飛び出す行為は、正に”プガーチ пугать びっくりさせる”ですね。

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    5. シモムラ様 いろいろとご教授ありがとうございます。アゾフスタルの集団投降で大きな山場を越えましたね。次の段階に進んだということですね。引用の件ですが、いろいろと考えあぐねていて、しばらく様子見ということにさせて頂いてよろしいでしょうか?
      Yocchan様が指摘されていますが、アゾフから「殺人鬼」の表情が消え失せ、ウクライナ兵も戦意喪失で、終わっちゃったという感じがします。憑き物が取れたというか。NATOのお囃子で笛吹けども踊らずという漫画のような事態が起きてくるかも。

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    6. これからはドンバスですね。引用の件了解しました。

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  13. シモムラさま
    このカッサード大佐の記事、面白いですね。
    私が何十年か前に体験したウクライナの地方都市の人たちの大部分はこれらの村人たちに近かったですよね。当然ながら、中には一人、二人まったく違う連中もいました。ロシア・ウクライナ戦争でロシア人やロシア文化を徹底して憎む今のウクライナ人とはまったく違います。もっと正確に言えば、今の西側メデイア(日本のメデイア)によって描写されているウクライナ人とはまったく異なると言うべきかも知れません。

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  14. 追加情報(その3):
    5月20日付けのFAN Military Commandersには「Voenkor Sladkov called the non-obvious reason for the defeat of the captured fighters of Azov" (原題:Военкор Сладков назвал неочевидную причину поражения пленных бойцов «Азова»)」と題された記事があります。著者のジャーナリストは捕虜となったアゾフ大隊の兵士は精神的にすでに敗れており、戦う動機に欠けていたと分析しています。ロシア軍による特別軍事作戦が始まった頃、軍事的分析を専門とするSakerがウクライナ軍とロシア軍との比較分析をしていました。その中でハードウェアの比較や数値的な差ばかりではなく、Sakerはロシア軍の精神的な強さ、つまり、優位性を強調していました。奇しくも、Sakerが指摘していた要素が本日のFANの記事でも取り上げられていることが実に興味深いです。

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  15. ブログ主様 1960年代後半に ソ連映画『女狙撃兵マリュートカ』というものがあったのを覚えておられますか:https://www.youtube.com/watch?v=YHqshAcAbxo 原題はCорок первый "41番目の獲物"。筋は、革命軍側の女性狙撃兵マリュートカが捕虜の白衛軍将校と恋仲になり、アラル上に浮かぶ小島で暫しの安らぎを得ます。ところが白衛軍の帆船が湖上に差し掛かると、将校はそれに向かってなぎさを走り出します。マリュートカは”ストイСтой 止まれ”と叫びますが、彼はそれを聞きません。この狙撃兵はナガンライフルを頬付けし、一発で41番目の獲物を仕留めます。戦争物映画では、狙撃手が顔を寝かせているものが多いのですが、こうすると狙撃点がずれるのでよくないのです。その点マリュートカは顔をまっすぐ立て、引き金もじんわりとひきます。Изольда Извицкая もОлег Стриженовも良い俳優ですね。彼はヴラゴヴェーシチェンスク出身です。

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    1. ソ連映画が忘れられないのです。1975年頃だと思いますが、なんとあのNHK教育放送が『誓いの休暇』(原題は"Баллада о солдате"『ある兵士への抒情歌』)を放映したのです。この映画は戦車二台を対戦車ライフルで仕留めた通信兵が、褒美として一週間の休暇を貰います。貨物列車の乗って故郷の村へ向かうのですが、道中様々な事件が起こり、故郷に着き母と抱き合ったときは、休暇の最終日でした。今から帰らねばならないという息子に、母はニエプスチュウ Не пущу ”どこにもやらないよ”と嗚咽し、彼を抱きしめます。メロディーも良いですね。Г.Н.Чухрай の息子のП.Г.Чухрай は あの『コソ泥』の監督です。親子、道の描写が秀逸です。

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    2. この「誓いの休暇」は見ています。人々を愛する青年の行動を良く描いていますよね。ロシア映画の味わいが深く、ロシア人特有の人懐っこさが実に印象深い!

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  16. 追加情報(その4)
    アゾフスタリ製鉄所の地下室からのウクライナ軍の救出は5月20日に531人を救出して終了した。ロシア国防省はマリウポリとアゾフスタリ製鉄所の解放はこれで終了したと宣言。アゾフ大隊の司令官を救出する際には彼に対する地域住民からの憎しみを避けるために装甲車を使用したとのことだ。(出典:The Ministry of Defense showed footage of the exit of the last militants from Azovstal: By FAN, May/20/2022 22:54)

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  17. シモムラさま
    この「Cорок первый」は字幕を利用できないとのことで、残念ながら私には手に余って、見ることができません。

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  18. ブログ主様はポーランド系ロシア人作曲家ヤン フレンケリの《鶴はゆく》がお好きでしたね。この《別れのワルツ》も良いですよ。Ян Френкель "Вальс расставания"
    https://www.youtube.com/watch?v=udaL0AQDwdU
    Женщины (1965) のテーマ曲です。大祖国戦争で男が多数亡くなり、女性たちの結婚は困難となりました。この問題を描いた作品です。

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    1. シモムラさま
      有難うございます。今、この曲を拝聴しました。フレンケリ特有の節回しが「鶴は行く」と同様に顕著に聴こえてきます。好きな曲にもう一曲加わりました。感謝です!

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  19. 故郷を追われたロシア人は、望郷のあまり、死ぬことさえある、と言われてます。ユダヤ系ロシア人亡命者歌手ダヴィードメードフДавид Медов歌う、《郷愁 Тоска по родине》もお薦め。古賀メロディーのように前奏が長いのですが、朗々と歌い上げます。表紙の女性素敵ですね。物語性を感じます。
    https://www.youtube.com/watch?v=nre2tYLitmA

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  20. 「ロシア人は望郷のあまり、死ぬことさえある」とのこと。これに類するエピソードが19世紀のルーマニア人作曲家、チプリアン・ポルンべスクにも見られます。彼の死に様がまさにそのような感じです。29歳で亡くなった天才作曲家で、彼の当時の故郷は今はウクライナ領内。彼の代表作「バラダ」(英語ではバラード)は「望郷のバラード」としてバイオリニストの天満敦子さんの18番となってもいます。非常にメランコリーな曲ですが、好きな曲のひとつです。https://youtu.be/cnjUuLdpnOM

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    1. 良いメロディーですね。十四五年前にアルバニアを旅したことがあり、同国の国歌の作曲がルーマニア人風の-escuで終わるPorumbescuであることに興味をもちました。この語尾は’誰々の息子’を意味するのでしょうか。グルジア人の-швильシュヴィリは’誰々の息子’を意味します。アルバニアの指導者はホジャという名前ですが、これはチュルク語で《指導者、師》を意味するhociaではないですかね。アルバニアにはローマ時代に造営された、見事な水道橋がありました。

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  21. 追加情報(その5)

    反ロ派はマリウポリで壊滅的な敗北を喫した:
    アゾフ大隊 (ロシアにおけるこの過激派の国家的形成に対しては刑事訴訟が開始された) の部隊の降伏は、最初の数日間、西側メデイアによって歯を食いしばってコメントをされることが多く、「国際機関の調停を通じて達成された合意に従った撤退」と称されていた。だが、昨日からはこの解釈からは解放され、異なる言い方で呼ばれ始めた。
    実際には、ウクライナ軍最高司令部がアゾフスタールに隠れている2000人以上の戦闘員に「彼らの命を救う」ために降伏命令を与えていたことが判明したのである。
    原典:Anti-Russia suffered a crushing defeat in Mariupol:
    May/21/2022, https://cmio.org/en/world/687662-anti-russia...

    このロシア・ウクライナ戦争に関する西側メディアの報道を振り返って見ると、嘘の連続であることが明確に分かる。つまり、この戦争の発端はプーチン大統領が2月24日にウクライナへ突如武力侵攻したことから始まったと報じて、2014年以降8年間のドンバス地域のロシア語を話す住民に対してウクライナ政府軍が行ってきた砲撃やテロ行為については頬被りのままであった。マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の地下壕に潜伏していた2000人あまりのウクライナ兵は降伏したのではなく、国際機関の調停を通じて達成された合意に従った撤退であると報じた。しかし、この嘘は最初の2~3日間しか続かなかった。
    最初から最後まで嘘の連続であることに西側メディアの凋落振りをあらためて見る思いがする。



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