2014年10月12日日曜日

クリミア共和国の検事総長の髪の色が変わった!


忙中閑あり!今日は少しリラックスしてみたい。
今年の316日、クリミアではロシアへの統合に関する住民投票が実施され、投票総数の96.77%が賛成票を投じた。投票率は83.1%だったから、実質的な賛成票は有権者の80.4%を示したことになる。劇的な投票結果である。これを受けてロシアはクリミア共和国をロシアへ統合することにした。この一連の動きは非常に速かった。
あれから、7カ月になろうとしている。
ウクライナ政府とドネツクおよびルガンスク人民共和国との間で、95日、べラルースの首都ミンスクにおいて停戦協定が締結された。
その後、残念ながら、「相手が砲撃してきた」、「相手が停戦違反をした」といった非難の応酬が続いている。あちらこちらで小競り合いが続いているようだ。1011日のインターファックスの報道によると、ウクライナ政府は来週にはウクライナ東部での停戦を完結したいと表明した。ウクライナ政府の発表は往々にして嘘で固められていることが判明することが多い。この表明こそは本物であって欲しいものだ!
そんな中、クリミア共和国に関するニュースが目についた。今年の3月、日本ではアニメ作家の間で大評判となったナタリア・ポクロンスカヤ検事総長の髪の色が最近焦げ茶色に変わったという。
当時、彼女の人形のように「可愛い」容貌が「kawaii」という言葉を国際語にまでのし上げた日本発のポップカルチャーの一翼を担うアニメ作家たちの創作意欲をかなり刺激したようだ。西側では、日本からのアニメが突然主流メデアでも取り上げられた。普通はそういったアニメには接することがない人たちがこうして日本発のポップカルチャーに曝されることになった次第だ。
西側では、アニメとは違った形で、ポクロンスカヤがもてはやされた。ユーチューブの動画サイトには数多くのミュージック・ビデオが投稿されている。最初の段階に登場したのが「ニャーシャ・ミーシャ」(原題:Enjoykin — Nyash Myash)だ。これはあっと言う間に記録的なアクセス数に達した。4月の最初の三日間で370万、現時点では1400万のアクセスとなっている。
この動画を見たい方は、http://youtu.be/TBKN7_vx2xo にアクセスされたい。
リズムが楽しいし、ナタリア・ポクロンスカヤの雰囲気をうまく表現していると思う。使われている言語そのものはロシア語であるので私にとってはチンプンカンプンではあるのだが、音楽には国境がない。
彼女の名誉のためにひとつだけまじめな情報を再確認しておこう。418日のRTの報道(http://on.rt.com/pku26x )によると、クリミアでの住民投票が始まる前、検事局内部では4人の男性の同僚が検事総長の座を占めるにはリスクが余りにも大きい、あるいは、未知数だとして就任を断っていたそうだ。しかし、彼女は受けて立つことにした。
今日はこの「髪の色が変わった」というつい最近の報道 [1] を仮訳して、読者の皆さんと下記に共有してみよう。 

<引用開始> 
 


Photo-1: クリミア共和国検事総長、ナタリア・ポクロンスカヤ(RIA Novosti / Yuriy Lashov)

クリミアの検事総長、ナタリア・ポクロンスカヤのアニメ風のイメージはインターネット上でセンセーションを巻き起こした。彼女が国家評議会の会議に新しい髪型で、しかも、髪の色をかなり暗い色に染めて現れた時、皆の間では大きな動揺が起こった。 

ポクロンスカヤは、何時ものように、彼女の容貌や外見からだけということではなく、皆の関心を呼んだ。クリミア共和国のセルゲイ・アクショーノフ首相はこう発言した: 「クリミアの検事総長、ナタリア・ポクロンスカヤには謝意を評したい。彼女には多くの男性の活動の範疇を凌ぐような任務に就いて貰った。」 
34歳のポクロンスカヤは、この5月、クリミア共和国の検事総長に任命された。
 


Photo-2: クリミア共和国検事総長、ナタリア・ポクロンスカヤ(RIA Novosti / Yuriy Lashov) 

彼女の記者会見の模様が伝えられた時、彼女は世界中で注目の的となった。たった数日の間に何十万というアクセスがあったのだ。
ロシア人のブロガーであり、ミュージシャンでもある「エンジョイキン」はこの検事総長の記者会見とインタビューの映像を使ってミュージック・ビデオを制作し、ユーチューブに掲載した。今、1400万を超すアクセス数に達している。
また、ポクロンスカヤはほとんど直ぐに日本のアニメの偶像的な存在にもなった。世界中に分布する彼女のファンは彼女を「プロセキューテー」と呼び、ついには自分たちを「ナタリーエイト」と称するようにもなった。
しかしながら、彼女は、外見ではなくて、仕事の成果に基づいて自分を認めてくださいと言っている。
「私を検事として見て欲しい。自分の仕事を通じて私はこの任務を達成する積りだわ」と彼女は言う。
「検事総長のオフィスで働いて来た今迄の12年間、私は組織犯罪を扱って、多くの犯罪者を刑務所に送り込んだわよ。私の外見がそういった仕事で邪魔になることなんて一度もなかったみたい。むしろ、私の容貌が連中をうまく騙してしまうことを願っている程だわ」とポクロンスカヤは言う。 
<引用終了> 

ミュージック・ビデオの最後の部分に現れるアニメが重要なメッセージを送っている。

ポクロンスカヤが紙で作った舟を川に流す。下流では、膝小僧にバンドエイドを貼った少女がそれを拾い上げる。紙の舟を開いてみると、そこには二人の少女が手をつないでいる絵が描かれている。それぞれがロシアとウクライナの国旗をまとっている…
バンドエイドを貼った膝小僧は、言うまでもなく、キエフ政府軍の砲撃を受けて3000人を超す犠牲者を出し、民間の家屋やインフラを破壊され、電気も水道もない生活を余儀なくされているドネツクやルガンスク人民共和国の住民たちの姿を物語っている。
このミュージック・ビデオが示唆することを我々が真摯に受け止めるだけの器量や英知を持っているかが試されているみたいだ。
このロシアのミュージック・グループ「エンジョイキン」には、われわれも皆が立ち上がって拍手を送りたいと思う。
ウクライナとロシアが互いに手を取り合える日が一日でも早く来て欲しいものである! 
 

参照:
1Now a brunette! Crimean prosecutor Poklonskaya parades new haircut & color: By RT, Oct/11/2014, http://on.rt.com/0dvxks 

 

 

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