2015年5月7日木曜日

「I was wrong !」という絶叫 - 音楽ビデオ



最近のSakerからの配信の中に「I was wrong !」と題する音楽ビデオ [1] があった。

早速、それを視聴してみた。それはウクライナ内戦での砲撃の様子やドンバスの市街に横たわる市民の犠牲者を見て、一人の男性が「I was wrong !」と絶叫しているものである。

「私は間違っていた!」とは何の話かと言うと、明らかに、それはウクライナ紛争を巡って米国が売り込もうとしている政治・軍事的な思想を指している。

このまま行けば、ロシアとヨーロッパは戦場と化してしまう。核兵器が使われるかも知れない。1年前、ウクライナの東部においてこの残酷な内戦が始まるのを許してしまった。しかし、今や、「私は間違っていた!」というはっきりとした自覚がある。さらには、それを周囲にも伝えたいという明確な意思もある。これはロンドンではジャックが、パリではフランソワが、ベルリンではエアハルトが、そしてブカレストではミハイがこの絶叫と同じ自覚を持って欲しいという願いである。また、ヨーロッパを再び戦禍に曝すようなことがあってはならないと言う祈りでもあろう。

読者の投稿欄を見ると、非常に興味深い感想や意見が書き込まれている。日本では消費生活にどっぷりと浸かって毎日の生活をしている一般庶民にとっては日頃の意識にはとても現れて来そうもない類の話題だと思う。これは些細なことかも知れないが、私は非常に興味深く感じた次第だ。

今日はその投稿欄を仮訳して、読者の皆さんと共有してみたいと思う。この時点ではコメントは26点が掲載されている。

コメントの投稿者のひとり(共産圏の国で育ったが、今は西側に住んでいるようだ)が「我々の両親の世代は80年代の頃には誰もが欲しがっていた一本のジーンズを手に入れるために祖国(や魂)を売りとばしてしまったのではないか、と時には思うことさえある…」と書き入れた。この発言を巡って、議論が展開。非常に興味深い内容である。

また、ある投稿者は「私はこのビデオを見るべきではなかった。余りにも強烈過ぎる… こんなむごたらしいことがこの地にやって来るとは夢にも思わなかった」と、言う。確かに、この映像を見ると、ドンバス地域での内戦は余りにも凄惨だ。

なお、この音楽ビデオにアクセスするには、https://youtu.be/0ClNjnfoD94をクリックするか、引用記事からアクセスされたい。


<引用開始>

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26 Comments
このご婦人は正しかったそして、そのために究極的な代償を払った… これは私には決して忘れられない画像だ。
我々の頭の中は、間違いなく、ウクライナ政府軍による一般市民に対する攻撃の恐怖でいっぱいだ。
我々はドンバスのために祈りを捧げ、ドンバスの反政府勢力がウクライナ軍を壊滅することを願っている。
次には、ファシストたちが我々のところへもやって来るかも…
もう我々の所へ来つつある…
私はこのビデオを見るべきではなかった。余りにも強烈過ぎる… こんなむごたらしいことがこの地にやって来るとは夢にも思わなかった。モルドバやジョージア(旧グルジア)、タジキスタンではこんなことが起こるかも知れないが、ウクライナではあり得ないと思っていた。我々の両親の世代は80年代の頃には誰もが欲しがっていた一本のジーンズを手に入れるために祖国(や魂)を売りとばしてしまったのではないか、と時には思うことさえある… 
@denis morozov
ブルージーンズの話、興味深いです!私は旧ソ連邦の国の出身です。しばらく前のことですが、私も「ジーンズとコーク」こそが東欧圏のごく普通の一般市民がなぜ共産主義を追い出してしまったのかを説明することができる本当の理由ではないかという結論に達しました。 宣伝の威力はまさに驚くばかり。
その通り!ブルージーンズとコーラ、あんたの言っていることはまったく正しい!私は彼の地で今も住んでいる自分の両親にこのことをついに喋ってみた。おふくろからの反応はこうだった。祖父や祖母はもう亡くなっており、今起っていることを目撃することが出来なかっただけでも幸せだ。さらに、おふくろはこうも言った。お前でさえも気持ちが痛むとすれば、祖父や祖母の場合はこの世の終りを見るような衝撃に襲われたかも… あの世代が勝ち取ろうとしたのはすべてがより明るい将来、文化、社会、あるいは、国民のためだった。でも、それらは今破壊されつつある。私の友人の一人はイラク人で、もう15年以上もの付き合いだ。2-3か月前に、彼はこう言った。「最近のあんたの目を見ると、イラク戦争が始まったばかりの頃に自分が感じていた焦燥感を見る思いがする。」 さらに、こう付け加えた。「俺の気持ちをあんたはよく理解してくれてはいたが、あの当時はあんたは分析的だった。今は違う。今のあんたはその痛みをよく理解し、それを自分で感じている。」 
ブルージーンズとコーラ、そして、アイポッド。
ユーゴにはコークもジーンズもあった。両方とも生産されていた。でも、だからと言って、何の役にも立たなかった… 
ベオグラードでは、1999年に、あるタバコのブランドが英語の言葉を使って宣伝されていた。当時、爆撃機のパイロットが使う言語は爆撃を受ける市民には嫌悪感をもたらすだけではないかと私は思ったものだ。でも、明らかに、そうは展開しなかった。
かっこいいことが理性を凌いでしまい、宣伝に使われているイメージがかっこの良さを決めてしまうんだ。
「かっこいいことが理性を凌いでしまい、宣伝に使われているイメージがかっこの良さを決めてしまうんだ」について、
世の中やそこに起こる物事は側面的であって、永久に続くものなんて何もない。投薬量を増やすと、ある者は死亡するが、他の者にとっては精神を高揚させてくれる。
「かっこいいことが理性を凌いでしまい、宣伝に使われているイメージがかっこの良さを決めてしまうんだ」について、
まったくその通りだ。しかも、それは多くの人たちが理解しきれないままでいる事柄でもある。いわゆる「市場開拓」はまさに個人レベルでの「宣伝」だ。かって誰もが欲していたのは仕事にありつき、家を建て、教育を受けることだった。あれは正しい。だが、一旦それらを手に入れてしまうと、もっと他のものが欲しくなる。皆が、「かっこうが良くて、洗練されていて、まったく新しいもの」を欲しがるようになる。これは人間の業だ。これが都市の発生を促し、幾つかの国々に巨大都市を生み出した。私が聞いたことのある諺にこういうのがある。「彼らがパリを見てしまった後で、どうやって彼らを農場に引き留めておけるんだい?」 西側は「ソフト・パワー」の利点を理解した。そして、それを武器として用いた。ソビエトは実際にはそれを理解しなかった。ある程度は理解したが、彼らはそれを有効に活用することはなかった。今日では、中国人もロシア人も(特に中国人は)よく理解していると思う。西側が今抱いている問題は脇へ追いやってしまったすべての事柄についてのものだ。「仕事や食べ物、住居、ならびに教育」といった面は我が国ではすべてが衰えている。「人はパンだけで生きるわけではない」が、人はパンなしでは決して生きてはいられない。
『しばらく前のことですが、私も「ジーンズとコーク」こそが東欧圏のごく普通の一般市民がなぜ共産主義を追い出してしまったのかを説明する本当の理由ではないかという結論に達しました』について、
あなたは「社会主義」とソビエト政権とをひとつのものに合成しようとしているみたいで、パンドラの箱をお忘れかのようだ。
ロシア人民のある者はあなたが言うように考え、これは彼らが「勝利」した競争相手の行動を予測するのを容易にしてくれた。また、これは対抗者に側面的な戦略を実行する機会を与え、1956年以降、ある者はそれが必要であるとさえ見なした。[訳注:1956年は「スターリン批判」があった年。]
これらの側面的戦略の結果、今や、ロシア人民の非常に限られた者だけがあなたが言うように考えるに過ぎない。
え~と、何と言いましたか?あなたの仮定は、ロシア人民は脇へ追い払われた、あるいは、垂直的に押し潰される前に定期的に故意に過小評価されたとでも?[訳注:この部分は非常に難解で、発言者が何を言いたいのかは私にはピンと来ない。]
「あなたの仮定は、ロシア人民は脇へ追い払われた、あるいは、垂直的に押し潰される前に定期的に故意に過小評価されたとでも?」について、
あなたのコメントの内容や情熱に感謝します。
興味深い応答・反射の時間。
どうも有難う。すごく嬉しい。
お見事!お見事!お見事!
「お見事!」というあなたのコメントをどう理解したらいいのか苦労しています。あれは本音?それとも、当てこすり?あるいは、あなたもインターネット荒らし?
まあ、何とも悲しい。
あのサウンド・トラックはウクライナ語でも流して欲しいな。結局のところ、これはステパン・バンデラの夢が悪夢になったということだ。
Sakerへ:
ビデオだけの投稿にはタグを付けてくれれば嬉しいんだけど。ほとんどの場合、私はビデオを見る時間が取れないし、そんな時間もない。私だけがそうだとはとても思えないが…
タイトルはこんな具合でどうだろうか?(フォーラムではよくそうしているけど) :
[VIDEO] I was wrong!
この音楽ビデオは威力があって、すっかり気に入った。こう問いかけているのかな:「どうして?」「まったく、どうしてなんだ?」と。
今起こっていることは思いも寄らないほどに悲惨だ。
ブルージーンズやコークこそが本当の理由であったと私も思う。ロシアは現状を解決することができるだけの軍事力を持っていると思うが、そういう展開にはならない。我々は皆単なる駒に過ぎない。http://www.globalresearch.ca/putin-blinks-in-ukraine-standoff-with-the-us-the-role-of-oligarchs/5382611
プーチン大統領が米国やその同盟国の武力侵略に対してもっと積極的に立ち上がる能力には欠けていること、あるいは、そんな気が無いことは軍事力の弱さのせいであるとか、経済的資源に欠けているからというよりは、むしろ、ロシアの経済が新興財閥の経済的役割にすっかり依存しており、さらには、過敏な国際市場、つまり、西側諸国の帝国主義的な気まぐれに依存するようになったからだ。悲しいことには、経済的依存性や市場のグローバル化に対する脆弱性のジレンマに曝されているのはロシアだけではない。本質的には、国際的な金融市場またはグローバルな金権政治勢力の願望に曝されているのだ。
しかし、これは何処でも普通の事だ。リビアの人たちは、他の国の人たちがそうしたように、今や嘘を発見した。伝統的な英国や米国の帝国主義は何も変わってはいない。変わったのはプロパガンダの質だけだ。
民衆は何かを望んでいる。多分、ブルージーンズを望んでいるのかも。米国はリビアの民衆が誰でもジーンズを入手できることを希望すると主張する。リビアの国家は破壊され、米国がその破片を拾い集めている。ほんの一握りの連中だけがブルージーンズを手にする。民族洗浄とその繰り返し。プロパガンダの専門家だけが高給取りだ。
OT.
長い間に私が目にしてきた中でより以上に奇妙な(そして、とても気に障る)MSMストーリーのひとつ: ヒットラーのために闘ったユダヤ人たち - 「我々はドイツ人を助けたのではない。我々は共通の敵を持っていただけだ」
I was wrong !」について: 覇権国はこのような行為を繰り返して計画する。例えば、次の記事を参照されたい。

<引用終了>



参照:
1I was wrong !: By Saker, May/05/2015, www.thesaker.is/i-was-wrong



2 件のコメント:

  1. 良い情報を紹介してくださり、ありがとうございました!「I was wrong(私は間違っていた)」というこの叫びは、世界に対して無知・無関心を貫き、自分の夢を追いかける私たちの生き方にも当てはまるのかもしれませんね

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    1. 八ノ宮さん、コメントを有難うございます。

      私は間違っていた
      私は自分の夢を信じ切っていた
      死が訪れるまでは
      私は信じ切っていた
      全生涯にわたって
      でも、私は間違っていた
      私は間違っていた…

      これは強烈なメッセージですよね!
      言葉がありません。

      ドネツクの街を歩く市民の平和な様子が
      突然、カチューシャ連射ロケットにとって代わられる。
      これは息を呑むような衝撃でした…

      少しでも早く本当の平和が来て欲しいものです。


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