2013年6月25日火曜日

おから入りのパンを焼きました


ことの発端は言うまでもなく豆腐作りからです。豆腐の手作りを始めたのは1年位前だったでしょうか。その後、しばらく中断していたのですが、最近、家内がまた豆腐を作りたいと言い始めました。
この6月、二度も続けて豆腐を作ることになりました。一回の量は大豆で約1キロ。二回とも上手くいって、結構な量の豆腐が出来上がったのです。私たちの豆腐作りの自信は高まるばかり...ところが、それと同時に「おから」がその存在を主張し始めたのです。
おからは栄養的にも無視できない程の立派な食材であると、われわれ日本人は知っています。しかし、家内にとってはこのおからをどう使うかが最大の問題点となりました。味噌汁に入れたりもしました。インターネットで「卯の花」の作り方を調べて家内に渡しましたが、なぜか、卯の花にはあまり関心がない模様で、卯の花はいつの間にか「おから入りのパン」に変身したのです。


一回目に作ったパン


一回目(614日)に作ったパンには約30%、二回目(618日)に作ったパンには約50%のおからが入った、と家内が説明してくれました。
焼きたてのパンを食べてみました。これが実に美味しい。おからの入れ具合(30%50%)には関係なく、このおから入りパンは抜群です!
ほんの僅かに豆腐の香りを感じましたが、言われてみないと分からない程度です。通常のパンに比べると、おから入りパンの感触はちょっと違って、カステラまでには到達しないものの、カステラのような感触が得られました。「ケーキにも使えそうだね」と評価が一致した次第です。
 


二回目に作ったパン。生地の発酵が始まり、少し膨らんできたところ。箱の外まで膨らみます。

これからオーブンに入れて焼き上げます。オーブンに入れておく時間は合計で約1時間。ただ単に1時間入れっぱなしではありません。さまざまな作り方があるとは思いますが、家内の手法は次のような具合です。最初の20分はやや強火で焼きます。次の20分間は弱火で。この最初の合計40分間は、水を張った平べったい大きなトレイをオーブンに入れ、そこへ写真に示す長方形のふたつの金型を入れます。最初の40分が過ぎた頃、水張りのトレイを外し、金型を直接オーブンへ入れます。その最初の10分間は弱火で、最後の10分間は強火にします。水を張ったトレイを外す目安については、長い楊枝のようなものをパンに突き刺して内部が焼けているかどうかを確かめていました。要するに、粘りつかなくなったかどうかの確認です。
 


出来上がりはこんな感じです。表も裏もよく焼けています。

最大の成果は、素材としておからを入れたことによって、ルーマニア人の家内が今までに経験したことがないようなまったく新しい味のパンが出来上がったことです。しかも、その味は多くの人の好みにも合いそうで、家内はたいそう嬉しそう。
「おから入りのパンを焼いたなんて世界でも始めて!」と自画自賛していますが、豆腐大国の中国や日本では既に実践されているかも知れません....

そこで、インターネットで検索してみたら、楽天に掲載されている分だけでも何と60編ものレシピが見つかりました。皆さん、おから入りのパンに満足しているみたいです。 

      
余談になりますが、豆腐作りについて一言。
昨年豆乳を作る段階で使っていたミキサーはパワーが足りなかった様でしたので、パワーがもうちょっと大き目のミキサーを購入しました。これを使って上手く行きました。つまり、豆乳の固形物のザラザラ感がほとんど無くなったのです。一年前の豆腐作りでは豆腐の量が期待していた程にはならなかったのですが、多分、これは豆乳作りの過程が不十分で、豆腐成分の多くがおからの方に残っていたのではないかと思います。
また、ニガリを入れる時の温度管理には温度計を使いました。温度計を見ながら75C前後に維持し、その温度での保持時間も20分と厳守しました。ミキサーによる豆乳作りの段階と並んで、この温度管理が一番重要なのかも知れません。液状のニガリは入手が困難でしたので、当地ではインターネット経由でEpsom salt(エプソム塩)を購入しました。
この手作り豆腐は冷奴となったり、麻婆豆腐になったり、肉や野菜の煮込み料理にも入れたりと、我が家では大活躍です。
私が小学生だった頃、冬になると母は近所の人たちと一緒に豆腐を作っていました。当時は結(ゆい)が十分に機能していました。大豆はもちろん自家製です。石臼を二人で回しながら、石臼が一回転する毎に一人は水に浸かった大豆を少しずつすくって、石臼の穴へ供給します。この石臼を回す作業と大豆を柄杓ですくって石臼へ放り込む作業とがひとつのリズムを作って、すべての作業が進行していました。二時間も、三時間も!豆乳を煮る際に使う鍋は直径が80センチ前後もあったかと記憶しています。特に、凍り豆腐を作る様子は何回となく目撃しました。初日は日中に出来上がった豆腐を薄く切って、暗くなってから、頭上にまたたくオリオン座をすごく近くに感じながら、それらを戸板のように広い平面に並べ、屋外へ出しておくのです。翌朝、コチンコチンに凍った豆腐が出来上がっています。(翌朝雪にならないようなタイミングが大事でした。)それを何本かの藁で、凍った豆腐を十枚とか12枚を編んで、ひと繋がりにします。何十本も出来上がります。これが完了すると、物干し竿に掛けて日陰干しにします。日中になると氷が解けて少しずつ落下します。何日かすると水はもう落ちてはきません。
今、豆腐を作ってみて、自足自給だった当時をひどく懐かしく想い出します。遺伝子組み換えに対する懸念などは皆無だった頃の話です。

 

 

 

 



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