2022年6月26日日曜日

ジュリアン・アサンジ、アリナ・リップおよびアンヌ=ローレ・ボネル ― 真実が犯罪になる時

 

西側の世界においてジャーナリズムは、今、まさに危機的な転換期を迎えようとしている。617日、英国政府はジュリアン・アサンジの身柄を米国へ引き渡すことを正式に決定した。これを受けて、被告側は14日以内に異議申し立てを行うと表明している。もしも米国で有罪になれば最長で懲役175年が言い渡されると被告側は推測している。だが、英BBCによれば、米国側は46年程度になりそうだと説明しているという。刑期が175年になるのか、それとも、46年程度で済むのかは小生にはまったく知る由もないが、今までの論争で観察されているように、米司法当局がジュリアン・アサンジを起訴した背景には民間ジャーナリストが政府を批判する自由を奪い取り、権力側の都合の悪い情報は徹底的に隠ぺいすることができるように調査報道ジャーナリストによる暴露を最大限抑止しようとする姿勢が浮かんでくる。

ここに、「ジュリアン・アサンジ、アリナ・リップおよびアンヌ=ローレ・ボネル ― 真実が犯罪になる時」と題された記事がある(注1)。

著者は「ドンバス・インサイダー」の創立者であって、ドンバス地域における武力紛争についてすでに数年間にわたって現地から報告している。つまり、西側メディアの嘘を非難している。アマゾンではこの著者は次のように紹介されている:1978年生まれ。15歳の頃から書き始めた。最初は詩から始まり、ウェブサイト用の記事へと移行。2008年には歴史の再現を試み、主としてヴィキングについて書いた。最初の小説「ウルファルサガ ― オオカミの時代」を2013年にフランス語で自費出版。3年後には戦場から報告する記者となった。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

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ジュリアン・アサンジ、アリナ・リップ、アンヌ=ローレ・ボネルの三人は欧米で真実を語るのに高い代償を払わされているジャーナリストである。彼らを財政的に窒息させようとし、検閲や投獄の脅しを与え、アサンジの場合には肉体的・心理的拷問さえもが加えられた。これら三人のジャーナリストの事例は欧米における「民主主義」のおぞましい実態を完璧に暴露した。

英国当局によって身柄の引き渡しが承認されたばかりのジュリアン・アサンジの事件はもっとも頻繁に報道されており、あえて真実を語ろうとする欧米ジャーナリストに何が起こり得るかをもっとも端的に示してくれた。

2006年、ジュリアン・アサンジは内部告発者から提供された機密文書をウェブサイト上で公開する非政府系非営利組織のウィキリークスを設立した。それ以来、このサイトは人権侵害、汚職スキャンダル、そして何よりも戦争犯罪に関する何百万もの文書を公開している。

2010年、ウェブサイトがイラク戦争に関する文書を公表しようとしていた丁度その頃、ジュリアン・アサンジの労働許可と居住許可の要求はスウェーデンによって拒否された。彼がスウェーデンを選んだのはジャーナリズムの情報源の保護に関する厳格な法律がスウェーデンには存在していたからであった。しかし、イラクとアフガニスタンにおける米国の戦争犯罪を暴露することはワシントン政府と米軍産複合体の怒りを招いた。ここからジュリアン・アサンジの地獄への下り坂が始まった。

2011年、ウィキリークスのウェブサイトを財政的に窒息させる試みが始まった。マスターカード、ビザ、バンク・オブ・アメリカ、ペイパル、ウェスタンユニオン、等はウィキリークスの財政的封鎖を組織化し、ウィキリークスの収入を95%減少させた。ウィキリークスは、その後、財政的窒息から逃れるために暗号通貨に目を向けた。

2012年以降、このサイトに対するコンピュータ攻撃による大規模な検閲が開始された。その目的は人々がサイト上で公開されている何百万もの文書にアクセスするのを妨害することにあった。因みに、エドワード・スノーデンが香港から出てロシアで政治亡命を得るのを助けたのは当時のウィキリークスであった。

それと並行して、2010年から2012年にかけては、2010年にスウェーデンで性犯罪の告発を受けた後のジュリアン・アサンジは英国で保護観察下に置かれた。アサンジはこれを偽りの容疑として非難した。この告発の唯一の目的は彼をスウェーデンに送り、そこからさらに米国へ引き渡すことであった。英国最高裁判所がスウェーデンへの身柄引き渡し要求を拒否することを拒んだことから、ジュリアン・アサンジは2012619日にロンドンのエクアドル大使館に避難し、それ以降7年間にわたってスコットランドヤードとCIAの監視下で隔離状態に置かれた。

2017年、CIAはエクアドル大使館でジュリアン・アサンジに対して単純明快な暗殺を実行することを企てた。しかしながら、これが引き起こすであろう国際的なスキャンダルのリスクをおもんぱかり、CIAは結局この計画を諦めた。そして、より慎重で倒錯した計画を選ぶことにした。

2019411日、ジュリアン・アサンジは2年前に取得したエクアドル国籍とエクアドル大使館に亡命する権利を奪われ、英国警察官によって強制的にエクアドル大使館から排除された。その後、彼はベルマーシュ刑務所に送られ、「性犯罪」事件は彼の逮捕から数ヶ月後に証拠不十分を理由にスウェーデン政府によって幕が閉じられた。これはこの性犯罪事件が単なる口実であったことを証明するものである。

3年間にわたって、ジュリアン・アサンジと彼の弁護士たちは、彼が最大で175年の懲役刑に直面するであろう米国への引き渡しを阻止するために戦った!だが、何の役にも立たなかった。そして、その間ずっとジュリアン・アサンジは拷問に等しい拘禁状態に置かれた。すなわち、完全な隔離、冬季の不十分な暖房、身の周りの世話の欠如に曝されたのである。ジュリアン・アサンジの健康状態はこれらの状況下で急速に悪化し、何人かの専門家や医師らは憤慨して、彼がベルマーシュ刑務所で見舞われた状況は拷問であると言った。

もし米国に送られるならば、ジュリアン・アサンジはグアンタナモ刑務所、あるいは、他の刑務所に送り込まれ、他の多くの囚人のように拷問される可能性がある。彼の事件は欧米の他のジャーナリストが不都合な真実を暴露することを思いとどまらせるスケープゴートとして位置付けるべきだ。

そして、アサンジ事件は間もなく例外ではなくなるかも知れない。二人の独立系ジャーナリストであるドイツ人のアリナ・リップとフランス人のアンヌ=ローレ・ボネルはドンバスで起こっていることについて率直に報じてきたが、今や欧米の検閲機構による彼女らに対する攻撃が観察される。

2022年にドンバスで半年間を過ごし、マリウポリを含めて、ウクライナ軍の戦争犯罪について真実を報じたアリナ・リップは現在検閲に直面している。

テレグラム上での彼女の2部構成による英語でのインタビューを見てみよう:

2021年に初めて訪問した後、彼女はウクライナ軍がドンバスの民間人に対して犯した戦争犯罪に衝撃を受けた。彼女は2022年の初めにも同国へ戻り、6ヶ月間滞在。たとえば、マリウポリの民間人に対してウクライナ兵が犯した戦争犯罪について彼女は公然と語り、報告している。

ベルリン政府にとっては不都合な真実であった。こうして、アリナ・リップのペイパル・アカウントは停止された。その後、彼女の銀行口座と父親の銀行口座が閉鎖され、ドイツ国家は彼女の口座に残っていた約1,600ユーロを正当な理由もなく差し引いた。アサンジ事件の際と同様に、財政的窒息のテクニックが反体制派の声を沈黙させるために使われている。その後、検閲が行われ、彼女のユーチューブ・アカウントが閉鎖された。彼女はそこで報告を公開していたのだ。

そしてジュリアン・アサンジの場合のように、法律はすぐにアリナ・リップを脅かすようにさえなった。犯罪を助長したとしてジャーナリストに対する刑事訴訟が開始された。なぜならば、ウクライナがドンバスでやっていることは大量虐殺であり、彼女はロシアが介入した理由を理解し、なぜ特別軍事作戦を開始したのかについても理解しており、ドネツクで彼女が知り合った人々はモスクワが介入してくれたことを喜んでいると彼女は敢えて報じたからだった。こうして、自分の意見を述べ、真実を語ったアリナ・リップは最高3年の懲役刑に処せられるのである!

PDF形式のドキュメントはこちらからダウンロードが可能:

さらに狂乱的なのは、起訴状の末尾に「アリナ・リップは(自分を弁護するために)公聴会に招待されることはない」と書かれており、これは捜査プロセスを混乱させる(原文のまま!)。当然のことながら、ジュリアン・アサンジと同じ運命を辿らないように、アリナ・リップはドイツには帰国しないであろう。

もしもアリナ・リップに起きていることはフランスでは起こり得ないと信じている人がいるならば、そういう人たちはアンヌ=ローレ・ボネルの身に何が起こっているのかを知るべきである。このフランスのフリーランス・ジャーナリストは2015年と2022年にドンバスへやって来て、ドンバスにおけるウクライナ軍の戦争犯罪について公然と話をした。

驚くことではないかも知れないが、彼女は今やボロボロになったル・モンド紙の「危険極まりない親ロ的インフルエンサー」に関する記事でアリナ・リップや私と共に自分も引用されていることに気付いた。実際には、この記事はISDL'Institut Supérieur du Droit、高等法科大学院)による多くの組織的な攻撃のひとつに過ぎない。ISDはいくつかの西側諸国で偽情報と戦うと主張しているが、実際には、検閲を正当化するのに役立っているもうひとつの組織なのである。ISDによる「親ロ派インフルエンサー」に対する非難は、実際、フランスやドイツおよび米国の、さらには、それが如何なる場所であったとしても、いくつものメディアによって取り上げられている(私には全世界の報道機関をチェックする手段はない)。

彼女を単に侮辱し、中傷さえしてきたいくつかのフランスのメディアによって、アンヌ=ローレ・ボネルも直接的、かつ、個人的に攻撃されている。そして、ジュリアン・アサンジやアリナ・リップの場合のように、当局は彼女を沈黙させるために財政的窒息を活用している。

アリナ・リップの場合と同様に、アンヌ=ローレ・ボネルの銀行口座は彼女の銀行ソシエテ・ジェネラルによって一時的に停止され、ソルボンヌ大学との契約は更新されなかった。

まったく同じ理由から、これはパトレオン・アカウントやティピー・アカウントが(ティピーの支払いプロバイダを介して)停止されたドンバス・インサイダーに対しても使用された方法であって、私たちを沈黙させようとしたのである。

アリナ・リップとアンヌ=ローレ・ボネルはまだジュリアン・アサンジが置かれているような悲惨な状況には至ってはいないが、彼が主張してきたことは欧米諸国は名目上は民主的な姿勢を保っているが、もしも何らかの不都合な真実を語れば、今日このジャーナリストの身に起っていることがいつの日にか彼女らにも起こるかもしれないということを誰にでも気づかせる筈だ。だからこそ、アサンジが米国に引き渡されるのを防ぐためにわれわれは戦わなければならないのだ。真実を語ることが犯罪とみなされるのを防ぐためだ!

かって、マルティン・ニーメラーは極めて適切に下記のように表現した:

「連中はまず社会主義者を捕まえにやって来た。私は何も言わなかった。
なぜならば、私は社会主義者ではなかったからだ。
それから、連中は労働組合の指導者を捕まえにやって来た。私は何も言わなかった。
なぜならば、私は労働組合の指導者ではなかったからだ。
それから、連中はユダヤ人を掴まえにやって来た。私は何も言わなかった。
なぜならば、私はユダヤ人ではなかったからだ。
それから、連中は私を捕まえにやって来た。私を匿ってくれる者は一人もいなかった。」

今日、彼らはジュリアン・アサンジ、アリナ・リップ、アンヌ=ローレ・ボネル、あるいは、私を捕まえにやって来る。しかし、いつの日か彼らはあなたを捕まえるためにもやって来ることであろう。だから、今すぐにでも行動を起こして欲しい!ジュリアン・アサンジの米国への引き渡しを取り消すよう要求しよう!真実が犯罪となるような社会を望んではいないことを知らせてやろう!

クリステル・ネアン

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これで全文の仮訳が終了した。

ロシア・ウクライナ戦争に関して調査報道を行ない、ウクライナ軍による戦争犯罪を報じると、当のジャーナリストは職業的生命を脅かされるという切羽詰まった状況に曝される。ジュリアン・アサンジを筆頭に3人ものジャーナリストが槍玉に挙げられている。これら3人の事例はどれも戦争に関わるものである。つまり、戦争遂行者にとっては隠されている真実が世間に広められることは最大級の敵なのである。そのような輩は何としてでも葬り去らねばならない。不幸なことには、それが動かしようもない今日の現実なのである。

2022年の今、われわれも第二次世界大戦前のマルティン・ニーメラーの轍を踏むことになるのであろうか?われわれはすでに、取り返しがつかない程、遥かに先へと進んでしまったのかも知れない。つまり、ここでも歴史は繰り返されているのだ。今日の私には楽観的な気分はまったくない。ゼロだ!

参照:

1JULIAN ASSANGE, ALINA LIPP, AND ANNE-LAURE BONNEL - WHEN TRUTH BECOMES A CRIME IN THE WEST: By Christelle Néant, DONBASS INSIDER, Jun/21/2022

 



22 件のコメント:

  1. Дорогой товарищ мой, здравствуйте!
    Благодарю Вас за красивый перевод очень важной статьи. Да. Да. Общество, в котором "правда" считается преступлением, является тем Овелла.
    Здесь холодно. Печка помогает .

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  2. Ощиюбка овелла--Орвелля

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  3. Уважаемый Симомура-can!
    Большое спасибо за ваш комментарий!
    В последнее время кажется вероятным, что реакция Запада начала меняться. Речь идет не о политиках, а о людях. А именно, один французский телеканал сообщил о голосах местных жителей в Домбасе, которые являются пророссийскими. Среди поляков начали появляться опасения, и они боятся продолжающегося доминирования российских сил на Донбассе, по некоторым данным.
    С другой стороны, на недавнем саммите G7 политики-участники заявили, что страны G7 продолжат поддерживать Украину, воюющую против России. Похоже, что они привержены достижению своих собственных краткосрочных политических целей ценой экономического самоубийства в своих собственных странах. К сожалению, западным лидерам не хватает должного понимания собственного народа.
    Один говорит, что украинские силы рухнут через месяц или около того, в то время как другой предсказывает, что российско-украинская война будет продолжаться годами. Мое личное пожелание состоит в том, чтобы эта война закончилась как можно скорее ради спасения драгоценных человеческих жизней от бессмысленной смерти в регионе!

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  4. 日本はかなり早い梅雨明け。夏本番です。
    無駄に動員させられる素人のウクライナの兵隊さんがかわいそうに思えてきます。
    G7の各国首脳のつまらない話が伝わってきていますが、庶民の生活など、どこ吹く風ですね。庶民と政治家の意識の乖離は大きな破局の前触れのような気さえしています。
    一刻も早く西側の人間が、真実を犯罪扱いする主流メディアにそっぽを向くようになることを祈ります。

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  5. kiyoさま、
    コメントをお寄せいただき、有難うございます。
    西側の諜報機関が算出したウクライナ兵の死者数は20万人だとか。夥しい数です。それを反映してか、最近は年配の補充兵が数多く前線へ送り出されているそうです。
    前大統領であったメドベージェフはこの戦争はウクライナの一般人との戦争ではなく、ネオナチとの戦争であると最近述べています。確かに、これはプーチン大統領が開戦時に述べた目標のひとつです。ウクライナ軍へ銃器弾薬を送り出し、戦争を長期化している欧米の政治家はまさにネオナチを支援していることになり、伝統的なヨーロッパの人間性を大事にする価値観とは全然整合しませんよね!

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  6. Дорогие тованищ мои, здравствуйте!
    今日からWi-Fiが使えるようになりました。拙宅は非常に古い建物で、前景は石狩湾を見下ろし、背景は 深い森なのです。二階の寝室では、正午で19度c、下界は24度c。youtubeで、Владимир Нечаев Лучше нету того цвету (М.Блантер - М.Исаковский)Vladimir Nechaev、Тамара Синявская "Лучше нету того цвету" [ М. Блантер М.Исаковский ] 、Вальс "Беженка"を聞いておりました。すると、裏山の蝉と鶯とアオバトがバヤンのバスと右手高音部の高速演奏に反応しているではないですか。蝉は左手の低音部に特に応答するようです。自然の背景雑音では、振動数3kHの雑音が、特に浮き出て聞こえるので、彼らもこの帯域の鳴き声を使って、領域宣言をしているのだと考えます。今日の夜も、暖炉に火を入れて、烏賊の焼き物でラム酒を楽しみます。ロシアの勝利宣言も近く、幸せに思います。

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    1. シモムラさま、
      WIFIが使用できるようになったとのこと、良かったですね。これで、何時でも思う存分使えますよね!
      私の方はロシア語の歌ではどんな歌を聴いているかと言いますと、非常に限られていますが、次のような曲にはまっています。
      ー Журавли (The Cranes)
        https://youtu.be/wOvT7mhy64E
      ー I Asked the Ash Tree (Ya Sprosil u Yasenya) Mikael Tariverdiev
        https://youtu.be/8vtoCYviX8Q

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    2. 一番目の方の「恋のバカンス」いいですね。
      https://www.youtube.com/watch?v=ZKbYJgbiKLk

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    3. kiyoさま、
      「恋のバカンス」は軽快でいいですよね。Журавли (The Cranes)は余りにも沈痛で、気分が沈んでしまいます。とは言え、素人っぽいながらもこの女性の歌声は情感をしっかりと捉えており、好きです。

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    4. シモムラさま、
      「ロシアの勝利宣言も近い」とのご指摘、日一日と近づいている感じがありますよね。今朝(7月3日)の報道でも、リシチャンスクがドンバス・ロシア連合軍のコントロール下に入ったことで、ルガンスク共和国は全土が解放されたことを示しているとウクライナの記者自身が述べている点が印象的でした。マリウポリの解放に続いて、主要都市の最後としてリシチャンスクが解放されたことは政治的・軍事的に非常に大きな意味を持っていると。(原典:What does the victory at Lisichansk mean for us?: By Russian Spring, Jul/03/2022)
      ドンバス全体が解放されるのも時間の問題になってきたようですね。今年の夏は歴史に残る夏となるかも・・・

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  7. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  8. kiyo様 今日からWi-Fiが作動を始め、全ての投稿記事を拝見いたしました。どれも素晴らしい記事です。感謝申し上げます。一点ロシア語の発音で気になったものの訂正をお願いいたします。都市名Херсонは露語でも日本語でもヘルソンと発音されます。しかし英訳はkhersonですね。実は英語には露語や日本語のhahihuhehoの発音は存在せず、h音の発音は声門という両声帯に囲まれた三角錐型の呼気吸気の通る隙間で発生した、声門摩擦音と呼ばれる、極微弱な摩擦音ののです。母音の無声化音と言ってもよいし、囁き声と言ったら、分かりやすいでしょう。古代英語にはあったのです。英語では、オホーツクはオコーツク、チェーホフはチェーコクと発音します。khの発音はkの直後に息を付加します。ロシア語のФёдорフョードルと発音されますが、これは英語のTheodorに対応するものです。これや前置詞(古代英語では副詞だった)多用の熟語表現が膨大であること、これは熟語の名称の通り、慣用に熟した社会慣習に根差した、脆弱な語法なのです。誰か一人が、「ジオ分はこの表現は成熟していない」、とすると忽ちに、その存在根拠を失います。この混乱はブルターニュ半島からの征服王、ウイリアム別名ギョオームの母国征服によって、起こった言語現象です。英語の科学記述言語としては、弱点の多い言語と思います。ゲルマン系、ラテン系、ギリシャ系、スラヴ系、ヒンディ系、ウルドゥ系、Arabia系、チュルク系、漢語系の諸言語が科学記述言語お文化記述言語として最高のものでしょうね。自分はこれらを全て網羅した研究を行ってきました。

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  9. ありがとうございます。Wi-Fi通じてよかったですね。kh、今後は意識してチェックすることにします。修正箇所は、”クーデター”の記事の二箇所ですね。今日中に修正させていただきます。
    ところで「ジオ分はこの表現は成熟していない」とは、どういう意味でしょうか? 教えて頂けますか?
    それから、英語というのは科学記述言語としては弱点が多いということなのでしょうか?
    いま、いらっしゃるところは、とてもよさそうなところですね。自分もゆくゆくは自然の中で過ごせたらと思っています。蝉とか小鳥の鳴き声が好きです。家では毎日出るお米の糠をスズメにやっています。ときどき催促もされます。

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    1. 「ジオ分はこの表現は成熟していない」は「自分にはこの表現は成熟していない」に訂正させてください。せっかちな質で、読み返すことをしません。避暑にいらっしゃい。

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  10. ブログ主様、kiyo様 一週間ほどまえ、頭位性眩暈の激烈なものに襲われ、五時間も起き上がることができませんでした。夕方六時に意を決し、這って二階寝室に辿り着き、携帯でお隣の民生員の女性に助けを求めたのです。委員と社会介護士の娘さんが駆けつけてくださり、救急車を呼び、脳神経外科に搬送されました。眩暈止めと嘔気止めの注射をされ、MRI検査ののち、脳梗塞の疑いが晴れ、介助で歩行できるまでになり、10時半頃自宅に戻り、お二人が整えてくれたベッドで眠りにつくことができました。
     翌朝傘を杖にお隣さんへお礼にゆき、自宅庭の行者大蒜群生地に来て奇妙な不快感に襲われ、戻しそうになったのです。六月一日以来、日に二度鱗茎のついたままの、この薬草を羊肉料理のサラダとして、酢味噌和えにし、四五本も食べていたのです。ブログ主様に以前、アレクセエエンコ女史の突然の病と、トナカイ胃袋中の未消化のトナカイ苔のスープの話を書いたことがありましたね。「これだ!」と直感しました。血中の過度の硫化物が、剥がれ落ちた耳石と反応し、硫化カルシウムを形成し、それが凝集反応を起こしたものが、巨大化し三半規管内に迷入し平衡神経を乱したものと推理しました。この山草薬草を食べ始めてから、心臓の具合が大変良くなり、不整脈や息苦しさが無くなったので、猶更余計に食べたわけです。「過ぎたるは及ばざる如し」は今でも真理ですね。人類は数十万年かけて、遺伝子の中に飲食の可否の判断をさせる機構を構築していったのでしょうね。

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    1. シモムラさま、
      えらい目に遭われましたね。当地でも春先には行者ニンニクとイラクサがたくさん出回っていますが、行者ニンニクがそんなに強力であるとは知りませんでした。

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  11. 行者大蒜は露語ではчерёмшаチェリョムシャーです。似た響きのчерёмухаチェリョームハはウワミズザクラ、コンゴウザクラのことです。初夏に香しく咲きます。愛称形はчерёмушкаチェリョムーシカ。今日のお勧めの一曲は、エストニア系ロシア人ゲオルギー・オッツ朗唱の」人生よ、我汝を愛す」https://www.youtube.com/watch?v=5G0kyPe7TZ8 Георг Отс Я люблю тебя, жизь ...です。彼は脳腫瘍のため、早世されました。

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    1. ゲオルグ・オツの歌を聴いてみました。冒頭の言葉だけは分かりました。朗々と歌い上げていますね。有難うございます。

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  12. ブログ主様が好きなЖуравлиは、Дмитрий А. Хворостовскийも歌いますね。奇しくも、五十五歳で彼も脳腫瘍で亡くなりました。ソ連崩壊後では、外国人でも射撃場で拳銃射撃を楽しめました。私は射撃拳銃のПистолет Марголинаが特に好きで、一日百発も撃ちました。秀麗なな銃です。設計者 Михаил В. Марголинは全盲で、ただ手探りで作り上げました・リコイルが軽く、すっと伸ばした手の中心に反動が来るせいで、精密射撃に最適です。ポーランド人はソ連・ロシア製のものを貶すことが多いのですが、マルゴーリン拳銃だけは褒めちぎっていましたね。

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    1. Дмитрий А. Хворостовскийが歌うЖуравлиは最高です!ライブの動画では聴衆の中のひとりの年配の女性が歌を聴いて感極まって目を伏せる場面がクローズアップされていましたが、あの1秒か2秒の場面は実に雄弁でした。
      Дмитрий А. Хворостовскийの葬式ではバックグラウンドにこのЖуравлиが流されていたとか。

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    2. シモムラさま、
      インターネットではニンニクの食べ過ぎについて次のような説明を見つけました。症状には低血圧による眩暈や吐き気が含まれるようですが、さてどんなでしょうか?
      「ニンニクの栄養成分には、血管を拡張し血行をうながす作用を持つ成分がいくつか存在します。この血管拡張作用によって血圧が下がり、低血圧のような症状が起こることがあります。低血圧の症状とは、めまい、頭痛、吐き気、発汗、動悸、下痢などです。血圧が極度に低下すると臓器が損傷する可能性があり非常に危険です。」

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    3. 只今居酒屋から拙宅に戻り、インターネットに接続したところです。フヴォルロストフスキー朗唱する「鶴」を視ました。あの場面には私も感動しておりましていたのです。彼女は我らと同じ1945年以降派でしょう。私はスキーが巧みなのですが、防空頭巾を冠っておりました。ところで鶴がなぜ主題になっているのか推測してみました。古代中国の民俗では、渡り鳥(鶴はその典型)は、死者の霊魂の故郷への再訪と見做されていたのです。鳥偏の漢字を分析しますと、多くが霊魂、再帰、祖霊、等々に辿り着きますね。これはアジア人だけでなく、人類に共通な「原始回帰への直観」によるのでしょうね。良い動画を紹介していただきました。感謝。

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