2020年12月25日金曜日

私は医薬品の研究開発にはすっかり失望した。巨大な資金力を持つ薬品大手は科学的知見を歪曲することに多忙を極めている


新型コロナの大流行ではさまざまな出来事が起こった。そして、今も新しい議論が起こったり、今までは影に隠れていてはっきりとは見えなかった動きが思いがけずに表面化したりする。その中でわれわれ一般庶民の生活にもっとも大きな影響を与えている基本的な状況は多くの国において新型コロナの収束は今でも達成されてはいないという点だ。

今冬も新型コロナの流行は継続するのかも知れない。最悪の場合、何年にもわたって続くのかも。場合によっては、集団免疫が意外な程に速やかに確立されたという展開もあり得るだろう。また、何年か前に新型コロナウィルスの仲間によって引き起こされたSARSやMERSといった感染症のように、この新型コロナウィルスも古巣の大自然へおとなしく戻って行くのかも知れない。しかしながら、どのシナリオが起こるのかは誰にも分からない。新型コロナについては科学的に究明されてはいないことが依然として多過ぎるようだ。

新型コロナの大流行を通じてはっきりと示された事柄がひとつだけある。それはウィルスそのものに関することではなく、人間活動のことだ。皮肉なことには、一般庶民の健康を維持することやリスクの高い老人を救命することよりも、グローバルな金儲けを確保するための下地作りに奔走し、世界をそちらの方向へ密かに誘導するといったさまざまな動きが顕著になって来ている。たとえば、大手メディアの報道を吟味するとそのような趨勢が透けて見える。金儲けというひとつの目標のために多くの情報が都合よく歪曲され、西側世界の巨大なプロパガンダ・マシーンがそういった情報を次から次へと喧伝する。

新型コロナは通常の季節性のインフルエンザと大差がないという主張が科学者の間には根強くある。とは言え、プロパガンダマシーンによって喧伝されている見方は戯言だと言って、それを捨て去ることはわれわれ一般庶民の多くにとっては必ずしも容易いことではない。少なくとも、私にはそんなふうに感じられる。

ところで、「大嘘」に関してはウィキペディアは歴史的な経緯を次のように解説している。その要旨はこうだ:

「大嘘」はプロパガンダのテクニックである。この表現はアドルフ・ヒットラーが1925年に「我が闘争」を書いた時に作り出した言葉である。しかしながら、彼が信じるところによれば、このテクニックはユダヤ人が第一次大戦でドイツが惨敗したことについて著名な反シオニストであるドイツのルーデンドルフ将軍のせいであるとする非難を主張する際に用いられたものだそうだ。そして、このヒットラーの言葉はナチ宣伝相のゲッベルスに引き継がれ、彼は「大きな嘘をつき、それを繰り返せば、一般大衆はそれを信じ始める」と言った。

今回の新型コロナの大流行においてはウィキペディアに説明されている「大嘘」とまったく同じような状況が、この数か月間、醸成されて来た。科学は金儲け主義によってまさにハイジャックされてしまったかのようである。

そのような現状を分析し、具体的に解説しようとしている記事を最近見かけた。「私は医薬品の研究開発にはすっかり失望した。巨大な資金力を持つ薬品大手は科学的知見を歪曲することに多忙を極めている」と題されている(注1)。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。

店頭でいつでも購入することが可能な抗マラリア剤(60錠入り)の価格は7ポンドだ [訳注:1ポンドを142円とすると、これは約千円に相当]。この薬剤は新型コロナウィルスの感染に対して治療薬として使用することが可能で、しかも安価である。ところが、この薬剤は今ゴミ箱へ捨てられようとしている。なぜだろうか?なぜかと言うと、それは大手薬品企業が皆さんに2000ポンド(28万4千円に相当)もする治療法を売り込みたいからだ。それだけだ。まさに犯罪的な行為である。

[訳注:別の記事(注2)によると、薬品大手の思惑はあの手この手を使って高価なワクチンを売り込むことであって、その準備をしていることが分かる。この記事によると、米国の小さな企業で、知名度がそれ程高くはない「サージスフェア」社が医学界において定評のある学術誌であるランセットやニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに論文を発表した。この論文の出現によって、各国政府はヒドロキシクロロキンを新型コロナの治療薬として使用することを禁止した。六つの大陸にまたがって671の病院で新型コロナの治療を受けた96,032人の患者のデータを分析したところ、ヒドロキシクロロキンによる治療を受けた患者の間では死亡率が増加することが分かったと同社は報告したのである。しかしながら、利害関係のない研究者による精査の結果、サージスフェアの社長であるサパン・デサイがこの研究報告の共同研究者として名を連ねていること、ならびに、著名な学術誌に出版されたこの論文には明らかに欠陥があることが判明したのである。論文の基礎になったとされるデータには追跡性が見い出せなかったのだ。さらには、ランセットはこの論文の査読を行った筈の学者の名前を公表しようとはしなかった。つまり、この専門誌には透明性がなかった。結局、この論文は撤回された。こうして、医学関連の学術誌として世界中でもっとも権威が高いとされてきたランセットとニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの信頼性は地に堕ちた。]

2~3年前、私は「Doctoring Data」と題して本を出した [訳注:Doctorとは「改ざんする」という意味で、この本の表題を仮訳すると、「データの改ざん」となる]。これはわれわれの周囲で毎日のように相互にぶつかり合っている医学情報の現状に関して読者の皆さんに少しでも理解を深めて貰いたいことに視点を置いて書いたものだ。個々の医学情報はお互いに完全に矛盾することが決して少なくはない。つまり、「コーヒーは体にいい」、「いや、体に悪い」、「いや、待ちたまえ。体にいいんだよ」といった具合だ。

また、ある治療法が実際よりも遥かに効き目があると思わせるようなトリックや駆け引き、操作が行われていることについても私は指摘した。われわれの世界はまさに気が滅入るような世界であると言わざるを得ない。このテーマに関して喋る際には私は常にある引用から始めることにしている。

たとえば、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で20年以上にわたって編集長をしてきたマーシア・エンジェルは2009年に次のようなことを書いている:

「出版されている臨床研究の多くは、率直に言って、もはや信用することはできない。あるいは、信頼されている医師の判断や権威のある指針はもはや信用することができない。この結論はまったく不愉快なものではあるのだが、編集者としての20年間に不本意ながらも徐々に到達することになった結論である。」

事態は改善しているのだろうか?いや、事態は悪化するばかりだと思う。今年の5月のことであるが、私は発言者を特定することができるような情報は伏せることを要求しているチャタムハウス・ルールの要領にしたがって開催され、録音することが禁じられ、非公開で行われた筈のある会合に関して下記のような電子メールを受け取った:

「ランセットとニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの編集長の間で会合が持たれたが、その様子は秘密裏に記録された。ふたりは共に科学的な研究に対して大手製薬企業が犯罪的な影響力を行使している現実を嘆いている。フランスの前保健大臣で、2017年にはWHOの長官選挙の候補者でもあったフィリップ・ドースト・ブレイジーによると、この2020年のチャタムハウス形式の非公開会合の内容がリークされた。これはふたりの編集長の間の会合であった。両誌が出版した論文は間違いだらけのデータに基づいたものであったが、大手製薬企業にとっては極めて好都合な代物であったことから、これらの専門誌に発表されていたこの論文は、結局、撤回されることとなった。」

関連記事:Coronavirus 2.0 may be up to NINE TIMES more contagious … but that may be cause for celebration

さらに、この電子メールには次のような言及もある。「今やわれわれは臨床研究のデータをこれ以上出版することはできない。今日、製薬企業は資金的には非常に強力であって、彼らは投稿の手順としては見かけ上完璧な論文を寄稿し、われわれはそれを受理するというステップを踏むことが可能だ。こうして、彼らは実際には自分たちが結論付けたいと望んでいる結論を導いてしまう、とランセットの編集長であるリチャード・ホートンが言った。」

この問題が論じられているユーチューブ動画はこちら。この動画はフランス語で作成されているが、英語の字幕が付されている。

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンとランセットは両誌共に世界でもっとも影響力があり、もっとも潤沢な資源に恵まれている医学専門誌である。もしもこれらの専門誌が捏造された論文を洗い出す能力を有してはいないとするならば、今後は・・・ 今後はいったいどうなるのであろうか?いったい、どうなってしまうのだろうか?

事実、新型コロナの大流行が始まってからというもの、一般的には事態は急速に悪化している。

新たな研究、新データ、新情報がすざましいスピードで公表される。それらの多くは有効な査読のプロセスを経てはいなかったり、不十分なままであったりする。いったい何を信じたらいいのか?いったい誰を信じたらいいのか?もはや、安全な行動なんてほとんどあり得ない。

過去の2~3カ月、あるひとつの筋書が徐々に醸成され、医学研究に関して私が抱いていた小さな信頼さえもが剥ぎ取られてしまった。それは抗マラリア治療薬のヒドロキシクロロキンのことだ。皆さんはドナルド・トランプ米大統領がこの治療薬を後押ししていたことをご記憶だろうと思う - ただ、そのこと自体が多くの人たちに一連の問題をもたらしたことは事実ではあるのだが・・・

しかしながら、大流行が起こる前から私は地元にある国民医療保険サービス(NHS)に対してヒドロキシクロロキンを買い溜めするように推奨していた。長年にわたる研究の結果、この薬剤はウィルスが細胞に侵入するのを阻止し、細胞内に入ったとしてもウィルスの増殖を妨げることが示唆されていたからである。

これは、マラリアの寄生虫は赤血球の細胞内へ入り込むが、この薬剤の作用メカニズムによってその増殖が阻止されることを説明するものでもある。科学は複雑ではあるが、多くの研究者は新型コロナの治療に当たってヒドロキシクロロキンが、たとえあっと驚くような華々しい効果を見せるわけではないにしても、何らかの実際的な恩恵を与えてくれるだろうと考えられる妥当な理由を抱いていた。

RT.COMからの関連情報:First Russian coronavirus vaccine volunteers report no adverse side-effects. Hopes now high for mass immunization in fall

この考えは次のような理解によってさらに強まった。つまり、この薬剤はいわゆる「サイトカイン・ストーム」現象を緩和させる効果も持っているのである。 サイトカイン・ストームは新型コロナ患者を致死的な状況に至らしめると考えられている。関節に対して免疫攻撃を引き超すリウマチ性関節炎に対してはこの薬剤が処方されているのである。

ヒドロキシクロロキンを推奨するもうひとつの理由はこの薬剤が安全性に優れている点にある。たとえば、これはインドで処方されいている薬剤の中ではもっとも頻繁に処方されているもののひとつだ。この薬剤はほとんどの国で薬局の店頭で入手可能である。この薬剤を試してみるようにと推奨することに関して私は何の躊躇いも感じなかった。最悪の場合を想定しても、何の悪影響さえをももたらさないからだ。

そうこうしているうちに、ヒドロキシクロロキンは世界規模の強烈な嵐のどまん中に置かれることになった。その一方で、白衣を身にまとい、当初この薬剤を処方した研究者らは少なからずいる。この薬剤は臨床現場において目覚ましい効果を示したのである。たとえば、フランスの地中海感染症大学研究病院のディディエ・ラウル教授はこう言っている:

「フランスの著名な研究者は当初新型コロナに対して行った新しい治療法によって好ましい成果を手にすることができたと報告している。この治療方法はたった6日間の治療でウィルスの感染性を阻止することができることを示した。」

そして、リール大学のモロッコ人科学者は次のような研究成果を発表した:

ジャワド・ゼマウリが信じるところによれば、「もしもヨーロッパがヒドロキシクロロキンを使用していたならば、ヨーロッパ全域において新型コロナによって死亡した人たちの78%は助かっていたかも知れない。人口が3千6百万人のモロッコ(米国の人口の約10分の1)では感染者数が10,079人で、死者数は214人だけであった。」

関連記事:France ordered to pay up after epilepsy drug manufactured by coronavirus vaccine firm Sanofi caused birth defects

ゼマウリ教授は、「病院に収容された患者で見ると、ヒドロキシクロロキンの使用によってモロッコにおける新型コロナからの回復率は82.5%に昇り、死亡率は2.1%に抑えられた」と報告している。

この報告に先だって、5月22日、ひとつの論文がランセット誌上で発表され、その論文はヒドロキシクロロキンは実際には死者数を増加させると主張した。その後、この論文のデータは実証することができないことが判明した。つまり、論文はでっち上げであったようだ。著者らはこの抗ウィルス剤(ヒドロキシクロロキン)を製造する薬品製造企業との間で深刻な利害関係を持っていた模様である。6月の始め、この論文はホートン編集長によって撤回された。

その後、英国の研究論文が現れ、ヒドロキシクロロキンはまったく効き目がないと報告した。研究結果を論じて、新型コロナの治療(回復)に関して無作為評価を行った研究の共著者であるオックスフォード大学のマーチン・ランドレイ教授はこう言った: 

「これは新型コロナの治療にはならない。まったく効かない。このような結果は世界中の治療法を変更させることであろう。役に立たない薬剤についてはその使用を中断するだけだ。」

この研究報告は、その後、他の研究者らからこっぴどく批判を受けることになった。ヒドロキシクロロキンの投与量は潜在的に毒性を示すほどの高水準であるとして、彼らは批判をしたのである。さらに、彼らは何らかの薬効を示すには薬剤を投与した時期があまりにも遅すぎたという事実についても指摘した。つまり、患者の多くはすでに人工呼吸器に繋がれていたのである。

今週、私は 「International Journal of Infectious Diseases」誌に掲載予定ではあるが、まだ査読が成されてはいないある論文のコピーを受け取った。この論文の著者はヒドロキシクロロキンはこの分析作業の対象となった患者の死亡率を「優位に」低下させるという事実を見い出していた。この研究は2020年3月10日から5月2日までに六カ所の病院に入院していた2,541人に関するものであって、ヒドロキシクロロキンの治療を受けた患者の13%が死亡し、ヒドロキシクロロキンが投与されなかった対照群では26%が死亡した。

このように議論が混乱している場合、私は周辺に潜在する利害の不一致に着目することにしている。つまり、ヒドロキシクロロキンの使用を厳しく非難することによっていったい誰が得をするのかという点だ。このヒドロキシクロロキンは1934年以降使用に供されており、特許とは無縁の薬剤であって、価格は60錠入りでたったの7ポンドである。

この場合、まず考えられるのはべらぼうに高価な抗ウィルス剤を製造している企業だ。たとえば、「ギリアドサイエンシズ」社の「レムデシビル」と称される薬剤であるが、米国でこれを使った典型的な5日間の治療を受けると、2,340ドルのコストとなる。二番目には、世界市場へワクチンを投入しようとしている企業である。何十憶ドルかの金が懸かっているのだ。

この世界では、ヒドロキシクロロキンのような安価な薬剤には勝ち目がない。同様に、ビタミンCやDといっ安価なビタミン剤にも勝ち目はない。これらのビタミン剤は新型コロナの患者に何らかの効き目があるのだろうか?もちろん、ある。それらの薬剤が効き目がないと言うためにあの手この手を使って狡猾に操作された論文においてはこれらの薬剤の効能には見向きもされていないのではないか?もちろん、その通りだ。次のような言葉をご記憶願いたい。「今日、製薬企業は資金的には非常に強力であって、彼らは投稿の手順としては見かけ上完璧な論文を寄稿し、われわれがそれを受理するというステップを踏むことが可能だ。こうして、実際には、彼らは自分たちが結論付けたいと望んでいる結論を導いてしまう。」

政府や医療機関が研究者と大手製薬企業との間にある資金的繋がりを断ち切ることがない限り、あるいは、そうするまでには、巨額の利益を狙った情報の歪曲や操作は継続されることであろう。あまり期待しない方がいい。

著者のプロフィール:マルコルム・ケンドリックは医者兼作家であって、英国の国民医療サービスにおいて総合診療医として働いている。彼のブログはこちらで読むことが可能。彼の著作「Doctoring Data – How to Sort Out Medical Advice from Medical Nonsense」はこちらから入手可。

注:この記事に表明されている主張や見解および意見は全面的に著者のものであって、RTの見解や意見を代表するものではありません。

これで全文の仮訳が終了した。

驚くべき事実が記述されている。

この引用記事に紹介されているニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で20年以上にわたって編集長をしてきたマーシア・エンジェルの言葉は実に衝撃的である。彼女は11年前にこういった。「出版されている臨床研究の多くは端的に言ってもはや信用することはできない。あるいは、信頼されている医師の判断や権威のある指針はもはや信用することができない。この結論はまったく不愉快ではあるが、編集者としての20年間に不本意ながらも徐々に到達することになった結論である。」

医学関係の論文を専門誌に寄稿する際に論文の著者の脳裏に浮かぶであろう著名な雑誌名は何かと言えば、もちろん、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンやランセットである。しかしながら、今や、「・・・であった」と言う方が正確であると言えよう。

忘れてはならない点がある。この引用記事に紹介されているヒドロキシクロロキンの使用を阻止しようとした動きは大手製薬企業が引き起こしている数多くの破廉恥極まりないエピソードのほんの一例でしかない・・・

「もしもヨーロッパがヒドロキシクロロキンを使用していたならば、ヨーロッパ全域において新型コロナによって死亡した人たちの78%は助かったかも知れない」というある研究者の報告はわれわれ一般人の間ではいったい何人が知っていただろうか?大手メディアはこの専門家の見解を報じてくれたのだろうか?恐らく、握り潰されてしまったのではないか。要するに、科学は金儲け主義というグローバルな筋書きによって巧妙にハイジャックされてしまったのだ。

グローバル化が喧伝されてすでに久しい昨今ではあるが、日本から見ると、このエピソードは太平洋の彼方、あるいは、地球の反対側での出来事である。とは言え、日本列島だけは大手製薬企業の資金力に物を言わせた、舞台裏での狡猾な動きからは無縁であると言い切ることは決してできない。

この問題はすっかりグローバル化しているからだ。

真の意味で一般大衆の健康を維持したいとするならば、日本も含めて各国の政治家や大手メディアは客観的に物を言える環境を整え、お互いに異なる意見についても耳を傾ける寛容さを奨励し、法的な裏付けを確保し、勇気のある判断や行動をとれる場を作り出すことが急務だ。

もう一点付け加えておきたいことがある。新型コロナの大流行というストーリーそのものは今やその信憑性が疑われている。その対応策に関しても然りである。米国ではPCR検査のやり方が疑われている。PCR検査の検出感度が高すぎることから適切な感度で検査を行えば現行の陽性者の90%は陽性ではなくなるといった指摘さえもが出て来た(注3)。

一般大衆のひとりとしては専門家のそれぞれの見解や意見はいったい誰を、どの集団を代弁しようとしているのかを見極めなければならない。そのためには情報の収集を自ら行うことが必要だ。その上で状況を判断し、冷静に行動することが今まで以上に重要になって来ている。この状況は決して新しいものではない。日本で10年近く前に起こった福島原発の炉心溶融事故の際ならびに現在に至るまでの間に観察されてきた状況とよく似ている。専門家らは誰かの利益を代弁することが実に多かった。「原子力村」という言葉がそのことを雄弁に物語っていた。

そして、新型コロナの大流行に見舞われている2020年のキーワードは「大手製薬企業」である。


参照:

注1:I’ve lost all trust in medical research – the financial muscle of Big Pharma has been busy distorting science during the pandemic: By Malcolm Kendrick, RT, Jul/04/2020, https://on.rt.com/akys

注2:Hydroxychloroquine: How WHO and The Lancet Let a Little-Known Company Twist Them Around Its Finger: By Sputnik, Jun/05/2020

注3:Up to 90% of people who test positive for Covid barely carry any virus & are not contagious. Every stat about the disease is bogus: By RT, Sep/03/2020, https://on.rt.com/apns


初出: 長野高校生物班OB会誌「うばたまむし」13号(2020年12月発行)。当ブログへ掲載するために必要な最小限の訂正をした。









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