2021年1月4日月曜日

不老不死の薬がついに見つかった?イスラエルの科学者が生物学的老化を逆戻りさせる方法を発見

 

昨年の11月、不老不死の薬の発見に関しての報道があった。「不老不死の薬がついに見つかった?イスラエルの科学者が生物学的老化を逆戻りさせる方法を発見」と題されている記事がある(注1)。

昨年は新型コロナの大流行に見舞われた前年を受けて、2021年は収束が見通せない現状を抱えながら数日前に始まったばかりである。正月の初夢としては最適である。このテーマを上回るものなんてそう簡単には見つからないだろうと思う。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有したいと思う。

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以前から同一の研究者グループが人間の脳に対する酸素療法の長所を指摘していた。研究者らは年配の志願者から成る対照群に認知機能や脳細胞の機能の改善に著しい効果をもたらすことを報告したのである。

イスラエルの研究者グループは「聖杯」に匹敵するような発見に遭遇したようだ。つまり、彼らは「時の流れに逆らって」人体を若返らせる術を見出したのである。老化を遅らせるというだけではなく、文字通り老化現象を逆戻りさせるという。

エルサレム・ポスト紙との話の中でベエルヤコブにあるシャミール医療センターに所属するシャイ・エフラティ博士は健康で65歳以上の成人参加者らで構成される対照群(訳注: 「対照群」は間違いで、「試験群」とすべきであろう。最初の段落にある「対照群」も「試験群」と読み換えるべきである)が一日当たり90分以上純粋な高圧酸素環境に身を置き、これを週に5日間繰り返す療法を3カ月間続けたところ、彼らの老化プロセスが反転することを経験するに至ったと報告した。

「ただ単に老化を遅らせるだけではなく、われわれは老化を逆戻りさせた」とエフラティ博士は同紙に語った。試験群の体細胞レベルで観察された変化はあたかも四半世紀も前の頃に若返ったかのような状態を示した。 

エフラティ博士はテルアビブ大学の医学部と神経科学部の准教授を務めており、次のように述べた。「この療法の長期的な影響については今後さらに究明する必要があるが、今回得られた知見は酸素療法が実際に老化を逆戻りさせ、延命することさえもできることを示唆している。」

染色体が複製する際に損傷が起こることを防ぐDNAの螺旋構造の末端部分を引用して、「テロメアが短くなると、その人は間もなく死亡することが分かっており、これらの知見は理にかなっている」と彼は言った。通常、細胞が分裂するにつれて染色体のテロメアは短縮する。つまり、老化につながるのである。

テロメアは1970年代にソ連の生物学者、アレクセイ・オロブニコフによって発見された。彼はテロメアは老化現象に関与し、テロメアの短縮は細胞の機能不全や癌を含む老化の現象と関連した疾病をもたらすのではないかとの仮説を提唱した。


Photo-1: テロメア (ウィキペデイアから)

この研究はエフラティ准教授および医師や神経学者、放射線科医ならびに研究者らから成る12人以上ものイスラエル人の共著者によって執筆され、査読が実施される専門誌「Aging」にて出版された。この報告によると、健康な体細胞が吸収する酸素量を増加させるために、定年年齢にある35人の成人に高圧酸素療法が実施された。この療法では酸素濃度を100パーセントとし、環境圧力は絶対圧で1気圧以上とした。

90分のセッションには20分毎の区切りが設けられ、その区間内には酸素濃度を通常のレベルに戻すために酸素マスクを外している5分間も含まれている。これは細胞にとっては酸素の欠乏と解釈され、エフラティ准教授の推測によれば、細胞の再生を助長することに役立つという。

エルサレム・ポストとのインタビューでエフラティ准教授は一般庶民は家庭でこのような療法を試みることは控えるようにと警告した。市場で簡単に入手できる多くの高圧酸素供給装置を引用しながら、「巷には数多くの粗悪品が出回っている」と彼は言った。「それらはこの研究で使用された装置とは異なるし、必ずしも効果的ではない。さらに言えば、危険でさえもある」と彼は強調した。

最後に、さらなる研究が必要ではあるが、彼のチームが行った研究は老化現象を細胞レベルで逆戻りさせることが可能であることを始めて示すものとなったと付け加えた。また、「これは希望を与えてくれ、若い研究者たちは老化現象を逆戻りさせることが可能な疾病として捉えるであろう」とも言った。

高圧酸素治療の概念は何世紀も前からあって、記録に残されている最初の事例は1662年にとある英国の学者が行った。19世紀末には高圧室がヨーロッパの富裕層の間で流行し、1930年代には減圧症に対する治療法として初めて使用された。同手法は心臓手術の治療上の補助手段として用いて、特定の病気を抑制することや一酸化炭素中毒の治療に使用されたことから、高圧酸素療法に関する一般庶民の関心は高まっていった。高圧釜は遅かれ早かれ海軍や職業的な潜水夫の団体によって病院でも使用され、再加圧用の専用施設として用いられた。富裕層の家庭でも使用され、さまざまな成功例によって市場にも出回るようになって行った。ロシアや中国を含めて、各国は何種類もの疾病の治療に高圧酸素治療を施しており、何十年にもわたる経験が蓄積されている。

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これで全文の仮訳が終了した。

さらに補足すると、昨年の1118日に発刊されたAging誌に掲載されているこの研究論文は「Hyperbaric oxygen therapy increases telomere length and decreases immunosenescence in isolated blood cells: a prospective trialと題されている。大雑把にその内容を纏めると、この論文は次のように報告している:

人の老化現象を論じる場合、老化現象は生理学的な能力が次第に失われていく過程であるとして特徴づけられる。細胞学的なレベルにおいてはふたつの重要な要素が関与する。そのひとつはテロメアの長さが短縮することであり、ふたつ目は細胞自身の老化である。この研究は血液細胞を対象とする。抹消血単核細胞のテロメアの長さと細胞老化について評価を行う。高圧酸素療法の前後で比較すると、ヘルパーT細胞や細胞障害性T細胞、ナチュラルキラー細胞、B細胞のテロメアの長さは20%以上も長くなった。また、ヘルパーT細胞では老化細胞の数が37%も減少し、細胞障害性T細胞では11%減少した。結論としては、これは高圧酸素療法は老化しつつある人たちのテロメアを著しく長くし、老化細胞を排除する効果をもたらすことを示唆している。

著者らはさらなる研究を必要とすると述べている。この報告内容が他の研究者らによっても追認され、さらなる研究成果が出て来ることを期待したいと思う。人の寿命を実際に伸ばすところまですぐにも到達するとは思えないが、癌や心臓病を始めとしたさまざまな疾病の治療に恩恵をもたらしてくれるのではないだろうか。


参照:

1Elixir of Life Finally Discovered? Israeli Scientists Find Way to Reverse Biological Aging: By Ilya Tsukanov, Nov/21/2020, https://sptnkne.ws/Eyus







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