2022年3月13日日曜日

ウクライナを売った男

 

ウクライナ情勢は刻々と変化している。情報戦争が展開されていることからもそれは当然の成り行きであるとも言えよう。ご多聞にもれず、さまざまなフェークニュースが混在する。

ここに、「ウクライナを売った男」という強烈な見出しを持った記事がある(注1)。著者はマイク・ウィットニ―だ。念のために付け加えておくと、「ウクライナ危機の本命はウクライナではない。本命はドイツだ」と題した投稿は最近の投稿の中では一番人気であったが、あれもマイク・ウィットニ―が書いた記事であった。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。ウクライナのお国の事情を学んでおこうではないか。

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軍事的展開は、今日、言葉では言い表せない程にまで達している。

ウクライナで今起こっていることは深刻な地政学的意味合いを持っている。この出来事はわれわれを第三次世界大戦に放り込んでしまうかも知れないのだ。軍事的な展開を阻止するためには和平プロセスを開始することが非常に重要である。グローバル・リサーチはロシアによるウクライナへの侵攻を非難する。二国間の和平合意が是非とも必要である。

ヴォロジミル・ゼレンスキーはウクライナの現大統領である。彼はロシアとの緊張を和らげ、ウクライナ東部のふたつの分離派共和国がもたらした危機を解決すると言って2019年の大統領選で地滑り的な勝利を収め、大統領となった。だが、これらふたつの公約を守るという意味では彼は何の行動さえも起こさなかった。それに代わって、彼はロシアに対する挑戦を執拗に繰り返し、ウクライナ国内の危機を悪化させて来た。

ゼレンスキーにはモスクワ政府との関係を繕い、敵意が爆発するのを防ぐ機会が数多くあった。それにもかかわらず、彼はワシントン政府の指令に盲目的に追従し、事態を常に悪化させて来たのである。

ゼレンスキーは西側では重要人物として扱われ、彼の個人的な勇敢さが称賛されている。しかし、実際的な面においては彼は国内の団結を達成し、ウクライナ国家を再興するのにもっとも基本的な経路となる筈の和平の実現をしなかった。ウクライナ大統領はいわゆる「ミンスク合意」を好きにはなれず、基本的な要件を満たすことを拒んだ。その結果、過去の8年間ウクライナ全土を巻き込み、民族的に緊迫した兄弟国間同士の戦争へと発展し、今日に至っている。それがいったい何時終わるのかは見えて来ない。ウラジミール・プーチン大統領は最近のクレムリンでの演説においてゼレンスキーの自制心を引用して、次のように述べた:

「昨日の出来事ではあるのだが、ウクライナの指導者は自分たちはこれらの(ミンスク)合意には従わないと公に宣言した。合意には従わないと。このことについていったい何をコメントすることができるのだろうか?」(ウラジミール・プーチン)

米国人のほとんどはゼレンスキーがミンスク合意を破棄したことは我慢の限界を越えるものであると理解することはできなかった。ロシアの高官らは当事者の皆がミンスク合意で受け入れられる条件を見い出すために8年間も仕事を継続して来た。そして、夜の11時になって、ゼレンスキーは腕を振り上げながらこの取り決めに関してくだらない話をした。どうしてなのだろうか?ゼレンスキーに対してミンスク合意を破棄するように指示したのはいったい誰なのか?ワシントン政府だろうか?

もちろん、そうだ。

ゼレンスキーがロシア語住民が居住する町や集落に臼砲を打ち込むことができる接触線を越した地域に6万人もの戦闘員を配備したのはどうしてなのか。明らかに、その地域の住民に送り出されたメッセージは「侵攻が真近に迫っている。直ちに自宅を放棄するか、地下室へ逃げ込むべきだ」というものだ。これらの地域住民が生き延びるために身を寄せ合わせなければならないところにまで追い込んだゼレンスキーの目的はいったい何か?これらの恐怖に満ちた展開を目にするモスクワの指導者たちに彼はいったどのようなメッセージを送ろうとしたのであろうか?


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彼は自分が取った行動がロシア側に警告を与え、プーチンが奇しくも大規模な民族浄化作戦が行われる可能性を予測し、これらの地域住民を防護するには軍事的介入を実行するしかないという判断を下すことを予知したのであろうか?

もちろん、彼は知っていた。

ところで、これらの行動は国内の団結を図り、ウクライナの対ロ問題を平和裏に解決すると約束したゼレンスキーの選挙公約とは果たして一貫性があるのだろうか?一貫性はまったくない。彼の行動は真逆である。事実、ゼレンスキーはまったく違う台本を使って自分の役割を演じているようだ。たとえば、彼はロシアの安全保障に関する最低限の懸念にはまったく関心を寄せようとはしない点を取り上げてみよう。ウクライナがNATOへ加盟することはロシアにとっては「レッドライン」であるとプーチンが繰り返して述べていたことをゼレンスキーは知っていたのだろうか?プーチンがこのことを2014年以降何度も繰り返していたことを彼は知っていたのだろうか?もしもウクライナがNATOへの加盟について行動を起こしたならば、ロシアは安全保障を確保するために「軍事的な」対応策をとらなければならないとプーチンが警告していたことを彼は知っていたのだろうか? NATOはワシントン政府によって牛耳られている組織であって、今までに他の主権国家に対して何回も武力侵攻を行って来たという事実をゼレンスキーは知っているのだろうか。NATOの侵略行為について簡単なリストをここに掲載してみよう:

1.    ユーゴスラビアの破壊

2.    アフガニスタンの破壊

3.    リビアの破壊

4.    イラクの破壊

5.    シリアの破壊

ゼレンスキーはNATOがロシアに対して大っぴらに敵意を抱いており、NATO組織の拡大主義者にとってロシアは脅威であると見なしていることを知っているのだろうか。

もちろん、彼はこれらすべてのことを知っている。それでもなお、彼は核兵器の開発に関心を抱いていることを公言して憚らない。これはどういうことだろうか?ロシアにとってこれはどんな問題なのかを想像して貰いたい。米国に後押しされている操り人形、つまり、ゼレンスキーが核ミサイルの引き金に指を掛けている姿を想像して貰いたい。これはロシアの安全保障に大きな衝撃を与えるものではないとあなたは考えるだろうか?プーチンはこのような展開を無視してさえも、ロシア人市民を防護する自分の責務を果たすことができるとあなたはお思いであろうか?もしもゼレンスキーがロシアとの和平を心から望んでいたとするならば、彼はウクライナに向けて次々と出荷されてくる致死性の高い武器をどうして認めたのであろうか? プーチンは余りにも愚かで、自分の目と鼻の先で何が起こっているのかさえも理解できないと彼は思ったのだろうか?自分の戦力を増強し、自国民を脅かし、たとえそれが何であろうとも米国が彼のために誂えた輪をかいくぐってジャンプし続けることによって両国間の関係を改善することができるとでも彼は思ったのだろうか?

あるいは、プーチンが提案した安全保障に関する要求は適切ではないと彼は思ったのであろうか?これがすべてかな?もしも誰かが同じ靴を履いたとしたら、つまり、メキシコが米国の南側国境に沿って軍事基地や大砲を配備し、ミサイル基地を構築しようとしたならば、米国はそんなことを許すだろうか?プーチンがしたようなことをしなかった大統領は米国の歴史上にはたして居たのだろうか? そのようなメキシコ側の兵器に対して先制攻撃を行い、半径20マイル以内の生き物をことごとく蒸発させるようなことは絶対しないと宣言する米国大統領ははたして居ただろうか?

そんなことはあり得ない。プーチンの要求はどう見ても妥当なものである。だが、ゼレンスキーはそれらを跳ねのけた。何故か?

彼の政府や軍隊および安全保障部門には「ライトセクター」と称するネオナチが居ることをゼレンスキーは知っているのだろうか?彼らの仲間の数は少ないけれども、その数は正しく数えておくべきである。ロシア語住民に対する憎悪や迫害をもたらす強力な要因となっていることを彼は知っているのだろうか?これらの極右の連中はトーチを掲げたパレードに参加し、腕にはスワスティカやSSの入れ墨をし、アドルフ・ヒトラーの人種差別主義を崇拝していることを彼は知っているのだろうか? 2014年にオデッサで40人もの市民が労働組合ビルの中で焼き殺された事件を含めて、これらのネオナチの多くは残虐な犯罪行為に関与していたことを彼は認識しているのだろうか?これらの極右武装兵力に武器を与え、軍事訓練を施すCIAの秘密プログラムは彼らに自信を与えることを彼は知っているのだろうか?それは2700万人ものロシア人がドイツ国防軍によって 殺戮された前代未聞の戦争を髣髴とさせることを彼は知っているのだろうか?

ゼレンスキーが行って来たことはすべてがロシアを挑発するためのものであったという事実をあなたは認識することができるだろうか?

NATO 加盟に関すること、核兵器を開発すること、致死的兵器を絶えず備蓄していること、兵力を東部へ移動させていること、ミンスク協定の実行を拒んでいること、そして、プーチンの安全保障に関する要求を拒んでいること、これらはすべてが意図的な挑戦そのものであるのだ。だが、どうしてか?どうして、「クマに餌を?」そこが問題なのだ!

なぜならば、ワシントン政府はロシアを戦争に引っ張り込んで、プーチンをさらに悪魔視し、ロシアを孤立させ、ロシア軍には対暴動作戦を行わせ、ロシア経済には厳しい経済制裁を課して、ロシアに最大限の損害を与えようという魂胆なのである。一言で言えば、それがワシントン政府の戦略であって、ゼレンスキーはワシントン政府がその目標を達成するよう援護射撃を行っているのだ。彼は自分自身をワシントン政府の道具にしたのである。彼は米国の関心事を先へ進めるために自国を犠牲にしようとしている。

これらはすべてがメデイアが考えもしなかったことを強調することに役立つであろう。評論家やケーブルニュースが何の議論もしなかった事柄、つまり、ウクライナが戦争に負けることをゼレンスキーが知っていることを示すものである。彼はウクライナ軍はロシア軍にはとてもじゃないが対応できないということを知っている。それはハエを叩き潰す巨人みたいなものだ。ウクライナはハエに過ぎない。一般大衆はこのことを聞きいれる必要があるのだが、聞こうともしない。その代わり、彼らはロシアからの侵入者と闘う英雄的なウクライナ人に関するお喋りをしており、よく聞く話だ。しかし、これはナンセンスであり、あまりにも危険だ。完全に見失ってしまった目標のために人々が自分の命を失うことになるのだから。この紛争の展開に関しては疑問の余地は何も無かった。つまり、ウクライナは戦争に負ける。これは確定的だった。そして、さらに行間を読むとすれば、ロシアはこの戦争に容易に勝利するであろうとあなたは予見することができる。ロシア軍はあらゆる作戦でウクライナ軍を敗走させ、ウクライナ軍はついに降参する。タッカー・カールソンの番組で行われたダグラス・マクレガー大佐とのインタビューを覗いてみよう。実際に何が起こっているのかをあなたは理解することだろう:

タッカー:「今晩の時点で戦争はどんな具合だろうか?」(31日)

マックレガー大佐:「最初の5日間はウクライナへ侵攻したロシア軍の動きは極めて遅かった・・・。ロシア軍は民間人の犠牲者を最低限に抑えようとし、かつ、ウクライナ軍が降伏する機会を与えようとして、ゆっくりと注意深く進軍した。それは今や終わって、今われわれが目にしているのは次の段階だ。ロシア軍は残っているウクライナ軍を包囲し、ロケット砲や砲撃、空爆を行い、遅いながらも確実に距離を縮めており、残ったウクライナ軍の兵力を一掃しようとしている。つまり、ウクライナ側の抵抗の終焉が始まったということだ。」

タッカー:「さて、プーチンの目標はいったい何だろうか?」

マックレガー大佐:「プーチンは2007年のミュンヘン安全保障会議で述べた自分の言葉に名誉を与えようとしている。あの会議で彼はNATOがわれわれの国境に触れるまで拡大することは決して許さないと言った。具体的に言えば、ウクライナとジョージアのことだ。われわれの目にはこれらの国々はNATOの軍事力や米国の影響力を行使するトロイの木馬として見える。プーチンはこの警告を何度も繰り返して述べた。ウクライナ東部における反対派武装勢力を実質的に一掃する作戦を実行することや自国軍をNATOと対峙させ、米国や西側の武力をロシアに投影するためのプラットフォームとしてウクライナを位置付けるためにウクライナに影響を与え、何らかの変化を引き起こすことについてわれわれがそれを阻止するといった事態は何としても避けたいという希望を抱きながら、彼はこの警告を繰り返して来たのだ。

今日現在の彼の目標はウクライナ東部(ドニエプル川から東側の領域)を押さえることだ。そして、彼はこの川を越して、キエフ市を全面的に押さえようとしている。

その時点でプーチンは他に何を実現したいのかについて決断しなければならない。彼はさらに西へ向けて進軍しようとは考えてはいないと私には思える。しかし、これらのすべてからウクライナが蘇生してくる形態は中立の立場だけであって、何処とも同盟関係が無く、望むらくはモスクワ政府とは友好的な新国家であって欲しい。そうであれば、プーチンは受け入れる。この条件が満たされなかった場合、彼の戦争は時間の無駄であったということになる。」(ダグラス・マックレガー大佐のタッカー・カールセンとのインタビュー。ランブル。)

ビデオリンク

この短いインタビューから言えることは次のような点である:

1.    ロシアが優勢で、ウクライナは敗退する。

2.    ウクライナは分割される。プーチンは自国の安全保障のために必要な緩衝地帯を設ける。

3.    ウクライナ西部を統治する者が誰であろうとも、その統治者は「中立性」の宣言をすることが求められ(書き物で)、NATOの加盟国となることは拒否する。もしもこの約束を破った場合、彼らは武力によって排除される。

しかし、ここに重要な点がある。この混乱の当事者たちは誰もがウクライナにはロシア軍に勝つ可能性はないことは初めから分かっていた。それは既定の結論であった。ここでわれわれが知りたいことは「どうしてゼレンスキーは悲劇が起こる前にこのような悲劇を回避しようとしかったのであろうか?」 

この疑問に対する答えは「ゼレンスキーとはいったいどんな人物であるのか」を明確に示してくれるに違いない。

次のことを自問自答して貰いたい。ゼレンスキーにはいくつもの機会があったのに、どうして彼はプーチンと交渉をしなかったのだろうか? どうして6万人の兵力を東部から引き揚げなかったのだろうか?どうして彼はワシントン政府からの武器の出荷を停止しなかったのだろうか? どうして彼はミンスク合意を履行しなかったのだろうか?どうして彼はNATO加入の呼びかけを拒まなかったのだろうか?

最後に、どうして彼はモスクワ政府に怒りをもたらし、戦争の勃発の危険性があることを知りながらも、これらの挑発行為を行って来たのだろうか?

これらの疑問に答えることは難しくはない。

ゼレンスキーは最初からワシントン政府の命令に沿って行動して来た。われわれはそのことを知っている。また、彼はワシントン政府のシナリオを実行して来た。それは彼自身のシナリオでもなければ、ウクライナのシナリオでもない。われわれはこのことについても知っている。しかし、だからと言って彼を無罪放免にすることはできない。結局のところ、彼は善悪を区別することができるれっきとした大人である。彼は自分が行っていることをわきまえているし、それは悪いことであることを知っている。単に悪いと言うよりもさらに性質が悪い。まさに言い訳のしようが無い程だ。彼は勝ち目のない戦争に男たちを送り出している。つまり、彼は何の理由もなしに自国の市民にたとえようもないような苦難をもたらし、傷を負わせているのである。そして、もっとも醜悪なことには、彼が防護すると宣誓した国家、つまり、ウクライナが解体するような道筋を辿ろうとしている。同国はロシアとの最終的な和解のためにいくつかに分断されるであろう。ゼレンスキーはその責任の大部分を背負うことになろう。

このような人物は自分自身とどのように折り合いをつけるのだろうか?

*

読者への注:共有のボタンを押してください。インスタグラムでは@globalresearch_crg を、そして、ツイッターでは@crglobalizationをフォローしてください。この記事を電子メールリスト宛に送付してください。あなたご自身のブログやインターネットフォラム、等に転載してください。

著者のプロフィール:マイク・ウィットニ―はワシントン州在住で地政学的ならびに社会的な分析でよく知られている。彼のキャリヤは2002年に独立した市民ジャーナリストとして始まり、率直なジャーナリストの姿勢に徹し、社会正義や世界平和に関心を寄せている。彼は「Centre for Research on Globalization」の研究員を務めている。本記事の初出は「The Unz Review」。Copyright © Mike WhitneyThe Unz Review, 2022

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これで全文の仮訳が終了した。

ワシントン政府はロシアを戦争に引っ張り込んで、プーチンをさらに悪魔視し、ロシアを孤立させ、ロシア軍には対暴動作戦を行わせ、ロシア経済には厳しい経済制裁を課して、ロシアに最大限の損害を与えようという魂胆なのである。一言で言えば、それがワシントン政府の戦略であって、ゼレンスキーはワシントン政府がその目標を達成するよう援護射撃を行っているのだ。彼は自分自身をワシントン政府の道具にしたのである。彼は米国の関心事を先へ進めるために自国を犠牲にしようとしている」という著者の言葉はウクライナ・ロシア戦争のすべてを物語っているように私には思える。

ゼレンスキーは最近のEUの動きについては不満なようである。つまり、ウクライナとしてはEUへの加盟を速やかに実現したいと提言したが、EU圏内の政治家の動きはひとつに団結しているとは言えそうにない。ゼレンスキーにはその点が気に食わないようだ。

ところで、「田中宇の国際ニュース解説」というサイトがある。このサイトはマクロな世界の動きを知りたい場合、私にとっては是非ともチェックしておきたい必須のサイトである。有料記事と無料記事の二本立てで公開されている。311日掲載の「ロシアは中国と結束して延命し、米欧はQE終了で金融破綻」という有料記事の要約は下記のように述べている:

「ウクライナ戦争が長引くほど、中露は結束し、米国は中露への制裁を強め、世界経済は中露側と米欧側に分裂していく。石油ガスなど資源の多くは中露側が持っている。大消費地帯である中国もインドも中露側だ。米欧側の強みは債券金融システムの巨大な資金力だが、その力は、今、米連銀がインフレ対策としてQEを停止するので破綻寸前だ。QEをやめたら債券金融システムはバブル崩壊する。米欧側は強みを喪失し、生活必需品である石油ガス鉱物を中露側に握られ、経済破綻して敗北していく。中露側も経済難は続くが、地下資源と実体経済の成長構造があるので米欧をしのいで台頭していく。混乱の中、世界が多極型に転換する。」

ロシアがウクライナへ侵攻したことによってヨーロッパではすでにエネルギー不安が急速に高まっている。電気代が高騰しているのだ。電気を大量に消費する化学品、セメント、鉄鋼を製造する企業は強烈な衝撃を受けているらしい。310日の報道によると、ドイツのババリアに所在する製鋼メーカー「Lech-Stahlwerke」社は電気代の高騰によって生産を中止すると宣言した(原典:UPDATE 2: Steelmaker Lech-Stahlwerke halts production as power prices soar: By Tom KäckenhoffAyhan Uyanik, Mar/10/2022 3:47 PM)。

ロシアがヨーロッパへの天然ガスの供給をストップしたわけでもないのに、供給不安がヨーロッパ市場にこのような混乱を引き起こしたのである。あくまでも私の素人考えによる推測に過ぎないけれども、実際にロシア産天然ガスのヨーロッパへの供給がゼロとなった暁にはどれだけの衝撃が現れるのだろうか?ヨーロッパの製造業は国際競争力を失い、ほとんど壊滅してしまうかも。そうなると、まさに米国が狙った状況が出現する。米国自身が弱くなっても、輸出競争力が低下したEU諸国を依然として衛星国として残しておくことができるのだ。米国の覇権にぶら下がっていたいEU諸国や日本を含むその他の国々は安眠を貪っている。それが、逆に、米国を傲慢な対外政策に走らせている。このまま行くと、沈むはずがないと思っていたタイタニック号と運命を共にせざるを得ない。今や影響力が弱まる一方にある覇権国による果てしなく続く傲慢さの犠牲となることであろう。


参照:

注1:The Man Who Sold Ukraine: By Mike Whitney, Global Research, Mar/05/2022

 

 


14 件のコメント:

  1. И.Симомураです.私は脅迫されての変心とばかり思っておりました.しかし泡沫候補を地滑り的に勝たせる,ネオコンの選挙戦略と考えると,時系列の出来事の辻褄が合います.司令塔は何十年も前から,世界中でこのような陰謀を遂行してきたのでしょう.ゼエレンスキが急に選挙に色気を出したのではなく,ネオコンの役者簿に遥か前から登録されていたということなのでしょう.ロシア人には到底思いつけないことです.娘が広告制作会社のアルバイトをしておりました時,その会社より日本人の居合術(小生有段者)と書を書く場面を映画にしたいという申し出があり,引き受けました.準備に三時間,取り直しの連続で一時間がかかりました.書は初唐の詩人宋之問「代悲白頭翁」の「年年歳歳花相似、歳歳年年人不同」を漢筆と硯墨で正字で書きました.完成品を見ましたが,90秒間です.ただ評判が良く,散歩の折には「見ましたよ」と声を掛けられました.この体験から類推するに,あれらの大惨事便乗型偽旗映像には,綿密な舌準備,役者の配置,カメラの配置,何よりも観客の大量動員があったのだと思います.個人でできることではありません.国家機関からの支援があるのでしょう.

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    1. シモムラさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      ゼレンスキーが選挙公約を果たさなかった理由はネオナチからの脅迫ではないかと私もかねがね思っていました。しかしながら、シモムラさまの考えによれば、あれはネオコンによる選挙戦略であったと考えると、確かにすべてについて辻褄が合って来ます。この仮説は捨て切れませんね。

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  2. 前便に誤りがあります.”宋之問”は”劉希夷”の誤り,”舌”は”下”の誤りです.可能であるならばご訂正願います.小生白内障です.

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    1. シモムラさま、
      白内障ですか。不自由されているのですね。
      小生の二歳違いの兄も数年前に片目だけ手術を行いました。その後順調なようです。

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  3. 馬淵睦夫元ウクライナ兼モルドーヴァ大使のyou tube上での解説に対し,アナトーリ・ナザレンコというウクライナ人が執拗に攻撃をかけています.彼は所謂スリーパーですね.こういう人物は日本の情報機関によって,その観察対象となっています.

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  4. 昨日 Press conference of captive Russian pilots in Kyiv という写真を見つけ読んでおりました.この写真の人物は露軍の将校ではないとの指摘があり,同人物は宇軍のこの人物に似ているとして,写真まで掲載してありました.この人物は髭を伸ばしているのですが,露軍には毎日髭を剃ることという規則があるとのこと.例外はチェチェン人とダゲスタン人だが,同人物は明らかにスラヴ人の容貌としております.さてこの記事を探そうと努力したのですが,痕跡なく消えております.点検している組織があるのですね.

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    1. シモムラさま
      本件については下記のサイトでも扱っています。本日現在も閲覧可能です:

      Moon of Alabama:
      https://www.moonofalabama.org>2022/03>disarming...
      "Disarming Ukraine - Day 13 - Lies Do Not Win Wars - Moon of ..."
      (6日前の記事です)

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  5. ブログ主様kiyo様に急ぎ注意喚起をいたしたく,この場をお借りいたします.
    kiyo様 ご覧になっておられますか.”ウクライナで起きていたこと②”中で,女性二人がウクライナ国旗群の前にたっている写真は非常に危険なものと考えます.説明いたします.先ずロシア語の訳が間違っております.ХОТИМ ГОВОРИТЬ НА РОДНОМ ЯЗЫКЕは「私たちは母国語で話したい」というものです.彼女らはロシア人です."WANTED"はウクライナ人に向かって,「この写真の人物二人はWANTED”おたずねもの”だから,探し出せ」ということなのです.ХОТИМГОВОРИТЬ НА РОАНОМ ЯЭЫКЕ : あなたの言語を話してください:←WANTED
    (2017年9月には、学校、カレッジ&大学で使用される言語はウクライナ語のみとする旨 )

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  6. ブログ主様 さきほどkiyo様への連絡方法を見つけだし,上記主旨のメイルを送りました.ご迷惑をおかけしました.阿修羅での今日の日刊ゲンダイ「プーチンの極悪非道は言うまでもないが…」とあります.しかし,書いてあることは多少まともになっています.この種の表現は反プーチンを仄めかすアリバイ工作の表現なのでしょうね.ポーランドのタブロイド新聞ガゼタ・ブイボルチャ「選挙新聞」編集長のアダム・ミフニークは反プーチンと嫌露を隠さない人物ですが,必ず「自分には多くのロシアの友人がいる…」と断ってから,品の無いこき下ろしの記事を書きます.家内も娘も同紙の愛読者です.

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    1. シモムラさま
      コメントをお寄せいただき、有難うございます。
      ポーランドでは嫌露意識がすごく強いようですね。残念ながら、この嫌露意識がポーランドの政治を捻じ曲げてしまっているように思えてなりません。
      先日私はフェースブック上に3月13日の記事「Polish President Says Russian Use Of Chemical Weapons In Ukraine Would Be 'Game Changer'」を引用し、次のような個人的なコメントを添えました:「ポーランド大統領のこの発言は化学兵器を使い、それをロシアがやったとうそぶき、NATO軍をウクライナへ導入するための呼び水ではないかと私には見える。偽旗作戦の典型的な前触れだ。そう思うのは私だけではないだろう・・・。」
      偽旗作戦が実際に起こらないことを祈ってはいますが、米国主導の戦争では何らかの形で偽旗作戦がついてまわるのが現実です。
      結局、FB上ではそれ程の反響はありませんで、「いいね」をクリックしたのはたった6人だけ。この種の意見を表明する場としてはFBはまったく向いてはいないということを実感しました。FB上の皆さんは政治的な意見にはかなり警戒しているのが現状のようです。

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  7. シモムラさま
    ご指摘ありがとうございます。連絡していただき、気をもませることになってしまった事お詫び申し上げます。

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  8. kiyoさん WANTEDは”応援求む”の意だったのですね.”指名手配中”だなどと,どんでもない妄想でした.ブログ主様こうした次第であいました.問題はすべて解決いたしました。

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  9. 生物兵器の調査、報道においては、この方の右に出る人はいないのだろうというディリアナ・ガイタンジェヴァというジャーナリストの記事「ペンタゴンのバイオ兵器」を翻訳しました。
    ウクライナに生物兵器研究所が存在したのか?①
    https://quietsphere.info/pentagon-bio-weapons-1/

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    1. kiyoさま
      彼女は素晴らしいですね。この方面のジャーナリストとしては最高の能力を持った人物だと思います。商業メデイアには加わらないで、読者からの寄付に頼っている点も見事な振る舞いだと思います。

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