2010年12月27日の朝、外はうっすらと雪化粧をしていた。この冬の二回目の雪である。初雪は17日にやってきたのだが、その後ぶり返した暖かさですっかり消えてしまっていた。今度の雪は終日続き、翌朝には10cm前後の積雪となった。
カメラを手にして早速外へ。曇り空が続いており、風もないので、今日のブカレストの寒さはそれほどではない。人や車の往来が激しい場所ではもう雪がその姿を消している部分さえもある。周りに比べてより低い場所にはシャーベット状の水溜まりさえできている。昼が近くなってきた今、その程度の寒さである。
栃の木の枝という枝には雪が積もって、白と黒との文様を作りだしている。そこには、「どんなに細い枝であっても決してないがしろにはしたくない」といった周到な意思さえもが感じられる。雪があった翌日には決まったように披露される光景ではあるのだが、また新たな感動を覚えた。
アパートが立ち並ぶ住宅街をしばらく歩いていくと、小学校の前に出た。校庭を取り巻く緑色のフェンスが雪綿帽子をかぶっていた。垂直に立っているそれぞれの角材のてっぺんにほとんど同じ高さに雪が積もっており、上下に波打つように配置されている角材の端部がリズミカルな佇まいを醸し出す。昨晩は風もなく、静かな雪だったにちがいない。
この辺一帯はブカレストでも緑が多い地域のひとつであると言われている。雪がすべてを覆い隠してしまった朝、まだ足跡も何もないこの空き地はあたかも森の中の一部ではないかと言ってもいいような風景を見せていた。これが森の中だったとしたら、うさぎや狐あるいは鹿などの動物たちの活動の跡がしっかりとついているかも知れないのだ・・・
今冬4回目の雪。地表の雪は消えてしまっていたのだが、また雪がやってきた。降ったり止んだりの3日間だった。公園へでかけてみた。15センチほどの積雪だ。
この公園には小さな湖があって、そこにはかもめや鴨がたくさん浮かんでいた。パン屑だろうか、餌をまいている人がいる。そして、遠くに4頭の犬の姿が見えた。一人のおじさんの周りを連れだって歩き回っている。4頭も犬を飼っているなんて羨ましい限りだ。それぞれが結構大型である。そのうちの一頭が突然仰向けになって背中を雪に擦りつけはじめた。気持よさそうだ!
子供の赤っぽい衣装も見える。そりを引いた親子連れだ。ふたりにとって楽しい一日となるにちがいない。
1月26日
今冬一番の冷え込みとなった。ブカレストの辺りでもマイナス15度にまで下がったとの報道。日中でもマイナス5度までに上がっただけ。空気が刺すように冷たい。明日もこんな寒さが続きそうだ。
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