しかしながら、これですべてが解決し、選挙戦でトランプが公約した対ロ関係の改善が一気に動き出すのかと言うと、そのような気配はさらさら感じられない。
クリントン候補の陣営や民主党ならびに大手メディアがこのロシアゲートにうつつを抜かすことになった発端はいったい何処にあったのだろうか?
ここに、「2015年のジョン・ポデスタ宛電子メールがトランプをプーチンやロシアに結びつける策を提案」と題する記事がある(注1)。
本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。
左翼系のコメディアンであるジミー・ドアーはヤングタークス・ネットワークで「挑戦的な進歩派」という番組のホスト役を務めている。
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もちろん、トランプとロシアとの間には何の陰謀も無かった。そもそもロシアはトランプの選挙運動においては最も遠くに位置する存在であった。しかし、ジミー・ドアーが説明しているように、ヒラリー・クリントンの最大級の弱点は米国のウラニウムの五分の一を数百万ドルでロシア人に売却し、プーチンからはビル・クリントンの演説料として50万ドルを受け取ったことにある。
こうして、ジョン・ポデスタはトランプ候補がロシアと共謀しているとしてトランプ像を描く大嘘を広めようと画策した。
これらはすべてがクリントン陣営の内部から始まったことである。
2015年12月(選挙日の11ヶ月前)、この計画は「ドナルド・トランプを葬る」と名付けられ、彼らはトランプをウラジミール・プーチンと結び付けた。
この構想においてはジョン・ポデスタが主役であった。
焦点となる電子メールはウィキリークスによってリークされ、ジョン・ポデスタとヒラリー陣営の内部が画策した「トランプを葬る」計画が白日の下に晒された。
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2016年の大統領選でヒラリー・クリントンはドナルド・トランプに劇的な負けを喫したが、以下はそのことに関して出版された「Shattered」と題する書籍からの引用だ。
敗戦を喫した後、ヒラリー陣営は直ちに、24時間以内に、ドナルド・トランプ新大統領を罠に陥れる策を講じた。彼らはすでに自分たちの議論の中心テーマとしてロシア人によるコンピュータへの不正侵入を推し進めていた。そして、連中は自分たちの同志であるディープステーツのFBIや法務省が組織ぐるみでトランプの選挙運動の幹部についてスパイ行為を行っていることを承知していた。
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ここにビデオがある。
これはジミー・ドアーが行った極めて立派な調査報道だ。
これはジミー・ドアーが行った極めて立派な調査報道だ。
最新情報: ポデスタに送付された電子メールの内容に次いで注目すべき点はbrentbbi@webtv.net というメール発信者の名前である。大雑把な調査の結果によると、これはハフィントンポストの寄稿者であるBrent
Budowskyからの電子メールだ。彼は民主党の政治家のためにも働いていたことがあり、今は「インテリジェンスサミット」の国際顧問団のメンバーでもある。この電子メールはロシアとの陰謀という大嘘によってトランプとその陣営を罠に陥れようとしてごく初期に交わされた議論の一部であると推測される。
候補者が選挙運動を行う際には専門家からさまざまなインプットが寄せられる。この引用記事が紹介している電子メールはまさにそのような専門家から寄せられた助言のひとつである。引用記事のPhoto-3には問題の電子メールが示され、「2015年12月21日がポデスタがロシア陰謀説を開始した日だ」との朱書きが添えられている。
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それでは、ここで、ブレント・ブドウスキーが2015年12月21日にヒラリーの選対委員長であるジョン・ポデスタに送信した電子メールの詳細を別の情報から確認しておこう。ウィキリークスは「Re:
HRC, Obama and ISIS」と題された電子メールの全文を公開している(注2)。このメールはbrentbbi@webtv.netからjohn.podesta@gmail.com 宛てに2015年12月21日の12時09分に送信されたものであることがはっきりと示されている。ところで、HRCとはヒラリー・クリントンのことだ。このメールに先立って、ジョン・ポデスタから同日の9:00amにコンサルタント役のブレント・ブドウスキー宛に電子メールが送付された。これはそれに対する返信である。二人の間ではヒラリー・クリントンの演説の内容に関してあれこれと戦術が議論されている。「最良のアプローチはトランプがプーチンと仲良くしていることを突いて、彼を葬り去ることだ。だが、プーチンのシリア政策に賭けてあまり深入りはしないように」との助言があった。これが発端である。
しかしながら、最大の問題はこの助言が、世界中が目撃したように、米政界で一人歩きを開始し、2年以上も大手メディアにもてはやされ、米政治史でも稀に見る政治的分断を招いたことだ。
この助言そのものは米政界では悪意があったものとは必ずしも解されないのかも知れないが、大統領選というお祭り騒ぎの中で大手メディアという強力なプロパガンダマシーンがスロットルを全開にして疾走を始めた時、良心とか節度、モラルあるいは伝統的なジャーナリズムの使命はそれを引き止めるにはあまりにも非力であった。プロパガンダマシーンの投入は2003年にイラクへの武力侵攻を行った際にも派手に行われた。今回はその再演であるが、二回も続けて大成功を収めたディープステーツは今ほくそ笑んでいるに違いない。
しかしながら、われわれ一般大衆にとっては悪夢の再来である。決まったように真実が隠蔽されるからだ。他にも、軌を同一にする出来事としては、ウクライナ上空でのマレーシア航空MH-17便の撃墜事件や英国でのスクリッパル父娘殺害未遂事件、等があり、これらを忘れてはならない。
参照:
注1:
2015 Email to
John Podesta Reveals Plot To ‘Slaughter Trump’ by Linking Him to Putin and
Russia: By Jim Hoft, RUSSIA INSIDER, Apr/24/2019
注2: Re: HRC, Obama and ISIS: By Wikileaks, WikiLeaks - The Podesta Emails
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