2019年5月28日火曜日

遺伝子組み換えのジャガイモを作り出した科学者が危険な真実を暴露 - 独占インタビュー

遺伝子組み換え(GM)作物にはさまざまな目的がある。たとえば、除草剤耐性、病害虫耐性、貯蔵性増大といったさまざまな形質が作物に導入されている。また、第二世代のGM作物では特定の成分の含有量を高めたものが開発されつつある。たとえば、杉花粉症を緩和するコメ、あるいは、鉄分を多く含有するコメの開発だ。

われわれ素人にもっとも良く知られている事例はグリフォサートを主成分とした除草剤、つまり、ラウンドアップという商品名の除草剤に対して耐性を高めた作物であろう。この除草剤は、1970年、米国のモンサント社によって開発され、世界中で使用されている。(なお、モンサントは2018年にドイツのバイエル社に買収された。)しかしながら、昨今は、この除草剤が原因で非ホジキンリンパ腫を引き起こしたとしてラウンドアップ除草剤を製造・販売したモンサント社を相手に米国では損害賠償訴訟の判決が相次ぎ、モンサント社が敗訴している。

ここにGMジャガイモの開発に携わってきた科学者がその危険性を暴露したという記事がある(注1)。言わば、内部告発である。

この研究者の述懐によると、彼はGMジャガイモの研究開発でとんでもない勘違いをしていたのではないかという疑念に駆られた。研究者らは自分たちが開発したジャガイモは完璧だと信じ込んでいる。この思い込みこそが間違いの元であると彼は率直に言う。研究者らは自分自身を洗脳してしまっているのだ。短期的な成功に目が眩み、長期的な悪影響は究明しようともしない・・・
本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。

<引用開始>

モンサント社ではチームリーダーを務め、シンプロット社では研究開発部長を歴任して来たカイウス・ロメンスは、Sustainable Pulseとの幅広いテーマを網羅するインタビューに応じて、自分自身が開発して来たGMジャガイモが持っている隠された危険性を暴露した。この日は、ちょうど、「Pandora’s Potatoes: The Worst GMOs」と題された彼の書籍がアマゾンから発売される日である。(訳注:アマゾンからは昨年の107日に発売されたが、本日(May/27/2019)の時点では品切れとのこと。)

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Q: GMジャガイモを開発するのに何年を要したのか?これは研究所での仕事だけか、それとも、ジャガイモが栽培されている現場へも出かけたのか?

A: GM技術者として26年間を費やして来たが、その間に形質の異なるジャガイモを何百種類も作った。直接費だけでも約5千万ドルは使った。私の研究はアムステルダムおよびバークレーでの大学で始まり、モンサントでも研究を継続した。その後、ジャガイモ食品の生産では世界でも最大級の企業のひとつであるJ.R.シンプロット社で何年か仕事をした。私が開発したジャガイモは温室やジャガイモ畑で試験栽培が繰り返されたが、私が農家や実験栽培の現場へ出かけることは稀だった。私はジャガイモを改良するのに必要な理論的な知識は十分に持っていると信じ込んでいた。これは私の最大級の勘違いのひとつだった。

Q: あなたが作ったGMジャガイモは米国ではFDAEPAの承認を受けたのか?世界各国ではどんなか? 

A: 驚くべきことには、米農務省やFDAはわれわれが提出したデータだけでGMジャガイモを承認した。規制当局はそれらのデータには偏見や不公平な判断はないとどうやって判断するのだろうか?私がJ.R.シンプロットに居た頃、私は自分が作ったGMジャガイモは完璧だと本当に信じていた。まさに自分の息子や娘は完璧だと思う親バカ同然であった。私は偏見を持っていた。GM技術者は誰もが偏った見方をする。われわれにはGM作物を何とか承認して貰う必要がある。自分たちの存在を正当化するには、何億ドルもの価値を創出するGM技術を開発することによってこの開発を是非とも成功しなければならないというとてつもなく大きな圧力を感じる。われわれはGM作物の「安全性を確認する」ためにさまざまな試験を行うが、「安全性を疑う」という姿勢などはまったくないのだ。

当局に対する規制緩和の申し立ては意味のないデータに満ちているが、目的外の悪影響を究明する試みを含めようとはしない。たとえば、請願書には導入遺伝子を挿入する部位が明記されるが、組織培養の操作中に無作為に起こる数多くの突然変異については記述しようとはしない。そして、安全で、どうでもいいような化合物、たとえば、通常のアミノ酸や糖分についてのデータを提出する。しかしながら、潜在的な毒性物質やアレルギー性物質に関しては何らの測定値も提出しようとはしない。

カナダと日本の当局はわれわれが開発したGMジャガイモを承認し、目下、他にも中国や韓国、台湾、マレーシア、シンガポール、メキシコおよびフィリピンでも承認待ちである。

Q: モンサントやJ.R.シンプロットではあなたはどんな役割を果たしていたのか?

A: モンサントでは15人の研究者から成る小さなグループを、その後、シンプロットでは(50人近くの研究者を擁する)研究開発部門全体を率いていた。当初は私の関心は病害対策にあったが、結局、商業的に価値のある形質はすべてを扱うようになった。私は自分が扱った仕事に関しては数多くのテーマについて何百もの特許や科学論文を出版した。

Q: あなたはモンサントを辞し、その後、シンプロットも辞めた。どうしてか?

A: モンサントから退社したのはシンプロットで独立したバイオテック・プログラムを開始するためであった。私の「親バイオテック」フィルターはだんだんその効力を失い、壊れ始めていた。その時私はシンプロットからも退社した。あれは私が自分の最初の間違いを発見した頃であった。これらの最初の間違いは些細なものではあったが、私に気まずい思いをもたらした。私の視野に入って来てはいないもっと大きな間違いがどこかに潜んでいるに違いないと私は確信した。

Q: GMジャガイモを作り出すのに何年間もの歳月を費やしたにもかかわらず、あなたは今GMジャガイモでの失敗を公開することにした。それはなぜか? 

A: 私は自分の生涯を通じて何年もGMジャガイモを作り出すことに費やして来た。当初、私は自分が作ったジャガイモは完璧だと思っていたが、その後、その完璧さを疑い始めた。自分のやっていた仕事から一歩退いて、再検討を加え、間違いを見い出すのにはさらに何年もかかった。自分自身や私の同僚たちを振り返ってみると、われわれは誰もがすっかり洗脳されていたのだと今になって言える。われわれは皆が自分自身を洗脳していたのだ。われわれは生命の本質は死んだ分子構造、つまり、DNAにあり、これを研究室の中で改変し、生命を改良することができるだろうと信じていた。また、成功を収めるには理論的な知識がすべてであり、ひとつの遺伝子の改変は常にひとつの意図した結果だけをもたらしてくれるものと考えていた。

われわれはDNAを良く理解しており、価値のある改変を実現している筈であったが、実際には、われわれがDNAについて知っていることは平均的な米国人がサンスクリット語で書かれたバガヴァッド・ギーターについて理解している程度と同じ程僅かなものでしかなかった。われわれには、特に、これが偏見や偏狭さと結びついた暁には危険であることが分かっていた。われわれは(研究室の中で)短期ベースの利益に関心を寄せ、(農場において)長期的に現れてくる欠点については考えようともしなかった。この思考過程はDDTPCB、エージェント・オレンジ、遺伝子技術で作った牛の成長ホルモン、等の開発時の思考過程とそっくりだ。GM技術者が理解している事柄は如何に僅かであるか、彼らは如何に偏見を持っているか、そして、彼らはどれ程間違っているかを誰もが明確に理解することが重要であると私には思える。私自身が喋ったことはほんの一例に過ぎない。

Q: GMジャガイモの収量は大きくならないのか?

A: GMジャガイモは通常のジャガイモに比べてより健康である訳ではないという考えを私は毎日のように無視し続けた。GMジャガイモは多くの場合形状が変形しており、発育不良で、萎黄病に罹っており、壊死しており、胞子を作らず、GM株は急速に枯れてしまう。遺伝子レベルでこのような劣勢が生じる理由のひとつはGMジャガイモは体細胞から作られていることに起因する。体細胞は(茎や葉の構造を支えるために)ひとシーズンだけ生きるよう設計されている。これらの細胞は新たな植物体を作り出すのに必要な一連の遺伝子を持っている訳ではない。体細胞を改変することによって、われわれはGMジャガイモを作り出したが、これらのジャガイモは遺伝子レベルでは何百個もの突然変異を有しており、これらの突然変異が収量を損なっている。さらに付け加えると、遺伝子組み換えは、多くの場合、作物の農業生産力や栄養品質の両方を損なう。

Q: GMジャガイモは打ち疵に対する耐性を持っているとされているが、これは農家や食品加工業者にとっては大きな利点ではないか?

A: 通常のジャガイモは疵が付きやすく、疵を負った箇所からは病原菌が侵入し、内部の水分が失われる。私はGMジャガイモは打ち疵に耐性を持っていると信じ込んでいたが、今やそれは間違いであることが分かった。GMジャガイモは通常のジャガイモと同様に疵を受け易いのだが、GMジャガイモの場合は打ち疵が「隠されている」だけだ。通常、疵を負った部分は黒く変色し、加工業者は容易に判別することが可能で、その部分は切り取ってしまう。しかし、GMジャガイモは黒く変色しない。私が作ったジャガイモは、損傷を受けたり、何かに感染した際に保護物質としてのメラニンを生成することができないのだ。私はこのことについてまったく理解していなかった。さらに重要なこととしては、こうして隠されている疵の部分はある種の毒素を蓄積し、この毒素は食品としてのジャガイモの栄養品質を損ないかねない。

Q: バイオテクノロジーによって付与されたGMジャガイモの形質は安定しているか? 

A: 形質はそれがその植物のゲノムの自然環境にうまく適合していれば安定だ。GM作物の場合は多くがそうであるように、適合しない場合、その形質は失われ、組み替えられてしまう。シンジェンタやモンサントで働いている元同僚はGMトウモロコシやGM大豆の(報じられてはいない)問題点について私に話してくれたが、彼らの作物はGMジャガイモ程は不安定ではない。GMジャガイモではふたつの形質がすでに消えてしまい、他のいくつかの形質も弱くなりつつある。

Q: GMジャガイモの葉枯れ病に対する耐性は主要な利点として売り出されたが、これもそのようなケースに当てはまるのか? 

A: 葉枯れ病は想像力に問いかける数少ない植物の病気のひとつだ。なぜかと言うと、ヨーロッパでは大規模な飢餓を引き起こし、何百万人もの人たちが北米へ移民したという事実があるからだ。でも、あれは1840年代のことだ。北米で大部分のジャガイモが栽培されている地域は乾燥した北西部であり、その地域では葉枯れ病が大問題だという訳ではない。少量の生産が行われているもっと湿度が高い地域においても葉枯れ病は何とか対応できている。農家は葉枯れ病に耐性を持ったジャガイモを入手したいであろうが、彼らは品質に危害を及ぼす他の何十種類もの病害虫に関してもあれこれと対応しなければならないのだ。

私の懸念は湿度の高い地域(たとえば、バングラデシやインドネシア)でGMジャガイモの生産を試みると、病害虫の問題を解決するどころか、実際には問題を大きくしてしまいかねないという点だ。さらには、葉枯れ病は農業に悪影響を及ぼすもっともダイナミックな病原のひとつである。如何なる障壁を設けてもそれに対して速やかに耐性を獲得してしまうことが良く知られている。したがって、葉枯れ病耐性遺伝子の効能を保証することは決して可能ではなく、耐性遺伝子は何時でも破壊されてしまう。事実、ヨーロッパや中米においては耐性はもう破壊されてしまった。

Q: GM作物の業界が言っているように、GMジャガイモは発がん性が少ないのか?

A: 多くの人たちはそもそも「ジャガイモには発がん性があるのか?」と自問自答するだろうと思う。私にはそのことを示す証拠があるとは思えない。そう考えると、もっと興味深い質問が浮かび上がってくる。「GMジャガイモはいったいどうして発がん性が少ないとして市場開拓をしなければならないのか?」

Q: GMジャガイモには合法的な遺伝子を挿入しているのか?

A: 私は、ほとんどの場合、ジャガイモ自身の遺伝子を使って遺伝子組み換えを行ってきた。公的に入手可能な種類のジャガイモのDNAを使い、独占所有権のあるGMジャガイモを作り出した。この戦略は倫理的には問題があるかも知れないが、法的には可能だ。しかしながら、GMジャガイモを作るのに使用した遺伝子のひとつはアルゼンチンに自生する野生のジャガイモに由来している。アルゼンチンの許可もなしに遺伝子を入手し、特許を取得することは海賊行為に等しいことだと思う。

Q: GMジャガイモは他のジャガイモやミツバチのような受粉昆虫に対して遺伝子抑制を引き起こす可能性はないのか?

A: ミツバチを含めて、特定の昆虫にとっての問題は遺伝子抑制を引き起こす二重螺旋のRNAの小片を分解することができないという点だ。これらの二重螺旋のRNA は根茎内のいくつかのジャガイモ遺伝子を抑制するように意図されているのだが、これらは花粉にも発現する。花粉がミツバチによって消費されると、花粉に含まれているこれらの二重螺旋はたまたま相同性を持っているミツバチの遺伝子を抑制しかねない。

Q: あなたの新刊「Pandora’s Potatoes」が今週初めて一般大衆にも入手可能となったが、その著書であなたはいくつもの観点からあなた自身が作り出したGMジャガイモは農家が栽培し、一般消費者が食べることは控えるようにと警告している。あなたはFDAEPAに対してはどんなことを言いたいのか?

A: GM作物に対する規制緩和に絡む現在の主要な問題点は政府の認可手順がGM作物を開発した企業から提出されるデータに依存し切っていることにある。利害の不一致が存在する。GM作物の安全性の評価に当たっては、意図してはいない影響を識別することに十分な訓練を受けた、独立した科学者のグループに評価して貰うよう私は提案したい。

Q: あなたの新刊書「Pandora’s Potatoes」は一般大衆は何処で入手できるのか? 

A: この本はアマゾンで入手できる。
<引用終了>


これで全文の仮訳が終了した。

非常に興味深い内容である。と同時に、大手企業の研究開発の現状は社会的に重大な問題を孕んでいることが容易に理解できる。

この著者は自分が開発してきたGMジャガイモの弱点を大っぴらに述べようとしている。これはGMジャガイモが大量栽培され、大量消費が始まった暁には深刻な問題が出てくることを予見するものであり、農家や一般大衆に警告を出そうとするものだ。個人的なレベルで恥や外聞を恐れて科学者としての専門知識を隠しているよりも、著者は自分の著書を通じてそれらの問題点を公表し、農家や一般大衆がより正しい判断をしてくれるよう警告したのだ。

この著者が到達した自己批判は一種の普遍性を持っている。『われわれはGM作物の「安全性を確認する」ためにさまざまな試験を行うが、「安全性を疑う」という姿勢などはまったくないのだ』という自覚は秀逸である。企業の研究開発部門という環境においては外部の世界との間に大なり小なり利害の不一致が生まれてくる。企業やそこで働く研究者が社会的責任を明確に自覚しない場合、社会にとっては悲劇が始まる。最終的にはその企業や研究者にとっても大きな不幸である。

GM作物に対する規制緩和に絡んだ現在の主要な問題点は政府の認可手順がGM作物を開発した企業から提出されるデータに依存し切っていることにある。利害の不一致が存在する。GM作物の安全性の評価に当たっては、意図してはいない影響を識別することに十分な訓練を受けた、独立した科学者のグループに評価して貰うよう私は提案したい」という著者の提言は常識的であり、非常に健全でもある。

現在米国で起こっているモンサント社を相手にした除草剤「ラウンドアップ」由来の非ホジキンリンパ腫の被害者による無数の損害賠償の請求訴訟はまさに現行の政府認可プロセスの欠陥から来たものであると言える。GMジャガイモにおいても、GMジャガイモの弱点や欠陥は何の検証も受けずに政府認可を受ける。最悪の場合、農家や一般消費者が被害を被ることになる。これらの状況はまったく同根である。企業側から得た情報を鵜呑みにして政府認可を与えるという手順は今や完全に破綻した。

私はジャガイモの専門家ではないので、正直言って、GMジャガイモがもたらす恐ろしさはいまひとつピンと来ないというもどかしさを感じてしまう。ポテトチップやフレンチフライを日常的に食べていることを考えると、このような食習慣を継続してもいいのかという疑念に駆られる。しかも、ジャガイモだけではなく、今や、トウモロコシや大豆、菜種、等、にも及び、GM作物は非常に広範に応用されている。われわれは、毎日、何種類ものGM食品を消費しているのが現状である。

GM作物の安全性について注意深く扱うことが必要だ。最近の諸々の知見を総合して考えると、慎重過ぎるなんてことはあり得ない。日頃から新しい知見を検索し、理解の深さや領域を更新しなければならない。特に、妊娠中のお母さん方や乳幼児を抱えるご家庭にとっては子供たちの将来の健康を大きく左右する問題である。

参照:
1The Creator of GMO Potatoes Reveals The Dangerous Truth - Exclusive Interview: By Sustainable Pulse, Oct/09/2018

 

 

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