2020年7月22日水曜日

「国家的な新型コロナテストに関する行動計画」 ー 全市民を軍事的コントロール下に置くための米国の計画


新型コロナを巡る米政府の政策は10年、20年といった長い期間にまたがる戦略を進めようとしているように見える。

新型コロナの大流行に関しては米国社会にとってかなり大きな脅威となることが今や極めて明らかだ。その事実を考慮すると、トランプ政権は新型コロナの大流行の当初はその危険性を過小評価することに専念していたとしか思えない。その後、ある時点で大きく舵を切ったが、皮肉なことに、米国は、今や、この新型コロナによって世界中でもっとも大きな影響を受けている。

Worldometerのデータによると、720日現在の全世界の感染者総数は1,474万人を超し、死者数は61万人を越した。その内で米国の感染者数は390万人を超し、死者数は14万人超となった。4月から5月のピーク時には毎日ニ千数百人が死亡していたが、現在は減少傾向を辿って、数百人から千人前後の死者数となっている。一方、世界全体では毎日の新規感染者数は増加しており、毎日約20万~25万人の新規感染者が報告されている。死者数は毎日3,000~5,000人前後で微増の傾向を見せている。

本論に入る前に、この大流行の前にはどのような情報が飛び交っていたのかに関して少し振り返っておこうと思う。

今回の新型コロナの大流行が起こる前にすでにさまざまな警告が出されていた。もっとも早い時期の警告は、私の知る限りでは、2008年で、もっとも最近のものは昨年の11月だ。それでは、古いものから順に並べて、どのような警告が出されていたのかを確認してみよう。

2008年:米諜報部門が報告書を提出し、感染性が高く、毒性の強い呼吸器系感染症が発生し、治療薬が無いことから世界中に大流行するであろうとの警告が出された。この警告は正確なものではあったが、対策を開始しようとする者は誰もいなかった。同報告書はH5N1鳥インフルエンザに類する感染症ウィルスが最大の可能性を持っていると指摘し、コロナウィルスまたは他のインフルエンザウィルスも同様の可能性を持っていると報告した。(出典:These US intel reports ACCURATELY PREDICTED pandemic years ago. Why was NOTHING done? By RT, Apr/14/2020

201716日:ペンタゴンは2017年の計画書の中で人工呼吸器やマスク、病院の集中治療用ベッドが不足することをホワイトハウスに報告した。しかしながら、トランプ政権は何も行動を起こさなかった。この報告書は感染症の大流行によって引き起こされる状況を詳細に記述しているが、それらのいくつかは今回の新型コロナの現状と見事に重なってくる。(出典:Exclusive: The Military Knew Years Ago That a Coronavirus Was ComingBy Ken KlippensteinTwitter, The Nation, Apr/01/2020

201857日:100年前に起こった1918年のインフルエンザの大流行を記念して、CDC(米疾病対策予防センター)が主催したアトランタでの会議に米国を代表する公衆衛生の専門家や指導者らが集合した。当時の世界人口は18億人で、それに比べると現在の世界人口はさらに60億人も増加している。たとえスペイン風邪よりも毒性が低いとしても、甚大な被害が予測される。中国の武漢で新型コロナが発生し、瞬く間に全世界へと広がった今回の大流行の2年前、この会議に集合した感染症や疫学の専門家たちは新たな大流行が何時起こっても不思議ではないことに気付いていた。彼らはこの上なく迷惑な出来事について予測し得る展開について話し合った。議長は「われわれは準備ができているのか」と問い掛け、自らそれに答えてこう言った。「準備はできていないと思う」と。この議長の言葉だけではなく、このシンポジウムでは連邦政府や州政府は新たな大流行に対して真剣な対応をしてはいないとの指摘が多く成された。非営利団体であるTrust for America's Healthの代表は次のような指摘をした。病気に倒れ仕事に出れなくても、給与が法的に保証されているのは六つの州とワシントンDCだけであって、米国のほとんどの州は大流行に対する準備は何もできてはいない。(出典:Two years before coronavirus, CDC warned of a coming pandemic: By Alexander Nazaryan, Yahoo News, Apr/02/2020

201911月:米諜報機関はイスラエル軍とNATOに対して、昨年の11月、コロナウィルスに関する早期警告を発していたとイスラエルのテレビ局「チャンネル12」が報じた。この報道は今年の416日のことであった。これは米国の医療関係の諜報専門家が先週この種の警告は無かったと否定した直後のことである。これとまったく同様の報道が米国ではABCテレビからも報じられた。それによると、ペンタゴンの医療関係諜報部門(NCMI)は昨年11月に作成された文書の中で中国の武漢で感染症の大流行が発生し、「悲惨な出来事」となるかも知れないと警告していたと報道したのである。しかし、この筋書きは NCMIのディレクターによって速やかに否定され、彼はそのような警告はNCMIからは発せられてはいないと主張した。(出典:Israeli TV says US intel warned IDF & NATO of coronavirus threat in NOVEMBER 2019, doubling down on claims dismissed by… US intel: By RT, Apr/17/2020)

特に最後のエピソードは注目に値する。

時系列的に出来事を並べてみると、WHOの中国事務所が武漢で肺炎が流行しているとの地元メディアの報告を取り上げ、WHOの本部へ報告したのは昨年の1231日のことであった。武漢に発生したクラスターに関する中国政府からのWHOへの公式連絡は今年の13日に行われた。しかしながら、その2カ月も前に米国の諜報機関は内部報告書で「中国の武漢で感染症の大流行が発生し、悲惨な出来事となるかも知れないと警告していた」と言う。しかし、いったいどうして武漢だと言えたのであろうか?私には何も断定的なことは言えないけれども、放火魔が消防署へ自分がよく知っている火事について報告する状況に酷似していると言えば言い過ぎであろうか。それとも、米メディアが得意とするフェークニュースだったのだろうか? 

もしも新型コロナの大流行が何らかの大きな意思によって、ととえば、ディープステーツによって前々から計画され、それが実行され、コントロールされているのだとすれば、相互に矛盾するさまざまな情報の多くはかく乱戦術の一部であって、今までは曖昧な情報としか受け取れなかったことさえもが大きなジグソーパズルの絵の中にぴたりと納まって来るように思えるのだ。 

最近、「国家的な新型コロナテストに関する行動計画 ー 全市民を軍事的コントロール下に置くための米国の計画」と題された記事に遭遇した。これはロックフェラー財団が発表したものである。それによると、この行動計画はその表題が示唆するような単なる公衆衛生に関する行動計画ではないことが分かる。(原題:USA Plan: Militarized Control of Population. The “National Covid-19 Testing Action Plan”: By Manlio Dinucci, Global Research, Jun/14/2020) 

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。 

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ロックフェラー財団は「国家的な新型コロナテストに関する行動計画」を発表し、「われわれの職場や自治体の機能を再開するための具体策」を提示した。しかしながら、これはその表題が示すような単なる公衆衛生に関する行動計画ではない。 

最高の権威を誇る大学のいくつか(たとえば、ハーヴァード、イエール、ジョンズ・ホプキンス、等)がこの提言に貢献しており、この計画は高度に階層的で軍事的な社会モデルを前もって示唆している。 

その頂点には「第二次世界大戦時に米国が設立した軍需生産委員会を髣髴とさせるようなパンデミック・テスト委員会」が設置される。

このパンデミック・テスト委員会は業界、政府および学会の指導者らによって構成される(政府の代表者らが最初にリストアップされているわけではなく、財務や経済に関する代表者がその重要度に応じて列記されている)。 

この最高レベルの委員会は、国防生産法によって戦時下の米大統領に付与された権限のように、生産や諸々の行動について決定権を有する。

この行動計画は毎週3百万人の米国市民を動員して新型コロナのテストを行い、この数値は6か月以内に毎週3千万人に増やすよう求められている。目標は一日に3億人のテストを実施することで、これを1年以内に実現するとしている。


それぞれの個別のテストには「適正な市場価格(たとえば、100ドル)の払い戻しをする」ものと期待される。こうして、公的資金から月に何十億ドルもの支出が必要となる。

ロックフェラー財団とその資金提供を行うパートナーは信用供与のためのネットワークを構築し、物資を供給する業者との契約に署名をする。業者とは医薬品や医療機器を製造する巨大企業である。

この行動計画によると、「パンデミックコントロール委員会」は「パンデミック対応部隊」を創設する権限が与えられ、これは10万~30万人もの要員を持った特殊部隊である(当然のことかも知れないが、海兵隊と同様にCorpsという用語が用いられている)。

これらの要員は(さまざまな国家を支援する目的で米政府によって組織化された)平和部隊やアメリコーのボランティアならびに州兵の隊員たちから募ることになろう。パンデミック対応部隊の要員は年俸として平均で約4万ドルが支給され、総額として毎年40120憶ドルの国家支出となる。

パンデミック対応部隊の任務は軍隊のようなテクニックを用いて遂行され、何にも増して国民を制御する仕事に専念することになる。デジタル追跡技術やデジタル識別システムが職場や学校、居住地域、公共施設、旅行先で用いられる。ロックフェラー財団が言うには、この種のシステムはアップルやグーグル、フェースブックによって構築される。

この行動計画によると、個人の健康や行動に関する情報については「可能な限り」機密が厳守される。しかしながら、個人情報はすべてが連邦政府と民間企業によって合同で集中管理される。パンデミックコントロール委員会が提供するデータに基づいて、どの地域について都市閉鎖を行うか、どれだけの期間にわたって都市閉鎖を継続するか、等が決定される。

要約すると、これはロックフェラー財団が米国で実施したい計画であり、その先は外国にも適用されるであろう。もしもこの計画がその一部でも実施されたならば、経済や政治の権力は今まで以上に限定されたエリートたちの手中に収められ、大多数の人々の基本的な民主主義的権利は台無しにされてしまうであろう。 

この計画は「新型コロナをコントロール下に置く」という美名の下で実施される。新型コロナの致死率は公式データによると米国の人口の0.03%以下である。ロックフェラー財団の行動計画においてはウィルスは実際に武器として扱われ、新型コロナ自体よりも遥かに危険である。 

* 

この記事の初出:Il Manifesto  

著者のプロフィール:マンリオ・ディヌッチは Centre for Research on Globalizationの研究員。掲載されている写真はChildren’s Health Defenseからの提供。 

この記事の出典はGlobal Research© Manlio Dinucci, Global Research, 2020 

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これで全文の仮訳が終了した。 

この引用記事の著者はこのロックフェラー財団の行動計画はその表題が示すような新型コロナに対する単なる公衆衛生に関する行動計画ではなく、その背景にはもっと大きな政治的思惑があると指摘している。非常に意味深である。 

そのことをさらに掘り下げてみよう。 

ロックフェラー財団のグローバル・ビジネス・ネットワーク部門は10年も前の20105月にひとつの報告書を公開した(原題:Scinarios for the Future of Technology and International Development)。それは近い将来におけるグロ-バル・ビジネスを描写しようとするものだ。さまざまなシナリオのひとつとして、次のような描写がある。「ハイテック機器やソフトウェアは先進国ばかりではなく、発展途上国においても将来の可能性を大きく変えるであろう」と述べている。ここまではわれわれ素人にとっても常識的に受け入れ易い見方であると言えよう。 

その報告書の18ページ目では、発行の年の2年後、つまり、2012年には新型インフルエンザの大流行が起こると想定して、起こり得る状況を記述している。しかし、そこに記述されている新型インフルエンザの大流行の様子はまさに最近起こった新型コロナの大流行そのものではないかと言えるほど酷似しているのである。ただし、流行の時点は20192020年ではなく2012年と想定され、ウィルスの発生源はコウモリ(注:必ずしもコウモリと断定されているわけではないが、ここではコウモリとしておこう・・・)ではなく野生のガチョウである。ところで、専門家の間には今回の新型コロナは通常の季節性インフルのひとつだとの指摘がある。逆説的に聞こえるかも知れないが、2010年の報告書が将来起こるかも知れない新型インフルの大流行がまさに今回全世界が経験した新型コロナの実際の姿と酷似しているとしても決して不思議ではないとも言える。その点はまあいいとしても、最後まで腑に落ちない点はこの2010年の報告書はあくまでも将来のビジネスチャンスを描こうとしている点だ。どうして私に納得できないのかと言うと、それは民間企業にとっての大きなビジネスチャンスと一部の政治家の野心とが重なった場合、往々にしてとんでもない事態が起こるという経験則があるからだ。 

遺伝子操作を施した農作物に除草剤に対する耐性を持たせ、農作物の種子とその除草剤とを一緒に販売し、大儲けをした米企業が辿った道を今誰もが思い起すに違いない。金儲けとあらば安全性のデータを誤魔化し、監視役の政府機関には金をばらまいてでも販売し続ける米国流ビジネスのことである。しかし、その米企業を買収したドイツの企業は今集団訴訟に見舞われており、巨額の損害賠償に対応しなければならない。資本主義社会には今とんでもない企業文化が横行している。一般大衆は不安を覚えるのは極めて正常で、不安を感じないのは異常だと言えるほどの昨今である。 

一般大衆の健康を如何に守るか、如何に準備をするかという議論ではなく、将来のビジネスチャンスという観点で見ると、米国のビジネスマンや彼らを支援し、将来の選挙での得票を確保したい政治家らが今回の新型コロナの大流行を金儲けの絶好の機会として見なしたとしても、それは特別の関心を呼ぶことは無いのかも知れない。何時ものことなのである。しかしながら、もっと覚めた言い方をすれば、新資本主義やネオグローバリズムといった金儲けに都合のいい経済理論が提出され、それらが横行する米国においてはこれは決して不可解なことではないのだ。そう考えると、季節性のインフルを新型コロナの大流行として喧伝し、その伝染性と毒性を大袈裟に報道することは金儲けのためには政府やメディアにとっては当然だという論理が成り立ってくる。ましてや、今年の11月には米大統領選が控えているので、関係者の騒ぎ方にはさらに拍車がかかる。 

ビジネスチャンスという観点からの米国における動きにはもうひとつの重要な要素がある、それはビル・ゲイツの動きである。5年ほど前にビル・ゲイツがTEDコンフェランスで喋った内容は将来の感染症の大流行のためにはワクチンの準備を行わなければならないという内容である。最近はわれわれ素人でも知ることになった事実のひとつはビル・ゲイツが新型コロナのためのワクチンの開発プロジェクトに資金を提供しているという点だ。彼は世界でも指折りの超富豪であるから人道的な観点からこういったプロジェクトに関心を寄せてくれることは何の不思議でもなく、むしろ賞賛すべきことであろう。私も最初はそう思っていた。しかしながら、いくつもの要素を集めてみると、そこには大きな構図が浮かび上がって来る。新型コロナに対するワクチンの開発は絶好の金儲けの機会として新型コロナの大流行を捉えようとする彼の姿が見え隠れする。季節性のインフルと致死率がそれ程も変わらない新型コロナを特別に恐ろしい感染症として誇大宣伝しているメディアの姿はその典型的な行動であると言えるのではないか。これは私だけの穿った見方であろうか? 

ビル・ゲイツの最近の言葉(今年の318日の記事。原題:Bill Gates Calls For National Tracking System For Coronavirus During Reddit AMA)と今回の引用記事でご紹介したロックフェラー財団の行動計画とにはひとつの共通項がある。ロックフェラー財団はデジタル追跡システム(Digital Tracking System)を推奨し、ビル・ゲイツは韓国が採用した国家追跡システム(National Tracking System)が必要だと言う。韓国型のデジタル追跡システムはスマートシティとGPS追跡およびクレジットカードの三つの要素を組み合わせて、個人の接触相手を10分間で割り出せるという画期的なシステムだ。これが威力を発揮し、韓国は新型コロナの感染を抑え込むことに見事に成功したと言われている。韓国の追跡システムはあくまでも一時的な使用に限られ、新型コロナの大流行が収束した時点でこれは破棄され、個人情報の流失が起こらないよう配慮されているとのことだ。 

しかしながら、ビル・ゲイツの言動を調べてみると、人道的な貢献という仮面をかぶってはいるが、金儲けが彼の行動の動機となっていることが見え隠れする。このことを指摘するブログが最近現れた。われわれ一般大衆がビル・ゲイツに対して感じる危惧や不信感を率直に論じている(原題:Wayne Dupree: Vaccine for thee but not for me. Here’s why I don’t trust any rushed shots: By RT, Jul/21/2020)。現状がよく分かっている米国人にとっては大問題である。彼の言い分を抜粋すると下記のような具合だ。 

開発されたワクチンが使用開始となったら何が起こるか?この11月の大統領選の結果誰が大統領になったとしても、新政府は皆がワクチンを接種するよう推奨することであろう。接種しないと職場には復帰することができず、あなたの子供たちは登校することさえもできないのか?商店は接種してはいないお客さんの入店を断るのだろうか?将来起こるかも知れない集団訴訟を考えてみたまえ。上院の指導者であるミッチ・マコーミックが業界には訴訟沙汰に対応する義務を免除する法案を準備しようとしているが、その理由は、多分、この点にあるのだ。市場へ投入してからの医薬品の回収や撤退は過去に数多く起こった。米食品医薬品局は薬品の開発における賭けでは必ずしも好成績を残しているわけではいない。このブログを書けば書くほど、私の憤りは大きくなるばかりだ。97%以上もの生存率が確認されている「新型コロナウィルス」に対して6か月かそこらの短期間で開発されたワクチンを私は喜んで接種したいと思うであろうか?ビル・ゲイツは「新世界秩序」を標榜する連中のひとりであると私は思う。マイクロチップをワクチンの接種と一緒に行うであろうと数多くの人たちが推測している。あなたがそのことを信じようが信じまいが、私にはひとつのことについて確信がある。彼は人道的な貢献をするという仮面をかぶってはいるけれども、彼の心底には金儲けが見え隠れする。彼の会社は市場に提供したソフトウェアの更新を何度も行っていながらも、そのソフトウェアの不具合を完全には解決することができなかった。その彼がコロナウィルスの大流行を食い止めると言っている。いったい誰がこれを信用するのであろうか?短期的あるいは中期的な副作用があるのかどうかについては、米議会の議員たちが最初に自ら進んで接種を受けて証明するべきである。 

結局のところ、今や米政府に対する一般市民の信頼感は極めて低く、国内が極端に分断されている米国ではワクチンの開発と接種がうまく運用されるかどうかは極めて不透明であると思われる。

はたしてどんな展開が待っているのであろうか?今後報告される知見を注視して行きたいと思う。






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