新型コロナウィルスの大流行に関する大手メディアの報道には不可解な事柄が多い。
重症者の命を救うという最大級の使命は中国に対する米国の地政学的な対応によってハイジャックされてしまった。それ以降、これらの極めて不可解な事態は今も連綿と続いている。新型コロナウィルスによって世界をまたとない金儲けの場として捉えようとする大手製薬企業によって全世界が翻弄されている。少なくとも私にはそんな風に見えて仕方がない。
8月16日の報告で「新型コロナをめぐる五つの謎がバレてしまった!世界中を捉えて離さない恐怖の扇動やプロパガンダ、真っ赤な嘘が見え見え」と題された記事がここにある(注1)。日頃から私が感じてきたことをより詳細に掘り下げ、五つの項目について纏めて報告している。
本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。
▼
科学者や政治家ならびに大手メディアが新型コロナに関して一般大衆に向けて喧伝して来た内容は実に衝撃的である。これは新型コロナ自身よりも遥かに大きな害をもたらした。不可思議で、矛盾だらけで、あからさまに滑稽とも言える数多くの謎を解き明かしてみようではないか。
事前の警告!もしもあなたが新型コロナの公的な説明に関して何の疑義をも挟まず、忠実な信奉者であって、マスクを付けて庭先へ出なければならないような事態が来るよりも先に新型コロナ用ワクチンが現れるのを臆病に待ちわびているのであれば、この記事は飛ばしていただきたい。
いや、むしろこの記事を読んで欲しいのだが、この記事を好きになることは期待しないで貰いたい。第一の原理から言えば、ここでだけ論理的な思考をするという想定には行き場所なって何処にもないからだ。私のただひとつの目標は大手メディアと政治家が拡散して来た巨大な謎をバラすことだ。
あなた方がもしも私が言うことを聞いてくれるならば、あなた方には心からのご挨拶をお送りしようと思う。開放的な精神を保有する人たちがわれわれの間にも何人かは残っているのだと言えるだろう。
第1の謎:ウィルスの伝播を遅延させることはいいことだ
これは新型コロナに関する世界中の対応策の基本を成す命題であって、その他の策はすべてがこれを中心にして展開している。しかし、ウィルスの感染が急速に広がるのを遅延させなければならないという考えは、人命を救うという当面の狭い視野からの見解についてさえも実は確立されてはいないのである。
ウィルスの拡散を遅延させることは、当初、医療サービスを維持するための策として提示された。もしも誰もが一度に罹患すれば、病院は満杯となってパンクしてしまい、患者たちは駐車場で担架に乗ったまま死亡することになるだろう。「曲線を平坦化する」という言葉をご記憶だろうか?新型コロナの伝播は避けられないのであるから、長い時間にわたって平坦化することによって、酸素マスクや人工呼吸器を使った医療サービスを提供することにより人々を救うことが可能となる。
高貴な考え方である。しかし、実際には間違った方向へと導かれてしまった。ほとんどの病院では大流行の間何ヵ月にもわたって空だった。咳をし続ける新型コロナの患者が到来することに備えるために、新型コロナの患者以外のすべては一時待機とされた。結局、新型コロナ患者の襲来はついぞ起こらなかった。集中治療室が満杯になることは稀で、新型コロナによってもっともリスクが高い患者には人工呼吸器や集中治療室は必ずしも適切ではないことが速やかに判明した。実際の死亡例を見ると、集中治療室で死亡した人達は少数派であった。他の余病を持った老人たちには通常の病棟での治療がもっとも適切であった。
RT.COMからの関連記事:More evidence emerges of inflated Covid-19 fatality rates – are we being intimidated?
つまり、「曲線を平坦化する」という考えは救いようがない計画であった。しかし、コロナウィルスの伝播をとにかく遅延させようという考えは必ずしも理に適ってはいないのではないか?新型コロナに感染したならば死ぬかも知れないと考える人達の場合、それが意味を持つのはワクチンが開発されるまではウィルスを回避することが可能となる場合だけだ。もしもウィルスに感染してはいない高リスクの人たちが噂のワクチンを待ちたいとするならば、自分の意図に関してはより以上に率直であるべきだと思う。なぜならば、率直な態度を取り得ないならば、本件については何の意味もないからである。
加えるに、誰かにウィルスを伝播することは皆にとってはいいことだとする理論が少なくともひとつは存在する。ウィルスの進化理論によると、呼吸器系ウィルスが伝播すると、そのウィルスはだんだん毒性を失っていく。成功裏に生き残って行くウィルスは毒性が少ない種類である。将来の宿主へ伝播する前に現在の宿主を殺してしまっては元も子もないからだ。集団免疫はこのような文脈においてのみ機能する。これはウィルス自体の変化に関わるものなのだ。これとは対照的に、都市閉鎖を行った場合、ウィルスはその先へ行くことができなくなる。毒性が少なくなる代わりに、最強力の種類のウィルスのすべてが老人ホームや病院といった病人が多くいる場所に集まってしまう。このウィルスは伝染性を増していると報じるニュースを聞いた。これこそが私がこのニュースを喜んで受け入れた理由だ。つまり、このウィルスは少なくとも健康な人たちの間では自由に伝播させた方が良いのだ。
第2の謎:都市閉鎖は伝播を遅延させる
しかしながら、当面は、その方が良いというわけではないとしておこう。なぜならば、感染の伝播は悪であるという基本的な前提を抜きにしては、議論が簡単に反転し兼ねないからだ。感染の急上昇は心配事ではなく、むしろ安堵感をもたらす。もしも、これらのことがうまく作用すれば、マスクは非生産的な存在となる。これはすべてが本当だと私は言っているわけではないけれども、少なくとも伝統的な理論から言えばこのような帰結になると考えられる。
しかし、もしもご自分の不審の念を投げ捨てて、ウィルスの伝播を阻止することは有用であると想像するならば、都市閉鎖こそがその目的を果たしてくれるものだと想定したとしても、それは仕方がない。でも、都市閉鎖がしたたかなウィルスに対して問題を引きおこしてくれると示唆するような事実は何もなく、ましてや証拠なんて何もないのだ。
もしも都市閉鎖が部分的にでも役目を果たしたとするならば、それぞれ違った形で各国によって実施されてきた都市閉鎖の間には何らかの相関性が観察されることであろう。さらには、死者数の曲線についても同様だ。しかし、実際には何の相関性も見られないのだ。ベルギーや英国およびニューヨークでは厳しい都市閉鎖が実施された。しかしながら、おびただしい数の死者が出た。スウェーデンや日本およびウルグアイでは軽度の都市閉鎖が実施されるか、都市閉鎖はまったく実施されなかった。それにもかかわらず、死者数は少なかった。まったく矛盾した事例を指摘することができるのだが、それはまさに重要な論点である。つまり、一貫性はまったくないのだ。そして、個々の国の事例に関して「文化の違い」や「より良好な試験の仕方」等で説明しようとしても、相関性は見当たらない。
簡単に言えば、ウィルスを阻止するために各国政府が採用した対応策が何らかの実効を示したと指摘する根拠は何も見当たらないのだ。都市閉鎖は物置の中に見い出せる最大の道具であるかも知れないが、この道具は依然として不完全極まりない。
第3の謎:接触者を追跡することが解決策である
大流行の始めには、ドイツや韓国といった素晴らしい追跡能力を持った国々と大流行に対応する能力との間には何らかの繋がりがあると誰もが思った。もちろん、追跡能力そのものは新型コロナの患者を治癒する力を持ってはいない。包括的な試験を実施することに何らかの積極的な効果があると思われたのは何故なのかに関しては依然として誰にも分からない。
とは言え、それは西側の政府が接触者を追跡するアプリやプログラムを用いて東アジアの社会を模倣しようとする哀れな試みを止めさせるまでにはならなかった。かなりのプロパガンダが行われたにもかかわらず、これらはすべてが惨めな失敗に終わった。すでに最盛期から何ヵ月も過ぎていたことから、症状を持った患者はもう多くはなく、失敗に終わったのである。
接触者の追跡を強化しようとする8月の試みは馬が逃げ出した後になって納屋の戸を閉めるような状況であった。しかし、ただそれだけではなく、さらにその先にまでも及ぶ。この馬はもう大分前に逃げ出したが、今はその子孫らが地方で暴れまわっている。その一方で、ますます複雑になって、金がかかる戸閉まりの仕掛けに多くの資源を投入しようとして、農民たちは家計を台無しにしてしまう。
RT.COMからの関連記事: Trust the experts and take your pills, citizen! Meet the nerd who wants to force-feed you ‘morality pills’ to beat Covid
第4の謎:黒人・アジア人・少数民族はリスクが高い
黒人・アジア人・少数民族にとっては、特定の民族や他の少数民族を統計に盛り込むことは新型コロナの大流行によって最悪の事態となった。もちろん、ウィルスは人種差別をする。何だってそうだ。感染者や死者を職業別に分け、次にその割合を全人口中の構成比率と比較する。疑いようもなく、黒人・アジア人・少数民族の人たちはそういった確率の議論では過剰に代表されてしまう。
しかし、そのリスクは母集団のレベルでの話であって、ほとんどの事例は肥満や糖尿病、その他の並存疾患、等の媒介因子によって説明がつき、ある母集団では他の母集団よりも多く蔓延する。もしもあなたが80歳代であって、肥満で、病気勝ちであれば、あなたがどんな人種に属するかには関係なく、あなたはウィルスへの感染を心配するべきだ。同様に、もしも60歳未満であって、健康体であるならば、人種には関係なく、ウィルスに感染して死亡するよりもむしろ雷に打たれて死亡する可能性の方が高い。次のような提言が現れた。これは単なる提言ではあるのだが、黒人の場合はビタミンDのレベルが低いが、このことが絡んでいると言う。しかし、それは人種による差異を説明するものではない。
統計の基本的な観点からは、何人かのプロスポーツ選手は自分のスポーツに復帰できるかどうかが懸念されるといった話は馬鹿馬鹿しい限りだ。実際問題として、私はトロイ・ディーニーのような選手を気の毒に思う。(ワトフォード・フットボールクラブによって格下げさせられたという理由からではなく、)科学的な知見に乏しかったことから、彼は恐怖にかられたのである。黒人・アジア人・少数民族であっても、健康な若者は彼自身が感染のリスクが高いと考える理由なんて何もありはしない。しかし、恐怖心が故にパワーを絞り出してしまう社会によって彼はそう思い込まされてしまったのである。
第5の謎:学校は再開し、パブは閉じる
何とまあ腐りきっているのだろうか。この虚偽に満ちた交換条件を提案した人物は、たとえ公僕としての見返りはそれ程手にすることにはならないにしても、ボードゲームのデザインにおいては素晴らしい成果を築き上げることになるのではないか。端的に言って、これは作り話であって、しかも、捨て去るには難しい代物である。むしろ、目には見えない妖精が存在しているかのようでさえある。
その気になりさえすれば、パブを開き、学校も開くことができるのではないか?しかしながら、2週間後には死者の「第2波」が現れるかも知れないと考えてしまう。5月に警告が発せられた例の第2波のことだ。そして、6月にも。さらには、7月にも。最近の2週間になって初めて、WHOはついに自分たちの夢を諦めて、「ひとつの巨大な波」へとストーリーを変更した。これはもはや同じ競技ルールではない。しかしながら、第2波というフィクションは記憶から消え失せたわけではなく、これはわれわれの残された自由をさらに攻撃することによって必要に応じて威力を発揮するために登場させることが可能なのだ。
RT.COMからの関連記事:As Russia announces coronavirus vaccine, mainstream media suddenly discovers the meaning of skepticism
私が出来ることは死者が急増する第2波は決して起こらないであろうと推測することにあるが、4月以降私が言いたかったことは正しいことが実証されて来た。それとは対照的に、支配者層は繰り返して間違いを起こしている。だが、彼らは決して説明しようとはしない。彼らは予測を変更し、一週間前に自分たちが言ったことは誰もが忘れてくれることを願う始末である。マスクはするな。仕事場へは出かけるな。仕事に行け。でも、公共の交通機関は使うな。公共交通機関を使う場合は、マスクを使え。このような混乱は偶々起こったなんて考えないで貰いたい。
これは計画の一部でさえあるのだ。混乱した人々はコントロール下に置くのが容易いからだ。
より大きな嘘:
「とてつもなく大きな嘘をつき、それを繰り返して言えば、人々は最終的にそれを信じるようになる」と言ったのはジョセフ・ゲッベルスだったかと思う。これは決して陳腐化することがない言葉だ。つまり、嘘の大きさには際限がないようだし、嘘の数についても際限はないようだ。
仮説が予測を生み出し、それらの予測が正しいと実証されれば、それらは最終的にはひとつの理論となる。アインシュタインは世界中で歓迎されている。なぜならば、彼はブラックホールに関して予測をし、ブラックホールの存在はほぼ一世紀後に証明されたからである。今回の大流行の性格に関して予測を立てようとして、数多くの優れた人たちはエリートたちの取り巻きからヘドロを浴びせられ、中傷を受け、自ら危険な目に曝された。しかし、彼らの説が正しいことが判明すると、エリートの取り巻き連中の言い分はさっさと消えて行った。
それとは対照的に、ニール・ファーガソンが再び担ぎ出され、第二波を主張する連中は「もう二週間待ってみよう」と言い続けている。このような状況はいったい何時になった終わるのだろうか?決して終わることはないであろう。われわれが考えを完全に変えるまでは終わりそうもないのだ。論理および理性は機能しなかった。今や、新しいアプローチを試す時がやってきたと言えよう。
注:この記事で述べられている主張や見解および意見は全面的に著者のものであって、必ずしもRTの見解や意見ではありません。
著者のプロフィール:ピーター・アンドリュースはアイルランド人の科学を専門とするジャーナリストであって、ロンドンに在住。彼は生命科学を専門とし、グラスゴー大学から遺伝学の学位を取得している。
▼
これで全文の仮訳が終了した。
五つの謎を取り上げ、それぞれの謎に関して詳しく議論をしている著者に敬意を表したいと思う。新型コロナ危機はまだまだ続いているだけに、こうした議論は建設的である。積極的に継続して行かなければならない。
ここに六つ目の謎を追加してみたい。最近の記事によると、英国政府の保健部門の高官がマスクの効能を疑うと発言した(注2)。マスクの効能については新型コロナの大流行が始まった頃、つまり、半年ほど前、すでに同様の主張がある専門家から提言されていたのを今思い出す。しかしながら、メデイアの大合唱によってそれはかき消されてしまった。
要は、通常の季節性のインフルエンザは科学的に究明されてはいないが故に、マスクの効能自体についてさえも正確な議論を進めることができないままでいるのが現状であると言えよう。
参照:
注1:The five biggest coronavirus myths BUSTED! Exposing the fear mongering, propaganda and outright lies that are plaguing the world: By Peter Andrews, RT, Aug/16/2020, https://on.rt.com/ao9j
注2:Evidence that masks protect from Covid ‘not very strong in either direction,’ says UK’s deputy chief medical officer: By RT, Aug/29/2020, https://on.rt.com/apd1
0 件のコメント:
コメントを投稿