2016年3月30日水曜日

まったくお門違いの勝利 - 米軍の現状



ドミトリー・オルロフというロシア系米国人のブログが面白い。このブログでも彼のブログをみなさんにご紹介したことがある。「米国の財政的破綻が戦争をもたらす」という表題で昨年の54日に掲載した。あの投稿は人気があって、今も多くの皆さんに読んでいただいている。

彼の気鋭に満ちたブログは、もちろん、その後も続いている。最近の投稿として「まったくお門違いの勝利」と題された論考がある [1]

米国の軍事予算は巨額で、他を圧倒している。この論考は自慢気に吹聴する軍産複合体やメディアを戒める格好の内容となっている。例によって、手厳しい批判があちこちに見られる。彼の鋭い批判精神はここでも米軍の巨大化を許してしまった米国社会の矛盾を小気味よく指摘する。言われてみると、素人にも合点がいくのである。

今日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんにお届けしようと思う。


<引用開始>

米国の軍事費は他国を何カ国も束にしても比較にはならないほど大きいと言う事実については誰もが何回となく聞いている。通常、これは米国が軍事的には他の国を遥かに凌ぐ強国であることの証拠として引用される。ずば抜けて強国であることから、多分、地球上の他の国のすべてを相手にして全世界に君臨することさえも可能であると思わせる程だ。しかし、私はこのような見方は非常に疑問だと考える。米国はいったいどのような種類の「国防」に金を注ぎ込んでいるのか、そして、軍事的能力の観点からその見返りとしていったい何を実現しているのかを詳しく調べてみると、まったく違った姿が浮かび上がって来る。つまり、汚職がまん延し、失敗ばかりを繰り返すこの巨大な海獣はいたる所で自分たちの目標を挫折させているのである。

まずは、軍事費を比べることによって相対的な軍事力を評価するのは個々の競争馬がどれだけ餌を食べるかによって馬券を買うようなものではないか。確かに、馬は餌を食べなければならない。しかし、他のどの馬に比べても10倍も多く餌を食べる馬は、多分、一着でゴールインするようなことはないだろう。何故かって?この論理には深刻な間違いがあるからだ。

次に、米国の軍事費のために米国内で消費される1ドルはロシアや中国で消費された1ドルに相当するルーブルや元とは直接比較することはできないという現実を考えてみよう。購買力平価の観点で比較すると、同じ1ドルでもその価値の比率は51、あるいは、101となろう。もしもロシアが同じ出費で10倍にも見合う価値を購入することができるとしたら、米軍がどれだけの量を呑み込むかに基づいて推算された米国の軍事的優位性はあえなく消え去ってしまう。

また、米軍は他の国々とは違った目標を持っているという事実を見失うことがないようにしなければならない。米軍の目標は防衛にあるのではなく、むしろ、侵攻することにある。米軍は全世界に君臨し、各国を支配することを目指している。米国以外の国々はすべてが自国の領土を防衛することに専念している。そして、幾つかの国は米国が全世界に君臨し、支配しようとする野心を阻止しようともしている。

一般に、目標が非現実的である場合、その目標を達成するためにいくら浪費したとしても問題とはならない。もっと具体的に言うと、何かをうまく作動するように状況を改善するよりも、それを壊してしまう方が遥かに安上がりである。たとえ無力化のためにどれだけの費用を注ぎ込んだとしても、米軍は無力化した方が遥かに安上がりだ。たとえば、ニミッツ級の空母のコストは50億ドル前後となる。その一方、1200キロも離れた場所に位置する漁船のようにちっぽけな艦艇から発射され、空母を破壊することが可能なロシアのカリブル巡航ミサイルは比較にならないほどに安価だ。1基当たり120万ドルである。これらの数値を視点に物事を考えると、年間軍事訓練費の枠を超過することもなく、ロシアは米空母を一掃することが可能である。

米国が何らかの軍事目標を達成するために実際に金を注ぎ込もうとする場合、これは重要になって来る。米国の防衛関連の支配者集団が自慢するためのプロジェクトや超高価で、かつ、技術的にも心配の種となるような代物に軍事費のほとんどを注ぎ込む限り、米軍の状況はもうまったく問題外となってしまう。しかし、このような状況が今現実のものとなっているのである。


ここで、米国が実際に軍事費を何のために費やしているのかを見てみよう: 

― 米国は世界中で何百カ所もの軍事基地に金を注ぎ込んでいる。これらの軍事基地はいったい何のためにあるのだろうか?軍事基地の存在はいったい何を実現するというのだろうか?それは誰にも分からない。軍事基地はすべてが外国からの「脅威」を評価し、それに対応する米軍の「活動」の一部であると考えられている。しかしながら、それらの脅威の殆んどは純粋に理論の枠を出ないものばかりである。地球上のあらゆる地点を米軍基地を抜きにしては済ませられないと考えることは非理性的な衝動に過ぎない。ほとんどの場合、資源の浪費でしかない。 

― 米国は数多くの空母に金を注ぎ込んでいる。これらの空母は自衛能力のない国々へ侵攻する際には非常に有用である。しかし、中国やロシアならびにイランが介入し得る地域においては、これらの空母を武力衝突が起こり得る領域の外に配置しておくことが非常に重要となる。これらの国々は何種類かの費用効率が非常に高い手段を有しており、空母に対抗することができるからである。たとえば、弾道ミサイル、超音速巡航ミサイル、超音速魚雷 [訳注:原文では「超音速魚雷」と記述しているが、これは「スーパーキャビテーションを活用した高速魚雷」のことを指しているのではないだろうか]、等である。すべての空母船団は完全に時代遅れであり、空母に金を注ぎ込むことは膨大な浪費でしかない。

― 米国は「イージス戦闘システム」にお金を注ぎ込んでいる。このシステムは最先端技術であり、数多くの巡洋艦や駆逐艦に搭載されている。しかし、問題がひとつ存在する。ロシア軍が最近実証してくれたように、このイージス・システムを無効にすることはいとも簡単である。ロケットやミサイルは何も実装してはいないロシアのジェット爆撃機が米海軍の軍艦を無力化し、その上空を何度も飛行し、模擬爆撃を行ったのである。 [訳注:これは黒海へ入って来た米駆逐艦「ドナルド・クック」のことを指している。この出来事に関しては、20141121日に投稿した「
手も足も出なかった! - 黒海で米ミサイル駆逐艦「ドナルド・クック」を恐怖に陥れたのは何だったのか?」を参照願いたい。]

― 米国は大失敗に終わるようなさまざまな開発プロジェクトに金を注ぎ込んでいる。古典的な事例はロナルド・リーガン政権の頃の「スター・ウオーズ」と名付けられた戦略的防衛構想である。結局のところ、この構想は戦略的に有用なことは何も産み出さなかった。他にも事例を挙げるとすれば、最近の事例としてはF-35ジョイント・ストライカー戦闘機がある。この戦闘機は開発に1兆ドルもかかっている。同戦闘機はさまざまな用途に供されるとされてはいたが、それらの用途のどれをとっても役に立たないことが判明している。

このリストは実際には際限なく続くが、上記の事例だけから判断しても基本的な原理を明らかにしてくれる。すなわち、うまく行かない物事に金を注ぎ込むだけでは米国を軍事大国にしてはくれない。

次に、国防に金を注ぎ込む米国のやり方に注目してみよう。米国は軍需契約企業に支払いを行う。これらの契約者は高利益を生み出そうとする公開企業である。これらの軍需関連の契約企業は国防費用の支払いに見合うだけの価値を納入することに興味があるわけではない。彼らは各企業の株主のために如何に利潤を挙げるかについてのみ興味を抱いているのである。これは民間企業のすべてに課された至上命令である。したがって、軍需関連の費用の3分の1強は企業の利潤として吸い上げられると言っても間違いではない。この金は数多くの輩の私腹を肥やすかも知れない。しかし、そのこと自体は軍事目標とはまったく関係がない。

また、実際にはかなり多くの金が着服されるという事実に留意して欲しい。ペンタゴンは数十年にもわたって会計監査を受けたことがなく、説明のつかない額は何十憶ドルにも達する。防衛関連支出のかなりの部分がさまざまな形で米議会の議員のための政治献金としてリサイクルされ、議員らは防衛関連予算の増加にこぞって賛成票を投じる。また、防衛関連の契約企業は退役した将官らに途方もない額のコンサルタント料を支払う。これは現実には一種の繰延給与である。彼らは職責にある間ずっと防衛関連企業のために働き続けるが、退役してから初めて給与を手にするのである。このような仕組みやこれ以外の無数の仕組みを通して国防予算の内でいったいどれほどの額の金が動いているのだろうか?詳細は誰にも分からない。米軍の支配者層はこの地球上に見られる汚職集団の中では最大級であると思われる。

たまたま有用な防衛システムの開発に使われることになった僅かばかりの金は乗り越えられそうもない厳しい問題に直面する。それは頭脳の欠如だ。ご存知のように、今や、米国は世代を通じて科学や数学の分野で後塵を拝している。また、他の分野についても然りである。米国には優秀な大学や研究所が幾つもあり、最優秀の技術専門家が輩出されてはいるのだが、多くの場合彼らは外国からやって来た留学生たちである。科学や工学分野では米国人学生は少数派である。

多くの科学の分野ではこのことが問題視されることはまずない。米国では外国生まれの専門家を雇い入れることはごく普通の事であるからだ。しかし、何と言っても、国防の領域は別格である。優れた業績を達成するには米国生まれの才能、または、誠実さや道徳心が必要となる。しかし、率直に言って、そう簡単には手に入らない。こうして、防衛産業の企業は防衛に関係のない企業への就職ができなかった米国生まれの大男たちを雇い入れることになる。国防省でも、同様に、頭の鈍い連中が配属されている。彼らの多くはカフェインをたっぷりと取り込み、健康マニアだ [訳注:「しかし、彼らの頭は空っぽだ」と著者は言いたいようではあるが、明言を避けている!?]。彼らは忙しそうにそこいら中を走り回り、次の昇進を待ち続け、上司の言う事については批判をしようとはせず、上司の命令が如何に馬鹿らしくても命令には背かない。真剣に考え過ぎることなんて皆目ない。このようなシステムではいったい何が起こるのだろうか。大失敗が起こる。それが現実の姿である。

これこそが我々が実際に目にしていることだ。この一連の大失敗は低減されることはない。長い間、米国は軍事的には非常に弱い敵国ばかりを相手にしてきた。これらの軍事作戦では米国は破壊行為をすることには非常に有能であることを実証してくれたが、無数の民間人犠牲者を出し、イスラム国の誕生というまったく考えてもみなかった結果を招いた。それだけだ。

批判的に言うと、和平を勝ち取ることにはまったく不能であることが判明したのである。そもそも、軍事作戦の最終目標は如何なる場合であっても停戦を好条件で実現することにある。もしもこの目標が達成出来ないならば、その軍事作戦は無用の長物よりも遥かに性質が悪い。米国が侵攻した国、つまり、アフガニスタンやイラク、リビア、イエメン、シリアならびにウクライナ、等において米国は停戦を好条件で実現したことがあっただろうか?一度もない!

米国の国防関係者のお偉方はある特定の面においてのみ立派な勝者であることを示した。彼らは米国の一般大衆を征服し、彼らを従属させ、彼らからは多くの賛辞を受けている。しかし、軍組織は純粋な寄生虫である。何の有用な目標もない。米軍は解体すべきである。隣人に立ち向かうことに関して言えば、メキシコが軍事的に米国南西部のいくつかの州の奪還を決心した場合には、テキサス州兵がメキシコ連邦軍とよくつり合う対戦相手となることだろう。しかしながら、この奪還作戦は人口統計的な面において既成の事実として非常に巧妙に進行していることから、武力に訴える必要性はなさそうだ。一方、北部の国境地帯においては、カナダが軍事的に侵攻して来るという脅威は考えられないことから、国境を防護する必要はまったくない。

もちろん、米国が自発的に米軍を解体することについては代替案もある。つまり、それは聡明でコスト感覚の高い敵国の手によって大敗を喫することだ。これは屈辱的な軍事的敗北を意味する。しかしながら、この取り組み方は核戦争を招く危険性をはらんでいる。核爆発は自分たちの余命を著しく損なうかも知れないとの懸念を抱く米政府の高官らはこの自発的な対処については慎重に考えてみるべきであろう。

追記: 我々は誰もが「米軍を応援するべきである」と考えることから、多くの人たちは私が述べた批判や提案は「非愛国的」であると見なすことだろう。しかし、これらの批判や提案は兵卒たちとは何の関係もないことであるから、安心をして欲しい。彼らは巨額な調達の可否を決定するわけでもなく、自分たちの使命を選択するわけでもない。愛国心について言えば、国民のために奉仕し、国民を守ることこそが兵卒たちが遂行を誓う愛国的な職務であって、それ以外の何物でもない。もしもあなたが愛国者でありたいならば、あなたも国民に奉仕し、国民を守ることが可能だ。特に、兵卒たちをだ。(何故かと言うと、彼らも国民のひとりであるからだ。そのことを忘れないで欲しい。)彼らを無事に故国へ帰還させ、何か有用なことをする民間の仕事に就かせることによって、少なくとも世界に対して、あるいは、国家財政や環境、健康、名声、あるいは、安全保障に危害を及ぼすことがないようにしたいものである。


ドミトリー・オルロフのプロフィール: レニングラードに生まれ、1970年代に米国へ移住。著書としては、「Reinventing Collapse」、「Hold Your Applause!」および「Absolutely Positive」があり、非常に人気が高いブログwww.ClubOrlov.com を毎週発行している。

<引用終了>


これで仮訳は終了した。

この著者の書き物は読者をニヤッとさせることもあり、個々のテーマについて深く考えさせたりする。彼の記事を読むと、日頃は曖昧模糊としていた数多くの事象が結びついて来て、突然明快な全体像を見せてくれるから不思議だ。

「批判的に言うと、和平を勝ち取ることにはまったく不能であることが判明したのである。そもそも、軍事作戦の最終目標は如何なる場合であっても停戦を好条件で実現することにある。もしもこの目標が達成出来ないならば、その軍事作戦は無用の長物よりも遥かに性質が悪い・・・」という著者の指摘は実に興味深い。単純明快にして、実に見事だ。この明快な認識がこの著者に「米軍は解体すべきだ」と言わせているのだろう。他には答がない。
昨年、米国防省は報告書を発行した(2015 F-35 test report)。 今年の39日の記事 [2] によると、F-35は依然として大混乱の状態にあり、最大の問題は当初の性能が実現しそうもないという点である。しかも、開発費の予算超過だけではなく、予定のスケジュールよりも大きく遅延している。

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また、上記に引用した記事にはロシア海軍がカスピ海から巡航ミサイルを発射して、イランやイラクの上空を横切って、1500キロも離れたシリア国内のテロ集団の拠点を爆撃した事例が引用されている。

米国ではこのロシア海軍の成果は形勢を一変させるものであるとして受け止められている。何が驚きであったかと言うと、この長距離巡航ミサイルが非常に高精度であるという点だ。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の専門家はこれは米国にとっては脅威となる、と述べている。巡航ミサイルには2種類あって、最長攻撃距離は3000キロだという。カスピ海を拠点にした軍艦の場合、地中海やアラビア半島およびペルシャ湾をその射程距離圏内におさめることが可能となる。長距離爆撃機と巡航ミサイルとを組み合わせると、ロシア軍機はロシア領から外へ出ることもなく、米本土を爆撃することが可能となるのである。

もうひとつの驚きはこの巡航ミサイル攻撃に使われた艦艇は米国の常識から言えば非常に小さな艦艇であるという点だ。4艘の小型の艦艇で構成された艦隊が見事な成果をあげたのである。要するに、排水量が950トンそこそこのコルベット艦の製造コストは大幅に小さくなる。この種の概念は米国にも存在してはいたが、結局、陽の目を見ることはなかった。今回のロシア海軍の成果を見て、米海軍は自分たちの非力さ、あるいは、先見の明の無さについて恥じなければならないといった指摘も出ている。


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米空母が持つ脆弱性について再確認をしておこう。昨年の1014日に発行された記事 [3] の一部を下記に仮訳してみる(斜体で示す):

メキシコの日刊紙Le Jornadaのハリフェ・ラーメはモスクワ在住の政治分析の専門家であるロスティスラフ・イシチェンコの見解を引用して、次のように伝えた。先週カスピ小艦隊から発射されたカリブル・クラスのミサイルはワシントンの度肝を抜いたようだ。このロシア艦隊の行動によって、ロシアは米国が今まで誇示していた米海軍の優位性に終わりを告げることになった。

「私の主張は時期尚早だと言う人がいることだろう」とハリフェ・ラーメが自らコメントしている。「しかし、ロシアが巡航ミサイルを発射した2日後には米空母「セオドア・ルーズベルト」は突然ペルシャ湾を後にした。同空母はこの4月からペルシャ湾に配備されていたものである。多分、これは単なる偶然ではないと思う。」 

同空母の動きによって、上記の分析専門家は「これで、2007年以降で始めて、中東に配備された米空母は一艘も存在しないことになった」と述べている。

要するに、米空母「セオドア・ルーズベルト」はこのロシアの長距離巡航ミサイルの手が届かない場所へ退避したのである。インドネシア沖に退避したと報告されている。

余談になるが、別の著者が実に興味深い質問を投げかけている。出処をここに記述できなくて恐縮ではあるが、その内容が面白いので記憶を頼りにここに要旨をご紹介しておこうと思う。

カスピ海からの巡航ミサイル攻撃では第1回目の攻撃には26個のミサイルが発射された。一方、ペルシャ湾に展開していた米空母の名称として冠されているセオドア・ルーズベルトは26代目の米大統領である。この「26」という数字には何らかのメッセージが込めらていたのであろうか?それとも、単なる偶然だったのであろうか?


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昨年の710日、私は「対ロ戦において米海軍は何日持ちこたえられるか?」と題して投稿した。

あの投稿も空母の脆弱性を論じたものだ。インターネットを検索してみると、この種の情報は非常に限られており、ほとんど見当たらない。ご興味のある方は「芳ちゃんのブログ」を覗いていただきたい。

ハリウッド映画や米国のテレビ番組をみていると、白の制服を身にまとった格好のいい海軍士官たちが登場して来る。何千人もの空母乗組員がそれぞれの役割を担い、全体として国益を果たすという任務を遂行する姿が爽やかに描かれている。しかも、その軍事的な威力たるや抜群だ。向かうところ敵なしだ。そして、乗り組み員同志の友情や上司と部下の間の信頼感、等が描写される。

しかし、空母はすっかり時代遅れとなってしまったと言えそうだ。

当然なこととは言え、実際の姿はもっとおどろおどろしい側面や暗闇に包まれた部分もたくさんある筈だ。一部の良心的な提督が米議会で証言をしているように、現実はハリウッド映画に描かれているものとはまったく違うのである。言うまでもなく、この点は非常に重要だと思う。

米国民(ならびに、同盟国の市民たち)はいったい何時になったらハリウッド映画が描く格好のいい空母乗組員や戦闘機乗りたちにまつわる幻想から目覚めるのであろうか?つまり、一般市民を幻想に浸らせたままにしておくことに米国の産軍複合体の支配者集団はまんまと成功していたのである。少なくとも、最近までは・・・



参照:

1The Wrong Kind Of Victory: By Dmitry Orlov, Information Clearing House and ClubOrlov, Mar/19/2016

2The F-35 Joint Strike Fighter Is Still a Huge Mess: By Dan Grazier, WAR is BORING, Mar/09/2016, warisboring.com/.../the-f-35-joint-strike-fighter-is-still-a-huge-...

3Has Russia Now Demonstrated Its Ability to Challenge US Naval Supremacy?: By Opinion, Sputnik, Oct/14/2015, sputniknews.com/.../russian-caspian-sea-flotilla-us-naval-supre...






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