ロシアのプーチン大統領は、3月1日、ロシア議会で年頭の演説を行った。その内容を見ると前半ではロシアにおける生活の向上を約束し、後半では新兵器の開発に成功したことを述べている。多分に大統領選を意識した内容であると見て取れる。
もっとも関心を呼ぶのは新型の核兵器の開発に成功したことを伝えている後半部分だ。間違いなく、これはロシアバッシングに全力を注いでいる米国の軍産複合体、主流メデイア、ウオールストリート、等に衝撃波を走らせたことであろう。ロシアが新兵器の開発に成功したことによって、最大の焦点は巨額の費用と長い時間をかけてNATO・欧米が構築し、米国内だけではなく、ヨーロッパにまで配備している弾道ミサイル仰撃システムがまったく役に立たなくなったことにある。しかも、欧米がロシアの新兵器と対抗するためには今後何年にもわたって追い上げをしなければならない。その間、ロシアはさらなる改良を重ねることが出来る。
このプーチン発の衝撃的な情報に関してはさまざまな解説記事が出回っている。ニューヨークタイムズの最初の反応はこのプーチンの演説を単に「ホラを吹いた」だけだと言ってのけた。もちろん、今後は冷静な解析結果も報じられることだろう。それとも、米国社会でしばしば見られる癇癪を破裂させた状況、つまり、近視眼的で非生産的な論争がまたもや始まるのであろうか?
ある批評家は欧米の好戦派たちの今の心境を次のように推測している [注1]。
今、アングロ・ザイオニストたちはキューブラー・ロスが提唱した5段階の悲哀モデルの最初のふたつの段階と似たような状況下にある。5段階とは否定、怒り、取引、抑うつ、受容だ。もっとも単純な決まり文句は「これらの新兵器は紙の上の話に過ぎない」として、一笑に付す。この態度はごく普通のことではあるが、決して長くは続かない。まず否定をすることは「衝撃を和らげる」ための普通の対応メカニズムにおける主だった機能ではあるが、実際的な政策や戦略をその上に構き上げることは出来ない・・・
スイス生まれの精神科医、エリザベス・キューブラー=ロスは彼女の著書「死ぬ瞬間」の中で「死の受容のプロセス」を発表した(1969年)。これは終末医療で見聞した患者さんの心の動きを精神科医の目を通してひとつのプロセスの流れとした捉えたものだ。彼女は5個の段階を提唱している。つまり、否定>怒り>取引>抑うつ>受容へと変化して行くと論じている。もちろん、このプロセスには個人差が現れる。
ここでは、こうした議論を誘うことになったプーチンの演説内容に関する別の記事 [注2] も覗いてみよう。本日のブログではこれを仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。
<引用開始>
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2008年8月に起こったロシアとジョージアとの間の戦争では、ロシアの第58軍団の作戦は「平和への強制」と称された。当時いったい何が問題であったかを思い出せれば、これは適切な言葉であったと言える。この戦争ではロシアが勝利を収めた。確かに、この戦いはジョージアをより平和的なムードへと導いたのである。クラウゼウィッツの言葉を借りると、ロシアの意思を行使するために敵を駆逐して、ロシア側はこの戦争の中心的な目的を達成した。過去の19年間の出来事が示しているように、何らかの形で理性的で教養のある行動を西側全体が起こす可能性については、ロシア人は何の幻想も抱いてはいない。ましてや、外部からの正気や平和を求める声からはすっかり隔絶されたバブルの中に今も住み続けている米国については、なおさらのことである。過去数十年間の米国の歴史は特別に手の込んだ解説をする必要はない。米国の歴史は軍事的にも、人道的にも大失敗の記録だ。
ウラジミール・プーチンが2018年3月1日に議会で行った演説は選挙にすっかり憑りつかれている西側の多くの連中が言っているような近くに迫った大統領選のためのものではなかった。それが平和に向けてという訳ではないとするならば、プーチンの演説は、少なくとも、米国のエリートをある種の正気に向かわせるものとなった。彼らは新たに現れつつある世界がもたらす地政学的、軍事的、および、経済的な現実からは完全に遊離してしまっているのだ。2008年のジョージアの事例がそうであったように、相手を威圧することは軍事力に根ざしている。ショイグが国防相となる以前のロシア軍にはさまざまな短所があったにせよ、彼らは、米国で訓練を受けてはいるものの装備が不十分なジョージア軍を数日のうちに駆逐してしまった。ロシア陸軍の技術、兵士、作戦の巧みさは、単純に言って、より優れていたのだ。明らかに、このような展開は米国とロシアとの間では不可能だ。すなわち、米国の技術的優位さの神話が抹消されない限りは・・・。
米権力層のエリートは、そのほとんどが一日さえも制服を身に付けたことはなく、真面目に士官学校に出席したこともなく、軍事技術や地政学的な課題に関する彼らの経験はせいぜい核兵器に関するふたつかみっつのセミナーに限られるだけで、もっとも好ましい事例であっても、議会調査部の取り組みだけでは軍事力の複雑さや性格ならびにその適用を十分に把握することには向かない。彼らは基準点を持ってはいないのだ。それにもかかわらず、米国式のポップカルチャーと軍事力を志向するカルチャーとがないまぜとなっている環境からもたらされる産物として、弁護士や政治学者、社会学者、ジャーナリストらで構成された一群の連中が米国の戦略の作成を牛耳っているのである。彼らは妄想とも言えるような地政学的、あるいは、軍事的なドクトリンを絶え間なく作り出す。間違いなく、彼らはひとつの状況だけは明確に理解することが出来る。それは、彼らの可哀そうな獲物である鹿がその背中や額に照準を合わせられた場合のことだ。
米国に向けたプーチンのメッセージは極端な程に単純である。つまり、弾道弾仰撃ミサイル制限条約に関するロシア側の立場を明確にするために、彼は米国側が取って来た人を見下すような拒絶の姿勢を思い出させようとしたのだ。ジェフリー・ルイスはフォーリン・ポリシー誌で下記の如く冷静に述べている:
ロシアがこれらの新世代の核兵器を開発することになった発端は最近公表された「核態勢の見直し」にあったのではなく、ジョージ・W ・ブッシュ政権が2001年に弾道弾仰撃ミサイル(ABM)条約からの脱退を決定したことにあった。そして、ブッシュおよびオバマの両政権は米国の弾道弾仰撃ミサイルシステムに関するロシア側の懸念について意味のある取り組みをすることには超党派的に怠ったのである。プーチンはコメントでこう述べている。「米国がABM条約から一方的に脱退してから、何年にもわたって、われわれは最新鋭の設備や兵器の開発に注力して来た。この努力によって戦略的な新兵器を開発することに成功した。技術的な現状打破を実現した。悲しいことには、われわれがもっとも必要としていた外交面での現状打破には成功してはいない。」
プーチンのメッセージは明快である。「当時、あんた方はわれわれの話を聞こうともしなかったが、今度こそはあんた方が聞く番だ。」 その後で、彼は軍事的な最新技術を駆使したパールハーバーの奇襲にスターリングラード攻防戦を付け加えたとでも言えるような内容を続けて喋った。プーチンが述べた最新の武器システムがもたらす戦略的な意味合いは甚大である。事実、歴史的な性格さえをも備えている。もちろん、数多くの米国の批評家は、予想されたように、空威張りだとしてこれを退けた。こういう状況は米国の軍事「専門家」の間では容易に予測できることだ。他の連中は否定的ではなく、中には酷く衝撃を受けた者もいた。プーチンの演説があった次の日、つまり、今日現在の全体的な印象に関しては、次のように、非常に単純に記述することが可能だ。つまり、ミサイル・ギャップは本物であって、それはギャップと言うよりも、むしろ、技術的な奈落の底のようなものだ。逆説的に言えば、この奈落の底は多くの人たちが認めているようなものではない。たとえば、「RS-28 サルマト」弾道ミサイルの存在やその特性は多かれ少なかれ何年も前から知られていた。弾道ミサイルに実質的に無限の射程距離を持たせ、弾道ミサイル仰撃システムを無用の長物にしてしまうような飛行の仕方を実現したことはまさにとんでもない技術革新である。結局、南極や南米上空を経由して行われる攻撃は米軍にとっては対応することが不可能な不測の事態であるのだ。たとえ長年にわたってということではないにしてもだ。
「アヴァンギャルド」と称され、すでに量産の段階に入っているロシアのマッハ20の極超音速グライダーは、米国では成功には至らなかったものの、2000年代の半ば以降PGS
(Prompt Global Strike)というプログラムの下で開発が行われていたことから、まったくの予想外ということではない。確かに、ロシアが達成したこれらの新兵器は驚嘆すべきものだ。ジェフリー・ルイスに言わせると、「われわれの側にはこれに匹敵するものはない」という事実を婉曲に表現しようとして、「異様なほどだ」という言葉を用いているが、本当の意味で衝撃に見舞われた我が国にはこの種の兵器はなかったのである。この種の資源(兵器や技術)に関して私が寄稿した記事の中のいくつかで、私は米国が遅れをとっている分野について詳細に焦点を当てて来た。たとえば、クルーズミサイル、あらゆる種類を参照願いたい。何年も前に私はこの分野で米軍の遅れが表面化すると予測していたが、ロシアがクルーズミサイルや弾道ミサイルで圧倒的な軍事的先進技術を達成し、このクルーズミサイルの分野では何十年も先んじていることは、今日、もはや明白である。
西側の評論家があらゆる種類の魅惑的な新兵器について論じ、疑うまでもなく、地球上のどの地点に対してでも核兵器を高精度に輸送する脅威的な新兵器について論じている一方で、「ダガー(Kinzhal)」が公表されると、本物の専門家らは息の根を止められたように感じた。これは、地政学的にも、戦略的にも、戦術的にも、さらには、心理学的にも完全に形勢を一変させるものである。ロシア海軍はマッハ8の革命的とも言える「3M22 ジルコン」と称される対艦ミサイルを配備したことが知られており、すでに久しい。ジルコン・ミサイルは素晴らしい能力を持っており、対空防衛システムはこれを仰撃することが出来ない。キンザール・ミサイルの能力は、単純に言って、衝撃的でさえある。これは、間違いなく、かの有名なイスカンデル・ミサイルに基づいて開発されたもので、マッハ10の速度、高度な操縦性、2000キロの射程を持った弾道ミサイルであって、MiG-31BM戦闘機に装備される。これは海戦に関する書物を書き換えることになった。巨大な艦隊や戦闘部隊は時代遅れになってしまったのである。ここで、あなたは読み間違えたわけじゃない。今日の世界に存在するどんな対空防衛システムでも、如何なるミサイル仰撃システムであっても(例外としては、多分、超音速の目標を仰撃するために具体的に設計されているロシアのS-500だけであろう)、このミサイルに対してはお手上げだ。そして、対抗手段を見い出すには何十年も必要となるだろう。もっとはっきりと言えば、現在NATO艦隊によって配備されている、あるいは、配備が見込まれている最新の対空防衛システムといえどもこのような特性を持ったミサイルを仰撃することはできない。この種のミサイルを5-6発一斉に発射すれば、空母戦闘群や他の如何なる艦隊をも間違いなく撃破してしまう。しかも、核弾頭を使わずに・・・。
このような武器はいったい何処で使用されるのかと言うと、特に、ロシアの南方軍管区へすでに配備されていることをわれわれは今や知っているので、それは実に単純だ。MiG-31戦闘機がこのミサイルを投下する場所は黒海の国際水域だ。そうすることによって、地中海の東部は如何なる船舶や船団に対しても閉鎖される。ロシアはペルシャ湾を完全に閉鎖することもできる。また、太平洋においても広大な立ち入り禁止区域を設けることができる。たとえば、カムチャッカ半島のエリゾヴォ、あるいは、沿海地方にあるセントラリナヤ・ウゴロヴァヤ空軍基地から飛び立つMiG-31BM戦闘機は公海上を長距離にわたってパトロールすることが可能だ。ところで、キンザールの発射プラットフォームとしてMiG-31戦闘機が使われるという点は注目に値する。この戦闘機は、ほぼ間違いなく、歴史的に見てももっとも優秀な仰撃機だ。MiG-31の超音速に到達する能力(マッハ2を遥かに超す)は当ミサイルの発射では重要な要素であることは明らかだ。この恐るべきミサイルの発射がどのように実施されようとも、キンザールの運用によってもたらされる戦略的な成果は下記のようなものになろう:
- 弱小で、十分な防衛策を持たない敵国に対して米空母が武力を誇示することができる海域は最終的には非常に狭い領域になろう。たとえそれが地中海、太平洋、あるいは、北大西洋であったとしても、ロシア周辺のかなり離れた海域においてさえも米空母が近寄ることは出来なくなる。さらには、これは米国の弾道ミサイル仰撃システムには不可欠となる米海軍の33艘のイージス駆逐艦や巡洋艦には立ち入りが出来ない海域となることを意味する。
- これは相手に対する主要な攻撃戦力として使われる古典的な空母戦闘群を完全に時代遅れで、まったく役に立たない代物と化してしまう。また、たとえ対空防衛またはミサイル仰撃システムを持っていたとしても、洋上の如何なる艦艇も自分自身を防御することが不可能となる。これらのプラットフォームや武器に投資して来た何千憶ドルにもなるコストを完全に無効にしてしまう。突然、これらの戦力は太った、自分自身を防御をすることさえもできない獲物以外の何物でもなくなってしまうのである。海空共同戦闘の全体的な概念、つまり、全世界に対する米国の支配の礎石となる「国際公共財におけるアクセスと機動のための統合構想」は、端的に言って、無用となり、これはドクトリン上でも、財政面でも壊滅的なものとなる。
- 「海上支配」と「海上拒否」はそれらの特性に変化を来し、ひとつに統合することとなろう。このような新兵器を保有する国家は海上の膨大な海域を我が物とし、その海域の大きさはキンザールの射程距離やそれを輸送する手段の航続距離によって決まる。その海域では潜水艦を支援する洋上の艦船は完全に排除される。こうして、パトロールや対潜水艦作戦のための航空機や艦艇の存在が露呈される。その効果たるや相乗的であり、非常に深刻である。
ロシアは数多くの輸送手段を有する。MiG-31をMiG-31 BM に改造するプログラムはもう何年にもわたって推進されており、前線における航空部隊はこれらの航空機が数多く配属される様子を目撃している。どうしてこのような近代化が実施されたのかは今や明白である。この近代化によって、MiG-31BM戦闘機をキンザールの発射プラットフォームに改造したのである。海兵隊のジェームズ・L・ジョーンズ将軍は最初の湾岸戦争後の1991年に次のように述べた。「戦闘グループをパニックに陥れる物はいったい何かと言えば、それは誰かが200リッターのドラム缶を2-3個海へ投げ込むのを目撃するだけで十分だ。」 キンザール・ミサイルはロシアの海岸線から何千キロもの海域から自殺志向を持たない艦艇を効果的に排除し、それらの艦艇の戦闘能力を意味のないものにする。素人の言葉で言うと、それはこういう意味だ。つまり、米海軍の艦艇は完全に中身のない存在となり、弱小で未開発な国家の沿岸でパレードを行い、国旗を振るデモンストレーションには好適であろう。米国のプラットフォームや武器に投入されて来た天文学的なコストのほんの一部さえ充当すれば、これらを実行することは可能だ。
プーチンの演説が米国の政治にどんな影響を与えるのかを十分に予想することは現時点では非常に難しい。しかしながら、予見することがより易しい物事は何かと言うと、それは非対称という使い古された決まり文句の使用である。この決まり文句を使うことは間違いだ。ロシアの新兵器が公表され、そのデモンストレーションを見せられた際、つまり、今年の3月1日に起こったことは非対称ではなく、それは戦争や軍事技術におけるまったく新しいパラダイムがついに到来し、その結果、戦略や作戦の技巧においても新時代がやって来たことを理解せしめたのだ。古めかしい規則や知恵はもはや適用できなくなった。この事態に対して米国は準備をしては来なかった。そして、米国国内を含めて数多くの専門家がいるにもかかわらず、現在も同様だ。ある者は新たにやって来るであろう軍事・技術的なパラダイムについて警告を発し、米国の軍事に関することならば何についてでも近視眼的になることや尊大さに関しても警告を与えていた。ダニエル・デイヴィーズ大佐は下記の事柄を認めている:
たとえある時期には自尊心があったことを正当化したとしても、その自尊心は急速に鼻持ちならない傲慢さに変身してしまった。今や、これは国家にとっては明白に危険である。ペンタゴンの機能不全に陥った調達システムを除いて、この脅威を例証できるものがいったい存在するのだろうか?
米国が戦争に立ち向かう背景とは裏腹に、米国には近い将来ロシアに対抗できるだけの技術力はないと予想することこそが現時点では賢明であろう。単純に言って、米国には印刷機を回し続け、その過程で完全に破産すること以外には、ロシアに対抗するだけの資源はないのである。しかし、ここには重要なポイントがある。ロシア人はこのことを良く分かっており、プーチンの演説は、あらゆる意味で、大量のロシアの超音速兵器に対してはまさに無防備の状態にある米国を直接脅かそうとするものではない。ロシアは米国を破壊することなんて眼中にはない。ロシアの行動はたったひとつの理由で支配されているのである。それはバーで酔っぱらって、騒ぎ立て、ナイフを振り回している男に向けて拳銃を取り出し、その男にバーにたむろしている他の客が言いたいことにも注意を向けさせることにある。換言すると、ロシアはナイフを用いた喧嘩に拳銃を持ち出したが、今日の米国と渡り合うにはこれが唯一の方法だ。
もしもこれらの警告やロシアの軍事的優位性のデモンストレーションが、ロシアが当初から意図していたように、何らかの効果を示すならば、地政学的に重要な国々の間で新たな世界秩序に関して意味のある会話を開始することができるのかも知れない。うぬぼれが強く、自らを美化し、頭が空っぽのがき大将が自分の行動を理解せずに、世界の安定と平和を脅かし続けることを世界はもはや放置してはおけないのである。米国自称の覇権は終わった。この覇権においては、実際の覇権国であっても、あるいは、そう見なされている覇権国であっても、現実に重要なのは戦場である。しばらく前にすべてが終わった。古き良き時代のアル・カポーネは、決まり文句として、親切な言葉に拳銃を組み合わせると親切な言葉だけに頼っている場合よりも先へ進むことが出来ると言ったものだが、この言葉をデモンストレーションするのにはプーチンの演説を待たなければならなかった。結局、ロシアは親切な言葉を試みて来たが、それは効を奏さなかった。その責任は全面的に米国にある。
<引用終了>
これで全文の仮訳は終了した。
非常に分かり易い論評だ。「ロシアの行動はたったひとつの理由で支配されているのである。それはバーで酔っぱらって、騒ぎ立て、ナイフを振り回している男に向けて拳銃を取り出し、その男にバーにたむろしている他の客が言いたいことにも注意を向けさせることにある。換言すると、ロシアはナイフを用いた喧嘩に拳銃を持ち出したが、今日の米国と渡り合うにはこれが唯一の方法だ」という部分は秀逸である。
著者はさらこう続けている。「もしもこれらの警告やロシアの軍事的優位性のデモンストレーションが、ロシアが当初から意図していたように、何らかの効果を示すならば、地政学的に重要な国々の間で新たな世界秩序に関して意味のある会話を開始することができるのかも知れない。うぬぼれが強く、自らを美化し、頭が空っぽのがき大将が自分の行動を理解せずに、世界の安定と平和を脅かし続けることを世界はもはや放置してはおけないのである。」
さらには、アル・カポーネの話も同様だ。
この記事以外にも、数多くの考え方や解説が新たに出てくることであろう。それらにも注目して行きたいと思う。
今もっとも重要なことは「新冷戦」という状況を一日でも早く解消し、東西の和解を進めることにある。誰が見ても、これは明らかだ。数多くの一般市民が生命の危険に曝されているイラク、シリア、イエメン、ウクライナ、等における戦火を消さなければならない。われわれの世代は次世代のために「青い地球」を健全な形で残してやる義務がある。
参照:
注1: Newly revealed
Russian weapons systems: political implications: By The Saker, Mar/09/2018, thesaker.is/newly-revealed-russian-weapons-systems-pol...
注2: The Implications of Russia’s New Weapon Systems: By
Andrei Martyanov, The Unz Review, Mar/05/2018
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