新型コロナの大流行については「自然発生説」から始まって、「作られた流行である」とか、「中国は全世界に対して賠償すべきである」とか、「今回の都市閉鎖よりももっと過酷な新世界秩序が画策されている」といったさまざな意見や憶測が飛び交っている。このような混沌とした現状は、恐らくは、その大部分は演出されたことによってもたらされたものではないかと素人の私は思ってしまう。毎日のわれわれの生活を取り巻いている情報は矛盾が驚くほどに多く、事実とは程遠い曖昧な情報に満ち溢れているのが現実であると言えよう。
イラク戦争の当時を振り返ってみよう。米国はイラクが大量破壊兵器、つまり、核兵器を抱えていると一方的に主張して、米国とその有志連合国は、2003年、イラクへ武力侵攻した。そして、現地で明白に分かったことはイラクには大量破壊兵器はないということであった。イラクに対する戦争を主導した政治家やそれに同調した指導者らにはとてつもない動揺が走ったことであろうと推察する。しかしながら、彼らは何時も言い訳を用意する。歴史を見ると「戦争ではまず真実が犠牲になる」と言われているが、われわれの時間的意識が及ぶ範囲で振り返ってみればその典型はこのイラク侵攻に見られる。
ここに、「武漢研究所ウィルス漏洩説はイラク戦争の時と同じ顔ぶれのジャーナリストによって推進されている ― 中国が指摘」と題された記事がある(注1)。
昨年から今年にかけて全世界を席巻した新型コロナの大流行にもイラク戦争と相似する状況が見て取れる。1年半が経過して、鎮静の兆しが見えてきた今、少しは冷静になって振り返ってみたい。新型コロナの大流行について扇情的な報道を流して来たメディアは、イラク侵攻の際と同様に、またもや、金儲けのために狂乱して来たし、今もそうしているとしか言いようがない。
本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有したいと思う。
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「・・・ローギンは、ゴードンのように、何年にもわたって中東においてさまざまな流血沙汰をでっち上げて、イスラエルのための戦争を推進して来た。また、彼は武漢研究所漏洩説というバージョンの情報源でもある。彼はワシントンポストのコラムで2020年4月14日にこのでっち上げ記事を書き、これが現在出回っている・・・」
中国外務省報道官室(ツイッター、2021年6月4日)
中国政府職員
#武漢研究所からの漏洩という仮説を煽り立てる人物は19年前に #イラクが核兵器の取得を試みたという偽情報をでっち上げた連中と同一人物である。
(中国語による動画、英語字幕付き)
中国は危険極まりない反ユダヤ主義に迫りつつある。
RT:
中国外務省は、武漢研究所の職員が感染症に見舞われたという報告の背後にあるのはイラク戦争の際に嘘の報道を推進した連中と同一であると指摘して、新型コロナウィルスが研究所から漏洩したという説に対する関心が故意に高められていることを激しく非難した。
中国外務省の報道官を務める汪
文斌(おう ぶんひん)は、ウオールストリートジャーナル(WSJ)の国家安全保障担当の記者で新型コロナウィルスが研究所から漏洩したとする推測をさらに煽り立てることになった記事の共同執筆者でもあるマイケル・R・ゴードンに狙いを定めた。
「しばらく前、米国人ジャーナリストのマイケル・R・ゴードンは、いわゆる機密であった米諜報界の未公開報告書を引用して、感染症に見舞われた武漢研究所の3人の職員と新型コロナの大流行との間に手が届きそうにもない関係性を仄めかした」と汪報道官は、金曜日(6月4日)、記者会見で述べた。
2003年の米軍の武力侵攻を引用して、彼(汪報道官)は「19年前、何の証拠もない情報に基づいて、イラクは核兵器を取得しようとしているとでっち上げたのはまさにこの人物であった」と指摘した。
5月23日に出版されたWSJの記事は「未公開の米諜報界の極秘報告書」を引用し、武漢ウィルス研究所の3人の研究者が2019年11月に重体となり、新型コロナや季節性インフルエンザと類似した症状を示したと報じている。
同報告書は他の主要メディアによっても取り上げられ、今までは人工的なウィルスであるとの主張は徹底して叩かれる立場にあったが、最近は、研究所からの漏洩の可能性もあるという立場へと急速に移行し始めた。
ゴードンは多分ユダヤ人ではないだろうが、彼はニューヨークタイムズ紙上でユダヤ人のジュディス・ミラーと共同執筆した。
さらに、私は個人的には「武漢研究所漏洩仮説」の出所としてゴードンを槍玉に挙げる積りはなく、むしろ、ユダヤ人のネオコンであるジョシュ・ローギンを指摘したいと思う。
ローギンは、ゴードンと同様に、何年にもわたって中東においてさまざまな流血沙汰をでっち上げてイスラエルのための戦争を推進して来た。また、彼は武漢研究所漏洩説というバージョンの情報源でもある。彼はワシントンポストのコラムで2020年4月14日にこのでっち上げ記事を書き、これが現在出回っている。
もちろん、主要点は何処を見回してもネオコンがおり、彼らの多くはユダヤ人であって、彼らはこの武漢研究所の感染症に罹った職員の話を推し進めていることにある。彼らがこの主張の震源地である。つまり、彼らと 法輪功の一員である香港CIAのフェミニストであるリー・メン・ヤン(閆麗夢)だ。
彼女はこの用語の定義を満たしてはいないが、自分は「内部告発者」であると主張している。この用語は組織内の知識を有する者を指す。通常、これは告発の対象となる組織の従業員または元従業員のことを指すのである。
彼女を後押ししているメディア各社の何れもがこのことは断言しないままでいるが、彼女は武漢ウィルス研究所で働いていたことをそれとなく示唆した。しかしながら、彼女は同研究所で働いたことはない。例のコロナウィルスは中国製の生物兵器であるという一文を書くために彼女がスティーブ・バノンからの資金を受け取った際、彼女は香港の大学で働いていた。
最近、バノンは不正行為やさまざまな犯罪のせいで中国から亡命して来た億万長者の郭文貴との関係を維持している。昨年の6月、バノンはボートに乗っている様子をライブ配信したが、そこでは郭は今や中国の支配者であると宣言した。
彼らは自由の女神の前でボートに乗り、これから「中国政府を転覆させる」と言い、彼らの新政府を公言する横断幕を持って飛行機で飛び回っている。
いったい何が起こっているのかは誰も理解できなかった。フォックスニュースさえもが例の横断幕やボートに関するライブ配信における「混乱振り」を報道した程である。このライブ配信はそれ以降削除され、「新中国連邦」からは何のニュースも流されてはいない。しかし、この途方もなく不可思議な出来事に関してウィキペディアは記述を残している。
また、郭はフェークニュースのウェブサイト(私はこの言葉をもっとも純粋な意味合いでここに用いている)を運用しており、そのサイトで彼はハンター・バイデンの卑猥な動画を公開した。
大事な点はこうだ。これは非常に不可解な動きであり、タッカー・カールソンがそうしたようにこういった連中を真面目に受け止めることは馬鹿々々しい限りだ。
(私はこの件でタッカーを責めているわけではなく、彼は全体的に言えば素晴らしいジャーナリストであるのだが、時には、不幸にも判断が甘い。しかし、でっち上げの科学論文を書くためにスティーブ・バノンや彼の「新中国連邦」を標榜するグループから実質的に資金を受け取った香港の女性の肩を持つなんて恥ずべきことである。)
彼女が内部告発者であると装うためには、前もって決められた結論を導くような研究に資金を提供することさえをも真面目な科学であるとして取り繕うことは実に非科学的な振る舞いである。
私が武漢研究所漏洩説を初めて聞いた時、それはネオコン過激派のトム・コットンによって推進されていた。その後は、ネオコン過激派のマイク・ポンぺオに引き継がれ、彼はそれから対中戦争を準備するプロセスに入った。
今、これはCNNのユダヤ人たちによって推進されている。
中国との戦争をすることに何らかの既得権を持っている者を除けば、新型コロナウィルスが中国の研究所からやって来たと主張する者は誰もいない。これはスティーブ・バノンだけではなくこれらのユダヤ人全員のためのものであって、彼らが実際に「中国政府を倒す」(彼の言葉)ことが彼の目標なのである。
対中戦争を標榜する者たちがこのでっち上げ記事を活用していることは実に容易く観察することが可能で、中国がこの件をイラクの大量破壊兵器のでっち上げと関係付けたことは素晴らしいことだ。まったく同類の話だ。
米国はさまざまな問題を抱えている国家である。これらの問題のどれを取り上げてみても、どれひとつとして中国のせいではない。中国は子供たちにゲイ・セックスを推進してはいないし、われわれに向けて何百万人もの黄色人種を送り込んだりしてもいない。われわれの選挙を盗んではいないし、われわれの自由をすべて奪って経済を破壊したというわけでもない。
われわれの敵は米国内にあり、それはユダヤ人だ。恐怖感を煽り、中国を攻撃しようとする試みはどれもが国内で起こっている問題から市民の関心を逸らせるために意図されており、これは戦争を掻き立てようとするものだ。
さらには、この「研究所漏洩」という愚かな言動は新型コロナの大流行というでっち上げを何時までも信じ込ませておくために意図されたものでもある。
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アンドリュー・アングリン著
初出はThe Daily Stormer。
The 21st Centuryによって再出版された。
注:この記事で表明されている見解は全面的に著者のものであって、必ずしも21cirの意見を反映するものではありません。
前の記事: ファウチの電子メールには興味をそそるような内容は何もない
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これで全文の仮訳が終了した。
他国と戦争を始めるために国民の賛意を得ようとすると、その主張が是か非かは別にして、通常、そこにはメディアによる全面的な協力や支援が必要となる。最近の典型的な例は米国のイラクに対する武力侵攻に見られた。2001年9月11日にニューヨーク他で起こった「同時多発テロ」を受けて、米国は対テロ戦争を宣言した。今思うと、同時多発テロは戦争を引き起こすための道具に過ぎなかった。つまり、自作自演だった。ニューヨーク貿易センタービルで運悪くこの事件に巻き込まれた何千人もの米国人犠牲者たちは結果的に命をささげると言う究極的な愛国心の発露を演じることになった。極めて不幸な出来事であった。
ベトナム戦争においてはメディアは戦争の悲惨さを取材し、米国民の間に厭戦気分を醸成した。そこには米政府に対する批判の姿勢が明確に見られた。しかしながら、湾岸戦争やイラク戦争ではCNNが巡航ミサイルのカメラから送られてくる映像を茶の間のテレビに伝え、ピンポイント爆撃を放映した。こうして、テレビ報道における関心の的は血なまぐさい戦闘からハイテック兵器による精密爆撃へと移行していった。こうして、米国の戦争のスタイルは明確な前線が存在しない戦争へと変化し、今やハイテック兵器依存の戦争にますますのめり込んでいるようである。宣戦布告さえもがない。2020年1月の始め、米国はイラン軍の重鎮のひとりであるソレイマニ将軍に対してバグダッド空港の郊外でドローンからのミサイル攻撃を行い、彼を暗殺した。多くの戦争行為がゲームの一場面のように捉えられ、ドローンによる無人化が進められ、多くの作戦が遠隔操作によってゲーム感覚で行われるようになった。
これではメディアの特派員の出る幕はない。そんな中で最大の皮肉は、メディアはまたもや戦争を引き起こすことに没頭しているかのように見えることにある。
参照:
注1:China Notes That the Same
Journalist Pushing Wuhan Lab Hoax Pushed Iraq WMD Hoax: By Andrew
Anglin, The 21st Century, Jun/06/2021
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