2024年6月28日金曜日

ドイツのCDCは政治主導の新型感染症対策を示しており、科学主導ではない

 

新型感染症はうわべは科学的な判断と周到な医学的対応によって一応の決着を見た。少なくとも、世界規模での旗振り役を演じたWHOはそう自画自賛しているのではないだろうか?

現実には、真相を知れば知るほどにパンデミックのすべてが組織だった欺瞞であり、政治的茶番劇であったということが、今や、われわれ一般大衆の目の前に曝け出されてきた。そして、真相の暴露は今後も延々と続きそうだ。

決定的に悲惨で、取り返しのできない過ちは数知れない死者の存在である。これはもう間違いなく犯罪である。

ここに、「ドイツのCDCは政治主導の新型感染症対策を示しており、科学主導ではない」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

米国に関しては政府当局が製薬大手と結託して新型感染症用のお注射に関する欺瞞や情報操作について最新の情報をいくつもの投稿を通じて読者の皆さんと共有してきた。今回の投稿はドイツの状況である。米国のCDC(疾病管理予防センター)は米国における医療行政を監督する最高峰の機関であり、本投稿で論じられている「ドイツのCDC」とはドイツでCDCと同様の権限や機能を有する「ロベルト・コッホ研究所」(RKI)を指している。

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副題:保健当局は、議員たちからの尊敬を失いたくはなかったがために、新型感染症について国民に対して意図的に嘘をついた。彼らは新型感染症がインフルエンザよりも危険ではないことを知っていた!!

概要:

主流メディアがこの巨大な話を無視しているなんて、私にはまったく信じられない。

情報公開法(FOIA)による要求や裁判所の命令が何度も行われた後、ドイツのRKI(米国のCDCに相当)は、政府が資金を削減しないように、自分たち(保健当局)が新型感染症や同感染症用お注射の危険性について国民に意図的に嘘をついていたことを示す文書をしぶしぶ公開することになった。

この巨大な話は世界的な報道管制下に置かれている。皆さん方は知るべきではないのだ。

問題の動画:

ステファン・ホンブルク教授が独自に制作したこの素晴らしい6分間の動画をご覧いただきたい。短かいながらも、要点を押さえている。

もしもあなたが政府機関というものはあなたたちの利益のために働いていると信じていたならば、この動画はそんな考えを完全に粉砕してしまうであろう。

Photo-1:政府は知っていた。七つのショッキングなRKI文書:

ステファン・ホンブルグ教授

ユーチューブのコミュニティ基準には違反すると確信していたので、これはRumbleに掲載された。

ドイツのジャーナリストたちはこの文書を公開に漕ぎ着けるために懸命に闘った:

ドイツ人ジャーナリストらは、CDCに相当するロベルト・コッホ研究所(RKI)内で行われた通信の内容に対してアクセスを求め、ドイツ政府を訴えた。ジャーナリストらの情報公開法(FOIA)による請求は認められなかったことから、裁判が必要となった。裁判所の命令でようやく文書が入手可能になった時、そのほとんどは黒く塗りつぶされていた。さらなる圧力を加えた結果、今や、これらの文書は塗りつぶされてはいない。

アーロン・シリは米国のCDCとの関係でこのような状況を熟知している。手口はまったく同じだ。

文書:

関連文書はRKIのウェブサイトで閲覧することができる(ただし、ドイツ語)。

しかし、これらの文書は2,515頁に及び、膨大であるから、一般の人たちのほとんどは読むことなんてないであろう。

ということで、皆さんのために要約してみよう。

今回発覚した項目の中での上位7点:

ここでは、この動画から明らかになった7つの事柄をご紹介しよう。まずは、このリストをまとめてくれたフランク・プレグマン氏の功績を称えたい:

1.    専門家たちは、早くも20211月に、脳静脈洞血栓症はアストラゼネカ社の血栓を引き起こすお注射が生命を脅かしかねない合併症であることを理解していた。彼らはこの事実を国民に知らせるのを「忘れてしまった」のである。

2.    専門家たちはお注射が感染症の伝染を減少させるという証拠がまったくないことに気づいていたにもかかわらず、一般の人々に知らせることを怠った。それどころか、彼らは思いやりの心情に訴えて、「おばあちゃんを守るために」という掛け声の下で誰もがお注射を接種すべきであり、この接種によって集団免疫を獲得するべきだという公式の偽情報を広めた。

3.    専門家たちはN95マスクでさえも病院の外では効果がないことを知っていたが、とにかくマスクの着用を義務付けた。要するに、専門家たちこそが本物の「誤情報拡散者」だったのだ。

4.    専門家たちは学校を閉鎖しないよう勧告したが、政府はとにかく学校を閉鎖した。

5.    専門家たちは「新型感染症」はインフルエンザよりも危険性が低いことから、インフルエンザと比較するべきではないと述べていた。また、リスクが高いのは高齢者や病気の人だけだということを知っていにもかかわらず、若くて健康な人でさえも深刻な健康リスクがあるかのように見せかけていた。「新型感染症」患者の平均死亡年齢は83歳で、2019年の平均寿命である81.26歳を上回っている。

6.    政府は専門家たちに政府が望むことを「推奨」するよう命じた。こうして、政府は「科学には従わず」、吐き気を催すほどに主張し、「科学™」は政府の命令に従った。異常なことは何も起こっていないことは明らかであるにもかかわらず、RKIはリスクレベルを高く保つよう命じられた。RKIは、政治的決定を科学的であるかのように売り込む任務を持った政府広報機関に過ぎなかったが、実際には真実からより以上にかけ離れるものは何もなかった(訳注:この最後の文章は文脈に合わない。著者が何をいいたいのかは私には不明だ)。

7.    RKIはなぜ政府の命令に従ったのか?それは迂回されて無関係になるのを恐れたからであろう。政府に迂回されることは大衆を欺くよりも悪いことだと彼らが考えていたことを彼ら自身の振る舞いが明確に証明している。

総括:

ドイツの保健当局はインフルエンザの方が新型感染症よりも性質が悪いことを知っていた。マスクの着用は効かないことを知っていた。アストラゼネカのお注射は致命的であることを知っていた。都市閉鎖は推奨できないことを知っていた。そして、お注射が感染を減少させることは期待できないことを知っていた。だが、国民全員が自分の役割を果たし、お注射を接種した場合には感染症の流行を阻止することができるというおとぎ話を続けることができるように、彼らはこれらすべてのことを一般の人々からは隠ぺいしていたのである。

今度またオオカミが出たと言って叫んだとしても、誰かが信じてくれると思っているのだろうか?

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これで全文の仮訳が終了した。

七つの重要な指摘事項の中で、私にとって基本的にもっとも違和感を感じたのは「RKIの専門家たちは新型感染症はインフルエンザよりも危険性が低いことから、インフルエンザと比較するべきではないと述べていた」という点だ。インフルエンザの場合、通常、お年寄りや健康に優れず、免疫レベルが低い人たちだけが予防接種の対象となる。若い健康な人たちは予防接種をする必要はない。私は何十年間もそう教育されてきた。パンデミックの最中、これでもか、これでもかと連日恐怖感を煽られた事実は今も記憶に新しい。ドイツのRKIが演じた茶番劇ほど徹底した欺瞞はない!

世界を席巻した新型感染症の舞台において、悪い意味で、各国の政府当局は重要な役割を演じた。製薬大手が金儲けをすることができるように様々な規則を導入して、少しでも多くの市民がお注射を接種するように主導したのである。

米国はWHOのお膝元にあって、ことさらに中心的な役割を演じた。ファイザーやモデルナといった製薬企業と結託したのである。つまり、CDCFDAといった政府当局のエリートたちは民間企業を支援することによって、退職後はかって支援してやった民間企業の重役室に高給で迎え入れられることをほぼ確実なものにしようとした。

ドイツには米国のファイザー社と組んでmRNAお注射を開発したバイオンテック社がある。ドイツの保健行政を主導するRKIがこの特定の企業を支援することは、当時、米国のCDCがファイザー社を支援していることと同様に、おそらく、自明の理であったのではないだろうか。政府当局の倫理観の欠如は国民にとっては極めて不幸な話である。

言うまでもないが、日本の厚生労働省も米国政府の振る舞いに倣い、決して例外ではなかったでろうことは容易に推測することができる。それを実証する端的な例はレプリコンお注射を生産することを日本政府が決めたことだ。このお注射は、よりによって、体内でスパイク蛋白質を自己増殖するようデザインされている。とんでもないお注射である。このお注射の安全性、つまり、副作用の回避はどうやって確保するのであろうか。そもそも、安全性を確立すること自体、可能なのであろうか。スパイク蛋白質の自己増殖能は接種後10日間ほどで消滅するとされているが、これはどこまで確実に消滅するのか?100%の再現性があるのか?新型感染症用のお注射では製品品質が一定ではなく、製造バッチによっては大きく振れていた。重篤な副作用を引き起こしたバッチは特定のバッチであったと報告されている。デンマークの研究によれば、重篤な有害事象の大部分と関連していたお注射は全体のわずか4.2%であったそうだ(原典:Were 1/3 of Pfizer Shots in the EU "Placebos"?: By JOHN LEAKE, Jul/12/2023)。たとえ劣悪な製品の割合が4.2 %ではなく、0.042%でしかないとしても、何十億人もの人たちが接種する場合、健康被害に見舞われる人たちの絶対数は極めて大きな数値となるのである。

最悪の場合、このレプリコンお注射は新型感染症用のお注射よりもさらにあくどい副作用を引き起こすかも知れない。これを開発した日本は全世界から恨まれ、まったく相手にされなくなるといった国際的に孤立した状況が現出するかも知れない。さて、どうなることやら。

今回のパンデミックにおける闇の深さは次第に解明されつつある。驚く程深い!当初、お注射に反対する意見やデータを提出する研究者は陰謀論者として切り捨てられた。だが、最近判明したことは陰謀論だと言って科学的な論争を拒否し、研究者らを村八分にしていた専門家たちこそが正真正銘の陰謀論者であったのである。

参照:

注1:German CDC documents show politics drove COVID response, not science: By Steve Kirscsh, Jun/25/2024

 

 


2024年6月26日水曜日

新型感染症の嘘を暴く

 

当ブログは日本の主流メディアが報じてはいないと思われる海外の記事を日本語に仮訳して、日本の読者の皆さんに提供して来た。このような趣旨で始めた最初の頃の記事はどのようなテーマを扱っていたのかと言うと、たとえば、次のようなものであった:

2012112日:TPPISD条項はどんな悪さをもたらすか?

2012526日:4号機使用済み燃料プールの危機的状況

2012107日:尖閣諸島の歴史的背景

2013217日:乗っ取られたシリア革命

特に、「乗っ取られたシリア革命」は2001年に起こった911同時多発テロ以降に地政学的な背景の下で展開された数々の武力紛争を代表するような性格を持っていたことからも、私には今も生々しい記憶が蘇ってくる。今考えて見ると、この2013年のシリアに関する投稿はその後の当ブログを性格付ける上で重要な節目になったように思える。あれからもう11年余りとなった。

当初はさまざまなテーマを扱っていたが、近年は、幸か不幸か、新型感染症とロシア・ウクライナ戦争のふたつのテーマについて読者の皆さんと共有することが多い。それだけ、これらの時事問題はわれわれ一般庶民の意識に広い範囲にわたってさまざまな影響を与えていることの証でもある。そして、その影響とはいったい何かと言えば、洗脳に他ならない。

ここに「新型感染症の嘘を暴く」と題された記事がある(注1)。お注射の推進派が一方的にプロパガンダ攻勢を進めていた頃の情報に比べると、昨今の情報は様変わりである。その方向性はまったく異なるものであって、この記事もまさに潮目の変化を感じさせるには十分である。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:内科医、心臓専門医であって、ウェルネスカンパニーの最高科学責任者でもあるピーター・マッカロー博士とのQ&A ― 大いなる目覚め 

同僚の諸君、

指導的な著者であるMichael Ashleyによるこの投稿をご覧いただきたい。

Photo-1:ピーター・マッカロー博士

ピーター・マッカロー博士は新型感染症のパンデミックの最中に発揮した指導性によって世界的に認められており、他の医師が公に真実を支持する人はほとんどいない時であってさえも専門家としてのアドバイスを提供してきた。「The Courage to Face COVID-19」の共著者でもあり、政府や製薬企業、ディープステートの利益よりも患者の幸福を擁護し、提唱し続けてきた。

注:これは4部構成の連載となる。パートIでは、ピーター・マッカロー博士について知り、医学領域における彼の印象的な業績や彼の知的勇気の重要性を学ぶことにしたい。

MA(マイケル・アシュリー):マッカロー博士、ここにお招きすることができて、とても光栄です。自己紹介をお願いします。

PM(ピーター・マッカロー):もちろんです。私も嬉しい。あなたと一緒にお喋りできるのは素晴らしいことです。私はダラス・フォートワース地区で開業内科医兼心臓専門医をしているピーター・マッカローです。私は何十年も実務に携わっており、疫学の訓練も受けています。これはこのパンデミックの時期に経験をさらに積み上げる上で重要な専門分野であることが分かりました。

MA:パンデミックへの対応で積極的に参加しようと思った動機は何でしたか?そして、疫学での経験はそのアプローチにどのような影響を与えましたか?

PM:過去5年間、私は新型感染症に罹患した人々を治療するために何をすべきか、どのように対応すべきかに焦点を当て、パンデミック対応を主導してきました。私は米下院と上院の両方に助言し、何度も証言をしました。マイケル、興味深いことには、パンデミックの間、公衆衛生当局はQ&Aセッションもタウンホールミーティングも行わず、医学部は門戸を閉ざしました。人々は答えが欲しい質問をいくつも持っていたのですが・・・

MA:あなたは、制裁措置がとられている新型感染症のパンデミック対応に従わなかった数少ない医師の一人として途方もない勇気を示しました。この試練の時代に、他の人々、特に恐れを抱いている人たちはいったいどうやってあなたのような勇気のある決断をすることができるのでしょうか?

PM:ここでは、知的な勇気について話します。弾丸は飛びかってはいません。建物は崩れていません。私たちは大慌てに生き延びようとして、走り回っているわけでもありません。ですが、この知的な闘いの中で私たちは実際に何が起こっているのかに直面することは可能なのでしょうか?それとも、砂に頭を突っ込みたいのでしょうか?特に仕事を続けることができるかどうかが危ぶまれる状況において、多くの人たちは怖がっていたと思います。

MA:あなたご自身の立ち位置に対しては大きな反発に直面されたことと思いますが、具体例を教えていただけますか?

PM:いざとなると、多くの人が「何かが起きている。私はそれを完全には理解してはいない。でも、もし私が立ち上がって何かを言ったら、私は職を失うかも知れない。」突然、彼らの仕事は彼らにとって本物の縛りになった。自営業の人たちがとても羨ましいです。彼らは雇用主の意向に従う必要なんてないのです。あなたは自営業ですか?

MA:はい、有難いことに自営業です。

PM:そうでしたか。羨ましいです。あなたご自身の意思に反して何かを強要しようとする大企業の亡霊には一度も曝されたことはないのですよね。あなたは幸運だ。独立請負業者や自営業者にはより多くの選択肢がありました。しかし、あなたは全米映画俳優組合に所属しているご自分を想像できますか?

MA:私の生計がかかっていたならば、実に大変だったことでしょう。 世論の重要性とか、自営業者でさえもが率直な意見を述べることによって直面するかも知れない反発とかを考慮して、今、公の場で立ち上がろうとしている人たちに何らかのアドバイスはありませんか?

PM:勇気についてお話ししましょう。勇気とは恐れがないということではありません。勇気とはその恐怖を克服する能力です。このパンデミックを通じて私たちが学んだのは恐怖や不確実性を克服する能力はそれほど一般的ではないということです。端的に言って、まったく一般的ではないのです。

私は自分が特に勇敢だとは思ってはいません。スカイダイビングをしたこともないし、体力的にすごいことをしたこともない。私は学者であり、医学部の教授でした。キャリアを通してやるべきことをやった。確かに、私も間違いを犯しました。しかし、大学、医学部、大学院、研修医、研究員を務めていた頃、「あなたは特に勇気がありますか?」というような勇気に関するチェックボックスはありませんでした。何もなかったです。警察官や消防士、軍人など、燃えさかる建物に身を投げて誰かを救おうとする時は本当に勇気が必要だったり、飛行機から飛び降りたりすることは本当に勇気がいると思います。それができるかどうかは分かりません。私は医者です。私のキャリアの過程で常に持っていたのは知的な勇気だと思います。。

MA:初期の研究段階では同じ領域の研究者仲間からの反対をどのようにして乗り越え、モチベーションを維持したのですか?

PM:例を挙げてみましょう。循環器内科の研究を進めていたとき、腎臓病が心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、心不全に影響を与えていることを観察していました。そして、私が最初にこのことを観察した時、人々はこう言ったのを覚えています。「そうではない。混乱をもたらしているだけだ。糖尿病と高血圧が増えているだけだ。」

私は「いや、実は腎臓自体に関係していると思う」と答えました。すると彼らは「いや、そんなことはあり得ない」と言った。とうとう「ちょっと待てよ。これらの人々はそれが事実ではないことをどうやって知るのだろうか?詳しく調べてみよう」ということになったのです。こうして、当時の循環器疫学の主流の言説に逆らって私はキャリアをスタートさせ、これが多くの新知見につながりました。例えば、腎臓は心臓に働きかける一連のホルモンを分泌します。私が主任著者として発表した独創的な論文はまさにこのことを説明しています。New England Journal of Medicine誌などのトップの専門誌に掲載されました。これは私の勝利であり、私の分野において突破口を開くという点ではあなたが私の分野でできるのと同じくらい立派なことでした。そして、それは体外診断検査における突破口となりました。当時、否定論者たちは「いや、これを使ってわれわれを助けるためにテストなんかする必要はない」と言っていました。私はこの問題について世界中で講演をしました。それには知的勇気が必要でした。

MA:医学へのアプローチを形作り、知的勇気を育んでくれた良き指導者や影響を与えた人はどなたかいましたか?

PM:私は私を指導してくださったウィリアム・オニール博士の功績を認めます。私が大学の研究員であった頃、同博士は別の課題に立ち向かっていました。当時、最も危険な心臓発作は「ST上昇型心筋梗塞」と呼ばれ、標準的な治療はTPAと呼ばれる高価な、大手製薬会社が供給する薬品を投与することでした。この薬品を推進したのはジェネンテック社です。彼らはクリーブランド・クリニックと結託し、心臓科のチーフであるエリック・トポルは医師たちがTPAを処方する度に株券を貰うという契約を結んでいたのです。

MA:あなたの指導者から受けた教訓の中で新型感染症のパンデミックに対処した際に何が最もインパクトがありましたか?

PM:私が別の病院にいた頃、ミシガン大学でエリック・トポルを指導していたウィリアム・オニール博士が私や他の人たちを訓練してくれました。われわれは循環器内科でまさにドリームチームを結成しました。われわれは心臓にカテーテルを入れて、血管を開くやり方が有効であることを実証し、それに成功したのです。これは「初回血管形成術」と言います。われわれは地域病院の寄せ集めのチームとしてジェネンテック社と対峙し、勝利を収めました。次々と論文を発表しました。

その後、米国で治療を変えたのは他の人たちが言ったことをやろうとはしなかったからです。やがて、ジェネンテックの製品は消滅しました。誰も使おうとはしなかったからです。心臓病学ではまったく新しい革命が始まりました。そして、案の定、新型感染症が始まった時、入院や死亡を防ぐために患者を早期に治療することを私は提案しました。これは誰にとっても極めて単純なことであった筈です。しかし、正統派はわれわれを黙らせようとしました。彼らは言った。「この病気に手を出すな!」と。

MA:勇敢であるということは、恐れずに進むことではないとおっしゃいました。むしろ、それは恐怖を感じながらも勇気を呼び起こすことができることです。要するに、それを押し通すのです。こう言ってもよろしいでしょうか?

PM:その通りです。また、自信も必要です。映画「ブレイブハート」を見てください。メル・ギブソンが演じたのはイギリスの圧政から祖国を解放するために先頭に立ったスコットランドの戦士ウィリアム・ウォレス。彼は自信に満ちている。私はいつも自分のことをとても自信のある人間だと思って来ました。それは私の生まれつきの性格です。数年前、私は有名なインタビュアーのラリー・キングが亡くなる前に夕食を共にする機会に恵まれました。私は彼に「ブレジネフや世界中の国家元首にどうやってインタビューをすることができたのか?」と尋ねました。

「ピーター、私は生まれながらにして自信に満ちあふれていた。ニューヨークでは幼い頃から私はいつも一番自信に満ち溢れた子供だった」と彼は言いました。このように、ラリー・キングも本質的に自信を持っていました。私は、自分のアプローチや分析、原則に本質的に自信を持っていると特徴付けています。もちろん、医学においては、科学的な原理だけではなく、強力な証拠やデータにも頼ります。私は過去5年間に何百回もメディアに出演してきました。人々は「マッカロー博士はいつも自分の情報を引用している」と繰り返し言っています。それは、私には物事を記憶の中に刻み込む規律があったからです。

MA:そういった自信と準備はメディアへの出演や議会での証言にどのように役立ちましたか?

PM:私は、2024112日、アンソニー・ファウチ博士が同じ委員会に出席したわずか数日後に、米下院で証言しました。彼らは私を何時間も質問攻めにしました。ずっと、私は記憶にとどめておくと決めた論文を次々と引用して行きました。事前に予習をします。朝起きて練習するのです。私には写真のような記憶力はありません。ただ、一生懸命に働いているだけです。

MA:それはとても悔しいことです。特に、ファウチ博士は主流メディアによって神格化されていたので、なおさらのことです。

PM:スコット・アトラス博士は『A Plague Upon Our House』という本を書きましたが、彼はファウチとは何ヶ月にもわたって直接の交流をする機会があったのです。スコットによると、ファウチは引用すべき研究を何も知らなかったし、データも知らなかった。ファウチはあまりにも無能で、長い医学用語を発音することさえもできなかったという。時には医学生よりも酷い状態であった。

MA:繰り返しになりますが、特に主流メディアや政治家の多くが未だに彼を新型感染症の専門家として崇拝していることを考えると、これは残念なことです。

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これで全文の仮訳が終了した。

ピーター・マッカロー博士の新型感染症との闘いにおける功績は当初から初期治療の重要さを説き、患者の治療に専念してきたという点にあると思う。当局は、高価なレミデシベルと称されるお注射を推奨せんがために、症状が出てもしばらくは自宅で待機するように指導していたこととは完全に一線を画す姿勢であって、読者の皆さんもご記憶にあろうかと思う。私が知る限りでは、初期治療を推進した同博士はジョージ・ファリード博士やポール・マリック博士、等と並んで、米医学界ではパンデミックにおいて患者の治療でもっとも貢献した医師のひとりであると言えるのではないか。

今回の引用記事は4部作の最初の部分である。今後の続報を楽しみにしたい。 

当局の間違った政策が暴露される度に痛感させられることがある。それは一国の政府というものは実に多くの情報を隠蔽しているという事実だ。しかも、この趨勢は洋の東西を問わずどこの国でも大なり小なり同じである。奇しくも、2020年に全世界を襲った「作られたパンデミック」は人類の歴史に格好の事例を残してくれたということになる。

新型感染症に関しては、不幸なことには、専制的な政策、つまり、お注射の接種を広く、そして、何回も実施するための政策がこれでもか、これでもかと言わんばかりに提案され、実施された。このような過去があったことから、今後もさらに大きな嘘が暴かれて行くに違いない。

参照:

注1:Unmasking COVID-19 Deceptions: By Peter A. McCullough, MD, MPH, Courageous Discourse™, Jun/06/2024

 

 


2024年6月22日土曜日

新型感染症のお注射は超過死亡を増加させた

 

2020年の1月に全世界を震撼させた新型感染症は全世界で何百万人もの死者をもたらし、重篤な後遺症によって日々の生活に苦難する無数の人たちを残した。そういった人たちに対する公的な救済の手はなかなか捗らない。

米国では、政府機関からの公式の筋書きや説明に反する意見や報告は無視され、そういった勇気ある科学者や研究者らは議論の場から放逐され、最悪の場合は個人攻撃に曝されることも稀ではなかった。このような醜い闘争は、今振り返って見ると、科学が金儲けを標榜する大手製薬企業や彼らによって買収された政府機関のエリートたちによってハイジャックされ、大手メディアがプロパガンダを担当し、ソーシャルネットワークに君臨するハイテック企業が情報検索を行ったという壮大な事実関係が明白に浮かび上がって来た。こういった事実が判明する中でさえも、残念ながら、公衆衛生にかかわる政府機関の多くは未だ目を覚ましてはいないようである。その典型例はWHOに見られる。

しかしながら、主流メディアの一部は、最近、パンデミックの最中には報道し得なかったような記事を流し始めた。過去のブログで何度か書いて来たように、この新しい状況には潮流の変化を感じさせるものがある。

今月始め、英国の高級紙の一翼を担うテレグラフ紙が「新型感染症のお注射は超過死亡を増加させた」と題された記事を流した(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:専門家らは副作用や死亡率との関連性についてさらなる研究を求めている

Photo-1:パンデミックにおいて超過死亡が増加した原因のひとつとに新型感染症用のお注射にある可能性がある

新型感染症用のお注射はパンデミックにおける超過死亡の増加の一因である可能性があると科学者たちは示唆している。

オランダの研究者が西側の47カ国のデータを分析したところ、2020年以降300万人以上の超過死亡があり、お注射の集団接種の開始や都市閉鎖の措置にもかかわらず、この傾向が続いたことが判明した。

研究者らは「前例のない」数字が「深刻な懸念を引き起こした」と述べ、お注射による害を含めて、根本的な原因を十分に調査するよう各国政府に求めている。

BMJ Public Health」誌に掲載された論文で、アムステルダム自由大学の著者らは「新型感染症用のお注射は民間人が新型感染症ウイルスによる罹患率や死亡率に苦しむのを防ぐために導入されたが、有害事象も記録され、疑われている」と述べた。

「医療従事者、ならびに、市民の双方はお注射の接種後の重傷者や死亡者を西側諸国におけるさまざまな公式データベースにおいて報告をしている。」

「パンデミックの間、新型感染症によるすべての死亡例は重要であり、すべての命が都市閉鎖や新型感染症用のお注射によって保護されるに値するということを政治家やメディアは日常的に強調していた。パンデミック後の余波の中においても同教訓は当てはまる筈である」と彼らは付け加えた。

Photo-2:パンデミック中に何千万人もの人々がお注射を受けた 提供:WPA POOL/GETTY

この調査によると、欧州や米国、オーストラリアではパンデミックの最盛期であった2020年には100万人以上の超過死亡が発生していたが、諸々の対策が実施された2021年には120万人、2022年には80万人となった。

研究者らは、これらの数字には新型感染症による死亡者だけではなく、「ウイルスの拡散と感染に対処するための健康戦略(訳注:つまり、お注射はそのひとつ)の間接的な影響」も含まれていると述べている。

お注射がもたらした副作用には虚血性脳卒中や急性冠症候群、脳出血、心血管疾患、凝固、内出血、胃腸障害、血栓、等が含まれると彼らは警告している。

ドイツの研究者らは2021年初頭に同国で超過死亡が観察され始めた時期はお注射の接種開始の時期と重なっていると指摘し、同チームは「さらなる調査が必要だ」と述べた。

しかしながら、副作用に関する最近のデータは一般には公開されておらず、各国は国民や医師からの申告に頼った独自の有害性データベースを保持している、と専門家は警告している。

新型感染症以外の治療における遅れ:

研究者らはパンデミック時の封じ込め措置や医療の制限、社会経済的混乱の影響が死亡に寄与した「可能性が高い」と述べた。だが、それを証明することは困難であることを認めた。

Check4Cancer」の最高医療責任者であり、アングリア・ラスキン大学の癌外科の客員教授でもあるゴードン・ウィシャート氏は癌の診断を遅らせることは死につながると繰り返し警告している。

「都市閉鎖期間の早い段階において新型感染症以外の疾患に対する医療へのアクセスが制限されると、癌や心臓病、糖尿病、認知症などの一刻を争う疾患の診断や治療が遅れ、これらの疾患による超過死亡につながるであろうと予測されていた」と彼は述べた。

英国医療サービスのデータによると、10万人あたりの癌発生率は都市閉鎖前の1年間は521人であったが、2020年から2021年にかけて456人に減少し、パンデミックの最初の年に約45,000人の癌が見落とされたことを示唆している。

翌年には罹患率が10万人あたり540人に上昇し、これは多くの癌の診断が遅れたことから治療効果が低下したことを示唆している。

お注射による健康被害の可能性についてウィシャートは「お注射関連の重篤な有害事象の多くが報告されてはいない可能性があると指摘した著者らの言は正しく、ドイツにおいては超過死亡の発生と新型感染症用のお注射の接種とが同時期に起こったことはさらなる調査に値する」と指摘している。

「この論文は答えよりも多くの疑問を提示しているが、パンデミック危機の将来の管理に備えるためには、超過死亡の根本的な原因を理解するためにさらなる分析が必要であるという彼らの結論に異議を唱えるのは困難である。」

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これで全文の仮訳が終了した。

パンデミックにおいてはお注射の推進派は一般大衆の間に恐怖心を募らせ、新型お注射の開発が急ピッチで行われており、お注射の安全性と有効性を喧伝し、その使用については通常行われる長期の臨床試験を省いてでもFDAが早急に仮の認可を与える、といったお膳立てが準備され、そのシナリオ通りに実行されたようである。こうして、製薬大手は膨大な利益を手にした。つまり、ウィルスが次々と変異し続ける中、それに乗り遅れることもなく彼らの目論み通りの展開となった。

しかしながら、総合的に見ると、製薬業界や医療行為に求められるお注射を受ける人たちの安全性は金儲けの祭壇に犠牲として捧げられたのである。前代未聞の理不尽な展開であった。

連中が金儲けのためにやろうとした理不尽な行為は、この引用記事でも報じられているように、ひとつひとつ解明されようとしている。だが、まだ決して十分とは言えず、定性的な検証から始まって、定量的な検証に至るまでこの検証プロセスは進めなければならない。新しい世代の健康を維持するためにも、さらなる研究成果を期待したいところである。

米国やヨーロッパにおけるこれら諸々の状況はその多くが日本にも当てはまる筈だ。これを反論することは極めて困難なことであろうと思う。

参照:

注1:Covid vaccines may have helped fuel rise in excess deaths: By Sarah Knapton, The Telegraph, Jun/05/2024

 

 


2024年6月19日水曜日

オイルダラーはすでに衰退の一途


今までの世界経済は西側諸国によって牽引されて来たとわれわれ一般庶民は長い間教えられてきた。つまり、G7諸国のGDP合計は世界の経済のもっとも大きな部分を占めて、世界経済をリードして来た。

しかしながら、昨今は中国経済が台頭し、グローバルサウス諸国が国際政治や経済における発言力を増している。たとえば、BRICS諸国のGDPは今やG7諸国のそれを上回ったと言われている。その詳細に注目すると、これは購買力平価ベースでの比較である。下記のIMFのグラフをご覧いただきたいと思う。1995年~2023年の期間にBRICS諸国の経済がどれだけ拡大したかが示されている。それとは対照的に、G7諸国の経済が世界経済に占める割合は相対的に縮小して来た。

Photo-1

BRICSのグループにはブラジルやロシア、インド、中国、南アが含まれる。そして、最近、これに新たなメンバーとしてアルゼンチンやイラン、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、UAEが加わって、この拡大したグローバルな集団は「BRICSプラス」と称される。その結果、BRICSプラス全体の購買力平価ベースでのGDPは世界のGDPの約37%を占めるに至っている。大雑把な性格付けを行うと、BRICSプラスは資源国の集まりであり、G7グループは非資源国であって、金融に特化した国々である。

ここに「オイルダラーはすでに衰退の一途」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。いったい何が起こっているのだろうか?

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サウジアラビアや他の産油国はエネルギー貿易において徐々に米ドルから離れており、この動きは最終的に「オイルダラー」を失脚させ、米国の金融システムを弱体化させる可能性があると国際政治経済アナリストはスプートニクに語った。

サウジ中央銀行は国際決済銀行(BIS)の中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトである「mBridge」に参加し、国境を越えた即時決済を可能にした。

一方、1974年に米国とサウジアラビアとの間で締結されたいわゆる「オイルダラー協定」は202469日に失効したと言われている。だが、ワシントンもリヤドも、今のところ、この噂を確認してはいない。

この動きは世界の原油貿易における米ドルの終焉の可能性を示す前兆と見なされる。

「これらふたつの重要な展開はサウジアラビアが将来の米ドルベースの原油貿易取引に柔軟性を与えるというひとつの戦略的目的に役立つであろう」と、国際原油経済の学者であり、世界的なエネルギーの専門家でもあるマムドゥー・G・サラメ博士はスプートニクに語った。「単刀直入に言えば、サウジアラビアは米国を怒らせることもなく、中国への原油輸出の対価として人民元を受け入れることができる。だが、1973年以来世界の原油取引の通貨として用いられてきたオイルダラーへの打撃は計り知れず、特に湾岸協力会議(GCC)諸国が広く予想されているようにサウジに追随すれば、計り知れないものとなろう。」

特別協定の下で、50年前、リヤドは競争入札プロセスを迂回して米国債を買う機会を得た。それと引き換えに、サウジアラビアは原油を米ドルで売り、その収入を米国債に投資することに同意した。その後、リヤドは他のOPEC加盟国にもこれに追随するよう説得した。

この「オイルダラー取引」はニクソン政権が米ドルの金への兌換性を終らせ、ブレトンウッズ体制を不換紙幣に変えた数年後に成立した。これに先立って、1944年、米国に追従する国々は自国通貨を米ドルに固定することに同意し、米ドルは金に固定された。米国とサウジの合意の下で、米ドルの為替レートの設定は原油に「ペッグ」された。

ドル離れする産油国とその顧客:

ある試算によると、世界の原油販売の80%近くが米ドル建てで設定されている。しかし、ロシアやイラン、サウジアラビア、中国、等ではエネルギー貿易において現地通貨への移行が進行している。

2022年、サウジアラビアと中国は原油取引の一部を人民元で決済することについて交渉中であると報じられた。20231月、サウジアラビアのムハンマド・アル・ジャダーン財務相はサウジアラビアがエネルギー貿易で米ドル以外の通貨を使用することに前向きであると発表した。

2023117日、アル・ジャダーン氏はブルームバーグTVに対して「貿易協定の決済方法は、それが米ドルであろうと、ユーロであろうと、あるいは、サウジ・リヤルであろうとも議論することには問題はない」と語った。「われわれは世界貿易の改善に役立つ議論を振り切ったり、排除したりしているとは思わない。」

ブルームバーグによると、202311月、中国とサウジアラビアは相互の経済協力を促進するため、70億ドルの通貨スワップ協定に署名した。

その1カ月後、ウォールストリートジャーナル紙は、2023年には世界の原油取引の約20%が米ドル以外の通貨で決済されたと報じた。しかしながら、サラメ氏はこの数字はさらに高まるだろうと考えている。

「サウジ主導のGCC諸国は中国やアジア太平洋地域に日量約1,200万バレルの原油を輸出し、中国は1,300万バレルの原油輸入を人民元で支払い、ロシアは850万バレルの原油や石油製品をルーブルと人民元の両方で販売し、インドは500万バレルの輸入に対してルピーで支払っている。 これらの状況は世界の原油貿易の少なくとも52%が米ドル以外の通貨建てで売られている可能性があることを意味する」とこの原油の専門家は示唆した。

「これは、世界の原油貿易におけるオイルダラーのシェアで約40%を失ったことに相当する。それは、米国の金融システムと米ドルの両方に深刻な損失をもたらすことになり、最終的には現在の価値の3分の1から2分の1を失う可能性がある。サウジの動きの背後にあるもうひとつの深刻な要因は、米ドルの健全性に対する懸念である」とサラメは指摘した。

Photo-5:関連記事:India-Russia Oil for Rubles Deal Another Sign of Rapid Dedollarization: Sputnik, May/31/2024

サウジの手枷を解くためのデジタル・クロスボーダー決済:

サウジアラビアが「mBridge」プラットフォームに参加するという決断は原油貿易の脱ドル化を促進する可能性が高いと、政治アナリストで「Makkah NewsPaper」や「Arab News」のコラムニストでもあるファイサル・アルシャメリ氏が述べている。

「中央デジタル銀行通貨(CBDC)のプラットフォームは分散型台帳技術(DLT)に基づいて構築されており、国境を越えた即時決済と外国為替取引を可能にするため、参加している中央銀行や商業銀行の多くによって共有されている」とアルシャメリ氏はスプートニクに語った。

「サウジアラビアは、今月メンバーとして承認された南ア準備銀行を含めて、26以上の本規約を順守する参加国のひとつとなる。サウジアラビアは国際貿易のための中央銀行デジタル通貨(CBDC)のイニシアチブであるmBridgeに正式参加者として参加し、これによって、中国とサウジアラビア間の原油貿易における現地通貨建て決済も拡大される。サウジアラビアは米ドル以外の通貨で原油の支払いを受け付ける。こうして、より多くの国が米ドルを使わずに貿易を行うことが奨励されることになる。米国はこの世界経済における新しい事実を受け入れなければならなかった。」

ピーター・G・ピーターソン財団によると、米国の国家債務が34兆ドルを超して、米国財務省には6,600億ドル(2023年)という途方もない利息の支払い求められる中、これらの動向が最近具体化している。そして、同財団によると、2023年の米国の総利息支払い額(国債の支払いと政府口座が保有する債務の政府内支払いを含む)は合計で8,790億ドルとなった。サラメ氏によると、この状況は米ドルに対する世界の投資家の信頼を損ない、脱ドル化の動きに拍車をかけているという。

「米国経済は多くの問題に直面している」とアルシャメリ氏は同調した。「サウジアラビアは世界のどの国の国内問題に対しても中立を保っている。米国のネガティブな経済動向は世界中の企業やビジネスに打撃を与え、米国に追従する国々においては消費者の信頼感を低下させる」と述べた。

Photo-6:関連記事:Dollar's Role Diminishes as US Sanctions Boost Russia’s Yuan Trade: Sputnik, Jun/13/2024

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これで全文の仮訳が終了した。

米ドルの価値が3分の1、あるいは、半分になると、世界経済における存在感が低下する一方にある日本経済は拍車を掛けるように沈下することであろう。これは政治的・経済的・軍事的に米国にべったりと追従して来た日本が何時の日にか支払わなければならない対価だ。

ところで、読者の皆さんと共有しておきたい点がある。つい最近のことではあるが、スイスで開催されていたウクライナ平和サミット(615日~16日)は、結局、前評判程の成果は得られずに終わったようだ。その最大の要因はグローバルサウス諸国がロシアや中国が招待されてはいない場でウクライナの和平を論じることは不合理だとして、西側に同調しなかったからだという。この状況に本日の引用記事が指摘している政治や経済におけるグルーバルサウスの発言力が高まってるという現実のひとコマを見るような気がした。

西側、あるいは、G7諸国が低迷を続けるプロセスはわれわれの理解を超えて、深く、そして、着実に進行しているようだ。もちろん、日本の次世代の人たちの幸せは単に物質的な裕福さによって決まるものではない。価値観が大きく作用する。日本がその伝統を捨てて、近視眼的なグローバリズムの枠組みや政策に組み入れられる度に、個々の日本人の生活は日本らしさを失って行くように見える。千数百年続いて来た価値観は短期的には目に見える形で失われることはないかも知れないが、個々人の一生という時間的尺度から観察すると、そこには極めて大きな変化として認めることができよう。そして、その変化を認めた時には既に後戻りはできないのが普通だ。ここに伝統が持つ特質が見られる。換言すれば、それは伝統が持つ脆弱性でもある。

遅きに失したかも知れないが、日本独自の長期的視点と確固とした行動力とが、今、求められている。しかも、これはわれわれ一般庶民の意識レベルにおける話である。なぜならば、一握りの政治エリートには任せ切れないことがすでに明白であるからだ。

参照:

注1:Developments to Dethrone Petrodollar Already Underway: By Ekaterina Blinova, Sputnik, Jun/13/2024

 

 


2024年6月15日土曜日

キューバにロシア艦隊が現れたことは西側にプーチンの言葉を思い出させる

 

米政府高官の話をCBSが下記のように報じたとして調査報道で定評があり、モスクワに本拠を置くRBCが伝えた(原典:CBS learns that the United States will monitor Russian ships sent to Cuba: By RBC, Jun/11/2024):

米海軍の艦艇はキューバに向けて出航したロシアの軍艦を追跡すると米政府高官がCBSニュースに語った。

キューバ当局は、612日から17日にかけてフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」、原子力潜水艦「カザン」、石油タンカー「アカデミク・パシン」、救難用タグボート「ニコライ・チケル」の4隻がハバナ港に寄港すると発表した。ハバナ政府はどの艦艇も核兵器を搭載してはいないと保証した。ロシア国防省は、5月中旬、フリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」が率いる分遣隊が長期航海に出発したと発表していた。

ロイター通信やCBSなどの報道によると、ロシアは2019年以降で初の軍事演習を行うため、今後数週間にわたって艦艇や航空機をカリブ海に展開する。米当局の出版物に関する担当官によると、これらの艦艇はキューバとベネズエラに寄港し、演習の後、夏の終わりまでこのカリブ海地域に留まり、秋には別の演習を行う予定である。

その一方で、ロシア国防省は次のように述べている(原典:Northern Fleet Detachment Completes Exercises and Arrives in Havana: By Matvey Ignatiev, Gazeta.ru, Jun/12/2024):

北方艦隊の分遣隊は高精度兵器を使用する演習を完了し、キューバのハバナ港に到着した。これはロシア連邦国防省の取材を行ったタス通信が報じたものである。

「キューバの首都の港に入る数時間前、異質な艦艇で構成されたこの戦術的海軍打撃グループは高精度ミサイル兵器の使用に関する演習を完了した」と国防省は述べた。

この分遣隊にはフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」、原子力潜水艦ミサイル巡洋艦「カザン」、中型タンカー「アカデミック・パシン」、海難用タグボート「ニコライ・チケル」が含まれる。

これらの軍事関連ニュースはわれわれ一般庶民の生活に対していったいどのような意味合いを投じるのであろうか。つまり、現在進行している地政学的な世界の動きの中でどんな意味を持っているのであろうか。

ここに「キューバにロシア艦隊が現れたことは西側にプーチンの言葉を思い出させる」と題された最近の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:ロシア海軍の艦艇がキューバの近海に姿を現した後、政治学者のディーセン氏はプーチン大統領の言葉を思い起こした。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がモスクワ政府は自国の経済的利益と安全を守ると繰り返し西側諸国に語って来た。こうして、ノルウェーの政治学者であるグレン・ディーセンはソーシャルネットワーク「X」における自分のページで、キューバ沖に現れた原子力潜水艦「カザン」を含むロシア海軍の艦艇についてコメントしている。

2014年のウクライナでのクーデター後、クリミアがロシアと再統一されたことを彼は思い出す。あの時でさえも、ロシアの指導者は西側がウクライナと一線を越えたと述べた。同国家元首は特別作戦の開始前の2022年に同国の安全保障について同様の声明を発表した。

「ロシアは、今、ロシア領土を攻撃するためのNATOの兵器がウクライナに送り込まれたことに対して行動を起こすと強調している。NATO同盟がロシアからの報復もなしに抑止システムを破壊することをモスクワ政府が許してしまうとすれば、それはあまりにも多くのリスクを背負わざるを得なくなるだろう。米国も同じことをするんじゃないか?」とこの政治学者は述べた。

米国は、キューバにロシアの艦艇が停泊していることを理由に、ウクライナでの緊張緩和を求めた。

海軍総司令官のアレクサンドル・モイセーエフが612日にロシア北方艦隊の分遣隊がキューバに到着したと発表したことを思い出していただきたい。ロシアの原子力潜水艦「カザン」、フリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」、補給タンカー「アカデミク・パシン」、救難用タグボート「ニコライ・チケル」がハバナ港に入港した。その後、ワシントン政府は、この機会に米政権はこの海域におけるモスクワの行動を監視していると述べた。

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これで全文の仮訳が終了した。

上述の「NATO同盟がロシアからの報復もなしに抑止システムを破壊することをモスクワ政府が許してしまうとすれば、それはあまりにも多くのリスクを背負わざるを得なくなるだろう」という指摘は、ロシアの早期警戒システムに対してウクライナが行った最近の攻撃のことだと思う。ニューズウィークの報道によると、その攻撃は下記のような具合だ(原典:Map Shows Ukraine’s Record-Breaking Hits on Russian Nuclear Warning Sites: By David Brennan, May/28/2024):

ロシアの核弾道ミサイルに対する早期警戒レーダー網は、ウクライナ軍による長距離攻撃の主要な標的として浮上しており、過去2か月間に3つの施設がキエフからの無人機によって攻撃された。先週、このような攻撃が2件発生した。まず、522日、クラスノダール地方南部のアルマヴィル・レーダー基地にある「ヴォロネジDM」レーダーにドローンが命中した。この場所には、射程約6,000キロメートル(3,730マイル)のヴォロネジ-DMレーダーが2基設置されている。「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」および「ラジオ・リバティー」のロシア通信が報じたところでは、この攻撃でレーダーが設置されている建物のひとつが損傷したようだ。この場所は、現在キエフの支配下にある最も近い領土からであっても300マイル(480キロ)以上離れている。アルマヴィルの施設に対する攻撃に続いて、より野心的な攻撃がすぐに行われた。526日、ウクライナの無人機がキエフ支配地域から約930マイル(1488キロ)移動し、カザフスタンとの国境に近いオレンブルク地方のオルスク市近郊でヴォロネジMレーダーを標的にした。オルスクの現場での被害の程度はまだ不明。しかし、この攻撃はこれまでで最も長い距離のウクライナの無人機攻撃となる可能性があり、キエフがロシアの長距離レーダーと石油生産施設に対する攻撃を優先するにつれて、標的のリストは着実に増えている。

ロシアには、ヴォロネジMシステムを収容するレーダーサイトが少なくとも5カ所ある。ふたつの施設がサンクトペテルブルク近郊のレクトゥシレーダー基地とカリーニングラードの飛び地にあるピオネルスキーレーダー基地の西側にある。イルクーツク市近郊のミシェレフカレーダー基地、クラスノヤルスク地方のエニセイスク市近郊、アルタイ地方のバルナウル市近郊に他のみっつの施設があって、シベリア全土に広がっている。追加のヴォロネジMレーダー基地が計画されており、占領下のクリミア半島のセバストポリ市近郊、ムルマンスク州の北極圏都市オレノゴルスク近郊、同じく北極圏のコミ共和国北部のヴォルクタ市近郊に建設される予定だ。

これらのニュースを読む限りでは、ロシア・ウクライナ戦争は新しい局面に入ったと言えそうだ。プーチン大統領は自国の安全保障を脅かす行為に対しては核による報復もあり得ると繰り返して発言して来たことを考えると、ウクライナが最近行ったロシアの早期警戒システムに対するドローン攻撃はまさにロシア側の定義にすっぽりと収まるのではないか。とすると、世界は、今、核戦争の勃発により以上に近くなったということだ。

またしても、西側はロシアに対して余計なちょっかいを出したということに他ならない。612日に本ブログに掲載した「ワシントン政府はまさに核戦争を助長しているかのように見える」を髣髴とさせる。

そういった可能性を理解しながら、キューバへやって来た原子力潜水艦が示唆する意味合いを探る必要があろう。ロシアは自国の抑止能力を最大化するために軍事演習を行い、原潜の乗組員の訓練を行っているのである。今回のキューバへの航海では核ミサイルを搭載してはいないとロシア側は言っているが、核ミサイルの搭載が現実のものとなった暁には、原潜は何カ月でも浮上せずに作戦を展開することができ、さらには、水中からミサイルを発射することが可能だ。そして、何よりも重要な点はロシアの艦艇が演習を行っている海域は米国の目と鼻の先にあるキューバであるという点であろう。これはNATOがロシア国境で軍事演習を行い、ウクライナがロシア領内の奥深くへミサイル攻撃を行ったことに対する将来のロシアの報復を明示したものではないだろうか。

究極の状況に至る前に、ロシア・ウクライナ戦争は何とかして収束して欲しいものである!

不幸なことには、何らかの理由から戦争を鼓舞する政治家が後を絶たない。多くの場合、金銭的な利益、あるいは、権力の強化に向けたものである。余程のおバカさんか、深慮遠謀に長けた稀に見る天才であるかのどちらかだ。

参照:

注1:The appearance of the Russian fleet off the coast of Cuba reminded the West of Putin's words: By LIFE, Jun/13/2024

 

 



2024年6月12日水曜日

ワシントン政府はまさに核戦争を助長しているかのように見える

 

日本の代替メディアにおける国際問題の解説でもっとも活躍している人物のひとりである及川幸久氏のユーチューブ動画番組「THE CORE」は、67日、極めて重要な報道をした。その動画は「米国NATOが世界をハルマゲドンに導く【及川幸久】【Breaking News」と題されている(https://youtu.be/o3Pepc5d1kM?si=diu0NAciCh4wYB4i)。まだご覧になってはいない方はこの動画を覗いていただきたいと思う。

太平洋の向こう側では、米国における論壇では定評のあるポール・クレイグ・ロバーツ氏がウクライナにおける米国の対ロ代理戦争の現状を解説している。つまり、最近のエスカレーションに関するものだ。その記事は「ワシントン政府はまさに核戦争を助長しているかのように見える」と題されている(注1)。

奇しくも、日米の専門家が核戦争の可能性が一段と高まったとして警鐘を鳴らしているのである。これは極めて重大な局面が展開しつつあることを示していることから、われわれ一般庶民も注目しなければならない。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有したいと思う。

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2年間にわたって、バイデンはロシアを攻撃するのに米国の兵器を使ってはならないと断固として主張していた。だが、今、彼は政策を逆転させている。つまり、彼は嘘をついたのだ。では、反動はいったいどこに生じるのだろうか?議会か、メディアか?核超大国との戦争に一国を引っ張り込むような大嘘ほど重篤な状況ってはたしてあるのだろうか?」 ― マイケル・トレーシーの言。

欧米諸国の人々は自国の政治家がロシアとの直接紛争に自分たちを追い込んでいることに気づかないほど無頓着だというのだろうか?ハンガリー人だけが何らかの正常な感覚を持っている唯一のヨーロッパ人であるかのようだ。
https://www.rt.com/news/598644-budapest-peace-march-nato/

クレムリンはこれ以上悲惨な警告を発することはできず、それに呼応して、低能な欧米の政治家はより激しい挑発を行っている。彼らは自分たちが核戦争を誘発していることを理解できないのだろうか?それとも、核戦争を誘発することが彼らの真の意図なのだろうか?

バイデンやブリンケン、ならびに、NATOの高官らはまたもやUターンをした。ウクライナがロシア領土内への攻撃に使ってはならないとされていた長距離ミサイルは、今や、使えるようになったが、今のところ、軍事目標にしか使えないとしている。しかし、軍事目標と非軍事目標との間の区別は意味もないし、実態も伴わない。現代の戦争はすべてが民間人やインフラに対する攻撃であるからだ。(訳注:太平洋戦争における東京の大空襲や広島・長崎への原爆の投下、ならびに、最近の事例で言えば、ガザ地区に対する爆撃、等を見れば、それは明らかだ!)

長距離ミサイルの使用に対する規制を撤廃するに至った論拠は、ウクライナを防衛するには、ロシアがウクライナを攻撃するのに使っている軍事インフラを攻撃することができるようにワシントンが供与する兵器を使えるようにする必要があるというものだ。

ロシアは攻撃をかけた拠点を攻撃し返すだけなので、長距離ミサイルを使った攻撃はウクライナの防衛には何の役にも立たない。さらに悪いことに、クレムリンは、ミサイルが米国やNATOの要員によって標的情報をプログラムに組み入れなければならないことを知っているので、ロシアは、ロシア国内を標的にした責任のある国々を戦闘員と見なし、反撃の標的と見なす。つまり、この紛争が終局的に拡大する瀬戸際にわれわれは立たされているのである。

これまでのあらゆる「ノー、ノー」が「イエス、イエス」になって来たように、クレムリンとしては、NATO軍の派兵に対する「ノー、ノー」が、まもなく、「イエス、イエス」に変わるであろうと想定せざるを得ない。(訳注:「ノー、ノー」が「イエス、イエス」になった最大の歴史的事例はベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの統一の際に、米国はNATO圏を東方に向かって1インチたりとも拡大させないと言って、ソ連側を安心させ、ワルシャワ条約機構軍を解体させ、その後、米国はNATOを中欧や東欧諸国に拡大して行った事実を指しているのであろう。)もしもクレムリンで現実主義が優勢になれば、現実主義はプーチンに限定的な軍事作戦を放棄せしめ、NATO兵士でいっぱいになる前にウクライナをノックアウトせざるを得なくなるのではないか。

限定的な軍事作戦は当初から西側諸国の関与を許し、その結果、これは戦争が拡大することを許す戦略的失策であることは私にとっては明らかであった。まさにその予測が現実となったのだ。プーチンが西側諸国に撤退せよと迫り、さもなければ核兵器をお見舞いするぞという危機的な状況にまで到達してしまった。

しかし、欧米では誰も耳を傾けない。

ワシントンはパレスチナ人を気遣う以上にはウクライナ人を気遣ってはいない。ウクライナ紛争は、米国・NATOの対ロシア攻撃を正当化するのに利用できるような反応をロシアに強いる手段なのである。これでいったい何が得られると言うのだろうか?欧米にとっては一種の自殺行為である。

この危険な状況を解決する責任のある指導者は欧米の何処かにいるのだろうか?どうして誰も出て来ないのか?そもそもロシアのドンバス地域をウクライナ領内に留めておくべきではなかった。ドンバス地域をウクライナ領内に留めることは決して現行の戦争に値しない。

長距離ミサイルはウクライナの前線での動向を左右することはできないため、その唯一の目的は挑発に使用することしかない。この状況を見て、さらなる挑発が必要だと考える人は正気の沙汰ではない。

西側諸国の指導者たちが核戦争を扇動するのを実際に目にし、私は気が遠くなるような思いに駆られる。

議会からの反対はない。印刷物やテレビといったメディアからは何もない。ハンガリー以外のヨーロッパ諸国の政府からは何の反応も出て来ない。欧米諸国の人々は自分たちが絶滅の淵に立っていることを理解できないほど無頓着なままだ。

「われわれは破滅からたった数センチ離れているだけだ」 ― ハンガリーのオルバン首相。

現実があまりに動揺していると感じる人々の中には、われわれが最終戦争にどれほど近づいているかという私の警告に異議を唱える人もいる。私は「デマを飛ばして、人々を不安に陥れる人物」という新たな称賛を頂戴した。しかし、地球上でこの事に気づいているのは私だけではない。マサチューセッツ工科大学(MIT)のポスタル博士は、マイク・ホイットニーやスティーブン・スター、ギルバート・ドクトロウ、スコット・リッター、ヴィクトル・オルバンと同様に、事態の深刻さを理解している。抑制的であり、挑発的ではないプーチンでさえも、今や、ロシアが直面しているのはドンバス地域のロシア人を解放するための限定的な軍事作戦ではなく、本物の戦争に直面していることを理解している。

オルバン首相は、EUNATOが軍事行動の準備をしており、ますます多くの兆候を毎週のように目にすると述べている。オルバンは「西側諸国の政府はロシアを打ち負かしたい。どんな犠牲を払ってでも軍事的成功を達成したいのだ」との結論に到達した。その代償はこの地球上にある生命だ。ウクライナのNATO加盟は大量の人命の損失や地球上の生命の住みやすさよりもなぜ重要だと言うのだろうか? https://tass.com/world/1796133

西側世界がイスラエルによるパレスチナ人虐殺を止めるために何もしないでいるのを観ることは驚くべきことだ。そして、歴史的には「ウクライナ」として知られている人工的な国、つまり、より大きな国のひとつの州でしかないウクライナという人工的な国境のために地球上の生命を破壊する準備ができているという状況は驚くべきことなのである。

オルバンは真実を語っている。「NATOは加盟国を守るために作られた強力な防衛同盟であって、新たな戦争に介入するためではない」と彼は言う。ハンガリーが戦争の大渦に巻き込まれるのを防ぐために、オルバンはできる限りのことをすると述べている。「これはわれわれの戦争ではない。ハンガリー国民は戦争のせいで苦しむべきではない。」

しかし、ハンガリーは、生存者や母なる地球、ならびに、地球上のすべての生き物や植物とともに大規模な火災や放射能、おそらくは、核の冬、すべての地球規模の物資の供給網の完全な混乱、等に苦しめられることであろう。もしも生き残る国があるとするならば、それは爆風地帯や放射能を帯びた風のパターンからは十分に離れた地域で、食料を自給自足している国だけだ。グローバルな関係に依存している経済はすべてが破壊されるであろう。

今日の組織化された世界は大規模な戦争を生き延びることはできない。何百万人もの人々が暮らす都市は供給網が存在しなくなったとき、いったいどうやって生活を維持することができるのか?戦争が起これば、人口が2000万人のメキシコシティには水の供給はほとんどゼロだ。

私は、 答えが見つからない、こういった問いを次々と投げ続けることができる。

だが、そうすることは無意味だ。

問題は、オルバンとプーチンを除いて、欧米のすべての政治指導者は正当な理由もなく戦争にコミットしている点だ。

差し迫った戦争には正当な理由はない。ウクライナは中立国家として存在することが可能だ。ワシントンはロシアの国境におけるプレゼンスを後退させることが可能だ。

米国のネオコンたちが標榜する米国の覇権という無意味な要求は放棄することが可能だ。現実を受け入れた結果がどうであろうとも、核戦争よりははるかにましだ。

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西側諸国の誰もが生命への脅威を理解していないのはなぜだろうか?

就任4年目の終わりに近づいているのに、人類史上最も危険な危機を解決するためにバイデンはプーチンと一度も会ったことがないのはどう説明できるのだろうか?

われわれを支配する愚かな連中は今日の熱核兵器は日本のふたつの民間都市に米国が投下した原子爆弾の1000倍も強力であることを理解していない。今日の核兵器は大都市を消し去るだけではなく、膨大な地域を消し去ってしまう。

スティーブン・スターや他の専門家は、核戦争によって大気が塵や破片で満たされ、塵や破片が落ち着くまで何年にもわたって太陽光が遮られるのではないかという懸念を表明している。何年間にもわたって生命体の成長期は最小限に限られてしまうか、もはや生命を存続できない場合さえもが起こり得る。したがって、すべての命が犠牲になる可能性がある。

マサチューセッツ工科大学のセオドア・ポスタル博士のプレゼンテーションより:

アミールにあるロシアの核早期警戒システム(EWS)が攻撃され、損傷した。ロシアのEWSを攻撃する決定はワシントンでなされた。無人機は米国の航空偵察と衛星偵察を使って標的に誘導された(ロシアのレーダーシステムを回避するために、飛行中に複数の回避行動をとらなければならず、これは米国が提供するリアルタイムの標的情報を介してのみ提供が可能)。無人偵察機の操縦者は米国で訓練を受けた傭兵、もしくは、制服を着てはいない米軍兵士であった可能性が高い。このことを承知の上で、ロシアはこれを核早期警戒システムに対する米国の攻撃だと考えている。

その攻撃は理解を超える程の無謀なものだった。ロシアを核攻撃から守るために使われるEWSシステムに対するいかなる攻撃も、ロシアの法律の下では、核による報復攻撃を正当化することができる。

米国・NATO・ウクライナは、以前、ロシアが長距離戦略核爆撃機を保管しているエンゲルスのロシア空軍基地に複数の無人機攻撃を行った。これらの攻撃の少なくともひとつで、戦略核爆撃機が損傷したようだ。エンゲルス空軍基地はロシア国内数百マイルにあり、無人機は米国の航空偵察と衛星偵察によって供給されたリアルタイムの照準情報なしには、基地に到達することはできなかったであろう。

ロシアの軍事計画立案者はこれらの攻撃を米国によるロシアに対する核の先制攻撃の前兆として考えなければならない。

米国とNATOもウクライナにF-16を派遣する準備を進めている。ロシアは、これらを核兵器搭載可能な兵器システムとみなし、ウクライナの内外(つまり、ポーランドやルーマニア)の基地を攻撃するなど、それに応じて処理すると発表した。

バイデンは、今日(62日)、米国製の長距離兵器を使用したロシア国内への攻撃を承認した。その後、フランスとドイツはアメリカに追随し、ロシア国内の標的を攻撃するために西側が供給した兵器の使用を承認した。

ウクライナ情勢は制御不能なところまでエスカレートしている。それなのに、欧米のマスメディアはこうした出来事を無視し、一般大衆は、ウクライナでの戦争をあらゆる国と人々を破壊する核戦争に発展させかねないところまで指導者たちがエスカレートし続けていることに気づいてはいない。

ギルバート・ドクトロウは、ロシアの「デッドハンド」発射システムは先制攻撃によって抑止することはできないと説明している。ギルバート・ドクトロウはロシアが「デッドハンド」発射システムを持っていることをわれわれに思い出させる。たとえロシアに対する先制攻撃によってロシアのあらゆる司令部が一掃されたとしても、米国や西ヨーロッパを一掃するのに十分なミサイルが報復攻撃として発射される。言い換えれば、米国がロシアに先制攻撃をしたとしても、何の利益もないのである。 https://gilbertdoctorow.com/2024/06/01/first-strike-capable-why-russia-is-indifferent-to-damage-to-one-or-another-ground-based-radar-installation/

また、ドクトロウは英国ほどの大きさの国を地球上から抹殺するのには完全に装填された、極超音速で飛行し、迎撃が不可能なサルマト多連装ミサイルを1発しか必要とせず、米国を地図から消し去るのには数発しか必要としない点を思い出させる。ヨーロッパと米国が自らの自殺を助長する現在の状況はまさに狂気の沙汰を遥かに超えている。マスコミは人類の存続が危ぶまれていることには気づいていない国民からすべての情報を隠蔽している。

ロシア領内の奥深く攻撃することによってもたらされる結果の可能性についてスコット・リッターの弁を以下の動画に示す:

https://www.youtube.com/watch?v=Nt_-BS7vY_o

スコット・リッターは、ロシア国内を攻撃するために使用されるミサイル兵器はそれらを供給した米国やNATO諸国によってプログラムされなければならないことをわれわれに思い起こさせる。ウクライナはこのプロセスを補助するだけ。ロシアはこのことを理解しており、ロシアは責任ある国々を攻撃すると述べている。

以下は、ワシントンが世界を核戦争に追いやっているという私の懸念を共有し、専門家であるスコット・リッターの動画の要約だ:

スコット・リッターは、ロシアの戦略拠点へのさらなる攻撃、ミサイルや巡航ミサイルを使ったロシア領土内への攻撃はロシアがそのような攻撃に関与したウクライナ内外の全てのNATOの標的に対して反撃する結果になるであろう、と説明している。

これには米国の航空偵察資産、米国の衛星、AWACS、リーパー・ドローンが含まれる。これにはロシア領土を攻撃するために使用される長距離ミサイルと無人機の準備、プログラミング、標的設定、発射に関与したNATO本部と空軍基地が含まれる。これにはフランス、英国、ドイツ、そしておそらく米国内の基地も含まれる。

リッターは、そのような攻撃はNATO憲章第5条を発動し、ロシアの報復攻撃を受けたNATO諸国はロシアに攻撃されたと主張する結果になるだろうと述べている。もしNATO加盟国がこのような行動を取り、ロシアに対する戦争で団結すれば、ロシアはこれらすべての国々に対して大規模な核攻撃を仕掛けるであろう、とリッターは言う。私は彼が間違っていることを願うばかりだ。

米国や英国、フランス、ドイツが、ロシアの「限られた」地域ではあるとはいえ、ロシアに対する長距離兵器の使用を承認したことを考えると、攻撃対象となるロシアの「限定された」地域が拡大することから、リッターが示唆するシナリオに近くなると思う。プーチンが決定的な方法で反撃せざるを得ないような状況が起こるであろう。欧米はロシアからの攻撃がロシアに対して自分たちが行った薄っぺらな偽装攻撃に対する報復であることを否定し、ロシアの攻撃を「いわれのない侵略」であるとし、戦争行為と呼ぶであろう。

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米国とNATOはロシアと戦っているのはウクライナであり、欧米はロシアと戦っているのではないという大嘘の背後に隠れ続けて来た。米国、英国、フランスやドイツ製のミサイルがウクライナに到着すると、それらは「ウクライナの兵器」となって、それゆえ、ウクライナがそれらの兵器を使って引き起こされたことであるから、それらによって攻撃された標的が何であれ、欧米ではなく、ウクライナが責任を負わされることになる。

ロシアは、ロシアと戦争をしているのは西側ではなく、ウクライナだけだという嘘をもはや受け入れないであろう。プーチンでさえも、ハイテク長距離兵器は米国・NATO軍によってプログラムされ、運用され、誘導され、発射された米国・NATOの兵器であると公言している。標的はウクライナではなく、米国が決める。これらの兵器は、米国の空中偵察と衛星偵察からのリアルタイムの誘導を使用しなければならず、それゆえ、ロシアは標的情報を提供する衛星や無人機、AWACを破壊することだろう。ロシアに対する攻撃の全ての構成要素が標的にされることだろう。

「ロシアはハッタリをかましてはいない。ロシアは引き下がらない。」

西側世界の政治指導部全体が世界を核戦争に追いやっているのを目にすることは驚くべきことだ。欧米はいったいどうして自らの破滅を目指すのか?何を得る積りなのか?

20世紀の冷戦時代に私は「現在の危険に関する委員会」の理事として、また、冷戦を終わらせ、ソ連との関係を正常化しようとしたレーガン大統領の努力に対するCIAの反対を調査する権限を持つ秘密の大統領委員会のメンバーとして、当時密接に関わっていた。だから、当時の強硬派の反共産主義者でさえもが戦争を引き起こすのではなく、緊張を緩和しようと努力していた、と私は自信を持って言える。

私が21世紀に目撃していることは米国政府による人類史上最もひどい戦争の遂行であり、印刷物やテレビ、等のメディアは誰もが予測される結果を我々に伝えようとしてはいない。

(著者または代表者の許可を得てpaulcraigrobertsから転載)

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これで全文の仮訳が終了した。

何ともおどろおどろしい状況である。西側世界の主要メディアは今や全世界が絶滅の瀬戸際に立たされているにもかかわらず、関連情報を隠蔽し、われわれ一般大衆をつんぼ桟敷に置こうとしているとの著者の指摘は秀逸である。そして、それだけではなく、実に超現実的だ。この著者が主張している点は言われてみるとすべてが納得が行くものばかりで、彼の主張に反論できるような情報はわれわれ素人は何も持ち合わせてはいない。ただ、無力感に襲われるばかりだ。

世界は新型感染症のお注射によって数多くの過剰死亡を出し、膨大な数の健康被害者の出現を目の当たりにし、経済的疲弊を余儀なくされ、深い不満に覆われ、世界はうつ病状態に陥っている。ところが、この最近の悲惨な世界的状況も、今や、人類の存続を脅かす核戦争の脅威が具体的に出現したことによって矮小化されつつある。何と言う皮肉であろうか!神はこんなシナリオをお持ちだったのか?

グローバリズムを標榜するエリートたちの狙いが世界規模の核戦争を引き起こすとしたら、それは狂気の沙汰でしかない。超富豪でもある彼らは核シェルターを用意しており、彼らの家族は何カ月も地下で生活を続けることができるのであろう。だが、核の冬が到来した暁には食料を入手することは不可能となる。こうして、彼らもこの地球上から消え去る運命となる。連中はまともな価値観を持った人間ではない。常軌を逸している!

著者は「ウクライナ情勢は制御不能なところまでエスカレートしている。それなのに、欧米のマスメディアはこうした出来事を無視し、一般大衆は、ウクライナでの戦争をあらゆる国と人々を破壊する核戦争に発展させかねないところまで指導者たちがエスカレートし続けていることに気づいてはいない」と指摘している。この指摘の中心的な根拠となった出来事は523日から24日の夜に米国・NATO・ウクライナが行ったロシア国内の戦略的な国防施設であるEWSの破壊にある(出典:PRESS RELEASE — RED ALERT: UKRAINIAN STRIKE ON RUSSIAN EARLY WARNING RADAR THREATENS TO UNLEASH NUCLEAR WORLD WAR: By The International Shiller Institute, May/26/2024)。この出来事によって、ロシア側は今までに繰り返して述べて来た核による報復攻撃を行うという根拠を手に入れた。さらに攻撃範囲が広くなる長距離ミサイルが実際に使用された暁には、それはロシアの存続を脅かす出来事となる。ヨーロッパ圏内にある米軍基地に対するロシアによる報復攻撃は決定的にエスカレートする。西側のエリートが目を覚まさない限り、ほぼ間違いないと言えるだろう。

参照:

1Watching Washington Foment Nuclear War: By PAUL CRAIG ROBERTS, the unz review, Jun/02/2024