2023年4月18日火曜日

「ウクライナにおけるNATO軍に壊滅的な被害」 ― 秘密の地下壕にロシアが与えた「ダガー」ミサイルによる一撃によって、ウクライナ軍の大反撃は延期

 

ここに西側の主要メディアにとっては一般大衆に知って欲しくはないと思っていた出来事に関する総括的な報告がある(注1)。それは「ウクライナにおけるNATO軍に壊滅的な被害 ― 秘密の地下壕にロシアが与えた「ダガー」ミサイルによる一撃によって、ウクライナ軍の大反撃は延期」と題されている。

この出来事は3月上旬にウクライナ西部のリヴィウ近郊で起こった。これはロシア軍に対して先にウクライナ側が行ったテロ攻撃に対する報復攻撃であるとロシア側は説明していた。当時、ロシア側は極超音速ミサイルを使用して地下壕を破壊したという事実は報じたが、詳細な成果について詳しくは報じなかった。もちろん、西側も口を閉ざしていた。

しかしながら、さまざまな情報があちらこちらから流され、ついにこの出来事の全貌が見えて来たとこの記事の著者は述べている。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有しようと思う。

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副題:ロシアの極超音速ミサイル「ダガー」はNATOとウクライナ軍の200人の将校がいる秘密の掩蔽壕を破壊

Photo-1:「キンジャール」ミサイルを搭載したMiG-31K戦闘迎撃機  写真提供:Vladimir Velengurin

3月上旬にリヴィウの近くでいったい何が起こったのかについては、米国や英国、ポーランド、ならびに、他のいくつかのNATO諸国の軍事部門は一言も話したくはないようだ。そして、この悲惨な緊急事態について嗅ぎつけてやって来る迷惑千万なジャーナリストらが将軍や政治家に本件について質問すると、彼らからは何が起こったのかについては「ノーコメント」、あるいは、「何も知らない」といったずる賢い反応が返ってくる。それにもかかわらず、「袋の中の千枚通し」は流出しようとしている。西側やウクライナのマスコミ、および、さまざまな分野のソーシャルネットワークからの情報がますます多く漏れ、それらは詳細にわたって非常によく辻褄が合い、NATOとその同盟国にとっては大きな苦痛となったドラマ(悲劇でさえある)に関して信頼できる報道をすることが今や可能だ。

NATO の将官たちの掩蔽壕:

このシナリオは次のような具合だ。リヴィウの近く、地下100メートルに旧プレカルパティア軍管区の予備指揮所があった。十分な防護が施され、最新の通信システムを備えたこの施設は秘密の施設であり、ドンバス地域に対するウクライナ軍による敵対行為の発生(2014年)に伴い、キエフの同盟国に助言し、彼らと一緒に作戦計画を立てるのに便利なウクライナの後方地域に移動することが決定された際に、NATOの将軍や大佐らはこの地を選定した。また、この秘密の地下拠点は、特別軍事作戦の開始とともにウクライナ側の意思決定拠点を攻撃することをモスクワ側が約束した後でさえも、「コンサルタント」らには安心感を与えていた。事実、これはNATOの代表者たちやウクライナ国防省の将校、および、ウクライナ軍の参謀本部で構成された合同指令本部であった。さらに付け加えると、この本部は防空システムによって非常にしっかりとカバーされていたため、「住民たち」の安全性に関する自信はさらに高まっていた。さらには、数メートルにも及ぶ鉄筋コンクリート製の覆いの下で彼らは自分たちは完全に無敵だとさえ考えていた。

警戒感が失われたのは、おそらくは、これが理由であった。時には、何十台もの車が白昼に本部の入り口に集まったりした。3月の初めまでには、ロシアの参謀本部は「地下壕」とキエフの両地でウクライナ軍の攻撃計画の策定が本格化していることをすでに知っていた。リヴィウ地域のNATO「支部」の隠れ家を攻撃し、極超音速の「ダガー」ミサイルを発射する作業を注意深く終了させるには最も好ましいタイミングを決定することだけが残されていた。そして、もちろん、ダガーの搭載機(MiG-31戦闘機)、これらのミサイルの発射ライン(敵の防空識別圏には入らない)、および、目標物の破壊の「瞬間」を計算する作業は徹底して行われた。

「ダガー」(複数)は仕事をやり遂げた:

なぜ「ダガー」が選定されたのか?それは、この種の掩蔽壕は従来のミサイルに対しては無敵であったからだ。たとえ1トン半または5トンの爆弾を使ったとしても、攻撃のために爆撃機を発進させることは意味がなかった。ウクライナ軍は飛行機を撃墜することができるので、「杭の内側」に入ることはほとんど上手くは行かなかったであろう。そして、2000キロも離れた距離からでも発射される「ダガー」(弾頭は500 キロ!)は狂ったような速度(音速の10倍から15倍)で目標に到達する。だから、それを迎撃することができる対空ミサイルシステムは世界にひとつも存在しない。また、「ダガー」(高精度の武器であって、狙撃兵みたいだ)は、目標の中心からのずれがわずか1メートルの範囲内に着弾する!数十メートルにもわたっていくつもの入り口が散在する中、最初のダガーは中心的な「井戸」に向かい、次のダガーもさらにその後を追う。これは大量の爆発物だ!

「ウクライナにおけるNATO軍の大失敗」:

地下要塞の「先生と生徒」たちの中で生き残った者は一人もいなかった。総数は200人以上。何人かは西側の「聡明な」ジャーナリストたちで、何人かは米国の将軍や上級将校である。さらには、英国やポーランド、ウクライナからの連中だ。

そして、これこそがすでに述べた「袋の中の千枚通し」である。ギリシャのポータル「Pronews」は同国の国防省に近く、「ウクライナとNATOの合同指揮通信センターでの「キンジャール」極超音速ミサイルによる攻撃によって数十人の外国人将校たちが殺害された」と報じた。これは「ウクライナのNATO軍にとっては大災害」であった。

それだけではない。いくつかのキエフのサイトはすでに非難している。この緊急事態の後、国防省とウクライナ軍参謀本部の代表は米国大使館の絨毯が敷かれた部屋に導かれ、彼らは「統合指令本部の不適切な安全性」に関して叱責された。それと同時に、死んだ米国人上級将校のリストが手渡され、「少なくとも地中から遺体を確保する」ように命じられた。爆撃で殺害され、狂乱の中で窒息死した人々の死体は今掘り起こされている・・・

これまでのところ、ウクライナのソーシャルネットワークからの「リーク」によると、破壊された統合指令本部の廃墟の下から回収された遺体は40体だけである。

公式には:

ここで、39日、ロシア国防省がテレグラムチャンネルにおいてブリャンスク地域でキエフ政権が組織し、32日に実行したテロ行為に対してロシア軍は大規模な「報復攻撃」を加えたという控えめなメッセージを発表した事実を思い出さずにはいられない。同省はキンジャール極超音速ミサイルが使用されたことを強調した。

ところで、「国家危機研究所」の所長であるニコライ・ソローキンによると、この「報復爆撃」は他の結果ももたらした。この「シンクタンク」の破壊の結果、ウクライナ軍の次の攻撃はかなり遅延する可能性があると彼は考えている。この考えには独自の理由がある。攻撃は今も延期されている。儀式の慣習によれば、たぶん、彼らは死の日から40日間は待つことになるのかも・・・?

しかし、NATO諸国の首都はこの悲惨な非常事態についてなぜ沈黙しているのであろうか。おそらく、彼らはモスクワによって彼らの顔に喰わされたピンタを認めることを「恥じている」からであろう。あるいは、ロシアに対する敵対行為にNATO軍が積極的に参画していることを公然と認めることになる可能性があるからだ。

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これで全文の仮訳が終了した。

ここに報じられているロシアの極超音速ミサイルには二通りの名称がある。「キンジャール」と「ダガー」。この記事では両名称が混在している。

音速の10倍で飛行するミサイルの運動エネルギーは非常に大きい。たとえば500キロの弾頭がマッハ1で飛行している場合と比較すると、マッハ10のダガーミサイルの運動エネルギーは100倍になる。0.5トンの爆薬は50トンに相当する。マッハ15だと、225倍となり、0.5トンの爆薬は112トンに相当する。大雑把に言って、それだけ破壊力が増す。それが何発も同一カ所に撃ち込まれたならば、非常に大きな破壊力となる。数メートルの厚さの鉄筋コンクリートや地下100メートルの掩蔽壕も破壊されてしまう。

この引用記事では「袋の中の千枚通し」といった聞き慣れない表現が出てきた。文脈から判断すると、これは「隠蔽された情報」といった意味合いで使われているようだ。

参照:

1"The Catastrophe of NATO Forces in Ukraine": Russia with one blow of the "Dagger" on the secret bunker postponed the counteroffensive of the Armed Forces of Ukraine: By Victor Baranets, Komsomolskaya Pravda, Apr/15/2023

 




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