2023年1月12日木曜日

不当な死 ― レムデシビル剤

 

英語圏には「regulatory capture」という用語がある。これはウキペディアでは「規制の虜」と和訳されている。規制当局が被規制側に支配されてしまう状況を指す用語である。

新型コロナ感染症の大流行が世界を席巻して3年の月日が経った。この間にさまざまな不祥事が起こった。当初は実に巧妙に遂行され、人々の関心をひかずにいた行動であってさえも、時間の経過とともに、やがては綻びを見せてしまうのが人の世の常である。新型コロナ感染症を巡る各国政府による規制も例外ではない。

たとえば、人々の行動の自由を剥奪し、新型コロナウィルス感染症に対する恐怖感を煽って実践された都市閉鎖を例に取り上げてみよう。その効果に関してあれほどに議論が分かれた規制はかってあったのだろうか。都市閉鎖は本当に感染の伝播を食い止めたのだろうか?規制当局側は、恐らく、素晴らしい効果を示したと自画自賛するのであろうが、全然効果がなかったという専門家による批判もある。マスクの着用も然りである。そして、ワクチン接種の義務化をさらに促進するために諸々の規制が行われた。ワクチンパスポートの使用は、結局、ワクチンそのものの有効性が揺らいでしまって、各国で広く使用されるまでには至らなかった。総じて、さまざまな規制によって経済活動は弱まり、失業者が増加し、中小のビジネスは破産し、廃業に追い込まれて行った。そして、もっとも悲惨な状況はこの大流行の間に多数の死者が出たことである。今でも後遺症に悩まされている人たちは決して少なくはない。

新型コロナ感染症の流行を食い止めるためにはワクチン接種を行い、集団免疫を確立するしかないとの触れ込みで、新たに開発されたmRNAワクチンは米国のFDAから「緊急時の使用のための仮認可」を取得し、ワクチン接種が公に開始された。つまり、長期的な安全性の確認を行わずに、FDAは使用許可に踏み切ったのである。

2022114日の記事によると、米国ではFDACDCによって共同で運営されている「ワクチン有害事象報告制度」(VAERS)には2020年以降、31,696件の死亡について報告があった。この数値は過去30年間にあらゆる種類のワクチン接種によって引き起こされた死亡事故の総数の3倍にも達するという(原典:31,696 COVID Vaccine Death Claims Submitted to CDC’s Reporting System Since 2020: Triple All Other Vaccines Combined Over 30 Years: By Roman Balmakov, FACTS MATTER, Nov/04/2022)。今回の新型コロナワクチンによる死亡者の数は桁違いに多いのである。安全性の確認を徹底的には行わずに、緊急時の使用に踏み切ったつけは実に大きい。新型コロナワクチンは患者を救うよりも、むしろ、その副作用によってより多くの人たちを殺してしまったとして非難される所以である。

問題はこのVAERSが真の数値を示しているのかどうかである。ワクチン推進派は報告が多重に行われ、過大報告されていると言う。反ワクチン派は過少報告されていると主張する。どちらが本当なのかはわれわれ素人には分かりにくい。

ファイザー社とビオンテックが開発したmRNAワクチンは、202012月、FDAによって緊急時の使用について仮の認可が与えれた。その一方で、抗ウィルス剤として新型コロナ感染症の治療効果が専門家の間で高く評価されている、安全で、かつ、非常に廉価なイベルメクチンは新型コロナ感染症の治療薬としては承認されなかった。現場で患者の治療に当たっている医師らは初期治療用としてイベルメクチンを使いたくても使えない状況が現れた。端的に言って、FDAはmRNAワクチンの競争相手を市場に登場させたくはなかったのであろう。まさに、これは「規制の虜」によってもたらされた最大の負の遺産である。

もうひとつの「規制の虜」現象の例がレムデシビル剤にも見られる。こちらの事例も、mRNAワクチンの場合と同様に、新薬の使用を促すための動きであった。その意図は見え見えだ。言うまでもなく、「規制の虜」現象は米国の医療サービス体制をその内部から蝕む、極めて深刻な課題である。誰にも非常に分かり易い。しかしながら、この課題を是正しようとする具体策は上がっては来ない。そのような試みが成されると、既得勢力によってどこかで消されてしまうのだ。

ここに「不当な死 ― レムデシビル剤」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。

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副題:「恐れることはない、話し続けなさい。黙ってはいけない。」使徒行伝 18:9

20221227日、私は同僚とともにここネバダ州で2回目の「レムデシビル不法死亡訴訟」を起こし、ラスベガスの病院とそのスタッフがネバダ州の法律や医療倫理に違反して、過失を引き起こしたことに関して、新型コロナ患者の治療における金銭的インセンティブに動機付けられていたと主張した。

202011月、ネバダ州の女性が新型コロナ感染症を発症し、軽度の症状で病院に運ばれてきた。医師による診断の後に、彼女を一般の診察室に導き、医師は呼吸を助けるためにバイパップ装置(訳注:二相性気道内陽圧装置)に乗せた。 1123日は彼女にとってはすべてが正常であった。 理由は不明であるが、医師らは彼女に致命的なレムデシビル剤による4日間の治療を開始した。

20201128日までに、彼女は安定し、指標は正常に戻った。 またしても、理由は不明であるが、彼女をバイパップ装置から引き離し、ICUに移すことが決定された。翌日、彼女の指標と脈拍は正常に戻り、胸部X線結果が改善していたにもかかわらず、医師は再び「呼吸不全」のために彼女に挿管することを自発的に決定した。

レムデシビルの投薬を完了してから4日後の20201130日、このような病歴は以前にはなかったのであるが、この患者は明白な理由もなく発作を引き起こした。 125日、彼女は低血圧ショックに陥り、腎不全を見せ始めた。この美しい女性は、ほんの数日前には着実な改善を示していたにもかかわらず、2020127日に亡くなった。 彼女の発作障害と腎不全は両方とも、レムデシビルによる治療を完了してから数日以内に起こった。

レムデシビルは恐ろしい履歴を持った危険な実験薬である。死亡率が高いことから、エボラ出血熱の対象試験からは排除された。具体的に言うと、NAIADNIHWHODHHS、国防総省のDARPA部門、ならびに、ギリアド・サイエンシズ、等からの資金援助を受けた研究ではレムデシビルを投与された患者の53%が死亡した。死亡率が高いため、エボラ出血熱の対照試験からは排除された。具体的には、NAIADNIHWHODHHS、国防総省のDARPA部門、および、ギリアド・サイエンシズ、等が資金提供した研究ではレムデシビルを投与された患者の53%が死亡した。それは、とりわけ、既知の副作用としては肺が体液で満たされる症状、腎臓中毒、そして、他の臓器にも損傷を引き起こすという点で、患者にとっては極めて危険で、効果はない。それは、本質的には、それが治癒すると言うよりも、むしろ危害を引き起こすことを示しているのである。

レムデシビルは、レムデシビルの生みの親であるギリアド・サイエンシズと金銭的関係のある9人を含んでいる国立衛生研究所の専門家パネルによって推奨された後、202051日にFDAから緊急使用許可(EUA)を取得した。

米国においては、緊急使用許可の下で新薬が承認された場合、法律によってその新薬の使用を義務付けることはできず、患者は医師から十分な説明を聞き、患者がその医薬品の使用に同意しなければならない(インフォームド・コンセントと記述されることが多い)。患者の同意なしにそのような医薬品を使用することは、45 CFR 46によって成文化されているように、ニュルンベルク法に違反した人体実験に相当する。

完全なインフォームド・コンセントとは、致命的な副作用や薬が試験的に使用された期間に引き起こされた危害についての完全な情報を患者に提供する必要があることを意味する。患者たちはレムデシビルなしで新型コロナ感染症を生き延びる可能性は99.7%もあり、レムデシビルを投与すると死亡の確率が指数関数的に増加するということを患者に伝える必要がある。また、レムデシビルと挿管を組み合わせると、生存確率が指数関数的にさらに低下することも伝えなければならない。

医学的意思決定に関する患者側の自律性の権利は独特の基本的事項であるのだが、当案件においては患者もその家族もこれらの情報を知らされてはおらず、提供もされてはいない。むしろ、この患者は彼女自身を傷つけ、病院を豊かにするように設計されたプロトコールの一部としてレムデシビルを投与されたのである。私たちの訴訟は患者とその家族からこれらの重要な事実を意図的に隠すために病院がどのように協調して行動したのかを示している。病院側は彼女の治療に関する情報を患者に提供しなかっただけではなく、医療提供者らは彼らの専門的な判断に影響を与える可能性があり、最終的には影響を与える可能性のある個人的な研究や経済的利益については開示をしなかった。こうして、最終的には、患者には究極の影響を与えたのである。

不必要な治療を行い、インフォームド・コンセントなしに治療を行うことは医学的には非倫理的であり、ネバダ州の法律に違反している。 そして、残念ながら、これはこの地域内では数多くの病院で起こっている。 患者らは新型コロナ感染症とは関係のない問題を抱えて病院に来ることがよくある。彼らは新型コロナ感染症、または、「新型コロナ肺炎」にかかっていると言われ、家族から引き離され、ICUに入っていると宣言され(通常の診察室に導かれたばかりであってさえも)、レムデシビルが唯一の利用可能で安全な治療法であると言われ、「医学的アドバイス」に反して病院から出て行くと、彼らの保険は無効になると告げられる。そして、バイパップ装置に速やかに配置され、呼吸は困難になり、手は縛られており、顔から同装置を離すことはできない。彼らは苦しんでいるとか、彼らの部屋に来た精神科医によって患者が「興奮している」と判断された場合は医師らは患者を落ち着かせるためにモルヒネを投与する。 その後、イベルメクチンが安全で効果的な代替品であるにもかかわらず、レムデシビルが投与され、肺を乾燥させるためにベネドリルとタイレノールが与えられ、腎臓は過負荷の状態となる。食物と水は拒否される。

最後に、バイパップ装置で短期間を過ごした後、彼らにはほとんどの場合挿管が施され、レムデシビルの投薬時には禁忌である他の薬も投与される。そして、彼らは死を待つのみとなる。 この「プロトコール患者」のための殺人治療は平均して約9日かかる。これらのプロトコールが実装される度に、その結末はホラー物語の結末を反映する。毎回、患者にとっては死となるのである。しかしながら、病院にとっては、このレムデシビル死亡プロトコールは各病院が請求することができる金額を大幅に増加させるいくつかの特定のマーカーにヒットし、極めて反動的に聞こえることであろうが(実はまさにその通りであるのだが)、想定される新型コロナ感染症の死亡毎に州にはかなりの金銭的報酬をもたらすのである。

レムデシビルが新型コロナ感染症を治療すると言うのは嘘であるが、その嘘は財政的には非常に奨励されている。 ネバダ州はCARES法による支援策から10億ドルを受け取り、具体的には、医療提供者に対して24,100万ドルの現金支払いが直接分配された。CDCからの助成金として8,800万ドルが分配され、これはさまざまな試験や患者の接触範囲の追跡作業を強化することに使用された。そして、大流行に関連したコストに対処するために、7,000万ドルが医療提供者や地域保健サービスに分配された。

新型コロナ感染症に関連した経済的支援の一部として、新型コロナ感染症と診断された患者には三つの異なる料金を請求することができるのである。 (1) 外来患者に対しては一人当たり3,200ドル、(2) 複雑ではない状態の入院患者に対しては111,213ドル、(3) 複雑な状態にある患者に対しては461,780ドルを請求することができる(*これらの数値は2020年から2022年の間に僅かに変化した)。 

入院患者を「複雑ではない」状態から「複雑」な状態に移行するために必要なのは、患者が挿管されるか、ICU状態に置かれることだけである。 さらに、「メディケア」健康保険プログラムはレムデシビルを排他的な選択肢として提供する病院に対して、請求書全体で収集された金額の20%NCTAPボーナスとして許可し、それを配布する独自の請求コードを提供している。

私は皆さんに告げなければならない。私は極めてうんざりしているが、驚いているわけではない。 私はこのような状況がやって来るのを最初から観察していたからだ。私は道路標識を認めた。そして、私は途中でさまざまな政府機関によって呼び止められ、嫌がらせを受けた。2019年の終わりと2020年の最初の数日間、私はヨーロッパで使用されている新型コロナ感染症に対する既知の治療法の研究を開始し、そこでヒドロキシクロロキンが「Zパック」と組み合わせると効果的であることが証明されていることをまず見い出した。 そして、時計仕掛けのように、20203月、私は前知事がネバダ州製薬委員会と共謀して、この治療法へのアクセスを即時に、かつ、違法に閉鎖するのを目撃した。私は訴訟を起こし、できる限りそれに取り組んだ。裁判官はこの訴訟を引き受けることを恐れ、偽善に立ち向かうことを恐れていた。それから、私は彼らが私たちのビジネスを閉鎖し、許可されているよりもはるかに長い期間にわたって、そして、彼らが行使することは決して正当ではない権威によってわれわれ全員を封鎖し続けるのを見た。 そこで、私はビジネスの再開と教会へのアクセスに対する許可を求めて、再び、訴訟を起こした。 私たちはこれらの訴訟を可能な限り押し進め、教会がクリスマスに再開するのに間に合うように憲法修正第1条の訴訟を勝ち取った。

今日、私は大学の学生たちに強制されているワクチンの義務化と戦い続けており、私たちは、今、致命的なレムデシビル剤の使用に伴う病院による不当な死亡に関する二番目の訴訟を起こしているところだ。

私は真実を知っており、連中の答えによって鎮められてしまうことを拒否したことから実際に何が起こったのかをよく知っている。 私が声を張り上げた時、私は検閲され、私が現れた時には私は沈黙させられた。 しかし、今、関連文書が漏洩しており、真実は表面化している。

私がどうやってここに辿り着いたのか皆さんは疑問に思っているに違いない。皆さんも時間を遡るこの旅に参加して、物事のすべてがどのように展開して行ったのかを確認していただきたい。

皆さん、安全ベルトを締めてください!飛んだり跳ねたりする旅になるだろうから。

***

これで全文の仮訳が終了した。

何と言う内容であろうか!病院側の金儲けのために患者が殺されている。金儲けの虜である民間ビジネスの多くは規制の虜の状況において先兵役を務めている。国家機関や国際機関のエリートたちや国会議員たちはそれらの状況のすべてをそのように設計したのである。

このネバダ州の病院における実態はまさに官製の医療崩壊を示している。引用記事が伝えている内容によれば、このラスベガスの病院が女性患者に対して行った医療行為には数多くの疑問点がある。病院は患者が健康を回復するために自分たちが持っている専門的な知識や設備を駆使するのではなく、新型コロナ感染症の大流行に伴う連邦政府からの補助金を取り込もうとして、利益を最大化することだけに専念し、不法な医療行為も含めて、あれこれと決断し、行動した。そこには医療従事者としての伝統的な倫理観はそのかけらさえも見られない。

この女性患者に代わって自分自身がラスベガスの病院に居たとしたら、どうであろうか。プロトコール患者にされてしまう可能性があるのだ。たとえ軽度の症状で病院を訪れたとしても、複雑な病状に誘導され、プロトコール通りの医療行為が実施されて、連邦政府からの補助金制度に繰り込まれる公算が高い。そして、約9日後には死体となって病院から搬出される。患者側に安全と安心をもたらす筈のインフォームド・コンセントの制度はまったく別世界における枠組みのように見える。こういった一連の不法行為が実際に起こったことを具体例として報告されると、われわれ素人は憤怒を覚えさせられる。それと同時に、自分の無力さを痛感し、われわれが今住んでいる社会そのものには何とも言えない絶望感を感じさせられるのである。

 

参照:

注1:Wrongful Death - Agent Remdesivir: By Joey Gilbert, Jan/07/2023

 

 


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